アーチェリーの経営

この写真の本、昔アーチェリープロショップについての本かと思って図書館まで見に行ったのですが、アーチェリー場の経営についての本でした。事業としてアーチェリー場が成り立っていた時代が昔にはありました。ただ、以前、江戸川アーチェリーさんにも話を聞きに行ったのですが、土地の価格の高騰で、23区内ではもう利益が出るような営業は難しいようです。

ただ、これは都市部の話で、地方では土地の価格は逆に下落しているので、そういった地域では再度事業としての可能性が出てきているのではないかと思います。

私が通っていた、足立区の私営のアーチェリー場についてざっくり調べてみると、土地の路線価は平米260,000円で、1600平米だとすると、土地の価値は約4億円、この土地で6%の売上を出すためには一日あたり7万円もの売上が必要で、1000円で毎日70人の利用者…難しすぎます。このあたりが事業としてのアーチェリー場が都市からなくなっていった原因だと思っています。

ここで6%という数字を使ったのは、ずっとこの数字を使っているのですが、不動産の収益は基本的に土地の価格の何%の利回りがあるかで見ます。プロが運用する不動産(J-REIT)の平均利回りは約4%ですので、売上で表面利回り6%、経費率30%で実質利回りが4%で事業として成立すると言って良いと考えています。1000万円で作ったアーチェリー場を経営して、年の売上が60万円以上あれば成り立つということです。

これを使って逆算すると、自分の試算では営業日あたり1000円ほどの売上は期待できるのではないかと思っているので、営業日を200日とすると、年20万円の売上、つまり、アーチェリー場を約330万円で作れば良いことになります。

アーチェリー場の造成・設備はそれほど高いものではないので、100万円とざっくり試算し、230万円を上限に土地を探していくことになります。

*他の方もアーチェリー場を作って、アーチェリーを体験できる場所を日本中に増やしていきたいので、具体的な数字で書いていきます。金勘定の多い下品な記事になっています。ご理解ください。


挑戦 アーチェリー場は作れるのか?

最初に趣旨をまとめておくと、自分で私営アーチェリー場は作れるのかという一連の記事になる予定です。興味がある方はぜひ。

下記の記事を書いたあたりから、プライバシーが保護され、いろいろな電子機器が自由に使用できるアーチェリー場が必要とされているのではないかと思うようになりました。自分の思いはもっとあるのですが、最終的に企画が失敗したら恥ずかしいので、今語るのはこのくらいにしておきます。

私が今まで利用させていただいてきたアーチェリー場はほとんどが公営のものですが、高校の春にアーチェリーを初めて、学校が利用できない夏休みの間には、当時近所にあった私営のロビンフットアーチェリーレンジでアーチェリーの練習をさせていただきました。

グーグルマップで確認すると、2003年末までは健在であったようですが、現在は住宅地になっていました。あとは江戸川アーチェリーさんにも以前お邪魔させていただきました。フィールドアーチェリー場はみなさん私営なのでいつもお世話になっています。

話を聞くとアーチェリー場の運営はそれほど利益が出るものではないようですが、土地も下落した今、工夫すればなんとかなる私営でも運営できるのではないかと思っています。それを実証するため、自分たちでアーチェリー場を作って運営してみようという企画です。

また、近年アーチェリーショップに関しては、ある程度のノウハウが知られた結果、全国で増えていますが、私営アーチェリー場のノウハウを整理して公開することで、アーチェリー場が全国に増える結果になければ大成功ですが、そんな事ができるのか挑戦していきたいと思っています。

ちなみに最初に「自分で」と書いたのは、いろいろ調べた結果、東京から1時間位のアクセスの場合、目安として3000万円以上あれば、金が十分にあれば、別に挑戦するようなことでもありません。ほぼすべての障害はお金で解決できます。当たり前ですがアーチェリー場がすでに存在する限り、ノウハウは存在しています。お金になるので公開されていないだけです。今回は少ない予算で、できるところは自分たちでやりますので、全部調べてそのノウハウを共有できたらと思っています。

写真は3つの不動産売買の契約書です。何千万の物件なら仲介手数料は100万円以上になるので、不動産仲介屋は豪華なバインダーに契約書を入れてくれます(写真中・右)が、安い不動産だと仲介の手間はほぼ変わらないのに仲介手数料は10万円にもならないので、売買契約書(写真左)は100均のクリアファイル入り…まぁ豪華だからっていいこともないんですけど。ありがとうございます。

これまでのシリーズ通り、ほぼ決まっておらず、経過を報告していきます。挑戦は「私営」の部分です。作ることは決まっているので、最終的に失敗して、自分だけが利用するプライベート射場に終わる可能性はあります。また今後協力していただける方(運営)を募集する予定です。

続く


ゆうちょ銀行振り込みに対応しました

ゆうちょ銀行がサービス停止している期間ではございますが…これまで銀行振り込みは住信SBIネット銀行で、ゆうちょ銀行は振替のみ対応していましたが、お客様の要望により、ゆうちょ銀行への振込に対応しました。昨日より購入時に選択いただけますので、お客様の環境により異なる手数料が安い方法をご選択ください。


素人ハンター御用達のトレイルカメラ

プロのハンターは木とか地面を見ただけで動物がどのように生息しているのか理解できるらしいのですが、厳しいライセンス制の日本ではみんなプロですが、特に厳しい制限のないアメリカのハンターの多くは年に1-2回しかハンティングしない素人です。それらのハンターの強い味方がこのトレイルカメラです。

簡易に設置できる防犯カメラみたいなものです。この本体にカメラ・電源・メモリが全部入っていて、防水されています。昔はアメリカのメーカーで5万くらいした記憶がありますが、今や、中国製のノーブランド品ならえ5千円台で購入可能です。しかも届いたら、電池と64GBのSD付き、安!

これを自分の獲物の通り道だと予想した場所に取り付けて、後に回収し、生態を探って、仕留める方法を考えるわけです。これならサンデーハンターでも、成功する確率を上げていくことができます。

ということで、今回は屋根に設置しました。ここで何かが起きています。

発見、在宅していなかった、8時58分に屋根の上を通っていて、写真はこれだけなので、ただの通り道にされているようです。なぜ、わざわざここ通る?

さて、日本は素人のハンティング禁止なので、ここからが問題ですね。ちょっとだけハンター気分になったという記事でした。基本方針としてはセンサを光源か、音源につなげて追い払いたいと思います。ハクビシンかな?


全日本アーチェリー連盟公式Tシャツなど販売中

以前紹介した全ア連のクラウドファンディング、最終結果が気になって確認したところ、ほぼ倍の118万円まで金額を伸ばして終了していました。クラウドファンディング自体は終了していますが、現在は全ア連グッスの販売サイトになっており、写真上のTシャツや、タオル、ピンバッジの販売をしています。

こちらから購入いただけます。

全日本アーチェリー連盟公式Tシャツ | furisake


クロスボウを諦めきれないあなたにACCUBOW

アーチェリーシミュレーションを製造するAccubowからクロスボウ型のシミュレータが発表されました。矢を発射する機能は装備されていないので、問題なく日本でも使用できます。

出荷はまだ始まっていませんが、なかなか面白そうですよ。

ACCUBOWは昔テスト販売したことがあるのですが、そのときにはトレーニング装置としてでした。商品自体は良いものですが、アメリカからの送料が高く、正式販売は断念した経緯があります。

今回、改めて調べた所、商品はそこまで変わっていないのですが、使用できるトレーニング用アプリが毎年更新されて進化しており、2023年バージョンでは流鏑馬とか、対ゾンビ戦といったモードがあるようです。定期的にチェックしないとですね。

2018
2022

上が2018年のアプリ、下が2022年です。この4年間の進化はすごいですね。取り扱い予定ですが、ただ、現在のテストで新しいアプリがなかなかリッチでして、業務用携帯(Snapdragon 680/4GB)でたまにフリーズします。


弓随想 弓道愛好家がアーチェリーを理解するために~弓の文化論~

部屋の片付けをしていたら出てきた本です。アマゾンによると2019年に買ったらしいのですが、ちょっと読んで放り投げた本です。まだ売っているのかなと思ってアマゾンを覗いたらまさかの評価3.7とそれなりの評価でまだ販売中でした…どういう人が読んでいるのかわかりませんが、この本でアーチェリーを勉強しないでください。

パラッと読み返しただけで、

1. 昔は弓道家が和弓でオリンピックに参加していた → な訳はない

2.現代のアーチェリーは女性参加を即すために競技距離を短くした → 19世紀から違う距離です

3.ベアボウ部門は和弓と同じでウェイトを装着できない → できます

ということで、ご理解ください。

【追記】処分予定ですがコメントの返信のためにもう少しはこの本を手元においておきます。ただ、次の掃除では処分するので、コメントのタイミングによってはもう中身の再確認ができないかもしれません。


好評のロワーダンパーに新色追加です

好評のホイット(HOYT)のロワーダンパーですが、2023年に新色が追加されることになりました。店舗ではバーボン色を新規に在庫します。残りの2色は取り寄せとなります。ハンティングモデルにも使用されているダンパーですので、青や赤みたいなターゲットカラーが追加される日は来るのだろうか。

まぁ、カバーをこのように分解できるので、塗装するのはそんなに難しくはないとは思います。

HOYT ロワーダンパー


低価格帯のリムのねじれ修正について

http://archer-king.blogspot.com/より

リムのねじれの修正方法については先輩たちに教わってやり方を実践してきたし常識的な情報なのですが、その根拠を「俺がやってるから」とするわけにはいかず、リカーブチューニングマニュアルには載せなかったのですが、ヤマハアーチェリーのメンテナンスガイドにて、オフィシャル情報として確認できました。次回のチューニングマニュアルの更新にて、リムのねじれ修正法として追加します。

まず、原文を翻訳すると、

Q. リムがねじれてしまった場合の対処法はありますか?

A-1. 右にねじれている場合、左回りに2-3度修正して、一日中そのままにしておきます。

A-2. ねじれの逆方向に力を加えて、リムから20〜30cm離してドライヤーで温める。温めは焦らず繰り返し行う。決して急いで温めないこと。

A-3. リムのコーティングが傷んでいない(剥がれや傷がない)場合、リムをお湯(約40℃)に5分弱つけてから、逆方向にひねることを繰り返す。

ヤマハアーチェリー1988年 英語版 P.7

となります。追加情報を加えるとA-1に関してはそのとおりです。A-2に関しては、ヤマハのリムではバック面(イラストの面)でやっていますが、リムの構造によっては逆の面から温めたほうが有効的だったりしますので、両面試してみてください。A-3に関しては水の浸透が問題なので、フォーム素材であれば傷があっても問題ないと思います。また、もう少し温度が高くても良く効果的なのですが、手とお湯の熱さとの戦いになります。

*題名で低価格リムとしましたのは、これらのやり方は昔はすべてのリムで有効でしたが、製造技術が進化したことで、今では高ポンドの上位リムでは有効ではありません。低ポンド(30ポンドくらいかな)のリムや、低価格(3万円程度)のリムでしか有効ではなくなっています。


デファクトの標準、ATAとHDS

下記の記事同様、歴史編に組み込まれるべき内容だとは思うのですが、どこに入れるか迷っているので、単独の記事として書きました。

イギリスをスポーツとしての発祥の地とし、弓具はアメリカで進化したアーチェリーの道具にはインチ・ポンド表示が使用されています。これはデファクトスタンダード(事実上の標準)と呼ばれます。対となるものは、デジュリスタンダード(定められた標準)です。これがアーチェリーではメートルとインチがごちゃまぜになっている理由です。民主的に運用されているWAはアーチェリーの競技形式を「定める」権限があります。現在、多くの国ではメートルを採用しているので多数決によって、競技ではメートルを使用することが定められていて、強制力が存在します。

そのため競技ではメートルが使用されます。一方で、道具はWAの管轄ではなく、国際的な団体ではないものの、事実上の標準としてアメリカのATAがあります。世界最大のアーチェリーメーカー組合です。彼らによってアーチェリーの規格が決められており、そこでインチ/ポンドが使用されているため、道具は未だにインチ表示になっています。その歴史を少し。

14世紀のイギリスにもアーチェリー職人組合が存在していましたが、それらは競争を促進するための組織ではなく、むしろ競争しないための組合として存在していました。最初の現代的な組合が組織されたのはアメリカです。第二次世界大戦後、軍事需要がなくなったことで、ホイットの創業者のように多くの技術者が転職することとなり、アーチェリーメーカーがどんどん増えていきます。

規格が混乱する中、組合のような組織のアイデアは1947年の全米アーチェリー大会の際に発案されます。1953年の全米大会で、実際に45社のメーカーとディーラーが集まって合意に達して、アーチェリー製造販売業者協会(Archery Manufacturers and Dealers Association = AMADA)が設立されました(法人化は翌年)。その目的は、業界の標準規格を確立、ボウハンティングとターゲットアーチェリーを普及です。

1965年に名称がAMO(Archery Manufacturers Organization)に変更され、ディーラーとの関係が変化します。AMOはメーカーだけのための団体となります。

初期の規格(AMO標準)は1968年に制定され、弓の名称や弦の長さなどを定めたものでした。現在では、コンパウンドに関する規格などが加わり、22の ルールが「ATA 標準」として定められています。86年からこれらの規格は、AMOではなくASTM(米国材料試験協会)のガイドラインとして運営されています。

推測になりますが、規格を決めるときにディーラーまで口出してきたら話がまとまらなかったなど、揉めたのでしょう。規格が広く知られた後、94年、AMOは略称を変更しないで、名称をArchery Manufacturers and Merchants(商業) Organizationとして、再度ディーラー参加できる組織に変更されました。その後、2003年にATA(Archery Trade Association)となり、私達のプロショップにとっては、メーカーと直接話し合う場であるトレードショーで知られています。

日本では1960年代にヤマハなどのメーカーがアーチェリー事業に参入しますが、当時はアメリカにもまだATAの規格はありません。そのために日本では、それぞれのメーカーが独自の規格を採用していました。

国産メーカーは少なくとも8社はありましたが、表示ポンドの基準すらバラバラでした。ネジサイズ等は詳細の記録がないのでわかりませんが、最後まで生き残ったヤマハ(ミリ採用)とニシザワ(インチ採用)の2社でもネジのサイズが違っていたので、過去にはもっと混乱していたのではないかと思います。まぁ、アメリカも初期は同じような状況で、それを主要メーカーが組合を作って話し合い、規格を統一していきますが、残念ながら日本ではメーカーがまとまることはありませんでした。21世紀に入って国産メーカーは消滅します。近年アーチェリーに新しく参入した西川アーチェリーはATA規格に沿って製造しています。

もう一つの事実上の標準はハンドルとリムの結合システムで、HDS(Hoyt Dovetail System)と呼ばれています。名前通り、ホイット社によって開発されたシステムだったのですが、ホイット社が特許を開放し他社にも使用させたために、現在ではすべての競技用の弓に採用されています。

この記事を書くに当たり、特許を再度読んでみましたが、私はこの特許がシステム全体のものだと思っていましたが、リムのピンとダボ(FIG.5)についてだけのものでした。つまり、リムボルトまでの距離は関係ありません。

21世紀に入り、ホイットはリムボルトからダボまでの距離を伸ばしたフォーミュラ規格を発表し、従来の規格をグランプリ規格と再定義しました。ホイットの商標ですので、他社ではフォーミュラ規格をF規格、グランプリ規格をILF(International Limb Fitting)規格と呼ぶことが多いですが、いずれもHDSシステムです(*)。

*HDS=グランプリ=ILFと勘違いしていました。申し訳ございません。フォーミュラもHDSです。