シュアロック(Sure-Loc)からバランススタビライザーマウントという新しいスタビライザーマウントシステムが発表されました。
主にはコンパウンドで使用するものですが、これまでサイドロッドのウェイトの重さを調整することで、弓の水準を調整した来ましたが、この新しいシステムでは、センターロッドをサイトと反対側に無段階調整で横にスライドさせていくことで、弓の水準を得るチューニングになります。
ただ、センターロッドが横に移動して行く分、水準だけではなく、射った時のフィーリングも変わってくるので、早く実物が見てみたいです。4月入荷予定です。
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山口 諒
熱海フィールド代表、サイト管理人。日本スポーツ人類学会員、弓の歴史を研究中。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、ベアボウ競技歴5年。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は準優勝。
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以前の記事(いつか忘れてしまいました…)で、ハンドルは射つたびにたわむため、WINはカーボンを使用、HOYTはテックを付けてたわむのを最小限にしたとありましたが、雑誌アーチェリーでハンドル剛性が高いと的方向にハンドルがしならず、リリースミスの影響が大きい(ストリングが腕に当たる等)とあり、一概にも剛性が高い方が良いとは言えないように思います。
実際のところハンドル剛性が高いことで得られるメリットと、逆のデメリットには何が挙げられるのでしょうか?
INNOMAXやION-X等ハンドル剛性が高いものが台頭している中、GMXやMKX10等クラシックハンドルも根強い人気を誇っていて、選択する上でややこしいです…
>以前の記事(いつか忘れてしまいました…)で、ハンドルは射つたびにたわむため、WINはカーボンを使用、HOYTはテックを付けてたわむのを最小限にしたとありましたが、
はい、書きました。どの記事かは同様に覚えていませんが…
>雑誌アーチェリーでハンドル剛性が高いと的方向にハンドルがしならず、リリースミスの影響が大きい(ストリングが腕に当たる等)とあり、一概にも剛性が高い方が良いとは言えないように思います。
「雑誌アーチェリー」の中の人はそんなにアーチェリーの技術的な問題に詳しくないので、雑誌アーチェリーが意見を述べることはほぼないです。多くの技術的な記事は広告を出している業者の人間が書いているので、そのどれかを読まれたのだと思いますが、その文脈と書いた人がわからないと、これだけでは返信のしようがないです。ただ、一概に剛性が高ければいいというのが間違いなのは確かです。ざっくり言えば、「ある程度」までの剛性は必要で、それ以上の剛性になると好みの問題になると思います。そして、そのある程度は、人によって違います。ポンドが高いほど、体力がある人ほど、「ある程度」のレベルが高くなっていきます。
>実際のところハンドル剛性が高いことで得られるメリットと、逆のデメリットには何が挙げられるのでしょうか?
ハンドルだけ取り出し語っても意味がないと思いますので、弓全体として仕上げた時の剛性で言えば、柔らかい感覚のセッティングはフィーリングはローランのようなプラスチックハンドルのように柔らかく、大きな激しい振動はないものの、シューティングの余韻がある感じになります。セッティングを硬くしていくと発射時にコンパウンドのような大きな振動があるものの、余韻がなく、すぐに弓が大人しくなります。
どちらがいいのかはフィーリングの問題です。ハンドルだけで語れないと書いたのは、UUKHAやクアトロのようにリムにも剛性があるものが登場しました。F7比でクアトロは40%近く剛性が向上しています。ハンドルだけで弓にはならないので、リムが柔らかいとき、ハンドルはどちらも選べますが、リムが硬いときに柔らかいハンドルを選択するアーチャーは世界的にも少ないので、その組み合わせはうまくいかないのだろうと感じています。
>INNOMAXやION-X等ハンドル剛性が高いものが台頭している中、GMXやMKX10等クラシックハンドルも根強い人気を誇っていて、選択する上でややこしいです…
GMXもMKX10も剛性が低いハンドルとは捉えていません。もちろん、絶対的に評価すれば劣ることは間違いないですが、「柔らかい」と書いているときは、ホライゾン、ネクサス、レボリューション、PSEのリカーブハンドル、エクセルなどを念頭に書いています。
弓の硬さはブレースハイトであったり、ティラーハイトであったりで変化しますか?
弓の硬さとは何を指しているのでしょうか?
ここで話しているものです。
一部引用するなら
>弓全体として仕上げた時の剛性
ですかね。
ティラーやブレースハイトで結構振動が変わると思うので、ここでいっていた弓の剛性も変わるのかなと思いました。
弓の剛性(これは個体が持つ絶対値)は変わりませんが、ブレースハイトを変えることは発生するエネルギーを変えることになります。
より強いエネルギーで弓を使用しても、剛性は変わりませんが、同じ硬さの弓がより強い衝撃を受け止めることによって、相対的には柔らかく感じられると思います。
同じ600番という硬さのスパインでも、30ポンドというエネルギーを与えた時は硬く、50ポンドというエネルギーを与えると柔らかくなるのと同じ原理です。
しかし、600番というシャフトの硬さは普遍的なものです。
ティラーは関係ないです。ティラーはノックトラベルと、発射後(振動時)のリムの挙動をコントロールするものですので、硬さが変わったことによって振動が変わったのではなく、リムの挙動が変わったために振動が変わっているだけです。
ありがとうございます。
ハイトを上げることによってポンドが少し高くなるが、矢速は下げた方が速くなると聞きました。
弓の剛性は、矢に伝えられるエネルギーによって相対的に変化するのですか?
それともドローウェイトの方ですか?
>弓の剛性は、矢に伝えられるエネルギーによって相対的に変化するのですか?
前回のスパインの例えば理解できますしたでしょうか。スパインの数字が剛性に相当するもので、絶対値が変わることはありません。
ただし、弓のエネルギー、また、同一のリムであれば、効率性はほぼ同じなので矢に伝えられるエネルギーでもよいのですが、
その変化によって、感じ方が変わるということです。剛性自体は変化しません。
>それともドローウェイトの方ですか?
ドローウェイトでも、その理解で大きくは間違っていません。それが弓の硬さの感じ方に影響を与えます。
厳密には下記のグラフの面積(赤い部分)に、1から効率性(%)を引いたものをかけた値、
つまり、弓が持っていたエネルギーのうち、矢に伝えることができなかったエネルギーが弓の硬さの感じ方に影響を与えます。
http://archery-shop.jp/fc2_pic/dfcft.jpg
>ハイトを上げることによってポンドが少し高くなるが、
本当にわずかですので気にすることはないです。
40ポンド、28インチ引きで、弦が60度で顔に接する弓で、弦の長さを1cm変えるとハイトが3/4インチ変わる弓の場合、
ハイトを1/4高くしたときに、フルドロー時のポンドは0.1-0.15ポンドしか変わりません。
気にするほどではないです。もちろん、何かダイナミックな気分変化で、ハイトを1インチも変えてしまえば違ってきます。
>前回のスパインの例えば理解できますしたでしょうか。スパインの数字が剛性に相当するもので、絶対値が変わることはありません。
はい。自分の書き方があまり良くなかったかもしれませんでしたね。矢の例えはとても解りやすかったです。
>つまり、弓が持っていたエネルギーのうち、矢に伝えることができなかったエネルギーが弓の硬さの感じ方に影響を与えます。
ロスしたエネルギー分だけ柔らかく感じることができるんのですね。
ありがとうございました。またひとつ知らないことを知れました。