カーターが新しいトリガータイプのリリーサー、ファーストチョイスを発表

IMG_0421カーター(Carter)が新しいトリガータイプのリリーサー、ファーストチョイス(1st Choice)を発表しました。

カーターファーストチョイス
資料を読む限りでは、トゥーシンプル(Too Simple)と同じ機構のまま、指がジョーまでの距離を長くしたモデルのようです。先日カーターに発注したばかりなので、次回入荷までには1-2か月はかかると思います。

Mathews No-CAM HTR

マシューズの2015年Newモデル、No-Camシリーズ。
その先陣を切って「HTR」が届きました。
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なんといってもノーカムの「引き味」が一番の興味でした。
それはいったいどんなものなのか。

まず弓の様子を見て見ましょう。
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上のリムポケット近くには「ハーモニックスタビライザー“ライト”」が装着されています。
そして下のリムポケット近くには「ハーモニックスタビライザー」が装着されています。(ライトに比べ約55グラム重いです)
さらに付属品として「ハーモニックダンパー」も2個付いてきますのでお好みの組み合わせで取り付けてください。
*ただし、「TRG」には「ハーモニックスタビライザー“ライト”」だけとなっていて「ハーモニックダンパー」は付属しません。「HTR」だけの付属ですのであしからず。

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ケーブルガイドはローラータイプが装着されます。

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グリップはマシューズのハンティングモデルでは一般的なウッドグリップではなく「フォーカスグリップ」が標準装着されています。*素材はハードラバーです。
グリップの中央縦に入るラインの部分がとがっていて、弓を押す手のひらの箇所が明確になっている設計のグリップです。

カラーは「ブラック/アンセム」
マシューズのコーポレートカラーである黒と黄色を用いたカラーリングです。
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他にはクロスカーボン模様の「タクティカル」、ガンメタルシルバーの新色「ストーンタクティカル」
そしてカモフラージュ柄となっています。

さて、ノーカムシリーズ共通の特徴である“カム”部分(厳密にはホイールとよぶべきでしょうか)
ベースはカム軸が中心を通る設計。
そのベースホイールの片面に偏心プーリー、もう一方に引き尺モジュールが付きます。
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偏心プーリーはリムを“しならせる”役目を持ちます。つまりエネルギーを蓄えるわけです。(上の写真奥側です)
そしてモジュールは引き尺とレットオフを制御します。
このシリーズ(HTR、TRG)はベースホイールの交換なしでモジュール交換のみで引き尺を変更できます。

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写真はHTR用のモジュールです。「HTR.G.85.A(B)」と刻まれています。HTR用で「G」と言う引き尺で*、レットオフ85%を意味します。(AとBは上用下用を指します。)

*「G」とは27インチを意味します。「A」なら30インチ、「E」は28インチ、「L」なら24.5インチとなります。

HTRは24インチから30インチまで。レットオフは65%、75%、85%が用意されています。購入時にはレットオフを指定してください。
もちろん購入後は別売りのモジュールでレットオフや引き尺を変更できます。
モジュールは0.5インチ刻みで用意されます。
用意されるポンドは50lb、60lb、70lb、です。

TRGも同じ理屈で構成されています。(TRG7、8、9により引き尺範囲が異なります)
コチラのレットオフは65%と75%の2択です。初回お求め時にご指定下さい。
用意されるポンドは40lb、50lb、60lb、70lb、80lbです。

 

HTR
このノーカムシステムはフルドローからのノックトラベルの延長上にバーガーホールが通ります。
引き出されたストリング(ノッキングポイント)から真っ直ぐに矢が押し出される設計になっています。正確性と精密さを追求した設計となっています。

HTR、TRG共通して言えるのが、ハンドル(ライザー)レングスがとても長い配分となっています。そのためリムは「パスト・パラレル」と言う配置になり、このHTRは32インチと言うアクセル間の割に大柄な印象を受けます。
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HTRのライザーレングスは約29インチもあります。  

さて、試引きをしてみます。

「はぁ!?」

引き始め(ストロークの約1/3過ぎまで)がとても優しいのです。
ピーク50ポンドの弓で40ポンド程度で推移します。
最近の一般的なCPのカムは引き始め0センチからいきなり最高潮の負荷を感じるかと思いますが、そのつもりで引くと、ノーカムシステムの引き始めがとても柔らかく感じるので「はぁ?」となったのです。

で!

真ん中過ぎたあたりから急激に負荷が増します。
これはなかなかの“峠”です。
乗り越えるのに一泡吹くかもしれません。(←感じ方には個人差があります)

そしてバレーに落ちます。
保持はレットオフ85%ですから当然ラクですね。でもバレーの幅が狭いのであまり85%らしさは感じられない印象です。
(ただ実測しますと、ピーク51ポンドに対しホールドは9ポンドだったので実際のレットオフは約83%でした)

では引き戻します。

「おおぉ!ラクだ!」

当然バレー位置から引き戻すわけですが、一般的なCPの引き戻しは突然「グイッ!!」と持って行かれる感じで、恐る恐る引き戻したりするかと思いますが、
ノーカムの場合は戻し始めのピーク以降はなだらかに落ちて(戻されて)いくので、体感的にラクに感じるのです。

ハッキリ言ってこのカムに矢を押し出すパワーを感じたかどうかと言えば、あまりありません。
ありません、と言えば残念な意味で捉えられるかもしれませんが、逆に言えばそこまで必要が無いのかもしれません。
反面、求められるべき精密性、精確性、再現性というターゲット競技における必要不可欠な要素は十二分に備えていると思います。

HTRはハンティングモデルとして銘打たれていますが、それはこのハンドルのデザインが汎用的なハンティングモデル定番のプラットフォームにしか過ぎず、フォーカスグリップを採用したりノーカムカムシステムを搭載することで精密射撃に対応し、また言い換えると販売価格が“高価になってしまった”TRGの廉価版として気軽にその精確性を感じて欲しいという狙いがあるのかもしれませんね。
そんな印象を受けました。

もう一つのノーカムシステム搭載、ターゲット競技に特化したハンドルデザイン「TRG」の入荷が楽しみになってきました。

円安と弊社販売価格について

本日、ドル円が117円となりました。2年くらい前には80円で、増税された3%の消費税(輸入品は輸入した時点で消費税が加算される)を入れるとちょうど仕入れ価格が1.5倍になりました。

多くのお客様から今後の販売価格についての問い合わせをいただきます。一番多いのは、いつ値上げになってしまいますかというものですが、基本的には分からないとしかお答えできません。

この時期に各メーカーから、新しい価格表が届きます。為替とは関係なく、ドル建ての価格表の2014年版から2015年版への更新時期なのです。昨日も某メーカーから、「11月28日以降は2014年の価格は失効し、この2015年の価格表が有効になります」という連絡があったばかりです。アメリカはデフレではないので、各メーカーの価格(ドル)も毎年少しずつ上がります(1~1.5%)。

2015年商品発表のタイミングはプロショップがメーカーに聞けば教えてくれるものですが、価格表の入れ替えのタイミングについては、たいてい教えてくれないので、こちらでも予想できません。

現在の価格はメーカー側が2015年の価格を発表した時点(非公開)で変えていく予定です。必要なものがある方は早めの注文をお勧めします。

フェザー入荷しました。やはり、気になるのは個体差かなと。

Trueflight個体差昨日書いたフェザーがついに入荷しました。ベインに比べて軽い、また、ベインよりもクリアランスがよいといった利点ばかり書きましたが、問題点といえば、やはり個体差です。天然のものですので、仕方ないのですが、個々のパーツの誤差がより少ないことを求めるアーチェリーにおいては気になる人が多いかもしれません。

Trueflight_検疫パッケージには…検疫でしょうか、アメリカ政府による「虫とかウイルスとか入ってないよ」シールが貼られています。

このフェザーは天然のターキー(七面鳥)の翼で、メーカーによると1つのターキーの翼からは1つか2つのフェザーしか作ることはできないそうです。ただ、色は天然のものではなく、着色されています。トラディショナルアーチェリーの著者、サム・ファダラは本の中で

フェザーの色は完全に個人の好みだ。白いフェザーが無数の色素によって染められるのは、農家たちが白い羽毛を持ったターキーを愛しているからではない。肉汁が多い胸肉を提供する成長速度の早い鳥は、何故だか白い羽で産まれるからだ。自然にしま模様のついたフェザーは巨大なアメリカンターキーから採れる。ただし、人工的にしま模様に染められたフェザーの方が自然界のものよりかなり安く手に入れることができる。自然なしま模様がついているフェザーは、白いフェザーより少しだけ耐久性が高いと言われているが、私には違いがないようにしか見えない。
(P.165より)

今回をきっかけに、自然の縞模様がついているフェザーまで手に入れる予定はないので、サムさんのいうことを信じて、この着色された天然ターキーフェザーで矢を作ってみます。

イーストン x7シャフトの一部サイズが販売を終了

イーストンX7の一部廃盤イーストンのX7シャフトですが、X23/X27シャフトと重なるサイズの販売が終了するとのことです。

該当スパインは 2312 / 2314 / 2315 / 2712 です。

弊社在庫のX7シャフトは特価品に追加しました。

X23/X27シャフトはX7シャフトと全く同じ性能のシャフトです。仕上げがハードアルマイトか、ダイヤモンド研磨シルバーアルマイトかの違いなので、まぁ、銀と黒が選べたのが選べなくなるだけです。X23のほうが若干高いですけど…。

How to Mix Drink 再度、趣味の一冊作りました。

Top_how_to_mix_drinkアーチェリーじゃなくなってしまったけど…前回の「アーチェリーの理論と実践」に続き、また、一冊、パブリックドメインの本を翻訳しました。

ここでの技術的な記事の半分以上は酒を飲みながらネタを考えたものです…もちろん、ロジックを確かなものにして記事を書くのは次の日の昼ですが。お酒に感謝しての一冊です。

「HOW TO MIX DRINKS or 美食家たちのお供(How to Mix Drinks or The Bon Vivant’s Companion(1862)」 ジェリー・トーマス 著

*19世紀のカクテルレシピ&リキュールの製造方法についての本です。

トゥルーフライトフェザーの構造と仕組み

Trueflight_feathers先日のワールドカップインドア・ステージ1で優勝したBraden選手がインドア用のシャフトにフェザーを使用していたので、取り扱ったことがないので、代理店に依頼して、資料と、明日サンプルが到着します。週末に試合があるので、すぐに試せるかは不明ですが…。
Trueflight_Feathers_4_Parabolic_日本語
なので、まずは資料の方に取り掛かっています。ただし、資料はフェザー全体ではなく、取り扱い予定のトゥルーフライト(Trueflight)というメーカーのものです。もしかしたら、メーカーによっては構造に違いがあるかもしれません。今回テスト予定の4インチパラボリックタイプで2.3グレインです。同じ4インチのEP-40は8.0グレインで、プラスチックベインの約30%の重さしかありません。その理由はプラスチックペインが1つの連続した物体であるのに対して、フェザーは土台となるマイクロフォームという羽軸とそこから延びる無数のウェブ(Web)から構成されていて、その中には多くの空洞が含まれていて、90%以上が空気(空洞)で構成されているとのことです。
Trueflight_feathers_17倍に拡大したイラストイメージ。フェザーの根っこの部分(シャフトは取り合わせるときに接着する部分)ですね。もともとフェザーは動物からとれるものを使用していましたが、現在では、マイクロフォームという樹脂から作られており、樹脂製のベースに対して、Cの形をしたウェブが重なっているという構造です。
Trueflight_feathers_2こちらは15倍に拡大したイラストイメージです。ウェブの先端を拡大したものです。ベースから1本ずつ伸びているので、レストなどヒットしても、その衝撃を吸収してシャフトに伝えません。そして、もう一つのフェザーの特徴であるフェザーの復元力の源である「フック・アンド・ファイバー」システムの「マイクロフック」を見つけることができます。これは片面のみにつけられていて、上のイラストではフェザーの右側(上側)にだけつけられています。
Trueflight_Feathers_復元力この構造がフェザーの復元力を生み、一つ一つのウェブに対して、マジックテープのように働き、ウェブ全体が1つの”羽根”として働くようにします。
Trueflight_feathers_350倍に拡大するとこんな感じです。手元に昔手に入れたフェザーがあり、見てみましたが、見えませんでした。もともと目も悪いので見える人には見えるかもしれません、0.013mmだそうです。左側と右側にそれぞれ1列ずつあり、右側の列が次のウェブの左側の列にホックすることで、全体をつなげています。簡単に言えば、細いマジックテープの集合体でその間に空気が入っているので、羽根として働きながらも軽量です。

この列はフェザーの空気を受けない側にだけあるので、プラスチックベインとは違い、フェザーには左右があります。写真は右用(RW)タイプの拡大図になります。

ちょっと面白そうな構造じゃないっすか:)
ただ、こう言った複雑な構造なので、値段はFFPやEP(エリートプラスティフレッチ)ベインの2-3倍の値段です。

入荷が楽しみです。

WIAIWS ONEリムは間違いなく振動の少ないおとなしいリムだが、矢速は?

WIN_WINWIS_one_Wood_limb_2015ウィンの新しいハンドルについては前の記事で書きました。こちらの記事では、リムについて書きます。
ウィン&ウィンアーチェリー工場7
まず、ONE(ワン)という名前の由来から。以前、ウィンの工場がテレビで紹介されたという記事を書きました。この中でひずみゲージによるテストを紹介しました。これはティリングという作業で、ひずみゲージはそのセンサ部で自身がどの程度折り曲げられているのかを測定します。このセンサをリム全体に張り付けて、リム全体がどのように曲がるのか、全体が均一に曲がっているのかを測定します。今回、ウィンのリムでは全体が同じ様曲がることを基本設計として組み込んでいます。それでワンという名前になっています。

しかし、全体が同じ様に曲がるのがよいのかどうかという点は分かりません。メーカーによっては、チップ部分を強調して作り、その部分により高い負荷がかかるようにしています。以前には、ウィン自身もそのようなリムを作っています(WINACT Focus)。あとは入荷してから調べてみたいと思いますが、ここ言いたいことは、全体に同じような負荷がかかるという設計は、これまで競合メーカー含めできなかった設計ではなく、メーカーが選択してこなかった設計ということです。どちらかというと、リムチップ側に高い負荷をかけるという設計が一般的です。

vib_03(グラフは短いほど性能がよい)

クアトロのテスト結果を以前に何個か記事にしました。ここの部分は現時点での自分の予想ですが、INNO EX POWERリムはクアトロリムと比較して、矢速の点では決して劣っていません。クアトロリムはF7と比べても速いリムではありません。EX POWERがクアトロと比べて明らかに劣っていたのは振動の収まりという点です。なので、今回のこのリムでは矢速の強化ではなく、矢速を維持したままで、クアトロよりもおとなしいリムを目指してきたのではないかと思っています。

それを目指してウィンが行った設計の方針変更の一つはリム全体へかかる負荷のバランスの見直し(リムチップ側へかかる負担の軽減)と、もう一つ振動吸収に優れた”Flaxpreg”という天然繊維をエポキシを固めて、シート状にしたものをリムに使用しています。このFlaxpreg素材によって、リム全体の振動吸収性能を飛躍的に高めているようです。

ウィンの説明では、これらの設計によって、リムチップの動きが他のメーカーに比べて飛躍的におとなしくなっているとしています。ただ、これは当然のことで、リムチップにかける負荷を減らせば、その動きがおとなしくなるのは当然です。

ここからは入荷してからでしか評価できませんが、これらの設計によって、新しいWIAWIS ONEリムが振動吸収性に優れ、大人しいリムになっているのは間違いないと思います。このリムを評価するうえで大事になってくるのは、これらの設計変更を加えて振動の収まりをクアトロ同等、もしくはそれ以上にした結果、矢速がどのようになっているかという点に尽きるのではないかと思います。矢速がEX POWERと同じかそれ以上であれば、このリムは間違いなく2015年の競技で大活躍するのではないかと思います。

あとは入荷を待ちます。

あと、同時に発表されたスタビライザーについては資料はあるものの、径と重量の情報がありませんので、それらの情報がないと評価できないため、まずは記事にしません。追加情報を待ちます。

ウィン&ウィンの2015年モデルのカーボンハンドル WIAWIS NANO MAXはウィンにとっての原点回帰

WIAWIS_MAX_INNO比較新しく発表されたWIAWIS NANO MAXを見て驚いた人は多いと思います。写真の左がINNO MAX、右がWIAWIS NANO MAXです。まぁ、どう見ても同じですね。完成品を見ていませんが、写真で比較する限り、INNO MAXはほぼ100%同じ形をしています。遠目で見分けることはまず不可能です。

では、WIAWIS NANO MAXとINNO MAXは何が違うかというと、ハンドルのバランスが変更されていて、従来の重心よりも30%前方にハンドルの重心を置いています。

先日、他の最新設計のハンドルではなく、再度5年前に登場したホイットのGMXハンドルで世界記録を更新した時のコメントですでに書きましたが、カーボンハンドルの優位性とは何だったのかというものが問われています。ウィンが初めてカーボンハンドルを発表した時には、ホイットをはじめ他社も追随すると思われました。しかし、その後サミックからもカーボンハンドルが出るという連絡があったものの、結局発売されず、ホイットもMKもカーボンハンドルは製造していません。

GMXのレビューは2008年11月、ちょうど6年前に書きましたが、GMXのコンセプトはホイットにとっての原点回帰というタイトルにしました。今回のこのWIAWIS Nano MAXハンドルはどうかというと、こちらもウィン&ウィンのカーボンハンドルの設計の原点に回帰したモデルになったといえます。

TFSシステム
この広告を覚えていますか。これは、ウィンが2009-2010年にプッシュしていたTFSシステムというもので、写真のように、発射時のハンドルのねじれ(矢のクリアランスを邪魔する方向の動き)を最小限にするという目的のものでした。
TFSシステム_Apecsハンドル
その仕組みは…まあ単純なもので、発射のハンドルの動きは支点であるグリップを中心に発生しますが、ハンドルを的方向に長くして、重心をグリップから離すことによって、ハンドルがより”固定される”状態を作り出すというものでした。それを搭載したハンドルTF Apecsは悪くないものでしたが、特にトラブルもなく、不具合も少なかったのに…個人的な印象としてはその奇抜的なデザイン、または確か14万円ほどもした定価が原因であまり支持されず、商業的には失敗したモデルとなりました。それ以降、ウィンは同様のデザインのハンドルを設計しなくなります。

front_weight
モールド形成
今回のWIAWISハンドルでは、デザインはINNO MAXと同様なものにしながらも、削り出していくアルミハンドルとは違って、カーボンハンドルの特徴であるモールド形成(写真下)という手法だからこそできるやり方で、ハンドルのバック側(的側)にウェイトを挿入することで、見た目はINNO MAXと同じでもハンドルの重心を30%前方に置くことを実現しています。ウェイトをハンドルに埋め込むことでTFSシステムと同様のものを実現しているのです。

ハンドルの中でも重心や重さにに偏りが生じれば、当然、振動・負荷はハンドル全体ではなく、特定の部分に集中しやすくなります。その対策として、新しいWIAWISハンドルでは、カーボンハンドルに使用されているカーボン繊維のアップグレードを行っており、リムなどには既に使用されているナノカーボンをハンドルにも使用することで、これまでのウィンのハンドルと比較して30〜40%強化されたカーボンを新しいハンドルでは使用しています。
ウィンの資料によると、シューティング中の振動を30%削減することに成功しているそうです。
最初にこの、INNO MAXと同じ形というある意味では非常に奇抜なデザインのハンドルを見たときは戸惑いましたが、その設計に対する思想としては、ある意味では”ウィン”のカーボンハンドルに対する考え方、重心を前方にして動きを抑制する・またバックの振動をより重点的にとる(NXエキスパートなどでの設計)を取り入れた、ウィンなりの原点回帰があるように感じられます。

NX_ハンドル_バックイメージ参考資料:NXエキスパートハンドル(2008)

このハンドルは今後のアーチェリー業界でのカーボンハンドルの成功を予想するための、一つの試金石になるように思います。