この記事は2016年12月6日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

アバロン(AVALON)から競技用ターゲットシャフトが発表されました。

%e3%82%a2%e3%83%90%e3%83%ad%e3%83%b3%e7%ab%b6%e6%8a%80%e7%94%a8%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%95%e3%83%88アバロン(AVALON)社から正式に競技用ターゲットシャフトが発表されました。新しく発表された2017年モデルのシャフトはテックワンカーボン(TEC ONE CARBON)というモデルで、中身はこれまでレジャー用として販売されてきたクラシック(V5グレード)というモデルのV1グレードバージョンです。

これまでもサンプル品として何度かメーカーからシャフトが送られてきましたが、レジャー用としてはカーボンよりもアルミのほうが優れている(補修できる能力があるならアルミ矢のほうが長く使える)という考えですので、販売はしてきませんでしたが、競技用のシャフトの販売に向けて話をしてきました。

競技用のシャフトの場合、性能は別として、精度で最も重視すべき数字は真直度です。この部分は、特に曲がり修正ができないカーボンシャフトの場合、0.006″よりも悪いとどうにもしようがありません。具体的に言えば、完成した矢を指で回して全体の真直度を調べるという簡易テストがありますが、シャフトの精度が悪いと、これを行ったところで、シャフトの精度が悪いのか、ポイントがまっすぐ接着されていないのか判別不能です。V6なら、このシャフトは28インチで0.4mm(*)も曲がっているのでとても競技には使用できません。

*真直度とは : 28インチシャフトを回転させたときスパインの中心(シャフトの中心ではない)のブレをレーザーで測定した平均数値です。

対して、シャフトの重さのブレは工夫することで何とかなります。部品(ポイント・ノック・ピンノック)とシャフトの重さをすべて測定して、一番軽いシャフトに一番重い部品、201.5gr(+1.5gr)のシャフトに118.7gr(-1.3gr)のポイントを入れてあげれば、シャフト全体の重さは基準値から0.2grしかずれないこととなり、精度の向上が図られます。12本もあれば、経験上9-10本は精度の良いシャフトになります。

%e3%82%a2%e3%83%90%e3%83%ad%e3%83%b3%e7%ab%b6%e6%8a%80%e7%94%a8%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%95%e3%83%882当然ですが、真直度、重さのばらつき共に高精度なら言うことはないのですが、低価格らどれかをあきらめる必要があります。アバロンの競技用シャフトの場合には、アーチャーの工夫で向上できる重さのばらつきの精度を犠牲に、真直度でV1グレードを達成しました。

シャフト自体の重さ(GPI)のチャートをみるとカーボンワンと同じくらいとなっています。

完成矢にした時、部品代だけなら1万円を切る価格で提供できると思います。この価格でV1グレードのシャフトを手に入れることができるのは画期的だと思います。

また、テックワン以外にも、V1グレードでテックXという9mm直径のインドア・3D競技用のシャフト登場しますが、こちらに関しては取り扱いは当面はしません。理由は直径としてインドアに適合していても、特にコンパウンドでのインドアシューティングはシャフトに大きな負担がかかるので、低価格シャフトには適さないと考えているからです。低ポンドで使用する場合なら悪くないと思いますが、様子を見ます。

テックワンは1月の販売開始に向けて準備を進めていきます。ご期待ください。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

4 thoughts on “アバロン(AVALON)から競技用ターゲットシャフトが発表されました。

  1. >アバロンの競技用シャフトの場合には、アーチャーの工夫で向上できる重さのばらつきの精度を犠牲に、真直度でV1グレードを達成しました。
    とありますが、このシャフトの重さのバラつき精度はどの程度になるのでしょうか?
    メーカーカタログをでは±1%となっていますが、
    EASTONのようなグレイン表記に合わせた場合は概ね±何グレイン程度になるのでしょうか。
    宜しくお願いします。

  2. パッケージ内の12本のシャフトは+-1%の誤差内という意味です。

    このメーカーでは32インチで製造するので、もっとも重く誤差の出る400番で+-3.0gr、最も軽い1300番では+-1.5gr相当です。新商品はまだ届いていませんが、アポロ相当(+-2.0gr)の精度だと考えています。

  3. ショップの方でポイント、ピン、ノックが追加されていましたが、それぞれのサイズ(長さ)はどの程度でしょうか?
    それぞれシャフトに取り付けた際に、シャフト本体からどれぐらい伸びるか知りたいです。
    ポイント+ピン+ノックまとめてでも良いです。

  4. ポイントはの出ている部分の長さは下記の通りです。

    1500-1300 80gr 15.51mm

    1100-1000 80gr 15.25mm

    900 80gr 15.68mm

    800 100gr 17.50mm

    700-600 100gr 15.50mm

    500 100gr 15.60mm

    500 110gr 16.92mm

    400 120gr 17.23mm

    ピンは約0.9mm、ピンノック(ノック溝)は約7.8mmです。

    なので、800番  100grであれば、シャフト長(700mmとする) + 17.5mm + 0.9mm + 7.8mm でポイント先からノック溝は 726.2mmとなります。

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