調べ物してたら…こんな時間に…これ書いたら通常業務に戻ります。以前に、FOCの謎という記事を書きました。同じような内容だったので、同じような題名に。
知っている人は知っていると思いますが、コンパウンド競技で使用されるスコープ(的を拡大してみるレンズ付きのサイトリング)についての正しい定義です。FOCの正しい定義を書いた時に意外に反響があったので、今度はレンズ編です。
コンパウンドのスコープレンズを購入する時、表示されているのは、多くの店では「0.5(x4)」というような表示がされていると思います。この表記は前者はレンズの度数を単位 “D” ディオプター(Diopters)であらわしており、後者は便宜的な度数表記となっています。つまり、「0.5(x4)」とは0.5Dで4倍のレンズという意味です。
ただ、実際にレンズを持っている方であれば、そのレンズを手にもって目からの距離を近づけてみたり、遠ざけてみたりしてみると見え方が変わってくることがわかるかと思いますが、レンズの倍率はそのレンズの度数だけではなく、レンズまでの距離にも影響受けるということです。0.5Dだから4倍というのは便宜的な表記にしかすぎません。
では、実際にはどの程度的が拡大されるのか。これには、公式があり、
となっています。ESI/39.37の部分はインチ換算です。また、ESI = Eye to Scope distance in Inchsとは目からスコープまでの距離で、それを39.37で割っているのはメートルに換算しているだけです。なので、実際にメートルで測定する場合は、ここにメートル表記で数字を記入してください。80cmなら0.8です。
*なぜこんな式になるのかという計算に興味がある方はこちらをご覧ください。
トップアーチャーの方にインタビューすると、4倍、倍率が高くてもせいぜい6倍までしか使用している選手しかいません。8倍の人はまず聞いたことがないです。しかし、メーカーでは1.0Dや1.2Dと言ったレンズまで作っているところが多くあります。それは何のためなのか…。
上の表を見ていただくとわかるとおり、それはショートドロー、引き尺が短い人のためのレンズです。上の表はシュアロック(とATA)が作ったもので左軸にレンズまでの距離、右軸にレンズのディオプター値があり、これを線で結ぶと、レンズの実効倍率を知ることができます。
引き尺が24インチでサイトに6インチエクステンダーを使用している場合、大まかに言ってレンズは30インチ先にありますが、その時、1.0Dのレンズを使用して初めて4倍の倍率を得ることができるということになります。
当然大事なのはレンズの便宜的な倍率表示ではなく、実効倍率ですので、自分のレンズが本当は的をどれだけ拡大しているのかを知ったうえで使用しましょう。