新時代のダンパーHUSHPUK、チューニング中です。

hushpuk_damper以前に、フレックスのエンジニアさんと新商品開発エンジニアの仕事について話したことを少し記事にしました。

“エンジニアのグレゴリオの話の中で最も興味深かったのは、人材採用の話で、この業界での競争力は「素材」しかないとおっしゃっていました。”
*最大手の競技用弦メーカー FLEX アーチェリー 訪問 その2

素材とは関係ない所では、ION-X向けのステルスショットなどが昨年発表されましたが、これは結局はコンパウンドの技術のリカーブへの転用です。完全に新しいアイデアの商品と言うのは難しいようです。

HUSHPUK(ハッシュパック)はSVLのリムセーバーと同様の商品で、振動吸収と静音化を目的としています。また、接着面を両面テープやシリコンカップではなく、粘着性高分子ゲルが使用されています。接着性高分子ゲルというのは…おでこに貼る冷えピタみたいな素材をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

この素材は自由に接着、再接着できます。油や汚れが付くと接着性が落ちますが、その場合は工業用アルコール、または、イソプロピルアルコール91%(消毒液として販売されています)でふき取って、乾燥されることで接着能力を取り戻します。いろいろなところに取り付けて、チューニングしながら、最も効果の高い場所を探ることが可能です。

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振動吸収を最大化にするためには、チューニングするときは弓をベアな状態、つまり、サイトやスタビライザーを付けない状態で近射しながら、ダンパーの場所をいろいろと動かして、最もハンドショック(手に感じる振動)が少ない場所に装着してください。静音化についてはいろいろな意見がありますが、逆に、静音化の効果を最大化するためには、すべての道具を装着した状態でチューニングした方が効果的といわれます…が、ハンターたちのように発射音をなくす事を追求したことがないので検証はしていないです。

DSC_0303ダンパーはフラットなデザインです。背は低く、逆にリムボルトの方が大きいです。なので、重さは非常に軽く65グレイン(4.2グラム)/個です。大きさは35mm x 28mmです。

IMG_20140915_132213もう一つのタイプのダンパーは細長いダンパーで、こちらは細長いロングボウのリム用、または、ホイットのコンパウンドのようにスプリットリム用のダンパーです。大きさは52mm x 21mmで、重さは93グレイン(6.0グラム)です。スプリットリムは4本のリムから構成されているので、使用するためには2セットの購入が必要です。

Hushpuk_deaton_archeryダンパーが軽いのでリムのしなる部分に取り付けても矢速への影響は最低限に抑えられると思いますが、まずは、ディートン選手が採用しているリムボルト付近に取り付けてチューニングしてみました。なかなか良い効果があったので、当分はここにつけて練習してみようと思います。効果の中でも、振動吸収性はおおむね予想通りでしたが、静音性能は予想以上でした。

IMG_20140915_132745細長いオブロンダンパーは1色のみですが、オーバルダンパーの方は3色、黒、緑、ピンクから選択できます。

DSC_0308コンパウンドの選手を中心に使用選手が広がっていますが、リカーブでも使用できます。ダンパーが軽量であることのメリットはリカーブの方が得られやすいでしょう。

本日より販売します。


イーストンが高性能のインドア向けカーボンシャフトを発表

Triumph_イーストン_カーボンシャフト

前の記事…フリではなかったのですが、フリのようになってしまいました。

3日前の記事で、インドア用でアルミシャフトと言えばイーストンですが、カーボンシャフトと言えばCXL PROシャフトと言う状況と書きましたが、インドア向けカーボンモデルでの競争力を取り戻すべく、2015年モデルとして、ファットボーイの性能を向上させたトライアンフ(EASTON Triumph Shaft)シャフトを発表するようです。

2014 ファットボーイ 340/400/500
真直度 0.003″ 重さのバラつき +-2グレイン 純正ポイント 80/100グレイン (Competitionで140/150/175/200グレインポイント有り)

2015 トライアンフ 340/400/450/500/
真直度 0.002″ 重さのバラつき +-1グレイン 純正ポイント 100/125/150/175/200グレイン

新しいトライアンフシャフトでは、精度の向上とともに、ファットボートでは他社ポイントで提供されていたインドア向けのヘビーポイントを純正ポイントで提供します。

また、新しく450番スパインシャフトがラインナップされています。さらに、インターナル・アーマー・システム(Internal armor system)というシステムを搭載し、シャフト前方の耐久性を向上させています。

正式な発表はイーストンはいつもは11月ですが、そこからでは2014-2015年のインドアシーズンに間に合わないので、もう少し早く入荷してくると予想していますが、正式な納期はまだ提供されていません。

10月と予想しています。X23で挑もうと思っていた方はそのままでよいと思いますが、ファットボーイを検討している方はもう少し待ってみてはいかがでしょうか。


Sugru セルフセッティングラバー

もとはアウトドア用品やスポーツグッズ用に用いられ、それを転じてハンドルグリップに盛り付けるパテとしてジョージ・ライアルズ氏が提唱する22度のセルフメイキンググリップ。

Sugru
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*使用したのは2個です。(1個5グラム)
グリップ作成の説明の前にこの製品についてお話します。

この製品はアウトドア用品として、また、マリンスポーツ、ウインタースポーツ、サイクリング用品、スケボー用品などなどあらゆるスポーツ・レジャーシーンで使える万能なラバーパテです。

つかえる素材は、

ファイバーグラス、カーボンファイバー、木材、アルミ、スチール、ガラス、セラミック、プラスチック全般、布、レザー、コットン、ネオプレン・・・・・

ほとんどの素材に使えるそうです。

加工・作成後、貼り付けた所から除去するときはガラスやプラスチックなどのつるつるした面は、ナイフなどで簡単にそぎ落とすことが出来ます。

使用期限は製造日から13か月。使用期限が小袋の裏面下に記載があります。

保管は冷暗所へお願いします。

作成時、色が指先に付きますが、ティッシュペーパーで割と簡単にふき取れます。

 

ではでは、作成に入りましょう。

まずこのグリップを作る目的は、押し手の前腕の疲労を低減することで安定したシュート持続させようという狙い。

グリップ部分が15~17度と言った立った状態での押しは、手首から前腕にかけての筋肉や筋(スジ)の負担や張りが大きく(個人差がありますが)、場合によっては疲労が早まる事もあるとのこと。ジョージ・ライアルズ氏が提唱する22度~23度は、RCで言う所のハイグリップ状態にすることで、この前腕の筋肉や筋の負担を軽くすることで安定が継続する効果に期待が出来る、と言う事だそうです。

今回はその22~3度のグリップを作るべく取り掛かります。

使った弓は、HOYT・コンテンダー。計測するとグリップ角度は17度でした。

では作成の様子を写真で。

と、その前にこの作業は30分以内で終えましょう。でないと、硬化が始まるそうです。

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袋はハサミでコの字にチョキチョキ

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指先でコネコネ。
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コネコネした際のつなぎ目が無いように棒状に丸めて・・・・
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ザックリと三角錐形状に作ります。
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それをグリップの上に乗せます。コンテンダーのグリップ幅は17ミリ。その幅にきっちり合わせましょう。
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指先で示したピボット部分にはぜったに盛り付けないでくださいね。
ピボットポイントのカーブが終って直線になるところからパテを乗せてください。
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後はコネコネと形を整えます。
特にパテとハンドルのつなぎ目は丁寧に、かつしっかり密着するようにナデナデします。
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完成後に手直しの為に削ったり、ナイフでそいだりすることを前提に整えるのではなく、そのまま完成形にするように丁寧に造形しましょう。

ポイントはオリジナルのグリップの形をそのままの延長上に持ってくる感じで作る事です。角をキチッと作る。これ大事です。
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最後の仕上げには、リリーサーの親指ポストのギザギザを使って、滑り止めを作ります。
(別に無くても良いですが、あった方がそれっぽく仕上がります)
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測ってみました。22度ですね。ストリングを水平0度として測ります。

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形が整ったら、24時間以上放置させて硬化を待ちます。
(上下の)全長は約6センチ。最下部の厚みで約8ミリです。

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今回は約24時間でちゃんと固まりました。感触は思ってた以上に固いです。当然フルドローの圧力に負け潰れるようなことはありません。
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手首の角度は、人によって可動範囲が違い、また筋肉量によって負担の感じ方が異なります。
押し手の安定感に不安がある方は、疲労軽減の目的で一度試してみてはいかがでしょうか。
また、取り外すときは、グリっと力をいれてこねれば取れます。残りかすを爪でコリコリすればOKです。
ひとつの方法として、高めに盛り付けて作成し、試しながら徐々に削っていく、てのもアリかもしれません。ただ1点だけ!それは元のグリップの形状を再現して再形成する事です。

丸みを付けるのはどうか?と言ったご意見もあるかと思いますが、個人的にはグリップに丸みを付けると、手のひらの当たりは柔らかくなりますが、実際はグリップトルクが発生しやすくなり、疲労による安定感の欠落よりも、グリップトルクによる安定感の欠如になりかねないと考えます。

 

・・・・と言う事で、よかったらぜひお試しくださいね!

Sugru セルフセッティング・ラバーは店舗およびあちぇ屋CP店で発売中ですヽ(^o^)丿


最新のダンパー素材・HUSHPUK取扱いします。

1149018_257137227744513_741785162_n2014年に発表された最新の制振素材を使用して製造されたリムダンパー、HUSHPUK(ハッシュパック)の取り扱いを開始します。2週間ほどで入荷する予定です。

まぁ、動画の製作レベルが低いのは新しいメーカーなので許してください。上の動画では、アルミハンドルを床に落とした時と、ハッシュパックを取り付けて落とした時の違いを比較しています。

hushpuk_comp動画を見ていただくとわかりますが、けっして、ダンパーを取り付けた面を下にして、制振素材が落下時にアルミハンドルと床の間に入っているように落としているわけではありません。どっちも直でアルミハンドルが床に落ち、そのあと、ダンパーの効果によって音(振動)が減衰しています。

Hushpuk_deaton_archeryディートン選手がワールドカップファイナルで使用していたのもこの新しいリムダンパーです

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入荷までしばらくお待ちください。


Strother Archeryも2015年シュートスルーモデル Moxie XIVを発表

Strother_Archery明日からワールドカップファイナルです。これがアウトドアの世界戦の見納めです。

さて、ダートンオブセッションボウに続き、アメリカの新興メーカーのStrother Archeryからも2015年モデルのシュートスルー”Moxie XIV”が発表されました。
10614410_811455785573252_3890423446484974271_nプロショップThe Bow Shopさんのページにさっそく写真が掲載されていますが、写真を見る限りでは、OKアーチェリーなどが採用しているデュアルシュートスルー設計を採用しています。これはライザーシュートスルー(左右対称的なハンドル)とケーブルシュートスルー(対称的なケーブル配置)によって、トルクやカムの傾きをなくそうとする設計です。

2013年モデルまではほぼハンティング設計のハンドルしかなく、最近になって、カーターの社長がターゲットでこのメーカーの弓を使いだしていますが(マシューズから移行)、2015年にはターゲットモデルを本格的に作ってくるかもしれないですね。

現在、カーターさんにいろいろと聞いているところです。


【続報】MKコリアの新しいハンドル(シャーク)

Shark_mk_archery_riserMKの人に連絡を取ったら、従業員のフェイスブック見たほうが早いよ~という回答。このハンドルは(仮)シャークという名前で、正式なハンドルの名前を募集しているそうです。応募はフェイスブックにて。SNSの時代ですね。

ということで、しばらく、価格や納期情報以外は友人のフェイスブックのページの情報を使わせていただきます。

これはシャークハンドルのリムボルト付近の写真。ILF(GP)タイプで使用するときにはフォーミュラ用のリムボルト位置にアッパーを取り付けできる仕様にするようです。あとは…ステルスショットも装着できれば完ぺきですねw


ジョージ・ライアルズ氏の”22度”グリップ

George_Ryals_IV_grip

10499540_339599469524672_8430396901156156964_o写真はアメリカでコンパウンドのトップアーチャーを育成するためのNFAAアーチェリーアカデミー2014の写真。写真下段の右から2番目が弊社でも2冊著書を翻訳しているラリーワイズ氏。今回紹介するのは、もう一人のアメリカのトップコンパウンドコーチのジョージ・ライアルズ(George Ryals IV)氏です。彼が今広めているグリップがアメリカでちょっとブームになっているそうで、メールでやり方を聞いていたら、動画にするという話になり、このたび動画がアップロードされました。

目的はグリップの角度を変更すること。最適なグリップの角度は人によって異なりますが、最新のホイット・プロコンプエリートのグリップの角度は15~17°位に設定されています。対して、ジョージ氏はグリップの角度が22~23°になるのが一番よく、この角度が最も前腕のテンションを上手く逃がし、シューティングに安定性をもたらすそうです。

使用するのはSugru(スグル)というパテ(自己硬化ゴム)です。このパテ自体は入荷しています。日本語で説明した動画を製作する予定ですが、パテの効果に24時間以上かかるので、ちょっと時間かかりそうです。しばしお待ちください。


MKコリアの新しいハンドルはリムボルトを移動させる設計

MKコリア_2015_リムボルト(↑MKコリアのフェイスブックより)

以前にMKコリアの2015年モデルについての記事を書きましたが、MKコリアのフェイスブックページに大量の写真がアップされました。ご確認ください。

ただ…リムボルトを移動させることで対応するリムを変更する仕組みの様なのですが、リムボルトをの位置が変われば、ハンドルの特性は大きく変わってしまうので…。

写真から判断する限り、フォーミュラタイプのリムボルト位置はハンドルの中でも剛性がある場所にありますが、ILF(GP)リムのリムボルトの場所は比較的厚みのない場所にあります。これではILFで使用すると性能が落ちる可能性がかなり高い確率であり、基本的にはフォーミュラタイプのハンドルで、ILFリムも「使えなくはない」という感じになってしまう気がします。続報を待ちます。


Obsession Bowsが2015年にターゲット市場に参入

10298638_10202445684837197_3386394450828326869_oアメリカのハンティングボウメーカーのオブセッションボウ(Obsession Bows)が、2015年のラインナップからターゲット向けのハイエンドモデルを生産することが発表されました。

10620148_520334461433614_5441293974830540405_o現時点では、設計図だけ発表されていますが、ダートン同様のシュートスルーモデルのようです。

ATA2015(2015.1/8-10)での発表です。楽しみです。


AAEのフリークタイプのランチャーブレードが入荷しました。

IMG_20140829_143817先日発表されたAAEのフリークタイプのランチャーブレードがさっそく入荷しました。

Hamskea_rest_archery_compound
他にHamskeaの新型レスト(写真左)とオーバードロー用エクステンダーも入荷しています。こちらは明日山田にレビューしてもらってから販売を開始します。

おっ、もう少しで250万アクセスのようです。書き始めて7年。ご訪問いただき感謝いたします。ここで発信している情報が皆様のアーチェリーライフを少しもより豊かなものできていることを願います。