昨日も書きましたが、ホイットの2015年モデル、今夜深夜(午前2時-3時くらい)に正式発表です。楽しみですね。
Author Archives: 山口 諒
【アーチェリーテクノロジーを読む1】パワーストロークに対しての新しいアプローチ
この3連休、アーチェリーテクノロジーを読んでました。全日本前なのですが…ちょっと肩を痛めています。
下記、専門的な話です。興味がある方だけに。
先週届いたアーチェリーテクノロジーの中身を少し紹介できたらいいかなと思い。記事にまとめました。
90年代の日本メーカーのアーチェリー技術に対しての理解について残されている資料はアーチェリー教本(2000年版)などしかないのですが、そこに書かれていることが本当に2000年段階での最新の知識であれば、その知識はあまり古いとしか言えません。誤りも多数あります(もちろん2014年の段階で2000年に書かれた本を指摘するのはフェアではありません)。
日本の弓が世界を席巻した時期もあったので、おそらくはそうではなく、欧米と違い、公立の研究組織に所属している(メーカーから)独立した研究者が存在せず、アーチェリー技術を研究していた研究者がみんな商業メーカーの人間だったので、最新の理論を発表できなかったのが理由なのではないかと推測しています。
ヒックマン博士の次に有名な研究者にボブ・コーイ(Bob Kooi)さんがいるのですが、工学ではなく、数学者の方で、論文が(自分には)難解すぎて、何度か挫折しました。

(Bob Kooi, On the mechanics of the bow and arrowより)
この本の中では、新しいコーイ博士の理論を解説してくれているのですが、それが上のグラフです。昔の日本メーカーのカタログを読むと、とてもfx曲線を大事にしていることがわかります。理由はわかりませんが。
弓を引いた時のドローフォースカーブ(fx曲線)とリリースした時に発生するフォースカーブは異なります。後者はよく、ダイナミックフォースカーブと呼ばれます。それは測定することが困難です。測定のためのセンサの自重が結果を狂わせるためです。
1937年にヒックマンはそれを計算より導き出し、E(Hickman)のようなカーブになることを発表しました。リリース時にいったん落ち込み、最後でドローフォースカーブを超えて一気に矢にエネルギーを伝えます。自分も考える時にこのカーブをもとに考えてしましたが、ボブ・コーイさんは83年の論文で、違うカーブを発表します。それが、グラフのE(This theory)の方です。正直、この理論は知りませんでした。
そして、その根拠、ヒックマン博士との違いはどうやら、弦を直線として計算するかということにあるようです。
Youtubeより
上の2つは適当なハイスピード動画から撮ったキャプションですが、リリース時に弦が直線ではなく曲がっていることが確認でするかと思います。これによって、弦にかかる力は一定ではなく、その力も静的と動的では違いがあり、それを織り込んで計算するとリリース後のフォースカーブは2つの山と2つの谷を持つ形になるというのが、83年、現在で最も新しい理論です。
ボブ・コーイ(Bob Kooi)博士の論文はこちら。大学レベルの知識が必要です。
On the Mechanics of the Bow and Arrow
http://www.bio.vu.nl/thb/users/kooi/thesis.pdf
第三章(The Bow)ではこのあたりの話について書かれています。(第一章は単位の話、第二章はアルミやカーボンの素材の特性について)
第四章(Limb Design)に続く。
【ニューヨークタイムズ】ホイットのカーボンハンドルは中国製か?
海外のアーチェリーフォーラムでホイットの2015年の新モデルの写真が登場。カーボンウィドウメーカーというモデルでカーボンスパイダーに変わるハイスピードモデルだそうです。写真を見る限り、かなりハイトは低そうです。
いつもなら、この写真が正しいものか確認に時間を使いますが、正式発表ももうすぐなので、ちょっと待てばわかるかと思います。
それよりも、フォーラムでホイットのカーボンハンドルが炎上しています。そっちの方をずっと見てしまいました。
2015 Hoyt Carbon Widowmaker
http://www.archerytalk.com/vb/showthread.php?t=2339067
日本でも一部の人間が問題にしていますが、中国のブドウを輸入して、日本で製造さえすれば、それは国産ワインとなるそうです。ホイットはメイドインUSAを語っています。弓の組だてが実際にアメリカで行われていることは疑いようがないですが、ハンドルは中国で製造しているという話は昔からあり、今回は、ニューヨークタイムズの記事がそのことについて触れていることで、噂として気にしていなかったユーザーまでもが真剣に議論しています。
議論の対象になっている記事です。その中で下記の一部が引用されています。
「Now O-Tech holes are increasingly seen in other places, too: on the sticks of N.H.L. players like Detroit’s Pavel Datsyuk, and on the handles of the metal bats of baseball players from Little League to college. The Prince holes can be found on Olympic field hockey sticks from Grays, top-level lacrosse sticks, and even high-performance archery bows from Hoyt. 」
「The most unusual application so far is probably the Hoyt archery bow. There are no orderly holes as on other equipment. Instead, three hollow twig-like carbon-fiber tubes twist like a pretzel. (“It’s a liberal interpretation” of O-Tech, Davis said.) Hoyt calls it a “quantum leap” for the archery industry.
“The impact of O-Tech technology on the archery industry could completely revolutionize the sport,” Hoyt’s president, Randy Walk, wrote in an e-mail. “These types of technology and advancements within ancient sports don’t come very often.”」
要約するとプリンスのOテクノロジーという会社がホイットのカーボンライザーを作っている(作ってくれた助かっている!)という内容なのですが、ここから、現在、プリンスは中国にしか工場を持っていないのだから、ホイットのカーボンハンドルは中国製に違いない。という話になっています。
見ていくとOテクノロジーがカーボンハンドルを作っているのは間違いないようですが、この会社が中国にしか工場を持っていないのかどうかは…プリンスがアーチェリーの会社ではなく、テニスの会社なので自分にはわからないです。最後のこのピースがつながれば、中国製で間違いないというところで、議論が盛り上がっているようです。
まぁ、個人的にはこの仕事をしていて、私の交渉相手(つまり価格や修理や保証を決定する側の人間)がアメリカの人間であれば、安心して仕事できるので、製品の中心となるパーツが中国製でもあまり気にはなりませんが。
*この件に関して根拠となる資料なく「間違いなくプリンスのラケットは全部中国製ですよ」と言ったコメントをいただいても承認はしませんのでご理解ください。
正式発表までもう少しお待ちください。G5プライムの2015年モデルのONEの広告開始
アーチェリーの工学的分析本が届きました。
アーチェリー研究の第一人者の一人であるJames Parkさんが書いたアーチェリー用品に関する技術的・工学的な分析本「Archery Technology」が届きました。直筆のサイン入りです! ありがとうございます。先月印刷されたばかりなので、最新のアーチェリー関連の本です。

中身は射形ではなく、道具についての研究です。専門的な内容なので、高校生以上でないと中身を理解するのは難しいと思います。グラフ上はX10の600番が1次モードで振動するときのフロントノードとリアノードの位置を測定したもので、下は、コンパウンドドローイング時のケーブルとストリングにかかるテンションの変化を測定したものです。
もう一冊、アーチェリーの世界に初めて科学を持ち込んだヒックマン博士の本と合わせて読むと、アーチェリー技術の進歩を実感できます…ヒックマン博士の本は入手困難ですが、頑張れば見つかります。
この本、あと2冊あるので興味がある方はぜひありがとうございました。ただ、オーストラリアから直送されているので多少痛んでいます。ご理解いただける方のみ。知識としては、下記のPDFの内容を理解できるくらいであれば、大丈夫です。
Modelling the 3D vibration of composite archery arrows under free-free boundary
conditions
FLEXがアーチェリーシューズの生産を開始
G5プライム2015の次世代ONEのスペックが出ました。
G5プライムの新しいONEのスペックが出ました。前回紹介した既にこの弓を使用しているポールも間違いないと言っているので正しい情報かと思います。
ONE STX(シュートスルー)
アクセル間: 39インチ
ブレースハイト: 7インチ
IBO: 323fps
引き尺: 24.5-31インチ
ポンド: 40/50/60/70
新型フレックスローラーガイド搭載

他に同じ設計でハンドルがシュートスルーになっていないONE MXというモデルも発表されるようです。10月末の正式発表、11月の入荷を予定しています。価格は未定です。
トライアンフ(Triumph)シャフト自体のFOCは6.8%
イーストンの新しいシャフトのトライアンフ(Triumph)シャフト。CXは独自技術で一つのシャフト上に2つのスパイン(硬さ)を持っていますが、それと同様の機能をイーストンも自身の得意のアルミコアを張り付ける技術で実現したシャフトです。

もう購入した方はご存知かと思いますが、シャフトの”切ってよい”方に金色のシールが貼ってあり、必ずシールがある方のみを切ってください。好きに切っても良いですが、保証対象外になることは理解ください。
また、片方にのみアルミが入っているのでシャフト自体の重心が先端側に寄っています。400番シャフトでテストした結果、シャフト自体のFOCが6.8%でした。参考になれば幸いです。
ザ・ターゲット(PDFバージョン)の配布が開始しました。
先日、印刷版をお客様に配布したWAの広報誌のザ・ターゲットのPDFの配布が開始しましたのでお知らせします。手に入らなかった方はぜひ。
ホイットの2015年に向けての準備で特価品を追加しました。
ホイットのシリコンバンドの取り扱い色が赤/白から黒/赤に変更されました。今後は黒/赤で取扱いします。
ホイット(HOYT)の2015年モデルの発表は2週間後の予定です。それに伴い、いくつかの商品の新規受注が停止しました。
また、新しい商品のために在庫スペースを空けなくてはいけないので、ホイットのハンドルをいくつかをほぼ原価で特価品に追加しました。サイズが合う方は絶対にお買い得かと思います。
【定価の60%オフ】
Formula RX 27 ブルー
Formula HPX 25 ブラックアウト
Formula HPX 25 ブルーフュージョン
Formula ION-X 25ブルーフュージョン
Formula エクセルプロ ブルーフュージョン
Formula エクセルプロ レッドフュージョン
GP ホライゾン 25 赤
よろしくお願いします。









