書き直しの記事です。一度、正確性を重視して書いたらものすごく長文でわかりにくい記事になったので、正確性を無視した、わかりやすいバージョンに書き直しました。ご理解ください。
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先日「ダンベル何キロ持てる」というアニメを見ました。筋トレコメディアニメなので、本気にする人は多くないと思いますが、やたらと「正しいフォーム」を前面に出してくるのが気になりました。
ボディビルダーの筋肉は使えないという話を聞いたことがある人は多いと思います。しかし、筋肉は筋肉です。「使える筋肉」と「使えない筋肉」があるわけではありません。誰でも筋トレして身につく筋肉は同じです。「使える筋肉」と「使えない筋肉」の違いは、正しいフォームを身につけているかです。
では、筋トレにおける正しいフォームとはなにか。筋トレとは筋肉を鍛えること=筋肉に負荷をかけることです。そのために、筋トレにおける正しいフォームとは、筋肉に負荷がよりかかる動作ということになります。そのフォームが身についてしまうことが、いわゆる「使えない筋肉」が身につくということです。
アーチェリーでいえば、同じ50回の素引きでも、次の日に筋肉痛になるフォームが正しいフォームです。筋肉に正しい負荷がかかり、筋肥大が期待できます。しかし、筋トレが目的ではなく、アーチェリーをやっている側からすれば、いかに筋肉に負担をかけずに効率よく弓を引くか、50回素引きしたならば、筋肉痛にならないほうが正しいフォームに決まっています。
すべてのスポーツに言えるかはわかりませんが、少なくとも、アーチェリーにおいては、できるだけ筋肉を使わない動作が正しいフォームになります。しかし、筋トレにおいては、できるだけ筋肉を使う動作が正しいフォームになり、目指す方向性は逆です。この点にはご注意ください。
ボディビルダーの偉い人の言葉を引用すれば、
ベンチプレスを例にお話ししましょう。ビルダーがベンチプレスを行う目的は胸の筋肉を盛ることです。(中略)アスリートがベンチプレスを行う目的は、主に相手に競り負けない体作りや競技上必要な押す力の強化。この場合、とにかくパワーを追求するのが目的なので、どの筋肉を使おうが、できるだけ重いウエイトを上げることが最優先です。関節を痛めつけるような不合理な動きではなければ、自分が最も力を発揮しやすいフォームで鍛えれば良いし、私もケガの危険性がなければ、フォームに関してそれほど細かく指導しません。
“ウエイトの筋肉”と“スポーツの筋肉”は違うってホント? 「筋肉論争」の是非 - 岡田 隆
です。