WIN&WIN INNO MAX入荷しました。

予定よりも早く、本日、INNO MAXハンドルが入荷しました。予約を頂いたお客様への発送が終了し、”ブラックカーボン”の在庫数が残り少ないです。それ以外の色は代理店にはまだたくさんあるのですが、青は木曜日に次の1本が入荷したら当分は入ってこないので、ご注意ください。

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さて、INNO MAXですが、INNO CXTと比べると圧倒的に違うところは重さです。CXTは重りを追加することで1,300gにすることも可能ですが、ハンドル単体の重さは1,150gしかありません。カーボンはアルミに比べると圧倒的に軽いので、同じデザインで製造するとハンドルはどうしても軽くなってしまいます。イタリアのファイバー・ボウ社のハンドルはフルカーボン(純粋にカーボン繊維だけ)で、重さはわずか600gです。これは、ウッドハンドルよりも軽いです。
それに対して、MAXハンドルはハンドル単体で1,300gの重さがあります。現在、CXTを使用している方で重りなしの1,150gで使用している方がMAXを検討される場合、150gの違いというのは重り付きのサイドロッド1本分にもなるので、MAXハンドルにした場合には、スタビライザーのセッティングの再検討をお勧めします。GMXなどの1,250gあたりのハンドルからの乗り換えの場合は、同じセッティングでいいと思います。
これは具体的にメーカーから製造方法のレクチャーを受けたわけではないので、WIN&WINの人の話を聞いての個人的な推測ですが、フルカーボンで作ると軽すぎるハンドルになります。この対策は主に二つあり、WIN&WINではハンドルの3~4割にフォームを入れて重さ・重心の調整をしていて、UUKHAでは多重カーボンレイヤー構造で使用する接着剤(エポキシなど)の重さでハンドルの重さを作っていますが、MAXではその両方のやり方を併用して、1,300gという重さを作っているようです。


今回のMAXの一番の目標はハンドルの剛性です。高級な高速カメラではなくても、1000fps程度のカメラ(3万円くらいで買えます)で見ても、シューティング時にハンドルが変形していることを見ることができます。それだけ大きくハンドルは変形します。上の動画はGMX/44ポンドですが、ハンドルで5mm程度変形しているのが確認できるかと思います。このハンドルの変形を最小限になることを目的にMAXが設計されています。
そのためには剛性を高めることですが…注意してほしいのは剛性を高めることが振動の減少につながるわけではありません。高ポンドではイコールと言えますが、30ポンド前半や、セッティング次第では、剛性が高くない、ハンドルも一緒になって同調して振動するハンドルの方が振動がないこともあります。今回、INNO CXTもラインナップに残りましたが、ポンドが低いのであれば、MAXの方がよいとは言えません。低ポンドではCXT、高ポンドではMAXをお勧めします。
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ハンドル自体の重さ・バランスと剛性を高めるための多重カーボン構造の次の特徴としては、Tブロック・センターショット・システムです。現状の技術では、カーボンハンドルはリムポケットをあまり高い精度を作ることができないので、このパーツの精度がハンドル全体の精度を決めることになります。
CXTの2012年モデルではここの部分の精度をぎりぎりまで自社のリムに合わせたため、HOYTのリムを装着ではなくなりましたが、2013年モデルではさらに進化し、リムポケットのパーツが1つになりました。CXTでは金属プレートをハンドルの両サイドに張り付けて精度を高めていました。結果、精度を高めるためにパーツを3つ使用し、かつ、それぞれの精度のすり合わせが必要になったため、例えば、金属プレートを1個だけ落としてなくしてしまった場合の修理はちょっと大変な作業でした。
今回のMAXハンドルではこの部分のパーツを1つに統合したので、プロショップの都合と言われるかもしれませんが、メンテナンス・保守は大幅に楽になりました。次に、Tブロックの部分に丸みを持たせました。丸みを持っていないハンドルとの違いは、スムーズにチューニングできることです。
リムのリムボルトではなく、ハンドルに当たる側の接触点はリムボルトの位置を変えると多少変わるのですが、場合によっては、一気に変わる場合があります。チューニングでいうと、ある点までにリムボルトを1/8変えるとティラーが1mm変わっていたのが、特定の場所を過ぎると、1/8回転で2mmもティラーが変わるようになってしまうことがあります。この部分に丸みを持たせることで、チューニングがスムーズになり、チューニングしやすくなります。
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次に、1月にメーカーサンプルを見た時の1番の心配だった点について。グリップのフィッティングです。上の写真は赤が英語版カタログのグリップ、下が日本語リリースでの写真ですが、どちらもピボットがリフレックスしています。この点を確認したところ、良く写真を見るとピボットの問題ではなく、グリップがハンドルにフィットしていないのが原因でした。特に、青のグリップはハンドルの縁から2mmほども隙間が空いている事が確認できるかと思います。
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WIN&WINでは2012年の前半にCXTのウッドグリップを発売しましたが、HOYTのウッドグリップが2,500円程度なのに対して、5,000円以上という価格で登場しました。問題はかなり手間がかかる作り方で作っていたことなのですが、MAXハンドルではHOYTのウッドグリップと作り方になりました。別売りでこの後、MAXのウッドグリップも入荷してきますが、価格は2,000円台後半で出せると思います。写真の左がMAXのウッドグリップで右がCXTのウッドグリップです。作り方が違うため、木目が全然違うのがわかるかと思います。作り方が違っても、高い作り方の方が性能がよくなるという話はないので(耐久性は少し高い方がいいです)、それなら安い方がいいと思います。
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このようにグリップの作り方が変わったのが原因かなと思っていますが、ともかく、グリップの位置はハンドル全体に影響を与える最重要ポイントの一つで、この部分が不安定では、とうてい良いハンドルにはなりえないという話をメーカーに伝えましたが、納品された完成品(上の写真が本日納品された現物)ではしっかりと修正されてきました。本当に良かったです…安心しました。
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写真の左がMAXハンドルのグリップ、右がCXTハンドルのグリップになります。ちなみに互換性はありません。ネジ穴の位置も違いますが、まず、CXTグリップの方が狭いので、MAXハンドルに取り付けることもできません。ご注意ください。
グリップの形はCXTに比べてスリムになっています。さらにグリップの丸みもあまりなく、直線的なデザインで、でコンパウンドのグリップに似ているデザインです。高さはCXTグリップと大きく違いません。
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これまでのINNOシリーズとの大きな違いだと以上の重さ、剛性、Tブロック・センターショット・システム、グリップです。残ったところでは、光沢があるモデルでも、シューティング時に目に入るサイド(フェイス側)はトーンを変え、光沢を抑えたデザインになっています。
また、INNO AL1と同様にグリップの下にダンパーを取り付けできるようになりました。リムボルトは黒・白・青・赤ではCXTと同じ銀、マットブラック・カーボンブラックは黒になっています。後は、メーカー推薦ハイトが2012年の比較すると、5mm低くなっています。
まずはこんな感じです。全体的な印象としてはかなり出来がいいハンドルです。想定ターゲット(販売するときにこういう人におすすめ)もしっかりと高ポンドで剛性が高いハンドルを求めている方と、しっかり決まっていて、ハンドルの設計もぶれていないので、かなりおすすめできるハンドルであると思います。GMXや、CXTでウェイトをいっぱいつけている方はぜひ検討してみてください。後は、少し数を販売してから、再度評価してみたいと思います。


ガスプロ100万枚記念!! 新色入荷しました。来週はMAX

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“Thank for your trust”といただきました。クリスタルの中にレーザーでガスプロのベインが刻まれています。100万枚の記念品だそうです。UUKHAもリムの製造で4,000ペアまで成長しましたが、私たちが最初に紹介したメーカーたちが、どんどん成長していくのを見ていると本当にうれしい気持ちになります。
過去の記事を見てみると、11年の7月に初めてテストし11年の8月に取り扱いを開始し、競合メーカーとの間での変な噂を流されたりして大変だった時もありましたが、今では、弊社だけではなく、他の代理店でも取り扱いを開始するほどのポピュラーな商品になりました。商品のラインナップも拡大し、いつには100万枚です!!
取引はじめてから、まだ1年半しかたっていないのにもびっくりしますが、急成長しています。
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ということで、本日入荷したのは2.5インチの方のターゲット・エフィシェントの4つの新色です。上から、Cピンク、Cグリーン、Cライム、Cオレンジです。これで、全部で7色になりました(ガスプロのスピンのオリジナルの方は8色)。
あまり見たことはないですが、ROMのスピンと違って、色によって硬さが異なることはないので、色を混ぜて使用することも可能です。オレンジとか、グリーンはかなりスコープで見やすい色に仕上がっていると思います。
今後のガスプロにもご期待ください(現在はタブを開発中)。
それと、現在大急ぎで準備を進めていますが、3月を予定していたINNO MAXが来週の中旬くらいには届きそうです。INNO MAXだけ、HMC22やINNO EX シリーズの新色は入っていないですが、ハンドルだけ予定よりも早く紹介できそうです。ご期待ください。


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お客様から連絡があり、Cライム(写真上)とCイエロー(写真下)の比較写真を追加しました。


PSEの折りたたみ傘入荷しました。

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前に試しにとってみたFIVICSのアーチェリー傘が結構人気で、入荷してすぐに売り切れてしまいました(現在在庫切れ…韓国メーカーは旧正月休みのため、2月末の入荷予定)。
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FIVICSの傘は75cmとかなり大きなものですが、大きすぎるために通常のアーチェリーケースに入れることはできません。ということで、少し小さくなりますが、70cmのPSEの傘も仕入れてみました。折りたたむと約60cm(=24インチ)になり、ハンドルとほぼ同じ長さでアーチェリーケースに入れることができます。
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卸値がだいぶ高いなと思いましたが、入荷して検品してみると、強風にも対応している二重構造で結構しっかりとした傘でした。来月くらいからアウトドアの試合がはじまるのでいかがでしょうか。


TRU Ballの新しいリリーサー インクレディブル


ぞくぞくと新しい商品が届いています!!
昨日はTRU BALLのインサイド・アウトXと上のインクレディブルが入荷しました。コンパウンドだと後は、カーターの荷物が昨日メーカーから出荷されています。
リカーブでは、早ければ今週…だけど、旧正月で中国の物流が遅れているので(イタリアからの荷物も中国のハブ空港にいったん届いてから日本に入ってきます)、たぶんの来週の初めに、ガスプロの新色が届きます。後は、昨日の記事で紹介した新型のブロードバンドリムセーバーは昨日メーカーから発送されました。なので、来週の後半に届く予定です。在庫補充のみですが、今日の午後UUKHAが届きます。
ベガスシュートも終わり、旧正月の影響も今週いっぱいなので、1月から続いてきたメーカー担当者の出張による遅れは来週からはなくなると思います…よかった!
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ということで、メーカーからもらっていたサンプルのガスプロの新色ピンクを先着1名の方に差し上げます。テストに使ったので、50枚は入っていませんが、40枚以上は入っています。

注文時に備考欄にガスプロのピンク希望とお書きください。先着1名です。(終了しました、昨日21時55分に注文していただいたお客様に発送しました)

先日同業の方とも話しましたが、メーカーから新商品が発表されて、その新商品を一番最初に受け取った代理店が偉いわけではないんですけどね(発注のタイミングの問題なので)…困ったもんですが…と言いながら、ガスプロからは、新色のガスプロを世界中で最初に受け取るのはあなたですと言っていただきました…うん、やっぱりうれしいものですね。。。。すみません。


ベガスシュートから戻りました。

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ベガスシュートから戻り、たまっていた仕事をこなして、やっと少し落ち着いてきました。この1か月で15回も飛行機に乗り、さすがにちょっと体がきついです。。。頑張ります。
先日の記事の後、町から車で3時間ほどのところにあるマヤの遺跡(チチェンイッツア)に行ってきました。2012年で世界終了みたいなことを言ってる人いましたが、無事2013年を迎えられてよかったです。メキシコのカンクンは26度なので半袖です。
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さて、ワールドカップ・ステージ3と同時開催となったベガスシュートですが、当然、開催場所はラスベガス…正直、ラスベガスは苦手です。それで、これまで一度もベガスシュートに行ったことがなかったのですが、まぁ、仕事ですから、一度は行ってみることにしました。でも、まぁ…やっぱりこの町は苦手です。こういう試合のいいところは、トップアーチャーを間近に見ることができて、交流できることですが、ベガスは…タバコ吸いながら酒飲んで、みっともないような姿勢でスロットやっている女性アーチャーの姿を見たりすると、間近というか、逆に残念な気持ちになります。
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会場はNimes同様に2つに分かれていて、誰でも参加できる試合の会場(写真上)と世界戦が行われているメインの試合会場(写真下)があります。目的のメーカーのブースは世界戦が行われている会場の横のスペースにあり、出店しているメーカーの数はATAに比べるとわずかです。会場の広さもATAの1/20くらいだと思います。
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ベガスシュートにしか出店していないメーカーもありますが、基本的に1月のATAがプロショップ向けの展示会で、ベガスシュートは一般のアーチャー向けの展示会になります。HOYTは一番いい場所に陣取ってアパレルを頑張って売ってました。
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新商品はほとんどNimesで見てきましたので、新しいものはほとんどありませんでしたが、上は初めてお会いしたFIRST STRINGさん。急成長している完成弦メーカーです。
世界で最も評価の高い完成弦メーカーはウィナーズ・チョイスですが、ずっとここと契約していたコンパウンドの世界で現在一番勢いのあるレオ・ワイルド選手が、2012年にこのメーカーに乗り換えました。2013年に入っても結果を出し続けてるので、良い弦なのでしょう。取り扱うかは決めていませんが、継続的に話していこうと思っているメーカーの一つです。今後に期待です。
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こちらの会社はアーチェリーのセミナーなどをメインとしているところで、最近はいろいろと面白いアーチェリー用品を作るようになっています。こちらも、取引はしていませんが、定期的にチェックしているメーカーさんです。すごい軽いのが売りのスタビライザーや、ユニークな形のVバーなどが展示されていましたが、生産量が少ないためか、値段はかなり高めです。今後に期待しています。
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MKコリアのMKX10ハンドルの新色のペイントの白です。写真にはありませんが、1月に発表された新色のライムは発注していますが、この白はどうするか未定です。見た感じ、ちょっと心配なレベルの仕上がりです。HOYTでいうと、カスタムペイント(GMXなどに使われています)レベルではなく、パウダーコート(EXCELに使われています)レベルのペイントです。ただ、白は需要はある色なので、改善要求を出して、しばらく様子を見たら、取り扱いしようと思っています。
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こちらは最近ちょっと元気がなかったSKYアーチェリー。ホイットを引退したホイットさんが、トラディショナルボウのベテランJim Belcherさんと立ち上げた会社です。
老舗のアーチェリーメーカーにありがちな、世代交代などの問題だったと思いますが、取引がないメーカーにはあまり裏事情は聞けないので…詳しくは知りません。
SKYアーチェリー
http://www.skyarchery.com/

ともかく、いろいろとあってあまり積極的な営業はしていなかったのですが、新しいスタッフを迎えて、もう一回頑張るようです。写真はTR7というハンドルです。
ハンドルの方がなかなか良い出来でした。ただ、リムは…2000~2004年あたりのモデルからどの程度進歩しているのか疑問です。引いただけで実際にうってはいないので断言はできませんが、リムも新しいものを開発してくれれば魅力的なリカーブメーカーになるのではないかと思います。
製造の技術力には業界の中でも定評があります。リムでは一般的なフォームコアやウッドコア以外にも、バンブー(竹)コアのリムなどを作っています。製造には定評がありますが、ホイットさんが90年代に設計したリムのデザインをずっと使っていて、新しい素材や技術は試しても、リムのカーブ(リム全体の曲線)はずっと新しくしていません。もう20年近くになるので…そろそろ、新しいカーブに挑戦してもいいころ合いではないかと思うのですが。
SKYも取り扱いはしていませんが、定期的にチェックしています。最近元気な会社の一つで、あとは、元気に頑張った結果を今後出せるかどうかです。後、取引先のJagerアーチェリーの社長が仲良くしているメーカーで、SKYアーチェリーにグリップを供給しています。
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ここまで、取引していないメーカーの話でしたが、取引先ではSIMSが新しいリムセーバーを発表しました。
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振動の測定をすると、よく見るような振動のグラフを得ることができますが、さらにあるアルゴリズムを使用して、FFT解析をすると、どの周波数の振動が一番多いのかを知ることができます。ゆったりした大きな振動が多い弓なのか、細かい振動が多い弓なのか、いろいろなパターンがあります。
この分析から振動の大きい周波数に合わせて、その振動を吸収するために開発されたのが、ブロードバンド・リムセーバーです。
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なんかちょっとすごそうな商品ですが、開発と製造のチューニングにはすごいテクノロジーが使用されていますが、完成された構造は簡単に言えば、柔らかいゴムダンパーと硬いNAVCOM素材(手触りはシリコンの様な素材です)を組み合わせたハイブリット構造のリムセーバーになっています。2つ以上の素材を使用しているリムセーバーは初めてではないかと思います。
リンクが着色されていて、このリングだけの交換も可能です。この2つの素材をうまく組み合わせたことで、ピークの振動をうまく吸収できるそうです。2月後半か3月初めに入荷する予定です。
と、新商品はこのくらいでした。あまり見ごたえがある会場ではなく、また、メーカーも一般アーチャーを想定してブースを出しているので、プロショップ向けの価格表なども用意されていません。ちょっと残念な感じでした。

試合の方はあまりじっくりと観戦する余裕がありませんでしたが、もう、ArcheryTVにアップされているようなので、どうぞ。


TRUBALLからINCREDIBLE(インクレディブル)が入荷!

2013年、 TruBallの新しいフラッグシップモデルとなるリリーサーの登場です。
その名は「INCREDIBLE」。

大ヒットリリーサー「アブソリュート360」から採用された機能「360度ヘッドスイベル」、「ヘッドセントリックテクノロジー」を継承しつつ、大幅に機能改善がなされたデザインで登場です。

・とても楽チンになった新しいコッキングシステム
・インターチェンジブルハンドルデザイン
・スプリング交換式トリガー圧調整

【コッキングシステム】
これまでのTruBallリリーサーのコッキング位置は『ボディーの背面』と言う、使い勝手を無視した全くもって優しくないデザインでした。(非力な方はいちいち持ち直してコッキングしているそうです)
インクレディブルはボディーの上面トップに設置され、非常に楽にコッキングできるデザインに変貌しました。
ただしトリガーレバーに触れながらコッキング操作するとシアーが掛かりませんのでご注意を。

【インターチェンジブルハンドル】
ボディー中央部分のネジを抜き、別売りハンドルを入れ替える事で2~4本掛けにデザイン変更が可能になりました。

これは、インサイドアウトリリーサーと同じ形式になった、と言う事ですね。
本体ボディーさえあれば、他の指掛けを試したい時は交換パーツだけで済むという、お財布にやさしいデザインとなっています。

【スプリング交換式トリガー圧調整】
工場出荷の状態ではトリガーの硬さが最も柔らかい「ライテストセッティング」になっています。(バネが本体に入っていません
変更するには付属のバネを用います。パッケージ・説明書の裏にセロハンテープで張り付けられています。くれぐれも見落とさない様にしてくださいね。

黄色いバネが柔らかい方、赤いバネが硬い方です。
バネなし、黄色バネ、赤いバネ、、、お好みでセッティングしてください。

バネを仕込む場所など含め、簡単な説明を動画にまとめましたのでそちらもご覧ください。

TruBallの新しいフラッグシップモデル「INCREDIBLE」は店舗およびあちぇ屋CPで発売中です!


TruBallから、インサイドアウト-X リリーサーが入荷!

爆発的ヒットとなった前作、「インサイドアウト」(トリガーレスリリーサー)。
このインサイドアウトがアップグレードを果たして登場です。

変更点が数か所あります。
・リリーサーヘッドの位置
・リリーサーヘッドの位置調整(2段階)
・サムバー取り付け穴レイアウトの変更
・ラバーパーツ入りハンドル

まずはリリーサーヘッド

左が通常のインサイドアウト、右が「インサイドアウト-X」             

並べるとその違いが分かりますね。
「ゼロトルクヘッド」デザインはそのままで、約2ミリほど「X」の方が上方に移動しました。
そしてこのヘッド部分ですが、クリッカープレートを留めているネジ(2か所)を抜けば、ヘッド部分が“まるっと”上方へさらに約5ミリ動かすことが出来ます。(上側のネジ穴1個だけ見えていますね)
*2か所のネジを抜き取り、この部分をスライドさせます。(この部分は外れませんので)
その目的は、フックにかかるストリングテンションの“力の軸”が、より人差し指に近くなる、と言うことです。
どちらかの位置を試してみて、“抜け”の良い方を選んでください。

次に、サムバーの穴レイアウトの変更

左が通常、右が「X」
ビミョーに変更されています。
気にするか気にしないかは、あなた次第・・・・、ですね(苦笑)
こんな感じで若干違います。

最後にハンドル

指の谷を縫う様にラバーの棒が入っている感じになっています。
指の滑りを抑える目的で搭載されました。

注目の「インサイドアウト-X」は店舗、あちぇ屋CPにて販売中です♪

【追記】
このインサイドアウト-Xに搭載された「ラバー入りハンドル」ですが、同時に交換パーツも入荷しました。
この交換用パーツは、通常のインサイドアウトにもお使いいただけます。試してみたい方は是非ヽ(^o^)丿


価格の不思議でメキシコに。

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今なぜか、メキシコにいます。
8日からラスベガスのアーチェリー用品の展示会とワールドカップインドア2013・ステージ3を見てきますが、ネットで調べると、アメリカに”1日だけ”滞在するタイプのチケットは異常に高く、逆に”3日以上”滞在すると値段が断然安くなります。
ホテル業界とグルになっての罠???…こちらが現地に何日滞在しようとフライトの航空会社のコストは変わらないとは思うのですが…忙しい短時間滞在のビジネス客に対する利幅は下げる必要がないと思われているのでしょうか。


ということで、1日休みをとって、メキシコのカンクンという町でクイーンのボヘミアンを聴きながら、メキシコビールのボヘミアンを飲むことにしました。ビールはビンからじかで飲むのに、このライムは…どう使えと。。
…これで旅程全体では、ラスベガスに短時間滞在して用事だけ済ませて帰るよりも安い…価格は…特にプライシングがシステム化されているものの価格は不思議です。機械に聞いても理由教えてくれなそうだし。


Nimes 2013 / 世界インドア ステージ2 を見て


Nimes2013の会場で行われていたメーカー展示会に商談に、隣の体育館では、ワールドカップ・インドア2013 ステージ2が行われていました。
3時間くらいしか観戦する余裕はなかったのですが、道具屋という視点からの感想を少し。上のビデオがダイジェスト編になります。
まず、個人的に面白かったのは、ヨーロッパ(の北の方)では大人気でも、日本ではほとんどのプロショップで販売されていないスウィングVバーを使用している選手がリカーブの男子部門で優勝したことです。おめでとうございます。これを機会に検討されてはいかがでしょうか★
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写真は試合に勝った後にみんなのリクエストに応じて、弓を引くリカーブ男子優勝のROHRBERG選手。たまたま見つけて写真撮りました。
さて、リカーブの方では、特に目立った動きはありませんでした。価格でもわかるとおり、フォーミュラはRX/HPX/ION-Xの間では、特にどれが上位機種といった差はないので、ION-Xを使用している選手は特に多くありません。RX/HPXを使用していた選手の多くはそのままでした。
WIN&WINでは、韓国選手が新しいINNO MAXハンドルを使用して試合に出場しましたが、そのくらいです。確か、この時期は韓国選手はナショナルチームの最終選考をしている時期で、毎年ワールドカップのインドアには韓国のトップ選手は出場しません。アジア圏の選手(日本含め)も多くは出ていないので、リカーブではHOYTが目立ちましたが、そんな理由なので特に評価できる結果ではありません。
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それに比べ、HOYT…というよりもプロコンプ・エリートの圧勝だったのがコンパウンドでした。最後まで残っていた選手のほとんどはHOYTのプロコンプ・エリートを使用していて、ION-Xが新しく出ても、既存のユーザーはGMXやRXから乗り換えない選手が多かったリカーブに比べ、多くのHOYTユーザーがプロコンプ・エリートに早速乗り換えていました。
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今回のワールドカップでは3位にとどまったジェシー選手ですが、HOYTのブースでプロコンプ・エリートの設計について意見交換したところ、面白い話が聞けました。
プロコンプ・エリートはこれまでにないほどユーザー中心に、ユーザーの好みを取り入れた弓だということです。この弓は、弓単体の性能をテストして開発されたのではなく、近年のターゲット競技においてのスタビライザーセッティングでシューティングした状態を想定して開発したものだそうです。
流行りのセッティング(2つ上の写真のように、センターを長く・おもりを先端に多く、サイドは片側で重量を持たせて、重心は若干低めに)で使うのであれば、プロコンプ・エリートは圧倒的に優れているとのことでした。というよりも、そのスタビライザーセッティングで使うために開発されたようなものです。
逆に、自分のスタイルがあって、写真のようなセッティングにしていないなら、プロコンプ・エリートの特性を生かすことができないので、アルファ・エリートなどの既存のモデルの方がいいのではということでした。
当然・スタビライザーとのセットで使用するのが今の常識ですので、スタビライザーを使用した状態を想定して弓を開発するのはどのメーカーもしていることで、ベアボウで弓具テストするメーカーはありません。しかし、そのセッティングの具体的な中身までも想定して弓を開発するのというのは、かなり新しいやり方で、理に適っているものの挑戦的な設計方法です。
リカーブに例えれば「長めのエクステンダーに水平80度のVバーに上にアッパーを一つ付けて、センターにウェイト3つ、サイドにはダンパー1つずつというセッティングで一番性能を発揮すハンドル開発しました」ということで、ここまで想定して設計したモデルは初めて聞きましたし、逆にこのセッティングにしていないアーチャーの購買意欲を失わせる結果になるので、かなりの挑戦です。ただ、今回、ほとんどのトップアーチャーがこの最新モデルに移行したことを考えると、エンジニアの狙いは当たりだったと思います。
他メーカーの状態を考えると、2013年はプロコンプ・エリートの独走になる可能性が高いです。
マシューズの人もいたので、話ししましたが、「Apex7の優れた設計は色あせていない・今でも十分に通用する」とのことでした。その意見には全く同意しますが、この10年でスタビライザーのセッティングから使用する素材、または、カーボンブレードやSFエリートのように今までにない形状のスタビライザーまで登場しているので、進化したアクセサリーに合わせた再設計はあってもいいのではないかと思います。
弓単体ではなく、全体で高性能の弓を作りこんでいくという話をつなげて、もう一つ目立ったのが、CX(Carbon Express)の矢でした。今回、最終的に残った8選手のうち、2選手もがCXの矢(X-Buster)を使用していました。世界戦では、特に決勝に残るレベルの選手はイーストンを使っているのが一般的でしたが、その法則が、少しずつですが崩れつつあるように感じます。
引き金はイーストン自身かもしれません。内輪の話になりますが、イーストンは1年前にHOYTと流通システムを統合しました。もともとから、HOYTはイーストンの傘下のメーカーでしたが、より結びつきを強化しています。それに対抗してか、他のメーカーも特定の矢のメーカーとの結びつきを強化していて、その関係性の中で、(日本では)無名だったシャフトメーカーが急激に製造技術を向上させています。
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PSEはCX(Nano pro)との関係を強化し、マシューズはビクトリー・アーチェリー(VAP)との関係を強化、WIN&WINはカーボン・テック(McKinney II)との関係を強化しています。SFはスイスの・SKYARTから供給を受けていますし、今回会場では、カーボン・インパクトというメーカーがいました(フランスと関係が強いメーカーですが、具体的な話は聞く時間がありませんでした…すみません)。
Carbon Impact
http://www.carbonimpact.com/catalog.pdf

当店では、Nano ProとVAPはテストしましたが、自分の判断で、まだ本格的にイーストン以外のシャフトを販売することはしていませんが、大手アーチェリー製造メーカーとシャフトメーカーが関係を強化して、技術を高めあえば、近いうちにはこれらの4つのメーカーのどれかから、イーストンよりも高品質で、低価格のシャフトが登場する可能性はあると思います。実績でいうと、CX(世界選手権で2つメダル、今回のオリンピックで1つのメダル)が先頭ランナーでしょうか。
HOYTとイーストンの倉庫の統合はイーストンのアーチェリー部門のロジスティックの合理化がメインの目標だったと思いますが、その動きが意外なところに影響を与えている気がしました。
まぁ、そんなこと考えないで、素直な気持ちで見ても、面白い試合なので、ワールドカップのステージ2の動画楽しんでください。2月の7~10日はワールドカップ ステージ3が行われるラスベガスに行って来ます。いくつか新商品が発表される予定です。お楽しみに。


最大手の競技用弦メーカー FLEX アーチェリー 訪問 その1


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スペイン・サンタンデールのMMBC ARCHERYを訪問してきました。MMBCは会社名で、傘下に世界最大の弦ブランド”STRING FLEX”と、新素材を採用する事を得意とするFLEX ARCHERYがあります。以降統一して、FLEXと書きます。

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以前訪問したフランスのUUKHA同様、のどかな港町に位置しています。

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入口はアロープラーで飾り付けられています。このアロープラーは特製のもので、製造するアロープラーの素材の色を変えるときに、前の色の素材と新しく入れた色の素材が混ざった出荷できない製品を再利用しているそうです。
入口のスペース。アーチェリー製品の製造を開始したのは、20年ほど前ですが、その前はアーチェリーのプロショップを営業しており、完全に製造業に転向したのは3年前。その時の名残のショップスペースだそうです。

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会社のトロフィールーム。写真中央は社長のマリアさん。スペインチャンピオンだった時のメダルです。1970~80年代にスペインでトップにいた名選手です。英語がしゃべれないのであまり交流ができませんでした…写真下が通訳・技術者のグレゴリオさんです。持っているのは、アメリカの長期研修で取得したUSA ARCHERYのレベル4のコーチング資格です。外国人(連盟に所属していない人)が取得できる最上位のコーチング資格だそうです。
社長のマリアさん、エンジニアのグレゴリオさんともにアーチェリー歴40年近くで、1970年代~80年代にスペインのトップとして活躍し、80年代~90年代にプロショップ兼協会役員(大きな試合のプロデュースなど)として活躍し、90年後半から、アーチェリー用品の製造に転向し、大きく成長した来たので、最近では製造業に専念し、プロショップも閉じてしまいました。ちなみに、スペインには20店舗ほどのプロショップがあるそうです。

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弊社でも立ち上げ中なので、参考にするためにテストルームを見学しました。写真は使用している設備の数々で、上は4000コマ/秒のハイスピードカメラ、下は最近、原糸の評価精度を上げるために導入した0.001mm(1µm)単位で太さを測定できるセンサ。


こちらは原糸テストです。テストに使用しているのはAstra/8190/8125g/FF+/ダクロンです。テスト結果をどう評価するか(つまりどの原糸が優れているか)、その話は中核的なノウハウなので今回は書きません。
上の動画でどのように原糸を評価しているかわかると思います。テストを行っていない弦は品質が安定しません。同じBCYの素材を使った弦でも、完成度に違いが出るのは、入荷した素材をそのまま使うか、どこまでチェックしてから使うかの差です。
まず、メーカー(BCYやブローネル)から、原糸が1ポンドごとのスプールと呼ばれる単位で入荷してきます。ちなみに、FLEXでは、月に100~200ポンドの原材料を使用しています。単純計算で月に10,000~20,000本は弦を製造しています。
入荷したすべてのスプールは、250kgの力でストレッチされ、原糸の状態を確認します。それぞれのスプールごとに、出来の良いものと悪いものがあり、悪いものをはじきます。残ったスプールは、許容範囲内にある誤差をバーコードで管理し、製造時に誤差を機械で補正します。
動画の2番目の映像では、弦をストレッチし、その後の変化を見ています。伸ばした時の変位があっても、弦を製造するときに伸ばせばいいだけなので問題ありません。問題はいったんテンションをかけて伸ばしても、元に戻すと縮もうとするものです。この場合、競技で使用するときも250kg(550ポンド)ほどの力はかからないものの、発射時に弦は伸ばされ、逆に矢取り時に弦が縮み、元に戻ったりして、ハイトが安定してくれません。
長さが安定しない弦は競技では使用すべきではありません。動画を見ていただくとわかると思いますが、ストレッチを止めて戻すと、上に動く弦が存在するかと思います。これは弦が元に戻ろうと縮んでいるからです。このような弦はハイトが安定せず、競技では使用できません。また、FLEXでは上位モデルは出荷時にストレッチをかけて、弦の状態を安定させていますが、この処理を行ってもこの弦は安定しません。

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その代表格はダクロンです。ダクロン弦は全く長さが安定しない弦で、マリアさんも1970年の初めにダクロンで1250点をうったことを誇りにするくらいです。。。
この場合、FLEXでは製造後、写真のような状態で2日間”熟成”させます。それによって、弦の状態が安定し、その状態で初めて、長さを測定してパッキングすることで、誤差を押さえています。
続く。