改訂しました。アーチェリーの理論と実践

*2013/5/20投稿(旧題 古いこと)、2023/3/19に加筆して再投稿

(加筆) ボジョレーの2016年を2023年に飲みましたが、熟成させることもできるのは本当みたいです。さて、現在の射形のベースとなっているスタイルを完成させたホレート・フォードの著作を2013年に翻訳しましたが、この10年で手直ししたいところ、解説を入れるべきところを、解説付き改訂版として再編集しました。下記リンクからダウンロードできます。(加筆ここまで)

【改訂版】アーチェリーの理論と実践 – The Theory and Practice of Archery ホレース・フォード 著 (PDF 3MB)

(以下、2013年の5月の記事ですので、最近の話ではありません)

長くブログを書いているといろいろな反応が返ってきます。誤字脱字はともかく、今でも覚えているのは、ミザールハンドルを間違って「アルミ製」と書いてしまったことなどで、お叱りを受けて直ちに訂正しました。逆に、正しいことを書いていてお叱りを受ける記事もあります。中国工場の製作技術の低さを批判したところ、それを売っているショップが自作していると勘違いされた読者が、作り手に対して経験不足と評したことを、大先輩でもあるベテランの販売店に対して経験不足と言ったと受け取られ、お叱りを受けました。

正しい知識もあれば、間違っている知識もありますが、一番怖いのは、正しいと思い込んでいる間違った知識・情報ではないかと思います。今回、コメントを頂いたのでお客様の間違いを正すことができましたが、コメントを頂かなければ、すっど勘違いで私が批判される事態が続いたのかと思うと…恐ろしいです。

単純に自分が間違ったことを書いてしまったなら自己責任ですが、受け取り手の勘違いによって思わぬトラブルや批判が生まれるのはなぜか。アメリカやヨーロッパでは、自分がやろうとしているような弓具の評価・レビューというのは当然の様にアーチェリー雑誌に掲載され、広く読まれています。欧米人にできて、日本人にできないはずはないでしょう。その違いはどこにあるのかと考えたのが、2月。

そして、「古いこと」…つまり、それは歴史があるのかないのか、正確には歴史が語られているのかどうか、そこに違いがあるのではないかと思うようになりました。欧米のアーチェリー用品のレビューには、1920年代から積み重ねられた知識と常識があり、レビューをする人間はその文法・文脈にのっとり、発言しているからこそ、誤解されずに、正しい情報が流通するのではないかというのが自分の現在の仮説です。対して日本のアーチェリーのメディアの多くの商業主義に上に成り立っているものです。商業にとって歴史は積み重なるものではなく、流れていくもので、過去はむしろ邪魔です。

有名な話ですが、これはボジョレーの毎年の”自己”評価です。

1995年「ここ数年で一番出来が良い」[1]
1996年「10年に1度の逸品」[1]
1997年「1976年以来の品質」[1]
1998年「10年に1度の当たり年」[1]
1999年「品質は昨年より良い」[1]
2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」[1]
2001年「ここ10年で最高」[1]
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」[1]
2003年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」[1]
2004年「香りが強く中々の出来栄え」[1]
2005年「ここ数年で最高」[1]
2006年「昨年同様良い出来栄え」[1] (ウィキペディアからの引用)

さあ、どれが一番いい出来だかわかりますかね…「エスキモーに氷を売る―魅力のない商品を、いかにセールスするか」なんて本が出版されるくらいですから、商品にとって、マーケティングが全てなら、過去の話(歴史)を蒸し返されては、いろいろと困ることは想像できると思います。

日本ではアーチェリーの歴史がまとまった形、整理された形で存在しないことをいいことに、勝手に書き換えられたりしています。例えば、私たちも行っているハイスピードでの弓具の研究は、日本のヤマハが初めてだと某雑誌の記事には書かれていますが、アメリカでは1930年代から行われており有名な話です。その研究を1930年代に始めたの現在の弓具の形を作ったヒックマン博士です。ホイット氏(HOYT創業者)は彼に感謝の手紙を送っています。また、同時期には和弓の世界でも、旧海軍兵学校の協力のもと、120fpsで弓の動きを撮影し、弓の研究が行われていました。どちらも80年以上前の話です。

日本での戦前の研究は「紅葉重ね」でその写真を見ることができますし、ヒックマン博士は「Hickman: The Father of Scientific Archery」という伝記が英語で出版されているほどの有名人です。

現在のアーチェリーは19世紀の後半から、脈々と続いてきたもので、多くの研究によって進歩してきたものです。メディアにアーチェリーの記事を書くほどの人達が、これらの常識を知らないとは思えません。日本人には知られていないのをいいことに、商業的に歪曲しているのでしょう。

5月にホレース・フォードの本を翻訳したのをはじめ、ホイット氏のインタビューの編集など、弓具のレビュー以前に取り組むべきことがあるように感じます。

欧米にあって、日本にはない(と自分は感じる)のは、今に続く歴史を知っているかの差、そして、正しいアーチェリーの歴史を語ることで、日本でもそのようなものが、時間はかかっても熟成していくのではないかと思っている今日この頃です。

エリート(Elite)のエナジー35 使用レビュー

DSC_1170エリート(Elite)のエナジー35の使用レビューです。ただし、現行の2015年モデルではなく2014年モデルです。違うはリムボルトとバックストップの設計です。

この弓は2014年にコンパウンドに転向するときに購入したものです。シンプルな設計が好みですのでワンカムのApex7とバイナリーカム(シンメトリックツーカム)のエナジー35を購入し、その2つを試してみた結果、Apex7を選択し、2014年シーズンを過ごしました。

2015年、マシューズがApex7の生産を終了し、ノーカムシステム(エナジーと同様にバイナリーカムに分類される)を発表したことで、自分もそれに合わせて1月にTRG7を購入しました。そこから3か月程度、TRG7をいじり、たどり着いた結果は、ローレットオフ(65%)で引き尺を少し短めにして、弓が飛び出さないセッティングでした。しかし、TRG7は非常に重い弓でそのセッティングでは体力が持ちません。横浜で行われている1日に2試合(50mwを2回)というフォーマットでは、風があると後半体力が持ちません。トレーニングをして体力をつけるというアスリートとして一番まっとうな選択肢もありますが、6月に控えている全日本社会人ターゲット選手権に間に合うか、4月末の時点だったので、悩んだ結果、悩みすぎてつまらなくなったので、買ってから3回程度して実射していなかったエナジー35をもって射場に気分転換に行くことになりました。

11164651_10206903125319256_5256966731590667799_o(エナジーに変えて1週間後に練習でのベストを更新 50m356点)
そこで1年ぶりにエナジーを使用したのですが、遊びのつもりが、かなりのグルーピングをたたき出し、そこで本気で2か月間この弓をいじって、これで全日に出場することを決めました。

DSC_1163この弓の大きな特徴の一つはこのライザーゲージと名付けられた設計で、簡単に言えばシュートスルーシステムと同じ考え方で、かつ、ハンドルが軽くなるようにウィンドウの部分を省いたものです。この設計にプラスしてリムはパラレルタイプなので相当におとなしい弓に仕上がっています。なので、スタビライザーの設計では、今までダウン角にしていたスタビライザーをストレートに戻し、少しは飛び出しを得られるようにしました。

DSC_1160DSC_1158sもう一つの特徴は硬いウォール感覚を得るためのリムストップの位置を変えることができることです。これを変えることでレットオフ・ホールディングウェイトが変わりますが、同時に引き尺も変わるので、細かい引き尺の調整に利用することもでき、非常に便利でした。もちろん、これをいじって引き尺が決まったら、プレスしてストリング/ケーブルでその引き尺に設定することが必要です。ちなみに、カタログ値の引き尺はレットオフを最も高い位置に設計した時に出るので、低いセットオフでの利用も考えている方は0.5インチ長い引き尺のモデルを購入することが推奨されています。

また、この調整幅がかなりすごいのですが、実測で、最も高いレットオフが約90%(ピークが58でホールディングが5.6ポンド)、最も低いレットオフは約70%(ピークが58でホールディングが16.5ポンド)で位置を変えるだけで20%分レットオフを変更できます。これは使ってみると思った以上の便利なシステムでした。ちなみに、最終的には全日には8ポンド(85%)で出場しました。

使用して1か月ほどでここまでのセッティングが決まり、後はチューニングです。シンメトリックカムの場合のチューニングはかなりシンプルです。上下同じデザインのカムですので、基本的にはケーブルを調整して回転するタイミングを同じになるようにしてあげるだけです。上下のカムは同じ形ですので、同じタイミングで回転さえすれば、完璧にまっすぐなノックトラベルを実現で来ます。これで矢の上下のばらつきはなくなります。

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問題はカムの傾きです。カムシステムのチューニングがチョー簡単な代償にカムの傾きの調整は少し厄介です。Apex7やホイットのカムシステムのようにケーブルがカムではなくリムにかかっていれば、スプリットになっているケーブルの左右の長さを調整することでカムの傾きを変更できます。しかし、エリートのシステムではケーブルはカム同士だけをつないでいて、その調整方法は使用できません。

DSC_1167エリートのカムの傾きを調整するための方法は二つです。1つはケーブルガードの位置を変更することです。エリートのケーブルガイドはへの字になっていて、これを回転させることで、ケーブルとリムの距離を変更できます(入れすぎると羽に接触するので限界はあります)。距離を離すことで弓によりトルクがかかり、カムの傾きが変わります。これを利用してカムの傾きを正しく合わせます。

DSC_1164もう一つのやり方はリムとカムの位置を変更することです。エリートのカムには2つのワッシャーが入っていますが、一つは厚みがあるもので、もう一つは薄いものです。これを左右交換することで(必ず上下ともに交換する事)、リムに対してのカムの位置を変更できます。写真のようにケーブル側に薄いワッシャーを入れた時にはカムはより弓のセンターに来ていて、ここに厚みのあるワッシャーを入れるとカムは押し手側に移動します。これによってもカムの傾きを調整することができます。

この2つの調整を行うことでカムの傾きをなくし(完全になくすのは理論上無理)、センターショットを正しい位置に合わせることで、矢の左右のばらつきをなくすことができます。この2つ(カム同期とカムの傾き・センターショット)の調整には2週間ほどかかりました。

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ここまでくれば十分な精度がある弓になっています。あとは、バックストップの位置を調整してあげ、2014年モデルでは8190がストリングに使われていましたが、十分におとなしい弓なので、より強靭なBCY-Xに交換しました。2015年モデルでは最初からBCY-Xですので交換は必要ありません。

Energy-35-Black-lighterまた、エナジーはハンティングとしても使用できるスピードを持ったモデルなのですが、静音性向上のためにケーブルとストリングに挟むタイプのダンパーがついています(右上のは違い被せるタイプのダンパー)。ケーブルやストリングの間にゴムダンパーをはさむことはシステムの精度を低下させるので、ターゲットで使用するのであればこれらのダンパーは取り外したほうがよいと思います。ちなみに、ターゲット特化のビクトリーには最初から取り付けられていません。

エナジー35のチューニングを終えて3週間ほど練習して全日に出場しましたが、非常に完成度の高い弓だと思います。エナジーはグリップに少し丸みがあるので、それが嫌いな方にはビクトリーという選択肢がありますが、その部分を除けば癖がなく、シンブルで、ねじひとつでピークポンドとホールディングポンドの調整ができるので、自分の体力に合わせることが簡単です。また、ストップの位置が変わる機能を利用することで、1/16インチ単位での引き尺のフィッティング(お試し)も簡単です。

重さは4.3ポンドでTRG7より約1ポンド(450g)軽い弓でした。チューニングが終わってからの1か月は本当に楽しめました。全日も終わったので、まずはエナジーのレットオフを下げて(70%)体力をつけ、10月の全日本ターゲットに向けて、再度、TRG7(65%)に向き合ってみようかなと思っています。

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以上、エナジー35の使用した後のレビューでした。

コンパウンドのもう一つの選択肢、ハイスピードフィールドシャフト

20140502 155312現在、コンパウンド店をコンパウンド用の商品がなんでもそろうお店になるよう鋭意改良中です。商品調達業務が自分の本業なので、頑張ります!

先日、世界ターゲット選手権を何度も制したCXの代理店となりましたが、コンパウンドでは50mw標準の競技フォーマットになったのに従い、もう一つの選択肢として、短距離セッティングという選択をする選手が増えています。2014年のコンパウンドボウの売れ筋も、PSEの Dominator 3D MAXや、ホイットのプロエッジエリートなどのハイスピードモデルです。

そして、弓だけではなく、シャフトもハイスピードのフィールドシャフト(軽くて太いシャフト)を選択するという選手が増えています。

この話はインドアでのリカーブは太いシャフトを使うべきか、修正力の高いシャフトを使うべきかという話同様、結論がまだ出ていない話です。現在進行中の話です。コンパウンドの50mwでは、X10/Nano Proのように細く修正力(パラドックスからの復元力)に優れ、細く重いシャフトを選択する選手がいる一方で、新しい選択肢として、軽く太いシャフトを使う選手が出てきています。

じつは、CXの入荷とのタイミングでまずはコンパウンド予選最高点の選手として、ハンセン選手にスポットをあてて書いてきましたが、コンパウンド予選2位、最終順位個人3位のアメリカのディートン選手(Bridger Deaton)が、まさにそのセッティングで、この試合に挑みました。ちなみに、1位のハンセン選手が18歳、2位のディートン選手は19歳です。

431431_400989779967027_577976797_n2320015_angle1_4(↑2012世界フィールド選手権でのジェシー選手…APPtituneもよろしく★)

ディートン選手の予選での点数は355-356点の711点。そして、ハイスピードセッティング用のシャフトとしては、フィールド用として数多くの実績があり、ターゲットの世界選手権で結果を残したことはまだないものの、直近の2012年の世界フィールド選手権でも優勝した選手(ジェシー)が使用した、GOTDTIPのシャフトでした。

コンパウンド選手として、2014年の最初のワールドカップから学ぶべきことは本当に多いと思います。予選で1位、713点を射った選手が極細で重みのある、まさに王道を行くロングレンジ向けターゲットシャフトを使い、次点711点で続いた選手は全く逆のセッティングをしていたというのは、本当に珍しい事です。たいてい、上位選手は同じようなセッティングですので…特に選択肢が限られている「矢」では。

つまり、50mを長距離としてとらえるか、短距離として捉えるかの違いです。ルール上の分類とかと言った次元での話ではなく…。

X10を基準にすると、ハンセン選手のシャフトはそれより、3%細く7%重いもので、ディートン選手のシャフトは、11%軽く38%も太いものです。メンタルゲームとしての要素の加わる決勝ラウンドは別とすれば、1位、2位の選手が真逆のセッティングで、それぞれに結果を残しているという事実は、50mwではどのようなシャフトが最適かという答えが、トップレベルの選手の間でも、まだ共通の意見が出ていないということです。

細く重量があり安定するシャフトか、軽量で太くがあり、ハイスピードで飛んでいくシャフトが有利なのか。ワールドカップ第二戦が楽しみで仕方ないです。5月13-18日です。

sha_da1_7032Gold TipはBee-stingerの親会社なので、特に新規に代理店契約をする必要はなく、とりあえず自分でテストするために1ダース発注してみました。現在、Nano Proをテストしているので、新しいシャフトは6月くらいからテストしてみようと思っています。なので、レビューはちょっと先に。

本日はコンパウンド用に大量に新商品が入荷しました。

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一か月前に正式にコンパウンドアーチャーに転向して、自分の弓のセッティングを考えるうちに、こんな商品が足りないと思った商品をいくつ仕入れ、本日到着しました。また、B-Stingerの新作のVバーも入荷しています。もう紹介しましたが、W&Wの到着し、まだ、在庫にあげていませんが、SFの商品の2014年モデルのAXIOM+も届いています。

いろいろなものの商品紹介の作成で大忙しです…。

のちほど山田がレビューを上げと思いますが、上から

-ホイット(HOYT)の新型リムショックス
-Bee-Stingerの新型Vバー
-KTECHのオフセットバー
-ドインカーのクイバーマウントホール用のサイドブラケット
-マーリンのサイトピンデカル
-アリゾナのスライダー
-クイバーマウントホールに普通のVバーなどを取り付けるためのアタッチメント・キャップ
-5/16のマウントねじ

です。

ウィン&ウィンの2014年モデル入荷 – その一は「ラピード」

ウィン&ウィン(WIN&WIN)の2014年モデルが入荷しました。 まずは、ラピード(RAPIDO)のレビューです。 この後はAVTを書きます。以前の記事で予告した通り、WINACT-VTだけは製造が遅れています。出荷されているのは、ラピードはINNO AVTだけです。
1483479_551457481615231_928935301_oラピードに関して言えば、ようやく理解ができたような感じです。上はラピードが2014年の新型低価格カーボンハンドルとして発表されたときにあがった写真ですが…いくら低価格とはいえ、こんなチープなデザインで売れるのかと心配になりましたが…最終的にはいくつか細かい修正がされ、ちゃんとしたカーボンハンドルとして入荷してきました。

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その形は…RCX-100そっくりになりました。

DSC_0050前からの写真を比較するとこんな感じです。左がラピードで、右がRCX-100です。見た目は酷似しています。では、その違いとは何か。一つは素材、もう一つはリムポケットです。

DSC_0051ハンドルの素材ですが、RCX-100はほぼカーボンだけで製造されているモデルです。対して、低価格モデルのラピードはカーボンとクラス繊維を混ぜて製造されています。カーボン量が少ない分、価格も安くなっています。

では、ただのRCX-100のダウングレードモデルかと言うと、そうでもなく、INNO MAXやUUKHAのハンドルでとられている精度向上ための機構を同様のものが搭載されています。コンポジットカーボンとリムを直接接合させると、どうしても最終的な精度調整が落ちます。その対策として、INNO CXTでは金属プレート、UUKHAのハンドルでは特殊プラスチック樹脂・フォージドジュラルミン・黄銅の3つ素材を組み合わせたリムポケットを、INNO MAXでは、センター調整機構全体をアルミで独立させるという仕組みが考案されましたが、ラピードではUUKHAの設計に近いものが採用され、リムポケット全体をカーボンではなく、精度のコントロールが容易なプラスチック樹脂にしています。

DSC_0052白のステッカーの後ろに隠れているねじが見えるでしょうか。ここはお客様がいじるところではありません。あくまでも説明のために書きます。ウィン&ウィンの説明では、ハンドルが完成した後、ハンドルを測定し、この部分のねじで調整をしながら、最終的に樹脂製のリムポケットとグラスカーボン製のハンドルとの精度をすり合わせ、完璧な精度を実現して出荷しているとのことです。このネジは調整に使うものではないのでご注意ください。

ということで、最初は位置づけがよくわからなかったラピードですが、素材はチープでも、その価格帯でできる工夫を施して、ハンドル全体、リムと合わせた時の精度は上位モデル(RCX-100)に勝るとも劣らないものに仕上げたのがラピードと言えます。

お手ごろな価格(3万円台前半)でカーボンハンドルを試してみたい方にはおすすめな一本です。

ウィン&ウィンの2014年の新商品について

bbd2b2ff8f4baee1032dbe5b5fec9e1736936b95--ウィン&ウィンの2014年の新商品についての正式な連絡がありました。弊社に対しての案内で、他のプロショップでは事情が異なるかもしれませんので、他店で購入予定の方はそれぞれにご確認ください。

4月の中旬に2014年商品の最初の納品が開始されています。

来週に

– INNO MAXの新色(上の写真のゴールド)
– INNO AXT
– RAPIDO

の入荷が確定しました。たぶん来週の月曜日です。

それとは別に、一番在庫して販売したかったWINACT-VTの製造が遅れており、5月にずれ込むとのことでした(AXTも一部色の製造が完了していないので…なんだかんだで6月になるのではないかと勝手に予想)。RAPIDOリムも納品できるといわれましたが、こちらは発注予定はなく入荷しません。価格の割に性能が…また、価格がわずかにしか違わないWINACT-VTリムとの差別化も難しいと判断したためです。取り寄せで必要な方のみ提供いたします。

詳細のINNO AXTとRAPIDOのレビューは入荷後、できだけ早く行います。

あと、今在庫切れのION-X用のステルスショットもスケジュールされました。今日の夜出荷される予定なので、6営業日程度で入荷します。

リック選手のステルスショットのレビュー

オランダ代表のリック選手のステルスショットのレビューがアップされました。まだ、受け取ったばかりのようで、インドアではすごくいい感じだったけど、まだアウトドアではまだ使ってないとのことです。ちなみに、この試合で優勝し、今年のインドアワールドカップでは2位でした。

要約すると

– クアトロよりはF7よりも若干速く、効率性が高いのでスパインを合わせるためにポンドを下げた
– クアトロはリムチップが硬いのでリリースのミスを拾いにくい(*)
– ステルスショットが矢が弦から離れるタイミングを一定にしてくれる
– ステルスショットを装着するために再チューニングの必要がなく、装着するだけで使える
– ステルスショットを使うことでグルーピングが小さくなった

とのことです。

こんな時代ですので

「効果には個人差があります」

と書いておきましょう。

*人によっては硬いリムの方がリリースのミスを拾いやすいと感じる人もいると聞いたことがあります。個人的にはリックの意見に賛成ですが。

こちらがこのインタビューを撮影し、個人優勝したベガスシュートの決勝です。

バランススタビライザーマウントについて

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先日発表されたシュアロックのバランススタビライザーが入荷しました。山田の勤務の事情でレビューは土日になります。

この商品の説明を書いていて…今日射場で言われたことを思い出したので少し。

商品説明では、「センターを無段階調整で左右に移動させることで弓の重心バランスを微調整できます。」と書きました。しかし、これはあくまでもコンパウンドの話です。本日、射場でコンパウンドのお客様にサイトの構成を褒めていただきましたが、コンパウンド店のサイトを作る時には、リカーブと同じサイトにするか非常に迷いました。

別にサイトにすると商品は両方に配置する必要があり、在庫管理の手間も倍になり、よほど同じサイトでリカーブとコンパウンドの両方を売った方が管理は楽なのですが、わかりやすいと評価していただけると、分けてよかったと思います。

手間が倍になっても分けた理由としては、リカーブとコンパウンドでは共通説明もあれば、今回のシュアロックのように共通しない説明もあります。同じサイトにまとめてしまっては、読んでいるお客様がリカーブのアーチャーか、コンパウンドのアーチャーかを予想して商品説明を書くことができず、必ずやどこかで誤解を招いて、お客様に迷惑をかけてしまうと思ったからです。

今回のこの商品ですが、センターロッドを左右に振ることで弓のバランスをとるものです。しかし、これはコンパウンドでしかお勧めできないチューニングのやり方で、リカーブの弓では全くお勧めできません。

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リカーブのアーチャーのために。上の写真はコンパウンドボウのリムポケットと下のカムの弦です。写真を見てわかるようにハンドルに対してリムポケットは右側に寄っているし、弦は下リム(カム)の真ん中ではなく、左寄りから出ています。コンパウンドにもセンターショットという言葉はありますが、リカーブとは大きくその概念は違い、弦がハンドル・リムの真ん中を通ることはなく、フルドロー時にはケーブルから横に引っ張られるので、センターがまっすぐ前を向けくことはありません(一部の弓を除く)。または、フルドローでセンタースタビライザーがまっすぐなら、ブレース状態では横を向いているはずです。

リカーブのようにセンターショットがあり、弦がスタビライザー・上下リム・ハンドルの真ん中を通り、フルドローでもスタビライザーがまっすぐ前を向いているというシステムにはなっていないために、コンパウンドではセンターロッドを左右にずらして、弓のバランスをとるという考えが出てきて、それができるのです。

ということで…言いたかったのは、リカーブ店の商品説明はリカーブアーチャーが読むことを前提に書いていますし、コンパウンド店の商品説明はコンパウンドアーチャーが読むことを前提に書いています。その両方に精通しているアーチャーであれば、問題ないですが、自分のよく知らない側のサイトを読むことがあれば、そのあたりを注意して読んでいただきたいです。

そして、この商品はリカーブでの使用はお勧めできません。左右対称でないコンパウンドだからこそ使える商品です。

カーター(Carter)のトータルコントロールが入荷しました。

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さっき本社にカーターの新しいリリーサーのトータルコントロールが入荷しました。2月の予定だったのが、よくわからない原因により(ねじ類を製造するメーカーからの納品がロストした??)、一か月遅れました。4本指は4月になってしまうそうです。

もう大久保店のほうに運んび、間もなく山田のほうでレビューをアップする予定です。

また、水曜日から金曜日まで、全国選抜にブース出しに行きます。その間通販は発送がありません。ご理解ください。

2つ、ちょっとした新商品

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今週の金曜日が祝日なので、新商品のいくつかは来週の月曜日の入荷になってしまいました。ちょっとしたもので入荷したのは、JVDのフィールドターゲットデザインの傘、それと、W&W限定カラーのネオンイエローのイノマックス(INNO MAX)ハンドルです。

それと、SFアーチェリーの2014年モデルのプレミアム+ハンドルが入荷しましたが、こちらのレビューは明日書きます。