ボウガン(クロスボウ)競技の講習会に行ってきました。

%e3%83%9c%e3%82%a6%e3%82%ac%e3%83%b3%e7%ab%b6%e6%8a%80%e4%bd%93%e9%a8%93日曜日、池袋の豊島区総合体育館で行われているボウガン(クロスボウ)競技の初心者講習会に行ってきました。ボウガンというと、アメリカなどで販売されているおもちゃ、初心者向けのモデルが日本の(なぜか)護身用グッズショップで販売されていて、そのイメージが大きい方もいらっしゃると思いますが、アーチェリー同様、おもちゃもあれば、ハンティング用、ターゲット競技用の精密射撃モデルも存在します。

lbg%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%83%9c%e3%82%a6写真は現在生産されているフランスLBG社のものです。値段はアーチェリーの上位モデルと同じ20万円同じくらい。アーチェリー関係メーカーでは、ボウテックグループのエクスカリバー社が競技用(IAUルール規準)モデルを作っていたり、ボーダー社が業界のデファクトスタンダードである、スピリットマウント対応カーボンリムを製造していたりと、アーチェリーから遠くない世界でもあります。

ハンティング用との違い(競技団体IAUルール)は、ポンドの上限が95ポンドであったり、倍率レンズの禁止、パワーストローク制限、リカーブリムでなければならない、矢の直径は7.7mmまでと、多くの制限があり、コンパウンド同様、主に出力を制限し、安全ではないハイパワーモデルの使用を制限するものです。ハンティングモデルの場合はそういった制限はなく、上位モデルは相当なパワーがないと扱えないものになります。

%e3%83%9c%e3%82%a6%e3%82%ac%e3%83%b3%e7%ab%b6%e6%8a%80%e4%bd%93%e9%a8%932(30m 40cmインドア的 ACCシャフト使用)
説明を受け、練習をした感じでは、セッティング、チューニングはかなりアーチェリーと共通のものがありますが、シューティングは全く違うものです。エイミング時に弓を引いているわけではないので、弓の力のバランスではボウガンを安定させることができず、利用できる力は弓の重さだけです。弓を自分の体の姿勢に合わせてカスタマイズし、密着させ、弓の重量をいかにしてリラックスして受け止めつつ、その力で体を安定させる技術が必要で、リカーブとも、コンパウンドとも全くの別ものでした。

ホイットの創業者の方がクロスボウ(ボウガン)とアーチェリーとは別の楽しみであると言っていた理由は何となく理解できました。

HOYTの創業者 Earl Hoyt Jr. インタビュー

ボウガンをやっている方のお話を聞くと、アーチェリー側の理解がもう少し進むといいなと考えます。ボウガン選手がアーチェリーの射場で練習ができない問題があるそうです。これは正直、お互いの理解の問題だと思っています。競技用ボウガンは規制値が95ポンドに制限されていて、パワーストロークも短いので、30mでのパワーはリカーブで35-40ポンド程度の威力しかありません(*)。危険ではなく、畳を痛めたりするようなものではありません。

*90ポンドモデルでレーティングは220fps

ハンティング用の380fps(280ポンド)とか、そんなスペックのものは当然公共の射場で使用していいものではありませんが、競技用の低ポンドのものは使用できるようになってもいいのかなと思います。ただ、リカーブ・コンパウンドよりは横にスペースを使用するので、狭い射場では物理的に難しいでしょう。一番の課題は射場管理者がボウガンの競技用モデル/ハンティングモデルについて理解を深めることだと思いまず…触ったことがない人が見てもどれがハンティング用でどれがターゲット用かは見分けられないので、一様に拒否されているのが現状なのでしょうか。残念です。

非常に面白かったのでもう少し深堀したいと思っています。

記事を読んで興味を持たれた方は下記の連絡させに問合せください。

東京地域(豊島区総合体育館)では第三日曜日に初心者の講習会を行ってくれています、10-12時の2時間で2,000円です。弓は無料で貸出してくれます。また、上限が95ポンドというだけで弓は30ポンド台もあるので、女性でも苦労することはないです。申し込みは2日前までにご予約をください。

日本ボウガン射撃協会 様
jpn-xbow@mx7.ttcn.ne.jp


下記のサイトを参考にしました。

ボウガン射撃チーム弓友会のホームページ
http://www.geocities.jp/kyuyukai_e/

プライム(PRIME)が新しいタイプのカムを搭載した2017年モデルを発表。

cbts_hotspot_main1プライム(PRIME)が自分が知る限りでは今までになかった新しいタイプのカムを搭載した2017年モデル、centergy(センタジー)を発表しました。センターエナジーという造語のようです。

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特徴としては、矢(バーガーホール)を弓の中央に置くのではなく、グリップのピボットポイントを弓の中央に置くというものです。それによってスタビライザーがないベアに近い状態でも、トップヘビーにはならず、最適なシューティングバランスを実現できます。ただ、この発想自体は新しいものではありません。

ただ、今までプライム(PRIME)が採用していたシンメトリックカムでは、このような設計はできません。上下カムが左右対称(シンメトリック)で、ケーブルは上下同じトラック形状に巻かれるので、矢は弓の中央から発射されなければなりません。その問題を回避するため、新しいプライムのカムシステムではカムの設計をほぼそのままに、上下のカムのサイズを変更することで、上下カムのケーブルの巻き込みの量を調整して、矢がセンターにない状態でも、完璧なノックトラベルを実現しているようです。

上下のカムの形は同じだがサイズが違うというカムシステムは自分が知る限りではないです。シンメトリックカムシステム(上下のカムが同じ形)とハイブリッドカムシステム(上下のカムの形状が違う)のどちらにも分類できないので…チューニングは両方の特徴を気に欠けながら行う必要があるように感じます。

g5%e3%83%97%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%a0%e3%83%8e%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%9d%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ae%e5%a4%89%e6%9b%b4このかけシステムの変更に伴いノッキングポイントの位置にも変更があり、これまでノッキングポイントのスタート位置はセンターより少し上が推薦されていたものが、新しいカムシステムではど真ん中(シャフトのセンターとバーガーホールのセンターを合わせる)に変更されています。

このカムシステムが提供する最大のアドバンテージは、スタビがない状態での安定性ですので、スタビライザーを装着した状態がスタートポイントとなるターゲットボウではそこまでのメリットはないかもしれませんが発想としては新しいと思います。いつか、この設計がターゲットボウにも応用されるかもしれません。

マシューズ(Mathew)2017年のハンティングラインが発表されました。

%e3%83%9e%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%ba2017%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0先日のターゲットに続き、マシューズ(Mathew)2017年のハンティングラインが発表されました。

マシューズ(Mathews)が2017年ターゲットラインモデルを発表しました。

ターゲットでも大活躍のHALONをベースとしたHALON32というモデルがフラッグシップモデルとなります。新規追加の5モデルのうち、弊社では、中価格・軽量・ハイスピード・ショートドローを特徴とするAVAILを販売することとしました。

Mathews AVAIL
http://cpbow.cart.fc2.com/ca10/999/p-r-s/

また、同時発表とされていたMISSIONは2016年と同じラインナップでの販売となります。

30時間アーチェリーに挑戦しませんかヽ(^。^)ノ

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達成された記録は

・30時間16分

・2430射

・20638点(18m 40cm的 リカーブボウ)

です。

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1日700射(45ポンド)はしたことあるので30ポンドくらいまでに落とせば、1500射くらいはいけそうな気がしますが、体力よりも気力との戦いになりそうですね。30時間アーチェリーしてみます?

日本にも昔「通し矢」という競技がありました。まぁ、これはチームで競うもので挑戦に1億円(wikiによると千両)もかかるので、一人で矢取りまで全部やるアーチェリーマラソンとはだいぶ違いますが。

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通し矢に興味がある方は 弓道士魂 完全版 | Amazon という本をお勧めします。 


こちらは映画の「三十三間堂通し矢物語(1945)/成瀬巳喜男 」(昨年で70年の著作権満期につき無料でご覧いただけます)。

Longest marathon, archery | Guinness World Records
http://www.guinnessworldrecords.com/world-records/longest-marathon-archery

マスコミって…アーチェリーしかわかりませんが

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トランプが勝利した米大統領選挙。その結果はアメリカ国民の選択ですので、私がどうこう言える立場ではないですが、それよりも気になったのがマスコミの報道です。事前報道と全然違うと言いますか…。

どれだけの”偏向”報道があったのかプロではないのでわかりませんが、少なくともアーチェリーに関してはプロです。本日、携帯が私にお勧めしてきた記事を読んでびっくり。報道がどれもこのレベルだったら怖い。訂正します。

—(引用 朝鮮日報日本語版より)
2020年の東京五輪を前に、日本が韓国のメダル貢献種目・アーチェリーに目を付けている。日本は「第2の朴柱奉(パク・ジュボン)プロジェクト」を始動させ、東京五輪でアーチェリーの金メダルを狙う戦略を立てた。日本の共同通信は12日、「全日本アーチェリー連盟が理事会を開き、2020年東京五輪に向けた選手強化の一環として、ナショナルチームに韓国から初めてコーチを招くことを決めた。韓国の技術習得のため来年から代表チームなどに2-3人の指導者を置くことを目標としている」と報じた。

中略

日本のアーチェリーは1970年代半ばまで世界のトップクラスにあった。むしろ、そのころアーチェリーに目覚め始めた韓国の指導者が日本語の書籍を見て技術を学んだほどだ。アーチェリーの弓の製造も、米国のホイヤーと日本のヤマハが二大メーカーだった。

しかし、韓国が「神弓」キム・ジンホとキム・スニョンの出現と共に目覚ましい成長を遂げ、日本のアーチェリーは停滞期に入った。ヤマハは市場占有率が低くなると2002年初めアーチェリー市場から撤退、これを韓国メーカーのWIN & WINが買収した。現在、日本の登録選手の80-90%が韓国WIN & WIN製造のアーチェリーを使っているという。

—(引用ここまで)

・米HOYT(もっとも一般的な読み方はホイット)社、いろいろな読み方はあると思いますが”ホイヤー”にはならないでしょう

・ヤマハが撤退した時に、その設備をいくつか”購入”はしたが、ヤマハのアーチェリー事業を”買収”したわけではない

・正式な統計はないが「日本の登録選手の80-90%が韓国WIN&WINのアーチェリーを使っている」という情報は当のメーカー営業からすら聞いたことがない。OEM(SF/KAP/CORE/KINETICなど)を入れて、贔屓目に見積もっても65-70%程度ではないかと思います

まぁ、アーチェリーに関する報道はこちら側もプロですので騙されませんが、他の自分が詳しくない業界でも報道がこのレベルだったらと思うと怖いです。

アーチェリー:東京で金メダル狙う日本、韓国人コーチを招聘へ - 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 (2016/11/15 08:26)

タイタン(TITAN)から新しいサイトピンパッケージが発表されました。

clamshell-recurve-x-vision-apertureタイタン(TITAN)から新しいサイトピンパッケージが発表されました。新商品ではありません。

2017年タイタンでは0.020/0.040(弊社では取り寄せ扱い)のラインナップの生産を終了し、0.030ラインにフォーカスすることとなったようです。もともと、弊社では0.030の取り扱いですので、特に変更はありません。

それに伴い、新しいサイトピンパッケージのX-VISIONサイトピンが登場します。

中身は

– 0.030″ サイトピン用レンズ(穴の開いているレンズ)
– 1mm Dot レンズ(穴の開いていないレンズ-ドットのサイズは張替可)
– 3サイズのOリングセット
– Gunstar Dot & Circle(オレンジ)

となります。

12月頃の入荷予定です。現在販売中のもので廃盤になるものはありません。0.020/0.040をお使いの方で使い続けたい方はファイバーを多めに事前に購入することをお勧めします。

ウィン(WIN&WIN)の2017年ライン発表されました。

%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%bc2017%e7%99%ba%e8%a1%a8wiawisnanotft本日、ウィン(WIN&WIN)の2017年ライン発表されました。来週にはサンプルが出るようですが、販売用のものの入荷は、例年通りなら来年の旧正月前後となるでしょう。
%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%bc2017%e7%99%ba%e8%a1%a8wiawisnanotft2
まずは、カーボンハンドルではWIAWIS(ウィアウィス) NANO TFTハンドルです。1280gで同シリーズのNano MAXよりも40g軽い設計です。バック側に”H – Beam Torque Free System”というフレーム(写真赤)が挿入されています。トルクフリーはウィンが昔から一貫して追い求めてきた性能です。

TFS_TPApecsTFS(Torque Free System)という名称聞いたことある方もいるかもしれません。以前にはTF Apecsというハンドルで同様のシステムが採用されていました。的方向にウェイトと(ブリッジ構造により)剛性を追加することで、トルクの低減を目指していました。2017年、TFSが内蔵フレームという形で復活します。TF Apecsハンドルと同等のシステムであれば、飛び出しがよく、振動吸収にも優れている良いハンドルになるでしょう。TF Apecsはその重さ(フルで1330g)とユニークな形状(ケースに入りづらかった…)などの問題でそこまで売れませんでしたが、性能だけで評価すると結構よいハンドルだったと記憶しています。まだ値段が出ていないので評価できませんが、あまり高くなければTFTハンドルにはかなり期待できます。

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ですので、例えば、2000年に書かれたフォームコアとウッドコアについての文書はもう今の時代にはそぐわないと考えています(なので、このサイトでは古い記事には注意喚起をしています)。2017年、ウィンでは新しいグラファイトフォームコアというものが採用されるようです。もともと、INNO POWERまでは結構フォームの破損がありましたが、INNO EX POWER以降のウィンのリムでフォーの破損は劇的に減っています。この素材の特性を見ると、耐久性の向上よりも、リム自体の剛性(ねじれに対する強さ)を向上させる方働くようです。このテストは簡単(弦をはった状態でリムをねじってみてどれだけ抵抗を感じるか)にできるので、入荷後に見てみたいと思います。
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在庫にAL1が生産終了し、同じグリッドデザインを継承したWIAWIS ATFが登場します。同じフォージドアルミ合金を使用し、形状を少し直線的に、重さは20g軽くなっています。メーカー側ではグリッドデザインの見直しによって剛性が向上したとしています。AL1のリプレイスと考えれば大きくは違わないです。

また、写真の通り、ホイットの2017年同様にリムボルトの再設計がされています。これについては詳細待ちです。実はウィンではリムポケットの大幅に見直しをしているという話があるのですが、大幅に見直しはなく、リムボルトの再設計のみとなりました。

この他、ラピードシリーズ、RCX-100シリーズは生産終了となりました。

毎年より1か月以上早い発表となりましたが、入荷も1か月早くなるかは問い合わせ中です。入荷次第詳細のレビューを行います。

ウィン(WIN&WIN)2017年はドイツ時間朝10時(日本時間18時)発表

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例年ドイツで行われるベルリンオープンごろに新作が発表されるウィンですが、今年は1か月ほど早く、本日のCET(ドイツやフランス時間)の朝10時に発表されるとアナウンスされました。日本時間では18時となります。楽しみですが、これまで発表から実際届くまで長くて半年かかったりするので、入手は少し先とお考えください。

高性能の弓であなたのシャフトは??

%e3%82%b9%e3%83%91%e3%82%a4%e3%83%b3_%e6%9f%94%e3%82%89%e3%81%8b%e3%81%8f現在2017年に向けてサイトの説明などの更新を行っています。最新の弓具はあなたの矢(スパイン)にどのような影響を与えるのか?

チャートが毎年更新されるとき、リカーブとコンパウンドでは逆のことが起きていることはご存知でしょうか。

リカーブの場合、高性能なリムほど効率性が向上します。リムの効率性というのはアーチャーがリムを引いた時に使った力のうち、どれだけが矢に伝わったかという率です。この値が高いほど、矢に多くのエネルギーが伝わり、矢速が速くなります。

%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%882005-2017これは2005年のチャートと2017年のチャートとの比較です。私が加工して28インチだけ表示してあります。T9カテゴリーが示すスパインは同じものです。リカーブ、2005年当時では、56-60ポンドだけの強さがないとT9カテゴリー(X10 なら450)が使えません。しかし、2017年では53-57ポンド、3ポンド低い実質ポンドでもそれだけのエネルギーがシャフトに伝わることがわかります。つまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”硬くしない”とスパインが合わなくなります

では、コンパウンドではどうか。コンパウンドは効率性ではなく、矢速のレーティングが存在します。この場合、自分の弓を55-60ポンド(試合で使用できる上限)を基準にした時、2005年の弓では291fpsあれば、T9カテゴリーとなりますが、2017年の弓では、T9で55-60ポンドが適合する弓は301fpssとなります。より速い矢速の弓となっても、スパインを硬くする必要がありません。これはつまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”柔らかくしない”とスパインが合わなくなります

(下記技術的メモ)

リカーブの場合チャート表に出ているのは見かけ上のポンド数(リムに蓄えられるエネルギー)ですので、これを一定とすると、性能の向上ともに効率性の向上することで、実際に矢に伝わるエネルギーは向上する。よってスパインが硬くなる。


コンパウンドの場合チャートに表記されているのは実際の矢に伝わるエネルギー。つもり、すでに効率性を考慮した値である(効率性によって3つの欄が選択される)。よって効率性の向上の影響を受けない。つもり、効率性という性能はそもそもチャートには関係ない。チャートから読み取れるのは、矢に伝わるエネルギーが3.4%(301/291)向上しても、同じスパインが使用できることを示す。

その理由としては多様な要素があるが、基本的にはシャフトの受ける的方向以外のストレスは性能の向上とともに低下する方向にあるので、パラドックスを発生させる力は低下している(リカーブでいえばコンパウンドボウはどんどんリリースがうまくなっている)。矢に伝わるエネルギーを3.4%向上しても、シャフトがパラドックス方向に受けるストレスは同じであることを示す。

ピアソン社のカタログで見るリカーブボウとその長さ

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b31969先日、ベン・ピアソン(Ben Pearson)社の古いカタログが手に入ったので、少し歴史を振り返った記事です。古い技術書やアーチェリーに関するトピックを読むと、(今の知識からすると)なんでそうなるのとなりますが、その時代背景を知れば、どのような環境で書かれたものかがわかれば、それはそれで納得できるものだと思います。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b358こちらは1958年(58年前)のカタログです。まず、驚きは弓の長さ表記でしょうか。5’4″とは5フィート4インチという意味で、換算すると64インチです。ただ、この時代の弓の長さは現在とは異なり、ハンドルとリムの長さを測ったものです。そこから4インチ引いたものを弦として購入していました。以前にも書きましたが、今の時代ではそのような測り方はしません

いつの時代に弦は関係なく、ハンドルの長さを測っていたんだと思って探していましたが、ワンピースボウの時代の初期の話のようです。この話はアーチェリー教本(2000年改定版)で見つけました。

「”弓の構造がテイクダウンボウ(*)が主流になって、従来(**)の弓の長さの測定法では不都合を生じ、”マスターストリング法”という新しい測定法が取り入れられた。」

P.26 ヤマハ 伊豆田さん担当の章より

*ハンドルとリムが分解できる弓
** この本の初版は1988年なので、文字通り「従来」ではない。

弓の長さとはなにか についての簡単な解説

弦と無関係に弓の長さを測るという行為は非理論的なようにも見えますが、しかし、カタログを見る目とブレースハイトいう概念がないのがわかります。という風に書くと語弊がありますが、リムの素材の関係などで、ブレースハイトというものが調整されるべきものという概念がなかったという意味です。6インチ前後が推奨ブレースハイトではない弓が存在せず、弦の素材は”Lay-Latex”という使えば変わってくるものだったので、ブレースハイトがどうこうという意識が存在していなかったようです。ですので、弓の長さを測るときに弦を考慮する必要がありません。納得です。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b36363年です。このころになると、推奨ブレースハイトが登場します。このカタログでは高いもので8インチ、低いもので6.5インチと1.5インチの幅が出るようになりましたが、これは設計差ではなく、概ねにサイズ(弓の長さ)に比例したものです。つまり、今でいうと64インチは低く、70インチは長くといったことです。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b363%e5%bc%a6ブレースハイトというものが意識され出した理由はおそらくダクロンという新素材の登場によって、ブレースハイトが管理でき、チューニング可であるという認識が出たものによるものでしょう。弦の素材カタログがかわり、58年には弓のサイズで注文するのみ(弓のサイズ=弦サイズ)でしたが、63年からは弦の長さでも注文ができるようになりました。66インチでも、いろいろなサイズが使えるようになります。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b36868年、ピアソン社のカタログからフィート表記が消え、インチのみの表示に一気に変わります。また、このころから設計にブレースハイトが入り込み、60インチで8.5インチと7.5インチの弓が出るようになってきます。ブレースとハイトが弓のサイズと比例しなくなってくるのはこのころです。新しい素材などの採用が進んだ結果でしょう。使用されている素材もスペックして書かれるようにりました。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b37373年、ピアソンのカタログの表記にAMOの表示が登場します。このあたりで弓の長さの測定方法が変わっていったものと推測されます。

弓の長さを弓自体の長さではなく、弦の長さから測定していくのは、当然ですが、弦の長さが弓の長さを決めるからです。ですので、現在の測定方法に違和感がある人はいないと思っていますが、その根本には教本にもあるようにマスターストリングという”概念”が必要とされます。

58年から73年までの15年間で、弓の測定方法が変わっていったのは、リカーブボウを取り巻く環境が変わったためであることがわかるかと思います。図面上でしか存在していなかった”マスターストリング(*)”が、それを実現できるだけのクリープ/ストレッチのない原糸が登場することで、机上の空論ではなくなっていきます。

*厳密にヤマハにおいて”マスターストリング”がどう定義されていたのは資料がなく、ATAが使っている意味で使用しています。

これはピアソン1社だけを見た流れですが、伊豆田さんが書かれたように、今では誰もが使っているテイクダウンボウが登場することで、この流れは不可逆的になったのでしょう。

今では、知っている限り、全メーカーがATAのルールにのっとってサイズ表記をしています(*)。

*一部の小規模メーカーは独自の基準で製造しています

参考にしました。

Measuring Traditional Bows and Bowstrings
http://www.bowhunting.net/artman/publish/TailorMaidMeasuring.shtml