エリートのエナジー35とプライムのONE STX V2を比べて。

さて、新しい相棒となったプライムのONE STX36 V2ですが、まずは、昨年使用していたエリートのエナジーを比較するところからセッティングを始めてみたい思います。一見してわかるとおり、ONEのほうがアクセル間が36インチで、エナジー35は35に設定されていますが、弓自体の大きさは圧倒的にエナジーのほうが大きいことがわかります。それはリムの差し込み角度を考慮して設計された結果であり、ONEの方はバーティカルデザイン、エナジーの方はパラレルデザインと呼ばれています。

パラレルデザインのメリットは発射時にリムが前ではなく、上下にそれぞれ動くので、その動きが相殺されて、弓が大人しくなることです。対して、バーティカルデザインの弓ではリムは前に動くので、その反作用として、発射時には弓がグリップに押し付けられる形となり、”グリップが正しければ”弓はより安定します。また、グリップに弓が押し付けられる動きの反作用として、ベアボウの状態であれば、弓はリカーブボウのように飛び出します。

この大きな違いがあるために、スダライザーのセッティングはエナジーと大きく変える必要があると考えています。

写真は2012年のワールドカップで、ディブ選手の使用している当時のターゲットモデル・セントロイド(Centroid)はパラレルデザインに近い設計だったことがわかります。近年、モデルが更新されるたびにプライムではリムを立たせる方向にあります。

リムの角度には大きなこだわりがあるようで、プライムにはユニークなリムポケット調整があります。リムの角度は2点によって決まりますが、多くのメーカーがリムボルト側のみ調整できるのに対して、プライムではリムボルトだけではなく、反対側のリムとハンドルの接点の角度も調整できます。
リムボルト側はボルトの締め込みで行いますが、反対側は昔のヤマハのようにスペーサーの交換で3段階調整になっています。最も厚みのあるスペーサーが赤、ミディアムが緑、ローが青です。自分のモデルでは、青が初期設定で挿入されているのが確認できます。この部分の調整の必要性に関してはあるとも言えますが、相当セッティングを煮詰めた後にいじるべきものではないか思います。まずは考えいこととします。

ONE STX36 V2ではケーブルストップとリムストップの両方を選択することができます。まずは、ケーブルストップでセッティングを開始します。パラレルカムだからこそですね、ケーブルストップがカムの真ん中についています。

センターショットは13/16″とされていますが、近年のケーブルガードを大きく調整できるモデルの場合には、あくまでも参考にしかならないことが多いです。この部分を調節することはそのままセンターショットの変化につながります。

弓全体の重さはエナジーよりも0.2ポンド(約100g)ほど軽いです。また、シミュレーターによれば、矢速は3fpsほどエナジー35よりも向上するようなので、それを考慮して、次のスタビライザーセッティングに入っていきたい思います。いろいろと試していますが、飛び出しがある弓なので、意外にリカーブ用のスタビライザーとの相性も悪くないようです。悩みますね。

3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーの違い。

先日、3Dアーチェリーについての記事を書きましたが、少し情報が不足していたために、質問がありましたので、補足します。

3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーとは当然異なる競技ですが、シャフトを選択する時の違いは的があるかという点です。フィールドアーチェリーはご存知のように、的があり、真ん中に行くほど点数が高いのです。

対して、3D競技はハンティングを競技にしたものですので、ターゲットは急所(バイタルエリア)が高得点ですが、ここが急所ですよとは教えてくれません。選手はハンティング同様にターゲットの形状から高得点の急所を予測してシューティングすることは求められます。

そのために、フィールド競技よりも、より矢は太いほうが有利とされていて、3D競技向けシャフト=大口径&軽量という意味でメーカーのカタログでは使用されています。

ローラン(ROLAN)がユニークなデザインのコンパウンド発表。

低価格の練習・レジャー用弓で有名なフランスのローランがユニークなデザインのコンポジットライザーを使用したコンパウンドボウ、CAMBIUM(コンビウム)を発表しました。

スペックは練習用のゼロレットオフタイプで、31インチまで同じポンドで引けます。ポンドは21-24ポンドなので競技で使用するのは難しいと思います。コンポジットハンドル…というよりも、リカーブのハンドルをほぼそのまま使用している感じです。アクセル間は35.6インチ、ブレースハイトは7.25インチ、重さは最軽量に近い3ポンド(1,360g)で、4色での展開。3月ごろの入荷を予定しています(黒のみ在庫予定)。

アークシステム(Arc Systeme)がスリムロッドを使用したグラビティ(Gravity)を発表。

フランスのユニークなデザインが多いことで知られるアークシステム(Arc Systeme)が新しいスタビライザーシリーズ、グラビティ(Gravity)を発表。近年、多くのメーカーから発表されている風の提供を抑えるスリムロッドを使用したスタビライザーです。

ロッド径は15mmということで、極細のカーボンロッドを採用したウィンドドラゴンの12.3mmを更新はできませんでしたが、ドインカーの超高級スタビライザーのヒーローとはほぼ同じ値を達成しています。


X-Rod WIND DRAGON PRO-X ”プラス” = 12.3mm
HERO = 14.5mm
X SLIM = 16mm

メーカー実験では、HMC22などを使用している場合には30-35%、HMC+を使用している場合には20-30%、Nano ACSなどを使用している場合には15-20%程度風の影響を抑えることができるとしています。

まだ、発表されたばかり、具体的な情報があまりありませんが、可能であればテストしてみたいと思っています。今年のワールドカップで採用する選手が現れると期待しています。

2017年はプライム(PRIME)をONE STX 36 V2 82X Cカムを使います。

プライムアーチェリーのワールドカップ2017ステージ2・Nimesの出場シューターたちです。増えてきましたね。自分は2014-2015年はマシューズで、2015-2016年はエリートを使ってきましたが、2017年シーズンはプライムを使う事にしました。

現在弊社では山田がマシューズ、坂本がエリートを使用しています。あくまでも自分はプロの道具屋だと認識していますので、現在弊社で使用選手のいないプロライムの弓をより理解するために、プライムの弓を今年は研究していこうと思います。

道具屋として、今後の目標は全主要メーカー(残りはホイット/PSE/ボウテック-矢はイーストン)で全日に入賞といったものにしようと考えています。プライムで結果が出たら、次は最近元気なボウテックでしょうか(気が早いっすね)。

さっそく、82Xという使用したことのない素材を利用した2017年モデルのSTX36を送ってもらいました。自分がいじる前に…坂本が借りたいというので、先週末に岐阜インドアで貸し出し、574点というそれなりの結果を出してきたようです。今日返してもらったので、今週からいじっていこうと思います。競技は中断していたフィールドをメインに調整していく予定です。

カムのトラック構造からして、いじり甲斐のある弓な気がします。楽しみです。

使用モデルに関しては現在使用しているエナジー35と大きくATAの変わらないようONE STX 36 V2を選択しました。カムはA(引き心地重視)カム~C(矢速重視)カムまであるなかで、10fpsも違うので、フィールド競技に必要とされる矢速が出るCカムを選択しました。

プライムは452Xを使用していますが、自分はBCY-Xのほうが好きなので、まずは一通りチューニングして、ストリング/ケーブルの交換から考えています。3月くらいからまた競技に復帰する予定です。

ゴールドチップ(GOLD TIP) NINE.3 MAX プロが初世界戦メダル獲得。

昨日のワールドカップ2017・ステージ2で、ボルチェ選手(Jean Philippe Boulch)が3位を獲得し、ゴールドチップの2016年ラインナップから登場したNINE.3 MAX プロ初の世界戦でのメダルとなりました。

トップ選手の間でも非常に評価の高いシャフトではありますが、スパインは250番の1つだけで、ボルチェ選手のようなロングドローの選手にはぴったりですが、低ポンド/ショートドローの選手が使いこなすのは難しいと思います。

来シーズンよりは取り寄せで取り扱いしたいと思います。

【訂正】ニーム・インドア2017、決勝ラウンドはじまる

昨日、予選がすべて終了し、決勝ラウンドが始まりました。

なかなか波乱のあるトーナメントになり、予選で世界新記録を出したエリソン選手がシュートオフの末に、ジンヘク選手に敗れました。また、女子リカーブでは予選は上位10名のうち、8名が韓国選手で独占する勢いでしたが、最終ラウンドに残った4名のうちでは1名だけとなってしまいました。予選ラウンドと決勝トーナメントとでは、また、違う戦略が必要なのかもしれないですね。

男子コンパウンドでは、マシューズに移籍したジェシー選手が594点で10位、ブラックイーグル使用のアレックス選手591点で24位、決勝は昨年インタビューに応じていただいたPSEのハンセン選手XSウィングの開発者であるデヤン選手。共同開発者のエリソン選手も3位決定戦に進出したのですごいですね。

女子コンパウンドは、24位通過のデンマークのタニア選手と2位通過で順当に勝ち上がってきたナタリア選手との戦いとなります。

最終ラウンドは今晩の夜です。

【訂正】 WAのリストに誤りがあり、コンパウンド部門のみ、決勝進出選手と3位決定戦進出の選手が間違っておりました。申し訳ございませんでした。15時公開、19時ごろに誤りに気付き、いったん取り下げて再公開しました。

エリソン選手、2か月でインドア世界記録を再更新 599点。

(Nimes 2017 Adrian Boyer © より)

前回の世界新から2か月、エリソン選手が再び世界記録を更新し、599点としました。

写真を見る限り、使用している弓は前回の記録から変わっていないようで、プロディジーシステムを改造して使用しています。この改造版の方をホイットが標準搭載してくれるといいんですけどね。。。

ジェーク・カミンスキー選手がホイット(HOYT)からウィン(WIN&WIN)に、弓は未定

2017年シーズン、アメリカのオリンピックメダリスト、ジェーク・カミンスキー選手がホイット(HOYT)からウィン(WIN&WIN)に代わることが発表されました。現在はINNO AXT & WIAWIS フォームを使用して調整しているとのことですが、2017年の新型ハンドル・リムはまだ届いていないらしく、届き次第テストの結果によっては、新モデルの方を使うかもしれないとのことで、正式にはまだ使用する弓は決まっていないようです。

プロディジーが発表されたときは、そのチューニング方法から、必要性までかなりホイット(HOYT)を擁護する感じのコメントをしていたのですが、それがウィンにうつったは結構衝撃的なことです。

2012年ロンドンオリンピック銀メダル、2016年リオオリンピック銀メダル。2020年東京ではどのような結果が待っているでしょうか。楽しみです。

ウィンの2017年はいい感じで幕開けしましたが…新しいスタビライザーの価格すげぇ―高いっす(-_-;)

アーチャー向けのサプリの中身は 栄養・栄養学について考える 6

前回の記事では一般的なトレーニング用のプロテインについて解析しましたが、今回はアーチェリー向けのサプリメントについて考えます。国内の競技人口の関係だと思いますが、自分が知っている限りでは、日本ではアーチェリー用のアーチャー向けのサプリは製造されいていません。しかし、海外にはいくつか存在します。その中で今回は、アメリカのトップ選手も使用するMTN OPSのものを研究しましょう。

(ジェシー選手のフェイスブックより)

メーカーの説明では、アーチェリー向けの製品を開発するにあたり、トップ選手たちからの聞き取りを行ったところ、4つの機能が特に要望が多く、それに沿う形で開発を進めたとのことです。その機能とは、

・エネルギー補給
・水分補給
・リカバリー
・Cardio Enhancement

の4つとのことです。前半の3つはどのような運動でも必要なものだと思いますが、最後のものはあまり見かけない機能ではないかと思います。つまり、海外からアーチェリー向けのサプリを輸入するか、既存の3機能を持つサプリに最後の機能を足せば、アメリカで開発されたアーチェリー用サプリに近いものを自作できるということです。

日本語に翻訳するのも難しいのですが、「Cardio Enhancement」を直訳すると心臓強化という意味になります。その効果(*)は血管を広げ、血流量を増やし、それによって血圧を下げ、血圧が下がることで間接的に心拍数を下げることです。心拍数を下げる、または運動中の心拍数の増加を抑えることがが期待されているわけです。

*独自研究にもづくものでアメリカ食品医薬品局によって承認された効果ではないとのこと

アーチェリー競技において心拍数の安定はある程度にはパフォーマンスと関係があるとされているか思います。では、その中身はどうなっているのか。

主たる原材料は、L-アルギニンと-LシトルリンとOPS Bio-Protectant Blendいう独自成分の3つです。L-アルギニンと-Lシトルリンの2つを調べると、国内では精力剤として利用されていることが多いようです。なるほど…血流を増やすと…まぁ、そうですね。どちらも比較的にそちら方面では有名な栄養素のようでサプリメントは簡単にDHCなどの大手も出しています。

難しいのはOPSの独自ブレンドのBio-Protectantの方で、中身はイノシトール、不安感の発生頻度を低下させるためのものから、伝統的に抗血液凝固作用を持つとされる霊芝エキスなどまで入っています。こちらの方を自分でブレンドするのにはちょっと知識が必要になるかもしれません。

決して、この記事をもって読者の方に何かのサプリをお勧めするつもりはありません。効果については人それぞれです。

ただ、アメリカではアーチェリー用にサプリが開発されており、それには一般的なものに日本では精力剤として用いられている原材料が使われ、血流を増やすことでパフォーマンスの向上が図られるよう設計されているということです。試すかどうかは自己責任で、まぁ、大手のDHCから出ているものでも1か月1,000円程度なので、弦を変えたくらいの気持ちでいかがでしょう。

続く。