スカイロン(SKYLON)同価格帯比較。

前回の記事では、シャフトの比較からスカイロン(SKYLON)シャフトの性質を分析してみましたが、今回は予算の点から、同価格帯のシャフトと比較してみたいと思います。

(本日時点)
Paragon 13,800円
Carbon ONE 11,800円
Apollo 8,200円
Brixxon 7,200円

(シャフト+ポイント+ピン価格)
Paragon 15,600円
Carbon ONE 15,060円

Apollo 10,660円
Brixxon 9,000円

予算という点ではApolloとBrixxonが同一価格帯でノックとベインを加えて、1万円ちょっとで作れる矢、ParagonとCarbon ONEが2万円弱でつくれることとなります。外径ではParagonが細く、残りの3つは差がありますが、最大でも0.2mm程度ですので、どれも細さは同じといっていいと思います。

逆にGPIは少しの差ですが、矢の長さ分の倍数となるので、これらのシャフトの主な売れ筋、600-900番ではCarbon ONEとBrixxonに差はないのですが(最大で約6gr)、Apolloとでは30インチ時で30-40gr違います。

精度ですが、スカイロンのシャフトはV1、Carbon ONEはV3、ApolloはV5となります。精度が良いほど競技に適するのは当然ですが、最低限V2-V3あたりの必要ですので、趣味ではなく、競技にも参加する場合には、Apolloでは不十分です。

耐久性はこの価格帯のシャフトを購入するのは、多くが低ポンドですので、正直Paragonのような40トンカーボンが必要とは思いません。公表されていませんが、アポロに使用されているグレードでも、特に問題は発生していません。ただ、高ポンド帯で使用する場合には考慮が必要です。

対して、高グレードのカーボンを使用しているメリットは耐摩耗性にはあります。スカイロンのシャフトは長期間使用してもスパインの変化が少ないメリットが期待できます(発売されたばかりなので実証はできませんが)。

正直、同価格帯であれば、どちらもイーストンのものより優れています。このような比較を書いていて思うのは、シャフトもこれからはハンドルやリムのような、住み分けがされるようなマーケットになるかもしれません。

私がアーチェリーを始めたころは、ヤマハが全価格帯のリムを作っていて、ただのグラスリムでも定価で6万円もしました。現在では、大きく状況は違い、上位モデルは当時と同じくらいの価格ですが、エントリークラスのものは、多くのメーカーの参入があり、大きく価格が下がりました。大手メーカーも別ブランドにしたりして、価格を下げてシェアを維持しようとしています(HOYTはほぼ諦めているようです)。

今後、シャフトでも、上位モデルは作れるメーカーも少なく、価格は維持されると考えますが、多くのメーカーが参入してきている、低価格・中価格帯のオールカーボンストレートシャフトでは、全体的に価格が下がっていくと思います。この変化は5-10年単位で今後起こってくるのではないでしょうか。大手プロショップもアバロンに接触していると聞きます。選択肢が増えることは基本的にアーチャーにとってもよいことだと考えます。


クリス選手初メジャー大会チャンピオンに。

2017年からだと思いますが、ナショナルチームにセレクトされた2年目で、クリス選手(Kris Schaff)が、現在トルコで行われているワールドカップ・ファイナルで優勝しました。初メジャータイトルとして、WAのホームページでもニュースとして取り上げられています

厳密には昨年度の旧ビクトリーモデルですが、現行モデルはほぼ同じ性能で10万円を切る価格です。また、近年メーカーの設計で、スプリットリム・ワイドリムが人気の中で、細いソリッドリムのモデルがまた注目されることになるでしょうか。


プライム(PRIME)が2019年ターゲットボウ Logic CT9を発表しました。

事前情報なく、突如プライムが2019年のターゲットボウを発表しました。ちょっとびっくりですが、内容としては期待できるものが出ます。

2018年モデルのCentergy X1が発表されたときの記事に書きましたが、プライムが導入したCentergy(センタジー)テクノロジーは安定性では評価を受けたものの、その矢速は315fpsと、かなり昔に発表されたTRG7(321fps)よりもありませんでした。まぁ、予想通り、2018年のプライムCentergy X1はあまり実績を残すことができませんでした。

課題は明らかで、2019年プライムは新しいTRMカムを開発して、ロジックのハンドルに装着したLogic CT9で矢速325fpsと、同じ39インチモデルでは、ONE STX 39より2fps矢速を向上させることに成功しました。昨日記事にしたPSEが好評のカムをそのままにハンドルの開発に注力したように、プライムはハンドルをそのままに(みればわかりますが基本的に既存のLogicハンティングモデルを伸ばしただけ)、カムの開発に注力したようです。

デザインとしては、ソリッドから、スプリットワイドリムシステムを採用したので、リムポケットPSEみたいに、ショートリムを採用したので、全体の印象はマシューズかな(笑)

課題に向き合って確実に前進したものの、プライムっぽさはカムシステムくらいにしか残っておらず、どういう性格の弓となっているのか正直想像がつかないです。10月出荷開始です。

一点、恐らく矢速を出すために、カムは最適化されているので、ドローレングスの調整はカムごとの交換が必要となります。マシューズのようなシングルカムではないので、ドローレングスの変更の費用は1万円を超えます(本日時点で問い合わせされたら13800円)。

G5 PRIME Logic CT9

ハンティングモデルなどはまだ発表があるそうです。


数値で見るCarbon Paragon / Brixxon シャフト。

来週の後半に入荷する、SKYLONのシャフトですが、スペックでその性質を見てみたいと思います。Paragon(パラゴン)の方ですが、外径は市場で最も細いXtremeとほぼ同じ値です。一番差が大きい500番でも、その差は0.006″= 0.15mmなので、髪の毛1本分ほどですので、同じといってもよいかと思います。

Brixxonの方ですが、最も近いのはVAPです。コンパウンドで主に使用される400-550番はVAPのほうが細いですが、リカーブなどの600番以降で差がなくなります。

次に重さの比較です。この時通常はGPIを使いますが、それでは実感が難しいと思うので、左のグラフはシャフトにした時の違いです。軽さの比較ですので、軽い事を売りとしたACEとVAPを比較に使いました(X10などはそもそも軽いのが売りではない)。

Paragonは先ほど定義したコンパウンドスパイン帯では、VAPよりも20gr程度重く、ACEと同程度、しかし太さは先ほどグラフ通り、ACEより13%細い(400番)ので、その性質はX10やXtremeに近い「細く、かつ、重さ」のあるシャフトであると言えます。リカーブスパイン帯では、細く、かつ、軽いシャフトです。

Brixxonですが、こちらは太さはVAPと近いのですが、重さはあります。コンパウンドスパイン帯では軽くはないシャフトですね。ACEよりも60gr近く重いのですから。数字を見ていくとBrixxonはX10プロツアーと同じような数値となっています。

リカーブスパイン帯では一気に軽くなり、ACEと同じ程度ですので、低価格で、ACEと同じくらいの軽さを持ち、高い耐久性を期待できるシャフトであると言えます。

最後に細さを価格で割るという、細さコストパフォーマンスなの数値を掲載してみました(参考価格)。数値が高いほどコストパフォーマンスが良いです。

Brixxon 61.2
Paragon 38.0
VAP 27.7
Nano SST 16.2
Nano Xtreme 12.6
X10(参考値) 11.9

ダントツでBrixxonが高く、次いでParagonとVAP。このあたりが軽くてお買い得なシャフトです。

Brixxonは価格で選択される(予算あるならわざわざ選ぶモデルではない)と思います。アバロンのテックワンとの比較では、耐久性を欲しい方はこちらになるでしょう。インスパイアよりはかなり高いですし、対アポロではすべての点で優れていると感じます。イーストンのブランド力以外の観点でアポロを選択する価値はないかもしれません(*)。

*シャフトの話です。矢全体では、ポイントの方がアポロは安かったり、インサートノックvsピンノックといったように大きな違いはあります。

そして、SKYLONの最上位モデルParagonは、700番台以降では、かなり競技に適したシャフトだと考えます。700番より柔らかい、つまり、低ポンドでは、ほぼすべての場合において、細く、軽いことは絶対的な正義です。

中ポンド帯では最も軽いシャフトではないので、その圧倒的な細さに魅力を感じる方に適したシャフトであると言えます。低速で70メートル飛ぶリカーブでは、Paragonの方が多くのシャフトより風の影響を受けにくいと思います。高速で50メートルのコンパウンドでは、ちょっと断言は難しいです。

高ポンド帯では、その性質は安いX10と考えてよいと思います。ただ、全く違うのは安い分、ただのストレートシャフトであること。このことはコンパウンドでは大きな影響がないので、安いX10プロツアーと考えても、がっかりしないと思います。

対して、リカーブではその性能はX10やACEと競合することは困難でしょう。ただ、同価格帯のACCや、カーボンワンから移行する場合には、明らかに矢速と風の影響の少なさは実感できると思います。ACGクラスでは絶対的な矢速の向上は実感できるはずです(500番で約80grも軽いので)。逆に移行して違いを感じにくいのはSSTあたりだと思います。

X10もですが、多くのスパインではACEより重いですが、柔らかいスパインでは、ACEよりも軽いです。スパインによって性質が異なるシャフトは多くあります。以上の数値で、気になっているスパインでの、これら新しいシャフトの性質をご確認いただければと思います。

初入荷は全スパインで1ダースとなります。ご理解ください。

通常販売はこれを2回行った後の予定です。


PSE 2019年フラッグシップライン発表。

PSEの2019年、ターゲットラインは発表済みですが、昨日、フラッグシップライン(主にハンティング向け)の2019年モデルが発表されました。

*SUPRA FOCUS 2019 レビュー

新しいEvoke(イヴォーク) 35 SEですが、昨年のモデルに比べると、リム・カムシステムには変化はなく、ハンドルデザインを変更して、ゲージデザインを導入して安定性を高めたモデルになっています。ターゲットモデルのスープラ・フォーカスもそうですが、新しいカムが出ていないので、ハンドル側を改良して安定性の向上が今年のテーマのようです。

アクセサリー周りでは、ストリングストッパーにダンパーが導入されています。ターゲットモデルでは従来のバックストップ4ですが、装着はできるのではないでしょうか(確認中)。

また、写真はありませんが、カーボンモデルのステルスSEで35インチモデルが登場します。以上がPSEの2019年上位モデルとなります。


Carbon Paragon 40トンカーボンシャフトの販売について。

昨日発表された低価格の40トンカーボンシャフトをどう販売するか一晩悩んでいました。現在市場ではCX社が販売している40トンカーボンモデルがあり、その性能と耐久性については、高い評価を得ていると思っています。

ただ、慣れていないグレードのカーボンが使用されているため、個人的にはスパイン選択が難しかったと記憶しています。多くの世界大会で実績を残していますが、高価格でスパイン選択が難しい(スパイン間違えると高い買い替えになる)ことが、トップ選手の評価が高くても、一般競技者であまり普及しない原因ではないかと考えています。

対して、今回発表されたシャフトはACCと同価格帯で、かつ、振る舞いが素直なストレートシャフトで、慣れ親しみやすい商品となるのではないかと思いますが、それでも、この価格帯では使用されない高性能なカーボンですので、メーカー提供のスパイン選択についての情報だけではなく、一般の意見も考慮にいれて、大きく販売すべきだと思っています。

そのため、スタートは仕入れをある程度に制限し、お客様のフィードバックで、この商品の個性が理解できた時点で、大きく売り出すことを予定しています。よろしくお願いします。


AVALON TEC ONE シャフトの上位モデルが登場します。

ちょっとワクワクするお知らせが届きました。好評をいただいている(在庫切れ分は来週末の入荷です)アバロンのテックワンシャフトですが、この度、姉妹ブランドのスカイロン(SKYLON)より、上位モデルが登場します。商品の話は聞いていましたが、そのスペックと設定された価格を見てびっくりです。これ、テックワンと同じくらい高く評価されると思います!!

発表されたシリーズは3つ。

・3.2mm(0.125″) 40トンカーボンシリーズ 
 -Carbon Paragon(パラゴン) 0.001″ / 400-1000
 -Carbon Precium 0.003″
 -Carbon Performa 0.006″

まずは目玉の高性能40トンカーボンを使用した極細シャフトです。500番スパイン時の外径(以降すべてカタログ値)は0.195″で、これはイーストンのX10よりも細く(0.205″)、現在最も細いシャフトであるNano Xtreme(0.199″)をも下回ります。それでいて、弊社では0.001″の最上位を中心に販売予定ですが、価格はACCくらいで出せそうです。かなりすごいことだと思います。ちなみに0.006″では、価格はカーボンワンと同じくらいになりますが、この精度にはあまり手を出したくありません。好評で要望があれば0.003″の扱いは考えようと思います。

・24トンカーボンシリーズ
 -Carbon Brixxon(ブリクソン) 4.2mm(0.166″) 0.001″ / 400-1100
 -Carbon Bruxx 23 8.0mm(0.315″) 0.001″
 
次に、24トンカーボン(これでもイーストンの上位モデルと同等のグレード)を使用した、ターゲットモデルとインドアモデルになります。Brixxonは500番で0.231″、イーストンのACG(480番 0.226″)と同じ、または、現行のテックワンともほぼ同じ太さになっています。価格もアポロより少し高いくらいで販売できそうです。こちらも相当魅力的です。

最後に、3Kカーボンを使用した中口径フィールド用(ウルトラライトと同じ口径)のシャフトと、3Kカーボン使用のインドアシャフトも発表されました。

まだ、実物を見ていないのですが、スペックから見るにものすごくコストパフォーマンスの高い商品だと思います。すべてストレートシャフトなので、バレルタイプや複合スパインシャフトとは戦えないかもしれませんが、リカーブではイーストンのACG以下のストレートシャフトと、真っ向勝負できる商品だと考えています。

コンパウンドなら、VAPあたりと競合するでしょうか。

品質はこれまで扱ってきたテックワンを考えれば、期待しても裏切られないのではないでしょうか。また、価格にはピンインサートの価格が含まれていて、ブレークオフポイントも2,000円を切る値段で提供可能です。

順次入荷しますが、いずれもテックワンシャフトよりは高いので、テックワンシャフトの販売も継続します。

インドアシャフトは需要を見て販売考えます(*)。

*500/8.84mm – 400/8.95″ – 350/8.97″ – 300/9.02″ 口径はファットボーイとほぼ同じです。予定販売価格は8,200円です。


1万円のグラスリムをどう評価するか。

2019年に向けてリカーブ販売ラインの評価をしています。が、やはり、低価格帯が一番難しいです。

正確には把握していませんが、WNS/KAP/CARTEL/KINETIC/CORE/SAMICK/KROSSENなど、1万円台の低価格のグラスリムは10モデルほど市場に出ています。今名前が出たメーカーはすべて取り扱いできますが、販売する以上、お客様にそれを説明できなければいけないのですが、この価格帯のリムには基本的に違いがありません(少なくとも私には)。また、リムはシリアルに工場の特徴が出るので、10モデル以上あっても、製造しているのは実際には4工場です。

さらに、基本的に初心者の方が購入するものですので、始めたばかりのお客様に求める性能を聞いても、例えば矢速を重視するのかなど、聞いても明確な回答を得られることは稀です。

-リムに大きな性能差がない
-リムに大きな価格差がない
-リムに違いがあるとしても、お客様側のニーズが明確ではない

以上の理由から、実際には今後AXIOM+αよりも1,000円くらい安く販売できるグラスリムはありますが、これまでの実績、モデルチェンジによる細部の調整、耐久性の高さの3点を評価して、2019年も販売する一番安いILFリムは、WINNESのAXIOM+αリムで行きたいと思います。

他にも面白いリムはあるんですけどね…カーボン入っていないとやっぱり大きな違いは出ません(特に低ポンドでは)。

【試入荷】低価格グラスリム
 (ありがとうございました)


Bernie’sがConquest Archeryとして復活。

7月にBernie’sがアーチェリービジネスを終了と伝えましたが、その設備を買収したコンクエストアーチェリー(Conquest Archery)が来月から販売を開始することとなりました。弊社での取り扱いはしばらく様子を見てみたいと思います。

Conquest Archery


Buon giorno! 坂本です。

Buon giorno! 坂本です。先日、世界フィールドを終えてイタリアから帰ってきました。

結果は、、
アンマーク402
マーク 391
トータル793

22位までがイリミネーション進出でしたが、その22位の座を自分含めた3人が同点で並んでシュートオフになりましたが、距離差で敗れました。最終順位は24位です。多くの方にリアルタイムで応援していただきました。良い結果に結びつけることが出来なくて申し訳ございませんでした。応援ありがとうございました!

今回の世界フィールドのコースは、スキー場に沿って特設されたアンマーク24ポスト、マーク24ポストの合計48ポストで行われました。ベアボウ、リカーブ、コンパウンドがそれぞれ別の山に入って1日かけて24ポストまわります。終わるまで戻ってこないので昼食も山の中で摂ります。僕がまわったコースは日本のコースとは違って林の中は少なく、ひらけたところにポツンと的が置いてあることが多かったです。野原に突然置いてある的の距離を読むのはかなり悩まされました。

全体的に急な射ち上げ、射ち下ろしはない印象でしたが、ファイナルラウンドはスキージャンプ台の下に造られていて、難しそうな角度の射ち上げでした。

日本はRC男子で大貫選手が金メダル、RC女子で深澤選手が銅メダルを獲得しました。やりました!

写真はファイナルの特設コースです。