FIVICSの新型ダンパーが少量入荷しました。


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昨日FIVICSから荷物があり、今回の荷物でDP・TRI Vバーが入荷するはずでしたが、生産の遅れで3月末になってしまうようです。
今回の荷物で唯一入荷した新商品は、LVTダンパーです。この商品自体はFIVICSブランドではなく、SOMAという現在はFIVICSのセカンドに相当するラインの商品ですが、卸価格自体はセカンドラインの価格ではなく、V-ZEROとほぼ同じ価格だったので気になっていた商品です。
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大きさはV-ZEROよりも少し短く。よりたる型になっています。重さはV-ZEROよりもわずかに重い程度(6g)。ゴムの硬さはほぼ同じです。
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FIVICSのラインナップにあるVZ-1500よりは小さく、WIN&WINのHMC+スタビライザーに装着するとこんな感じです。10個だけ入荷しています。よい感じの商品だったので、次回の入荷である程度まとまった数をとる予定です。
性能はV-ZEROダンパーなどと同様ですが、ダンパーのロゴはセカンドラインの「SOMA」となっていますので、ご注意ください。


アメリカから、ボーニングさんが来店

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創立70年近い歴史を持つアメリカの老舗アーチェリーメーカーのボーニング(Bohning)さんが来店しました。現在アジアを中心に代理店巡りをしているそうで、大久保店来店後、一緒にごはんを食べに行きました。
日本に来てくださったお客様には、ビジネスの話よりも、何よりも、日本っていい国だなと思って帰っていただきたいです。
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さて、商品の方ですが、フレッチングテープ、フレッチタイト、弦ワックスなどが日本では有名かと思います。ほかにも、ノックや羽などを作っており、新作での一押しは「IMPULSE」という細長いターゲット用ベイン。
あいさつに来たという感じのミーティングだったので、すぐにお客様にお伝えできるような話はしていませんが、ハンティングのマーケットではかなりのシェアがあるものの、弱かったターゲットアーチェリーに、2年前から本格的に力を入れ始めたそうなので、これからにご期待ください。


ドイツの新しいシャフトメーカー

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Beiterのノックが対応するということで初めて知ったシャフトメーカーさんです。ドイツのAurel Archeryというメーカーで、アルミシャフトとカーボンシャフトを作っています。
最新モデルはOryXというフルカーボンシャフトで、小売価格だとACGとACEの中間くらいの価格帯のものを作っているようです。このシャフトが最上位モデルになります。ホームページをじっくり見てみましたが、まだまだ、イーストンシャフトと競争できるレベルにはないように思います。
昨年のオリンピックだと、イーストン以外の矢でメダルを獲得できたのはCXだけでしたが、新しいシャフトメーカーは次々に生まれている状況です。現状でイーストンと競争できるメーカーはほぼないと思いますが、将来が楽しみです。順調に競合メーカーが成長していけば、10年くらいで状況変わるかもしれません。
Aurel Archery
http://www.aurel-archery.de/


新技術登場!? HOYTのリムダンパー

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↑アメリカ特許番号 US8365712 B2 / 2013年2月5日公開
ちょっとUSA ARCHERYの編集作業につかれたので、アーチェリー業界のエンジニアさん達が最近何をしているのか検索していたら、面白いものを見つけました。
詳しい知りたい方はアメリカ特許庁のホームページを見ていただくとして、簡単に説明すると、現在のFormulaリムはロッドを取り付けるための穴が開いていますが、そのブッシングをそのままリムにつけるのではなく、その間にダンパー(この特許の参照先にSIMSの特許があるのでたぶんリムセーバーのようなゴム)を入れるというアイデアです。
「リム→ブッシング→ロッド」だったのが、「リム→ゴムダンパー(FIG10・11)→ブッシング→ロッド」になって、さらに振動吸収性能が向上するという素晴らしいアイデア。
特許なので、ただのアイデアで実際の技術として完成しているわけではないと思いますが、HOYTの2014年のラインナップで実現したら面白いですね。
US 8,365,712 B2 Limb connection apparatus for archery bows
Assigned to Hoyt Archery, Inc., Salt Lake City, Utah (US)


B-stinger製品が充実!

 先日の本店ブログ記事で既報の通り、正規代理店契約を結んだ「B-stinger」。

多くの海外トップ選手や国内の選手に人気の高いB-stingerのロッドを展開。
ターゲット用スタビライザーとして最高峰の「プレミアプラスシリーズ」他、アクセサリーの種類や在庫を大幅に増やしました。

ぜひご注目ください!


道具に関してのまとまってない話…


お客様からの質問に答えていて、思ったことがあるので少し。最後まで書いて思ったのですが…全然まとまっていない記事になってしまった。でも、削除するのはもったいないほど書いてしまったので、暇があれば読んでみてください。
上の動画は韓国のパク選手(Park Sung-Hyun)です。トップ選手の方やナショナルチームのコーチの方と話している中で、今世紀で一番すごい選手としてよく名前が挙がる方です。
実績としては、シングル1405点(更新される前の記録は1388点)と70mwと70mと50mの世界記録、2度のオリンピック出場で金メダル3に銀メダルが1つ、世界選手権は4度出場し、毎回個人か団体で金メダルを取り、とれなかったときは銀か銅メダルというすごい選手です。
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そんなすごい選手ですが、こちらの写真を見てみてください。奥の選手がパク選手です。
何か違和感を感じませんか。


そうです。弓が長いのです。パク選手の身長は170cmですが、弓は彼女の身長とほぼ同じです。66インチの弓は長さにすると、158~160cmほどですので、こんなに長いはずがありません。写真から見ると168~169cmほどの長さがあるかと思いますが、これは70インチの弓です。
では、170cmのパク選手は矢尺が特別に長かったから、70インチを使っていたのかというと、2枚目の写真。
フルドローに入った時のリムチップを拡大したものですが、リムチップは立ち上がってすらいません。今お持ちの弓を引いてみてください。”常識”で弓を選んでいれば、必ずリムチップは垂直よりもノック側に傾くはずです。このスナップの効果によって、はじめてリカーブが活きて来るので、必ずリムはそう設計されています。
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この写真の状態が正解です。
しかし、パク選手が使っているリムチップの状態から矢を発射しても、リムの性能を生かすことは全くできません。パク選手の引き尺はちょっと覚えていませんが…すみません…このリムチップの位置から推測するに、後3インチほどひかないといけない位置にあるので、27インチ前後だと思います。
では、なぜパク選手が70インチを選んだのか、しかも、それをオリンピックという大舞台で使用したのか、その結果は個人・団体での2つの金メダル。
本人から直接話を聞いたわけではないので、まわりのコーチたちの推測ですが、矢速、リムの性能よりも、弦が鼻につくことにこだわった結果だといわれています。これだけの選手ですから、要望すれば、メーカーはいくらでも特注の道具を作りますが、弦を鼻につけるためには、弓を長くする以外に方法は存在しません。その結果、一般論では考えられない、リムの一番性能が発揮されるリカーブ部分を使わないで、オリンピックに出ることになったのです。
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写真を見ると、確かにしっかりとアンカーした状態でも、ぎりぎり鼻についているくらいなので、68インチだとだめだったのでしょう。
パク選手の選択が正しかったことは、その実績が証明していますが、これは今の時代だからできる選択です。十分に弓具の性能が向上し、リムの性能を生かさなくても、十分な性能を確保できるようになったからこそです。グラスリム・ダクロン弦・アルミ矢で70mを射っていた時代で、鼻につけるためだけに、ここまでリムの性能を犠牲にしていたら、同じ実績を残すのは到底無理だったと思います。

みんな鼻につけるの大事だから、そこで弓のサイズを選んでねという話ではありません。上達するために大事なことは、常に考えるということです。そして、常識に縛られないこと。常識の多くは生まれた時代には正しかったことですが、道具に関していえば、道具は常に進化していますので、1~2年もあれば、変わっていきます。
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まえがきが長くなりましたが、伝えたかったことは、リムの柔らかさは「リムの柔らかさ」にすぎないということです。リムの柔らかさが語るのは引き味だけの問題です。
例えば、リムの柔らかさをリリースのミスを拾いやすい、拾いにくいといった話を関連付ける説は、UDカーボンをはじめとする新しい素材が出てから、あまり意味を持たなくなっています。ミスを拾うかというのはリムチップやリムの硬さのうち、写真でいうと、左右にストレスを与えた時の反応と関係します(もちろん、それだけじゃないですが)。しかし、引き味というのは、写真でいうとリムの前後にストレスを与えた時の反応と関係します。
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アーチェリーのリムにカーボンが使われ始めた時には、リムの反応は全方向に対して同様だったから、そのような説ができたのかなと個人的には思っていますが、現在のリムには方向性があるカーボンが使われています。簡単にいえば、ある方向のストレスにだけ反応する素材です。例えば、U/Dカーボンは単一方向性カーボンという意味で、漢字の通り、並べられた繊維の方向にしか力を発揮しません。
*実際のUDカーボンの写真はこちらに
https://archerreports.org/?page_id=33

そのために、以前と違いリムの硬さは引く方向とねじれる方向とでは、全く別にテスト・測定する必要があります。単一方向や三軸カーボンが使われ始めたことで、リムの引きの柔らかさは、引きの柔らかさ以外の意味を持たなくなってきまいます。引きが柔らかいことは、他の部分の柔らかいことを意味しません。

言いたかったのはそれだけです。長くなりました。
こちらの知識とお客様の知識が食い違ったりすることもあるので、お客様からの質問に対しては、まずお客様の考えている事、実現したいこと、求めていることをしっかりと確認してから、返信するようにしています。やり取りが長くなったりしてしまいますが、ご理解ください。
追記、USA ARCHERYの翻訳が終了しましたので、今日から編集作業に入ります。3月中に終わるといいなぁ~。


GMXのリムポケットで使うとただのリムセーバー

お客様のコメントの返信のための記事です。
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タイトルなし
このリムセーバーはハンドルセーバーとして
GMXのリムポケットにある窪みの部分に貼り付けて使用することは可能ですか??
お時間あるときに回答お願いしますm(__)m


リムポケットの裏側には貼り付けることはできますが、FIVICSのハンドルの様にリムポケットの中に入れることはできません。GMXのリムポケットは最大でも41mm程度の幅しかないため、狭すぎて物理的にはめ込めません。ブロードバンドリングはかなり硬いので、無理やり入れることも不可能です。
どうしても使用する場合は写真の様にブロードバングリングなしで使用することになります…ただのリムセーバーですね。。。


3月はじめての新商品は ブロードバンド・リムセーバー

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2月はあっという間に終わってしまいましたね…整理すると遅れているのはKAYAのタブです。最終工程(確か塗装)で修正があり、入荷は3月の中旬にリスケジュールされました。
さて、3月になって最初の入荷品はSVL(シムス)のブロードバンドリムセーバーです。特徴を一言でいえば、柔らかいダンパーと硬いダンパーをしっかりと接合させて、大きくゆっくりとした振動と小さく速い振動の両方(カタログ値では20-20,000Hz)を吸収してしまおうというものです。
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SVLの久しぶりの新商品ですが、今回の商品はいいです。個人的に一番感心したのは、この部分です。以前に同じようなコンセプトの商品がありましたが、全く振動吸収性能に優れていませんでした。原因は違う振動を吸収するために、2つのダンパーがバラバラに動いてしまうことです。
この商品の優れているところは、2つの素材をかなりしっかりと接合させているところです。2つの素材をサンドイッチするだけではなく、柔らかいゴム(黒・これまでのリムセーバーと同じ素材)に穴が開いており、その部分にブロードバンドリング(赤・手触りはシリコンのようなゴム)の突起を差し込むだけではなく、差し込む部分の先端が太くなっていて、差し込み穴にしっかりと固定されます。
ブロードバンドとは周波数(振動)の帯域幅(幅)が広いことを意味しますが、硬いダンパーと柔らかいダンパーをしっかりと結合させることで、発射時の振動を受けても、2つの硬さのダンパーがバラバラにならずに、交互に作用しながら、異なる幅の振動(ハンドル・リムの振動とそれ以外のパーツの振動)を吸収する構造です。
*これについては、3月にハイスピードカメラで、実際の映像を撮る予定です。
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包み込むだけではなく、さらに差し込んで固定する独特な構造が一番のポイントです。単一素材のダンパーと比較すると、一番の違いは振動吸収のスピードだそうです。
上の資料は同じSVLのUltramaxリムセーバーとの比較ですが、ノックが弦からリリースされた後、弦が5~7回振動している間の振動はほぼ変わりませんが、その後の振動のおさまりが断然違うことが分かるかと思います。
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取り付けはこれまでのリムセーバーと同じく、3Mの両面テープ。貼り付け部分をアルコールできれいにしてから少し乾燥させ、両面テープに触らないようにして貼り付けて、5分ほど時間を置けば完了です。
貼り付け位置もこれまでのリムセーバー同様にお客様のドローレングスまで引いた時にギリギリしなっていない場所に貼り付けるのが、一番効果的です。友人などに見てもらって、テープでマーキングするとやりやすいと思います。その位置よりもリムボルト側に貼ることには何の問題もありませんが、その位置よりもチップ側に貼ると、リムが重くなり、サイトが落ちるので気を付けてください(振動吸収性能は向上しますが)。
また、上下必ず、リムチップからの距離が同じ位置に貼ってください。本日入荷、8色、1ペア1,480円、1つの重さは13g、直径は42mmです。
あ、この記事を書いている間に一つ売れました!! 緑のリムセーバーをお買い上げのお客様、さっそくありがとうございます。


新しいテーパーロッド CX-350 HMカーボン

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入荷しテスト終了しましたので本日から取り扱いします。現在、市販されているスタビライザーはほとんどがストレートロッドを使用していますが、以前には、テーパーロッドが流行った時期がありました。ロッドの太さ(直径)が一定ではなく、先端に行くほど細くなっているスタビライザーです。
*正確には「直径」だけではなくHMC Plusのような先端に行くほど「厚み」が薄くなるものもテーパーロッドに入るようです。
テーパーロッドの中でも、極端なもの、例えば根元が20mmで先端は10mmしかないようなスタビライザーは、現在の軽いリム・軽い矢・軽く伸びない弦でセッティングされた弓では、まったくといっていいほど振動を吸収してくれません。部室などに転がっている場合には、試していただくと、弓具の進化が体感できるかと思います。あくまでも重いリム・重さ矢・重く伸びる弦でセッティングされた弓が活躍していた時代の設計です。
そのために、現在ではほとんどのメーカーはテーパーロッドを作ることを止めてしまいましたが、2000年頃に発表されたテーパーロッドのトリプルスタビライザーを、最新の素材(ハイモジュラスカーボン)で再設計し、かつ、テーパーをかなり抑え(30%程度)、根元を太くすることで、テーパーロッドを最先端の弓でも使用できるようにしたのが、このスタビライザーです。
ハイモジュラス(高弾性)というのは一般的にいうと強い(変形し難い)素材なのですが、それをたわみやすい(変形しやすい)テーパーロッドに採用したのは正解かどうかはともかく、面白い選択だと思います。
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43ポンドのINNO CXTハンドルにX10シャフトでテストしましたが、全く問題がありませんでした。ただ、価格は4,800円で、価格からもわかるとおり、けっして、最上位のモデルではありません。
今回、あちぇ屋でこのスタビライザーの取り扱いを開始したのは、テーパーロッドの独特なシューティング感(太く剛性が高い根元までは接続されたハンドルとの一体感があり、柔らかい先端部は別のロッドかの様に振動します)が好きなお客様のためです。トップアーチャーの選択を見てもわかるように(初心者でもトップでもCXTの43ポンドをうった時に発生する吸収すべき振動は大きくは変わりません)、現在の弓との調和を考えると、やはり一般的に優れているのはストレートロッドだと思います。
ただし、セッティングによってはテーパーロッドの感覚の方がいい場合も確実にあるのです。
ですので、このロッドはエントリー向けにお勧めするものでもなく、競技用としてお勧めするわけではなく、取り扱いの意図としては、シューティング時の感覚を変えて気分転換したり、新しい可能性に挑戦したいときにお勧めする一本になると思います。

ちなみに、僕はテーパーロッド(FB S3 30インチ)を使用しています。


新規代理店契約 Bee Stinger アーチェリー

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本題の前に小ネタを二つ。今月の雑誌アーチェリーにWIN&WINの新しいHMC22スタビライザーについて、5色のカラーが存在すると書かれていますが、確認したところ、12月に発表されたカタログ通り、カーボンブラックの1色しかないです。ゴールドなどのカラーが出る予定はありません。
次に、SCOTT(スコット)アーチェリーから「侍」という名のリリーサーが出るようです…確認しましたが、どこら辺が侍なのかはわかりませんでした…でも、せっかくその名を付けていただいたのですから、日本のプロショップとしては、少量発注しないといけないような気に。販売価格5,000円前後のエントリー向けのリリーサーです。3月~4月の入荷予定です。
さて、これから書く記事は今年の初めには考えていたことで、それに向けて準備をして、今週の月曜日にはすべての用意が整ったのですが…昨日の夜に驚きの発表があり、書く内容の価値が半減し、ちょっとショックですが、読んでいただけたら幸いです。
以前にこんな記事を書きましたが、今年のドインカーの新作はさらに剛性を高めているとはいうものの、販売するとしたら、センター一本で3万円を超えてしまう価格です(Doinker Elite Estremo Platinum Hi-Mod 30インチの場合)。定価をつけて、そこから25%引きで販売する大手の慣習から考えると、国内での定価は4万円になります。センター一本の価格です。
そのドインカーの2013年の発表を年始に聞いたときには、びっくりしました。ロッドのスペックは業界をリードする会社ですが、ひたすらに高価な材料から高価なスタビライザーを製造する近年のドインカーの方針には少し失望しました。
例えば、WIN&WINはカーボンハンドルにフィットするようにHMC Plusを開発し、売れ行きは好調ですし、HOYTはプロコンプエリートという弓を特定のスタビライザーセッティングを想定して開発し、発売以来、すごい勢いで実績を上げています。
近年の、商品単体のスペックではなく、その商品をシステム全体(弓全体)に組み込んだ時の性能を見ながら開発していく方向性の方が正しいと思いますが、ドインカーの方向性はちょっとずれていると考えています。
おまけに今年ドインカーではAボムというダンパーがカタログに加わりましたが、ほぼ以前のAボム(2007年ごろにカタログ落ちした商品)を復刻しただけのものです。まぁ、それでも十分にいいダンパーだったので、こちらは販売を考えていますが(4月ごろに入荷予定)、この間、5年以上の時間があったのですから、進化した商品を提示して欲しかったです。
NIMESでもドインカーの人と少し話ししましたが、ドインカーの商品単体でのスペック強化と、それによるラインナップ全体の価格のインフレには、もうついていけないと思い、これから書くのですが、アメリカで現在急成長しているB-Stinger(Bスティンガー)と1月に代理店契約をして、今週の初めに初めての荷物が届いたのですが、なんと、昨日のドインカー社のフェイスブックで驚きの発表がありました。
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Doinker’s NEW sister company line of products Precision Balance, to be launched next month. It will be a completely separate line of Target and Hunting stabilizers. It will have a Non-Doinker dampener on it, and include two 1oz weights on a nice looking glossy finished carbon rod with machined Aluminum and anodized flat black ends, at a retail for about $140.00 on a 33″. The Hunting products will be similar in configuration… just shorter and Dipped in full camo.
All the rest of the details to follow next month 😉


簡単に意訳すると「2013年の3月に小売価格で1万円前半の新しい商品ラインを発表します。」ということです…早く言ってくれよ…と。。。
この想定外の展開にどう対応するかは、詳細の発表を待って、今後考えます…どういった商品を出してくるのか、140ドルの新しいラインナップと、330ドルの現行の上位ラインとをどう共存させるのか見守りたいと思います。まだ、コメントできる段階にはないのでしょう。
さて、戦略が迷走し(*)ている様に感じるドインカーですが、リカーブではFIVICSやWIN&WINにシェアを奪われていますが、コンパウンドの世界でのシェアを急激な勢いで奪っているのが、1月に代理店契約をしたB-Stinger社(とFUSE)です。
*昨日の低価格の新ラインナップの発表でドインカーはより良い方向に向かうと思いますが、ここからの部分はそのニュースを知る前に書いたものです。


本当に世の中便利になったもので…上の動画は2007年の世界選手権のコンパウンド決勝です。団体を選んだので6人の選手が出てきますが、多くの選手がドインカーのスタビライザーやダンパーを使用しているのが確認できるかと思います。この頃がドインカーの最盛期でした。
下の動画は、最新の世界戦(ベガスシュート)の様子ですが、使用している選手が激減しているのがわかるかと思います。別に意図的に選んだわけではありません。リンクは張っていませんが、検索していただければ、2012年後半の世界戦の映像がいくつもあると思いますが、どの試合でも同じ傾向です。
B-Stingerという会社の特徴はドインカーと違い、ゴムダンパーを使用しないことです。ロッドの性能だけで振動を取り除きます。下にカタログのリンクを張っておきますが、カタログにもウェイトとロッドの間に装着するタイプのゴムダンパーはのっていません(ウェイトの先端につけるタイプのエンハンサーはラインナップにあります)。あくまでも、ロッド単体で振動を吸収するという設計をしています。
B-Stinger(Bスティンガー)アーチェリー カタログ 2013
https://archery.co.jp/catalog_CP/BeeStinger2013.pdf

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写真はカタログに掲載されている主な使用選手ですが、見ての通り、ほぼコンパウンドです。ロッド単体だけで振動吸収する設計はもしかしたらリカーブには向いていないのかもしれませんが、コンパウンドの世界では多くのトップ選手がドインカーからB-Stingerに変えました。
振動をしっかりと吸収するために、剛性の高いロッドを使用していますが、それでも価格はある程度に抑えられています(それでも2万円を少し切るくらいなので安いとは言いませんが…)。B-Stingerの関連会社はGold Tipという大口径シャフトでは有名なカーボンシャフトメーカーです。カーボンシャフトメーカーと一緒に原材料の仕入れを行うために、高性能のカーボンを安く仕入れることができ、それによりスタビライザーの価格を抑えています…というわけで、カーボンスタビライザーは他社の同クラスのものに比べて安いのですが、金属製品(Vバーやウェイト)は特に安くなく、競合他社と同じか逆に少し高いくらいになっています…。。。
Gold Tip
http://www.goldtip.com/

ドインカーがここ近年失っていたもの、新しい設計方針(ダンパーなしのロッド)、ラインナップのこまめな更新、価格を抑えた高剛性ロッド…これらを、今一番アメリカで持っているのがB-Stingerです。
*↑ただし、昨日突然発表された新しいラインナップはまさにこの3つを満たしています…1月から準備してきたのに…
と、まぁ、B-Stingerの商品の宣伝というよりは、メーカーの宣伝です。B-Stingerのスタビライザーはコンパウンドの通販を始めた時から販売していましたが、知る人ぞ知るメーカーで、弊社としても、あくまでも代理店の在庫を仕入れて販売するだけでしたが、今後はドインカーにかわるトップメーカーとして成長するのではないかという期待も込めて、今年から直接取引する代理店として新しく契約をしました。
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今週、第一便が入荷したばかりですが、いろいろとテストをして、よりいい形でメーカーとともに成長していけたらと思っています。現在はまだコンパウンドの方にしかお勧めしていませんが、リカーブの方も新しいモデルを開発するようですので、リカーブ・アーチャーの方もこの黄色の蜂がトレードマークのB-Stinger(ビー・スティンガー)、覚えていただけたら幸いです。