昨日の記事で次期のコスパモデルとしてWNSのトリニティC6を検討すると書きましたが、実は、競合モデルとしてのキネティックのATHLOS 3Kカーボン/メープルウッドリムもかなり良いリムでした。写真は自分のリムで、現在、アウトドアに向けてテスト中です。
その前身であるPALMARISも良いリムでしたが、最後まで取り寄せでの対応でした。ちなみに写真も自分の私物です(ベアボウ用)。取り扱わなかった理由は2020年に発表された当初の記事にあるとおりですので、気になる方は読んでみてください。
キネティック(Kinetic)の2022年モデルのATHLOSと2020年モデルのPALMARISとポンドが書かれているステッカーを見てみてください。違いがわかりますか?
キネティックは自社では製造をしておらず、委託しているのですが、そのOEMの製造ラインが変更されています。
この点が長く弊社で取り扱いしてきたWNS/KAP(WIN&WIN)との違いで、ラインを変更することで、リムの製造拠点を自由に選択肢、性能では最適化することができるのかもしれませんが、リムの品質の一貫性に関しては、私としては不安を感じます。
I:困難や苦難はありましたか?またどんなものでしたか?
P:中略 … 次には、販売する商品に関して苦労しました。この点に関しては、2004年のアテネオリンピックの際、自社製品が様々な問題を抱えており(***)、オリンピック後の半年間は商品の生産を止めざるを得ない状況にまでなり、本気で事業をやめるかどうか考えました。今思い返してみてもとても難しい時代でした。
WIN&WINの社長が以前のインタビューで語っているように、WINは自社設計・自社生産ですので、今までのトラブルもすべて自社のノウハウとして確実で社内で引き継がれるので、着実に毎年品質は向上しています。
対して、工場・ラインを頻繁に変更していると、知識としてはメーカー(キネティック)にも確実にフィードバックされますが、違うラインで活かされるのか、なんとも言えない部分があると思っています。
弊社で販売しているメーカーのリムはほぼすべてが自社生産品です。ハンドルについて言えば、ほぼCN機械が削っていくだけなので、設計さえちゃんとしていれば、OEMでも設計通りに作れますが、リムはまだ人の手が入る部分が多く、OEM製品を取り扱うことには不安があります。
写真上は、自分が最初にテストしたキネティックのFINITYリム(2019年モデル)。FINITY L34→2020 PALMARISはL38→2022 ATHLOSはL40と自分の中で順調にポンドアップが進んでいますね(笑)
自分で試している限りにおいて、キネティックのリムで外れはないのですが、少なくともOEM先のラインが安定しない限り、以上の理由から、WNSのように大きく在庫しての販売は難しいです。いいリムなんですけどねー。ATHLOSも取り寄せでの販売となる予定です(28,000円)。