久しぶりにトータルアーチェリーを読む。

そういえば、東京オリンピックにショートヘアで出場した、アンサン選手に非難・中傷という記事を見たことがありましたが、ロングヘアのときのほうが自分もいいと思いますが、わざわざ非難しなくたって、髪型はその人の自由ですからね。でもショートはショートで(という話ではなかった)。。

この試合が記憶に乗っているのは、同じ韓国チームでも、これだけ対象的な射型をしているのだなという点です。どちらかといえば、クラシカルな射型をしているアンサン選手が今回のオリンピックでは活躍しましたね。

トータルアーチェリーでの射型は基本的に合理性に重点を置いていますが、その分チェックポイントが多く、週2-3程度しか練習していない選手にとっては、身につけるのは大変困難だと思っています。プロを目指して週に2000射くらいしていればいいのでしょうが、読んだ当時、こりゃ無理だと諦めた記憶があります。

しかし、実践しなくても、その情報には価値があります。特に、Vバーによってスタビライザーは3次元のセッティングになったのに対して、スタンダードな射型の理論はダブルロッド(上下にサイドロッド程度のスタビを付けるセッティング)から進化がなく、ほぼ2次元にとどまっていました。前後に2枚の壁に囲まれているイメージで射つといった理論です。

それに対して、トータルアーチェリーのKSL理論では、これを3次元(的で言えば、3-9時方向の動きの説明)で説明しています。その軸での動きに問題を感じたら、読み返すといいことがあるかもしれません。下記の記事の肘の高さの問題でその解決策を探っているところです。

KSL理論の英語版は無料で公開されています。それと、さっき見にいったら翻訳してくれたら連絡頂戴とあったので、近いうちに日本語版を翻訳して送ろうと思います。自分がだいぶお世話になっているKinoveaやそのベースのOpenCVも無料で使えるのは、誰かが中で頑張っているからです。自分も少しでも貢献できればと思っています。


アシストアーチェリーさん、頑張ってください!

少し前にコメント欄でアシストアーチェリーさんについて書かれていて、気になったので、再度覗いてみました。

創業当時は中古屋として始まったと記憶しています。本屋と中古本屋や別になっているようにアーチェリーの世界でも同じです。私達がメーカーにワランティ(保証)請求する時には、当然最初に買われたユーザーでないといけないわけで、それは信頼の問題です。

しかし、中古品も扱うと、立場が違ってくるので、新品と中古品を両方売るプロショップを運営することは事実上不可能です。ですので、アシストさんは同じ業界ではあるものの、あまり関わりがなかったのですが、講習生がすごく結果を残しているみたいで、見てみました。

内容に細かくは突っ込みませなんが、こういうプロショップが増えてくるといいですね。非常に良心的です。以前に、あまり高くない弓具でも全日本で戦えますかと聞かれたことがありましたが、全日本で戦ってきた経験として、高い弓具は必要ないですが、お金は必要ですとお答えしました。

X10を買う必要はありません、パラゴンでも十分です。でも、差額はたったの3万円です。私が現在1度の練習に使う費用が交通費780円(往復)、射場代300円(4時間)、機能性飲料代180円(500ml)で、約1300円です。週3練習するなら、1-2ヶ月で3万円の差額など消えます。

本当に全日本に出ている人の多くは、道具代よりも、遠征費・練習・試合出場費のほうがかかっているのが現実です。記録を見ると自分が全日本で準優勝した年でも、道具代は15万円でしたが、練習代と遠征代は40万を超えています。そこにしっかりとお金をかけて、いい環境を整えるためにも、道具に無駄に高いお金を払う必要はないというのは、まさにそのとおりで、お金が必要な状況はいくらでもありますから。


ドインカー社スタビライザー製造を再開。

昨年スタビライザーの製造を中止したドインカーがスタビライザーの製造を再開するとの連絡がありました。まだ、出荷は限られたサイズのみとのことです。

最上位のチャンピオンは0.475″(12mm)の極細ロッドになるようですが、どんな評価をうけるのでしょうか。チャンピオンは30インチの出荷が始まったら、1本は仕入れる予定です。


ビデオカメラによるセルフコーチングのやり方。

自分がアーチェリーを始めた頃は、テープ式のビデオカメラで撮影して、それを見るのが精一杯でした。当時もビデオを分析して、その結果を選手にフィードバックするシステムはありましたが、プロ選手・チームでないと導入できない価格でした。現在でもプロ用のシステムは100万円位するそうです。

ただ、手間は少しかかりますが、無料のソフトを組み合わせることで、ほぼ同じような解析をすることは現在では可能です。特にコーチ・指導者がいないアーチャーにとっては、必要な作業だと思います。

自分のシューティングフォームを動画で撮ったことある方は多いと思いますが、それを見るだけでは、どれだけわかることがあるでしょうか?それを分析して、練習に生かしましょう。目的もなく2時間練習しても体力だけは付きますが、目的を持った1時間の練習のほうが価値があります。そして、その目的はコーチがいない人にとっては自分で見つける必要があります。

まずは自分の射型の動画を撮ります。スタンスが変わると意味がないので、1回分(1矢取り分)です。今回は9射撮りました。また、スマホカメラなら設定できないかもしれないですが、シャッタースピードは今回1/5000で設定しています。

シャッターは上から下に降りていくので、1/5000でも弦はきれいに撮れませんが、左右はきれいに捉えることが可能です。その分暗くなります。弦の位置から推測するに、写真上部は矢が飛び出したあと、中央部は矢が15インチ程度飛び出し所、下部は矢がもう飛んでいったあとだと思われます。

その動画をkinoveaにインポートして、コマ送り(60コマ/秒で撮影)で確認し、発射する瞬間の写真をイメージの保存機能で出力します。9射しているの9枚写真を得ることができます。

ここからは自分の設定が必要で、9枚の写真を写真の分割ソフト(無料でたくさんあります)で、分割してください。上は6×6で36分割しています。5枚目に発射する瞬間のポイントの引き込み量、6枚目に引手の高さ、8枚目にアンカーの位置が写っています。ここの作業(どう分割するか)は写真の解像度と画角次第なので、いろいろと試してみてください。また、どの写真を選ぶかは流石に自分で決めるしかありません。今、自分は上下にバラけがちなので、アンカーと引き込み量の安定さと、肘の高さのどれかが悪さしているのではないかと考えて、それを調べるためにこの3枚を選んでいます。左右にグーピングがバラけるなら、前からではなく、下のように後ろから撮ったほうが良いです。

そして、今度は画像結合ソフト(こちらも無料であります)を使って、5/6/8枚目の写真を結合してください。

9射のそれぞれのアンカー位置です。個人的に確認した限りでは、大きな違いはなく、上下のグルーピングの問題はアンカーではないようです。

引き込みに関しては見るだけではなく、Kinoveaで違いを測定しました。その結果、引き込みの違いは4.5mmであることがわかりました。横から見れば4.5mmは大きな違いですが、矢を上から見ているので、この違いをドローチェックで解決するのは無理だと思います。この部分は今後の課題として、感覚を磨いていくしかないでしょう。

結論として、引き手のひじの高さに問題があるようです。一番低い3番と高い9番では大きく違います。また、安定もしているように見えません。ただのバラバラです。この差をなくすことで、より高い点数が出ると思われますので、来週からはここを目標としてトレーニングしていきます。

上下にまったくグルーピングしないので、今回の分析を行いました。このフィードバックを持って、肘の高さを揃えていくのは練習しかありません。それが練習です。疑われるべきところは今回、引き込み・アンカー・肘の高さの3点でした。そこの特定に練習時間を無駄使わなくてもいいのではないでしょうか。

問題点の特定まではビデオカメラがやってくれる時代です。そこは時短してみてはいかがでしょうか。


違いのわからない…コードバン。

タブを改造するためにコードバン屋さんに行ってきたのですが、Nタブ→WIN360→セーカー2→ブラックマンバ→YOSTとタブを使ってきて、一度もコードバンに違和感を感じたことがない違いのわからない人間です。バックスキンは手に触れるので、どんな人間でも違いはわかると思いますが、コードバン面は弦に触れていて…弦がコードバンの表面を滑っていく時間は0.02秒。厚みと耐久性(交換が必要となるまでの期間)以外は、一体何が違うのか、ハテナです。ということで、違う3種類ゲットして試してみるつもりですが、多分違いわからないだろーな。。

店舗で購入しましたが、裏面の加工も物によって大きく違うのに、通販サイトだと、表面の写真しかないところがほとんどなのですが、裏は気にすんなってこと? どなたか詳しい方がいましたら教えて下さい。


パラリンピックがそろそろ始まります。。

メールでこんなの届きましたけど…取材協力した選手に挨拶したり(チケット)、試合を見たかったのですが(テレビ放送)、両方ないのですか?

せめてネットライブ中継くらいはあった欲しいです。


歴史なんて調べて何しているのか?

(アーチェリー教本 2000)

歴史を勉強して、古い資料を調べ上げて何をしているのか。よく聞かれます。最新の情報でも仕事はできるのですが、やはり正しい理解に、歴史は欠かせないと感じています。チューニングに興味を持った方なら、上の写真を見たことはあるかもしれません。グルーピング・ピボットポイント・弓のセンターの3点の関連性を示した資料ですが、これを読んでどう思いますか?

これは全ア連のアーチェリー教本(2000年版)に掲載されているものですが、初心者だと、これを正しいと信じてしまうかもしれません。しかし、実はこのデータは全く価値がないものなのです。

なぜでしょうか。アーチェリー教本では全て明らかにされませんが、実はこのデータは70年代前半のものです。つまり、50年前のデータなのです。まず、間違いなく、カーボンシャフトでのデータではありません。また、実験をしたことのある人であれば、誰もが思うであろう疑問があります。6cm/5cm/4cmで実験して4cmが一番グルーピングしたら、誰もが、じゃ3cmと思うでしょう。しかし、それのデータはありません。そのことから推測するに、ウッドボウでのデータではないかと考えられます。NCハンドルであれば何でも可能ですが、ウッドハンドルでは強度的に限界があります。また、表中の表現から、プランジャーを使用していない(普及し始めたのは75年)と考えられます。

つまり、ウッドボウ/グラスリム/アルミシャフト/ダクロン弦/プランジャーなしという条件下でとられたデータなのです(赤字は確定、黒字は山口の推測)。そんなデータが今の時代に価値を持つでしょうか? 2000年でもNCハンドル/カーボンリム/カーボンシャフト/FF弦/プランジャーは存在していました。

ちなみに、このデータを提供したヤマハ自身、80年代にはピボットポイントにできる限り近いほうが良いという実験結果を自ら否定しています。つまり、70年代から5年程度の間しか価値がないデータなのです。こういった判断を歴史を学ぶことでできるようにしているわけです。

しかし、それでもアーチェリーはわからないことだらけで面白いです。写真のとおり、50mでも回転力のぜんぜん違う40m(1-9/16″)のノーマルスピンと64mm(2-1/2″)のガスプロのベインが同じところに刺さるのです。まじでなんで…。


国内ベアボウのルールの混乱…解釈の問題?

ベアボウで使用が許可されているタブの例(WAより)

ルールを守れ(当然ですが)と言いながら、ルールが知りたかったら、お金を払ってくださいという全ア連のやり方はあまり感心しないので、最新の競技規則持ってません。アーチェリーのルールはWAで無料で公開されています。ただ、全部英語で読むのはしんどいので、運用では、競技規則2016-2017年版の競技規則をベースに、気になるところはWAの英語を読んでいました。

ルールなのでそう頻繁に変わられても困りますが、近年ベアボウターゲットが導入された時に変更されたルールは2つだと理解していますが、国内でどう運用されているのか全くわかりません(所属している協会から問い合わせはします)。

第一に昨日の記事のセンターサービングの長さの規制。何名かの方から連絡いただきました。ありがとうございます。全貌が見えてきたのですが、これが更に混沌としています。

整理すると、

2018年-2020年 競技規則新旧対比表
競技規則改訂に伴う伝達講習会 2020

写真上は東京都アーチェリー協会で配布、下は杉並区アーチェリー協会さんから。競技規則では規制されていませんが、伝達講習会では規制されています。この2つの文書の間に時間差があればいいのですが、両方も昨年9月の講習会での資料です。つまり、同日に配布されたものです。新しい規則を説明する講習会で、規則にないルールを追加したのでしょうか? 謎は深まるばかりです。

そして、さらに新しい問題も。

WAでは削除された規則が最新の伝達講習会に逆に宣伝(審判にチェックするように)されています。忘れ去られているならともかく、削除されたものを逆に強調しているのが謎です。

このルールでは自分のタブが違反になりかねません(マークのサイズは一定ではない)、心配です。WAの2020年のルールでは、

- マークの長さは2種類まで許されます( No more than two lengths of line are permitted.)

– マーク間は均等である必要はありません(does not require uniform spacing between lines/marks.)

– 縫い目の場合は同間隔なら2種類まで違う長さを使うことができます(There may be up to two lengths of stitch with no regulation on spacing.)

- しかし、色は同じでなければならない(Stitching must be a single uniform color)

がベアボウタブのルールとなっているはずですが…特に最初のルール(一定でないマークは2種までよい)は2017年には変更されています。それを受けてのYostタブですからね。

そして、この伝達講習会資料は東京のものであり、29日には神奈川県の弓具検査を受けるのですが、見解は統一されているのでしょうか? 神奈川県さんはベアボウのアーチャー多いので、正しい解釈伝わっているとは思うのですが、ルールが解釈次第で違ってくるというのはちょっと・・ね。

これらはいずれもWA公式競技規則 Version published: 1 January 2021 を元にしています。


ベアボウのサービングの長さは?

(追記)フィールドに関しては撤廃されたとのことでした。訂正します。

ベアボウのルールに「弦のサービングの端は、フルドローのとき、競技者の視野内に入ってはならない。」というものがあります。29日の横浜の試合がベアボウターゲットのデビュー戦になりました。全日本選考点(550点)を目指してがんばります。

そこで、明日、試合に向けて、弓を”合法化”していくのですが、サービングの長さをどうしたら良いのかに迷っています。

上記のルールの下限は決まっていて、サービングの端が鼻より上に来てはいけないとされています。しかし、上限に関しての規定が見つからない…どこまで伸ばしたら許してくれるのだろうか。。そして、世界最高峰の弓具検査を通った世界フィールド出場者の弓を参考にしようとしたら、これでいいのか(奥の方多分見えてるよーな)?

ますます混乱なので、とりあえず、短い方で巻きますけど。。ご存知方いたら教えて下さい。


1955年 New Guide to Better Archery

1955年に執筆されたアーチェリーガイドブックの1962年版が届きました。これから読み込んでいこうと思っています。

特にアメリカで書かれたものですが、今まで翻訳した本でもハンティングの部分の翻訳を省いたりしましたが、せいぜいブロードヘッドチューニング程度の内容でしたが、こちらの本ではハンティング後の解体の仕方まで解説してくれています。今でもあるのかわかりませんが、当時ハンティングでは40ポンドの逆ポンド規制(40ポンド以上を使うこと)が存在していたそうです。

今ではまず見ないレンジファインダーという装置。自分の射場で的近くの木の根元を狙っているなら、そこにマークを付け、試合会場の同じ距離の的で、自分のエイミングポイントになにか目印がないかを探すのに使います。アイスバーの棒で自作するらしいです。