この記事は2020年4月12日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

近射的を作ってみた。

*作ってみた、とは言え数年前の事ですが。
*運用の際は周りの環境や設置方法、安全面に関し充分すぎるくらいの確認・配慮をし、行射を行いましょう。

ついに発出されました史上初の緊急事態宣言。
その前からも射場は軒並みクローズになり「禁射」を強いられる毎日に皆さま悶々とされてらっしゃることかと思います。

そこで数年前に「近射」的を作った経験があるので、今回はその素材や作り方のヒントをご紹介します。

ふと「近射的を作ってみよう」と思い立ち、フォーム素材の製造加工業者さんと打ち合わせをし、おすすめのフォーム素材を用意してもらい、私の58ポンドのコンパウンドボウで2mの距離から撃ちこんでみました。

素材は「発泡ポリエチレンフォーム」と言う素材で、防音、遮音、耐振性の高い素材でして、車の内装、イスやマット類のクッション材から梱包材としても使えるなど、応用範囲の広い素材です。
その中で、密度:65kg/㎡、圧縮応力:139kpaのフォームを使用しました。
この数値より低いと柔らかく、すぐに貫通するなど耐久性で難を感じたのでこの程度の硬さ(密度)が良いと判断。
ただ、あまり硬くなりすぎると今度は矢が抜けなくなります。
矢が抜けないとこれはこれで厄介です。
もちろんフォームブロックの裏側には貫通しても矢が止まるように防矢マットを垂らすなどの施しは必ず必要ですのでお忘れなく。

*運用の際は周りの環境や設置方法、安全面に関し充分すぎるくらいの確認・配慮をし、行射を行いましょう。

さて、写真は厚さが5センチ、幅が50センチ、奥行きが25センチのフォームマットを8枚積み重ね、角あて材(ここでは簡易的なもの)をかまして荷締めベルトでガッチリと縛ったものです。

58ポンド(CP)の弓で2mの距離から100射程度をまん中めがけて集中的に撃った後の様子です。
*矢はイーストン/プロツアー
当たり所によっては裏側に20センチ程度ぬけていますね。

58ポンドで2mの距離から1面だけに集中的に撃ちましたので貫通度合いの結果は極端ですが、これを例えば・・・フォームマットの奥行をもう少し長くしたものを用意し、低ポンドでかつ、まんべんなく撃ち、そして各所がヘタって来たらベルトを緩めてフォームマットの並べ順や向き、また、面を変えて組み直せば長く使える事になります。
必要枚数は10枚あればよいでしょう。

また角あて材に付け加えて、面の部分にコンパネ板もあてがっておけば均等に締め付けられるので、着弾の際の矢が押し込む力によりマットがずれていくことを防ぐことが出来ます。
この手の材料はホームセンターや通販サイトのモノタロウと言ったところで見つける事が出来ます。

当時はこの近射的に使用したマット(50cmx25cmx5cm)は1枚当たり1,000円しないぐらいの価格でした。
*ちなみに50x40x5で1枚当たり、1,600円ぐらい。

ただ、このフォームマットはブロック体になってもそれ自体が軽いのでそのまま打つと台などから落ちるかもしれません。ある程度は固定するようにしましょう。

出来合いの近射的もいいですが、ちょっと工夫してみるのもいいかもしれませんね。

*運用の際は周りの環境や設置方法、安全面に関し充分すぎるくらいの確認・配慮をし、行射を行いましょう。


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Yamada

山田ヒロ - JPアーチェリープロショップ店長。主にコンパウンドを担当。元日本記録(コンパウンド70mW)保持者。 連絡先 cp_jp@archery-shop.jp
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10 thoughts on “近射的を作ってみた。

  1. こういう情報はとてもありがたいです
    また楽しくアーチェリーができるように、今は近射でできることをやろうかなと思いました

  2. コンパウンドの高ポンドでは、長く使用できないという判断で、当時記事にはしませんでしたが、リカーブや緊急事態宣言下の期間であれば、十分な機能かなと思います。的も配る予定です。いろいろと工夫して乗り切りましょう!

  3. 的を配っていただけるんですね!
    ありがとうございます!
    今、他に購入するものを選定中…
    なくならないうちにポチッとします

  4. 近射的 以前から ほしいと思っていました
    このクッション材を 通販してもらえるものかどうか (こちら 北海道)
    もし 加工業者さんに 確認していただければ
    とても うれしい

  5. >近射的 以前から ほしいと思っていました
    このクッション材を 通販してもらえるものかどうか(こちら 北海道)
    もし 加工業者さんに 確認していただければとてもうれしい

    業者名は「富士ゴム産業(株)」さんです。(静岡市)
    連絡先は054-364-4416です。
    「法人のみ」となっていますが個人でも取引相談には乗っていただけるようです。価格などまずは見積の確認をしてください。
    ただし、アーチェリーの的や素材・相性に関する相談や質問は答えられないのでくれぐれもお尋ねにならないようにしてください。
    ・使用素材:発泡ポリエチレンフォーム(P0015)
    ・サイズ:500x500x50
    ・最低注文枚数:4枚以上(4枚の倍数)
    ・その他 送料+代引き料がかかります。
    以上です。
    *記事の中で紹介しました500x250x50ではあくまでもテストのための参考サイズです。500x500×50の方が長持ちするだろうという判断です。

  6. 富士ゴム産業さんは個人向けに「スポンジセンター」という専用サイトがありますよ~。
    この手の素材はホームセンターやモノタロウに無くてかなり探してました。

    近射的をDIYするにはうってつけです!
    ウチではポリウレタンフォームでなくチップウレタン使ってますがいい感じです。

  7. 情報提供ありがとうございます。こういった、原価に占める送料の割合が大きいものは、弊社で卸で仕入れても、高い価格でしか販売できないので、メーカーから直接の購入をお勧めしています。

  8.  自作の的に関連して、例えば、YouTubeでarchery backstopという名前で検索するとゴムマットを使ったものやいらないカーペットを流用したものなど様々なアイデアのDIYをみることができます。日本には「畳」という優れた素材があるのでターゲットマットの自作に関して情報が少ないような気がしますが、大いに参考になります。
     フィールドの的の背後に大きな防護ネットを張るよりは、バックストップ的なゴムカーペットもありな感じがします。

  9. これについては距離の問題だと思います。自宅に50mの距離を取れるとしたら、適当な素材、リカーブなら使わなくなったヨガマットでも十分です。しかし、5mの距離だとすると、適切な素材ではないと矢がはね返り、危険ですので、正しい素材の選定が必要となります。国内では、矢の威力が減衰するほどの距離を取れないことが問題なのかと思っています。

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