最強の原糸届きました(テスト用です)。

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最強の原糸が届きました。RHINO(↑写真の通り、サイという意味)という原糸で、ブローネルの2013年発売の新商品です。
アーチェリーの古いガイドブックには、弦は高強度・高弾性率のものがよいと書かれていますが、2000年後半からでしょうか、原糸が進化しすぎて、強度があまりにも強くなり、ストリングメーカー(完成弦)ではリカーブ向けには若干柔軟性があるのがいいのではないかという認識が広まってきました。
現在では、マテリアルメーカー(原糸)でも、とにかく強い原糸(クロスボウ向け)、耐久性が高い原糸(コンパウンド向け)、柔軟性がある原糸(リカーブ向け)…後はダクロンの様な初心者向けの4つを用意するのが一般的です
この原糸は最新のクロスボウ向けの原糸で最強の伸びない原糸です。100%UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)。メーカーいわく、20本弦でクロスボウに対応できるとのこと…クロスボウはだいたい150~160ポンドです(パワーストロークが短いので全体のパワーは60ポンドのコンパウンドの2倍程度です)。
今回はショップとしてのテストのための入荷です。今週時間ができた時にテストしてみる予定です。
販売予定はありませんが、1/4ポンドすべて使うこともないので、興味がある方には、大久保店で若干おつくりできるかと思います。
*現在手作りの完成弦をストレッチ中です。


次世代サイト AXCEL(アクセル) アチーブ(Achieve)サイト

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次世代のリカーブサイト、アメリカのアクセル社製のアチーブサイトが入荷しました。入荷自体は2週間前にしていたのですが、価格の問題で、ずっとメーカーと話し合いしていました。
はじめに書きますが、このサイトはかなり高いです。高くなってしまった一番の理由は、高度な加工をしているためです。最軽量の競技用サイトを開発するため、設計を頑張ってしまって、組立てと加工がかなり複雑になってしまったようで、原材料費は他のサイトと大きく変わらないのですが、パーツの加工時間(加工するための機械を占有するので原価高騰の原因になります)と組立てにかかる時間が長いのが、高騰の理由のようです。
このサイトはロック(後述)があるRXLと、ロックのないRXの2種類があります。メーカーの地元のランカスター・アーチェリー(アメリカの大手アーチェリーショップ)では、RXが36,000円(359.99USD)、RXLが37,000円(369.99USD)となっています。日本で販売する場合には消費税と日本までの国際送料がかかるので、4万円を超えます。
この価格の問題についてメーカーとずっと話し合って来ました。高性能のサイトですので、多くのお客様に選んでいただきたいのですが、アルティマサイトが23,000円程度なので、40,000円もしてしまうのでは、あまりにコストパフォーマンスが悪くなります。
今回、メーカーから特別にオファーを頂き、1年間限定でかなり安い価格で提供させていただきます。それでも、他社のサイトと比べると安いとは言えませんが、精いっぱいの努力です。RXサイトが33,800円、RXLが34,800円となります。期間限定価格が延長されるかは、2014年までの販売量で決まります。好評であれば、延長していただけるそうです。よろしくお願いします。
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では、商品の話に入ります。現在、競技用のリカーブサイトで最もシェアがあるのは、アメリカ大陸(アメリカ・カナダ・メキシコなど)とオーストラリアではアクセルのAX4500サイト、アジアとヨーロッパでは渋谷のアルティマサイトかなと思います。HOYTを使うアーチャーがアクセル、WIN&WINやSAMICKを使う人が渋谷のサイトを使うことが多いです。もちろん、この2つのサイトには性能差がありますが、それよりも、この傾向が強いのは流通の問題(代理店としてどこのメーカーに強いか)が大きく関係しているかと思います。
アチーブサイトの開発のコンセプトは、今のお客様を満足させつつ、新しいヨーロッパ・アジア市場を開拓するということです。そのためにサイトをとにかく軽くしながらも、重くでき(ウェイトを追加)、力を入れずに操作できるし、レンチひとつで、これまでのアメリカ製サイトのようにしっかりとしたテンションにもすることができます。
特徴をまとめると、
素晴らしい点
・重さはとにかく軽く、調整可能(エリソン選手は軽すぎるのかウェイトを足して使っているそうです)
・組立ては正確に可能(エクステンダーバーとエレベーションバーの接合が3点式)
・調整するときのテンションは自分の好みにセットできる
・サイトボックスを完全にロックできる(RXLのみ)
悪い点
・値段が高い
お客様によって変わる点(アルティマとの比較)
・振動吸収をもとめるお客様はアルティマサイトの方がお勧め
 (カーボンバーを使用・サイトは重いほど振動吸収が良い)
・軽いサイト、弓のバランス、ソリッド感を求めるお客様はアチーブサイトの方がお勧め
 (全体にアルミを使用・軽い・サイトボックスを強く固定、またはロックできる)
という感じかと思います。ソリッド感については、あまり聞きなれない言葉だと思うので、改めて記事を書く予定です(3時間書きましたが、わかりづらい記事なのでボツにしました…書き直し中です)。
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出来上がった重さですが、比較として、カーボンエクステンダーを採用する渋谷のアルティマサイト(RC520カーボン)と比べて、8.5%軽くなっています。数字では17g…ウェイト3/4個程度です。上の写真を見た印象では、どう見てもアルティマの方が軽そうですが、実際は逆です。


全体で 8.5% (219g vs 202g)
サイト本体 6% (174g vs 164g)
マウント・ノブ 18% (45g vs 38g)


アルミを採用しながら、この重さを達成したのはかなり素晴らしいことだと思います。高性能の競技用サイトの中ではこのアチーブサイトが最軽量のサイトです。
*パーツにアルミ合金やカーボン樹脂出来なく、たっぷりとプラスチック樹脂を使った韓国・中国製の1万円以下の低価格サイトではもっと軽いものがあります。
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このサイトは持ってみると驚くほど軽いです。しかし、ちょっと残念なことに、ずっとアクセルのサイトを愛用しているエリソン選手(写真はベガスシュート)には、このサイトは軽すぎるようで、サイトに重りを付けています(エレベーションバーの上下)…。。。
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組立てですが、エクステンダーバーとエレベーションバーの取り付けが、より正確に、よりしっかりと、三点(写真のボッチと2本のステンレスネジ)で固定する方式になっています。また、ボッチはガイドにもなっており、このぽっちを穴に入れれば、自動的にステンレスネジのネジ穴に合わせることができます。他のサイトにはない機能その一です。
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上の写真はサイトブロックを上から(写真上)と下から(写真下)から撮ったものです。上の銀のボタンはサイトボックスを大きく調整するときに使用するものですが、下の銀のアジャスターはサイトボックスとエレベーションバーとのテンションを調整するためのものです。RXLサイトでは、ワンタッチで調整できますが、RXサイトでは、アジャスタースイッチがついておらず、左側のレンチでのみ調整可能です。
アルティマサイト同様に微調整はサイト上部のノブを回ることで行うのですが、この時のテンションが強いほど、エレベーションバーとサイトボックスはしっかりと接合しており、サイトの振動が減少します。しかし、このテンションが強すぎると、調整するときにかなりの力を要します。
女性のお客様からは、アメリカ製のサイトではノブが硬いという意見は以前からありました。しかし、トップアーチェリーの多くは硬い方を好みます(まぁ、40ポンド後半の弓を楽々引く人にはそれは硬くないのだと思いますが…)。ということで、このサイトでは、この部分のテンションをお客様の好みで調整できるようになりました。
振動を減らしたい方はテンションを強く、軽く調整しやすいようにしたい方はテンションを弱めに設定してください。他のサイトにはない機能その二です。
さらに、上位モデルのRXLサイトでは、ロット機能がついています。このロックをかけることで、サイトボックスはがっちりとエレベーションバーに押し付けられ、この部分で生じる振動を最小にします。ただ、ロックをかけたまま調整しようとすると、サイトボックスが故障するので、動かす時は必ずロックを外してください。他のサイトにはない機能その三です。
ロックをかけるかどうか。世界選手権の予選を見ればわかるように、予選や練習場ではトップアーチェリーの多くはサイトの調整を行いながら射っていますが、ワールドカップや世界選手権の決勝ラウンドでサイトを調整するアーチャーはあまり見られないと思います。
12~20本程度で勝敗が出る試合でスので、サイトをいじっていたら、試合が終わってしまいます。それなら、サイトボックスを動かさないのであれば、サイトボックスをしっかりとエレベーションバーにロックし、振動を最小限にすることでサイトとハンドルの一体感をより強くします。
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後は、サイトチャート・ステッカー・パッチがおまけでついてきます。こんな感じです。一つ、このサイトのキーワードになっているソリッド感に関しては、別途記事にします。また、今回はテスト入荷で5台しか入荷していません。次回は5月にまとまった量が入ってくる予定です。

追記、コメントの返信です。サイトピンはコンパウンドのスコープ同様、ナットで固定する形になります。


大宮店の営業日・営業時間変更とスコープの在庫

大宮店の営業時間・営業日が4月1日から変更になりますのでお知らせします。
4月1日から 営業時間 : 12:00~21:00 / 定休日 : 日・祝 となります。
(3月31日までは 営業時間: 10:00~21:00 / 定休日: 土・日・祝日)
お客様からの要望があり、土曜日もお店を開けることとしました。その分、開店時間が少し遅くなりますが、ご理解ください。最初の土曜営業は4月6日(土)です。今年も大宮店をよろしくお願いします。
他店と違って埼玉県唯一のプロショップですので、競合店がいない分、いかに埼玉のお客様に地元のお店を使っていただくかが勝負ですので、頑張っていただきたいところです。
また、好評の高性能ズームスコープですが、メーカー側に大量の注文が入り、レンズ・プリズムの生産に遅れが出ています。3月の初めに注文を入れたのですが、発送が4月の中旬にスケジュールされたという連絡が来ました。現状在庫が5つしかなく、通常ペースだと10日程度で在庫切れとなります。再入荷は、4月の後半になりますので、すぐに欲しい方は早めの注文をお勧めします。申し訳ございません。


MK KOREA(MK コリア)のVERA(ベラ)2 リムが入荷しました。

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MKコリアの最新作 VERA(ベラ)2 リムが入荷しました。発売後すぐに世界記録を更新し、一気に有名になったVERAリムの良さを生かすために、基本設計を大きくいじらず、カーブの見直しと素材構成を新しくしただけのリムです。既存のVERAリムも好評のため、引き続き販売は継続します。
今回は高ポンドだけ入荷しています。在庫するラインナップは基本的に38ポンド以上にしようと思っています。それ以下であれば、コストパフォーマンスのよいVERAの方がいいのではないかと思います。また、現在韓国でVERAを使用している選手でも、VERA2に移行する選手は未知数です。VERA2の方がコストがかかっているので高いというだけで、VERA2の方が上位モデルということではないです。
性能と関係がない点では、ロゴの印刷が逆になりました。これは…1月にフランスのブースで見た時には普通に気が付きませんでしたが…よく考えるとVEAR2の印刷の方が一般的かと思います。

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性能に関係するところでは、1点目はカーブの変更。990TXとF7でもそうですが、最近はチップあたりのカーブをきつくするのが流行りのようで、VERA2でもこの部分をより強調するものになっています。写真は手前がVERAで、奥がVERA2リムです。
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写真で分かりづらいかもしれませんが、チップの部分(頭ではなく肩に相当する場所)が少し小さくなっています。また、素材の変更などもあり(後述)、リムの重さはVERAリムに比べて、1%程度、わずかですが軽くなっています。
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素材の変更については、詳細のパーセンテージまではわかりませんが、見て確認できるほどにカーボンなどのファイバー素材の量が増え、コアに使われているウッドの使用量が減少しています。一番わかりやすいチップ部分の写真を撮ってみました。写真の左が新しいVERA2です。2枚のウッドコアが入っているのは同じですが、厚みが明らかに違うことが確認できるかと思います。リムは両方ともにM44の下リムで、リムの厚みからくる違いではありません。
まとめると、
・ロゴの反転
・カーブをより強いものに変更
・チップの軽量化
・リムの軽量化
・素材構成の見直し
と書き出してみるとたくさんありますが、実際どの変更は大きなものではなく、マイナーチェンジ程度の違いです。VERAリムを大きく進化させたというよりも、手堅く開発したような印象を受けるリムです。
…MKコリアはだいぶ成長しましたが、まだ、生産はゆっくりとしたペースです。今回納品されたVERA2リムは1月の発注分。。。。お待たせしているお客様、申し訳ございません。MKコリアではありませんが、以前、急がされて、ウッドの乾燥が不十分なままリムを出荷して、大変なことになったメーカーがあったので、リムメーカーの場合、急がせるというのもなかなかのリスクがあって怖いです。今、2月の発注分を作ってくれているはずです。


新規取り扱い LeBrunet(ルブルネ) アームガード

最近読んだ漫画に面白い一文(三文か??)がありました。
いつの時代も新たな潮流は古きを押し流し、算盤に合わない物は、ドライに切り捨てられてきました。しかし、人間の本質が変わらない以上、生み出されるものには限界があります。時代はどこかで過去を必要とします。
アーチェリーの道具屋で仕入れを担当していますが、古き良きなんてものが存在したためしはないし、逆に、新しければいいというものでもないことを、日々実感しています。その中で、良い商品を見つけて、皆様にお届けできるよう努力しています。ちょっと、心に響いた文書でした。
さて、本日の新入荷はフランスのLeBrunet(ルブルネ)社です。長い付き合いというわけではないですが、4年前から注目し、いろいろとコンタクトをとっていたメーカーです。下が、2009年3月、ちょうど4年前の記事です。
プロの職人が作ったアームガード(2009-03-27)
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-54.html

覚えてくれている読者の方がいたらすごいと思いますが、当時は価格が20ユーロ以上で日本で販売すると3,200円以上、利益をとろうとしたら4,000円近くになってしまう商品で、とても、アームガードとして販売できる価格ではありませんでした。
それからの4年間、このメーカー少しずつ成長をし、コストも毎年下がり、自分としては現在の価格であれば、日本のお客様にも受け入れられるようになったのではないかと思い、本日より取り扱いを開始しました。アームガードとしては、まだ高い部類だと思いますが、職人が木からハンドメードで作った作品として考えれば、この価格なら十分価値ある商品だと思います。

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サイズは2種類、大きめのクラシックと小さなスモールです。素材は9種類あり、7種類の木材と、レッド・ブルーという集成材を使ったものがあります。ほかにはカーボン製のものも取り扱いします。耐久性については、カーボン、プラスチック、ウッドの順になります。木目の美しさと実用性(=薄い)を重視した設計で、厚みがあまりないので、アームガードを一度買ったら買い替えたくない耐久性重視の方にはお勧めできません。では、素材を紹介します。紹介文の一部はウィキペディアと木材図鑑を参考にしました。
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マホガニー – 辺心材の区分は明瞭で、辺材は黄色っぽく、心材は淡紅褐色から淡橙褐色を呈し、金色の光沢がある。 長い間、光にさらすと色合いが濃くなる。また、柾目面にはリボン杢が現れることがある。(木材図鑑)
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メイプル – 辺材は淡い灰白色、心材は灰色を帯びた黄褐色。(木材図鑑)

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バリオーク – 北アメリカ中部と東部の中型から大型の落葉性のオーク。高級車の内装などに使用されている。

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クルミ – 辺心材の区分は明瞭で、辺材は灰白色、心材は褐色を呈す。年輪はやや不明瞭。 (木材図鑑)

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ワイルド・チェリー – 辺心材の区別は明瞭で、辺材は黄白色から乳白色、心材は淡い紅褐色から濃い紅褐色を呈する。使い込むほどに飴色に変色し、高級感がある。 (木材図鑑)

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チーク – 辺材は黄白色で比較的狭い。心材は濃い黄金色で、しばしば暗色の縞をもつ。材面にロウ状の感触がある。 (木材図鑑)

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エルム – 辺心材の境界は明瞭で、辺材は黄白色、心材は灰色を帯びた淡褐色。木目は明瞭で美しい。 (木材図鑑)

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以上の7種の素材に2つの集成材(写真上がレッド・下がブルー)を加えた9種類からお選びいただけます。


W&W INNO EXのグロッシーとマットについて

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INNO EX POWER/PRIMEのグロッシーとマットの違いについて。マットカラーモデルはは本日入荷しました。フェイト側に化粧カーボンを使っている影響か、グロッシーよりも値段が高くなっています。
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フェイト側の写真はカタログなどで多くの方はすでにみたと思いますが、バック側はグロッシーとマットで同じデザインです。金具の部分に光沢があるか、つや消しになっているかが違うだけです。
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両側はしっかりとグロッシーとマットで違っています。細かく確認しましたが、本当にフェイト側のデザインが異なるだけで、チップの形状から、重さに至るまで違いはありません。メーカーの説明通り、商品の性能に違いはないと思います。お好きな方を選んでいただけたらと思いますが、まぁ、同じ性能なのでコストパフォーマンスがいいのは言うまでもなく、グロッシーの方ですね。


FLEX カウンター・アッパー用ダンパー入荷しました。

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1年前から販売しているFLEXのボールダンパーですが、今年になり、INNO MAXハンドルが発売になり、INNO AL1やGMX向けにもともと需要があった、5/16オス・1/4オスのボールダンパーを4色仕入れてみました。
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ウェイトは別売りですが(写真はWINのフラットウェイト)、5/16のネジ穴(カウンター・アッパー・フォーミュラーのリム)で使用でき、両方ともにオスネジですので、反対側にはたいていのメーカーのトップウェイトは取り付けることができます。
上はカウンターとアッパーとしての使用例です。黒いキャップは力を入れて締めつけ過ぎた時にダンパーが破損するのを防ぐためのものです。このダンパーは二重構造になっており、中心に硬いゴム・外側が柔らかいゴムという構造のため、ウェイトなどを強く締めすぎると外側のゴムが破損する場合があります。加減をもって取り外ししていただければ、特にこのキャップは必要なものではないので、外してもらっても大丈夫です。
需要があれば、色はバリエーションは増やしていく予定です。


アメリカから、ボーニングさんが来店

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創立70年近い歴史を持つアメリカの老舗アーチェリーメーカーのボーニング(Bohning)さんが来店しました。現在アジアを中心に代理店巡りをしているそうで、大久保店来店後、一緒にごはんを食べに行きました。
日本に来てくださったお客様には、ビジネスの話よりも、何よりも、日本っていい国だなと思って帰っていただきたいです。
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さて、商品の方ですが、フレッチングテープ、フレッチタイト、弦ワックスなどが日本では有名かと思います。ほかにも、ノックや羽などを作っており、新作での一押しは「IMPULSE」という細長いターゲット用ベイン。
あいさつに来たという感じのミーティングだったので、すぐにお客様にお伝えできるような話はしていませんが、ハンティングのマーケットではかなりのシェアがあるものの、弱かったターゲットアーチェリーに、2年前から本格的に力を入れ始めたそうなので、これからにご期待ください。


ドイツの新しいシャフトメーカー

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Beiterのノックが対応するということで初めて知ったシャフトメーカーさんです。ドイツのAurel Archeryというメーカーで、アルミシャフトとカーボンシャフトを作っています。
最新モデルはOryXというフルカーボンシャフトで、小売価格だとACGとACEの中間くらいの価格帯のものを作っているようです。このシャフトが最上位モデルになります。ホームページをじっくり見てみましたが、まだまだ、イーストンシャフトと競争できるレベルにはないように思います。
昨年のオリンピックだと、イーストン以外の矢でメダルを獲得できたのはCXだけでしたが、新しいシャフトメーカーは次々に生まれている状況です。現状でイーストンと競争できるメーカーはほぼないと思いますが、将来が楽しみです。順調に競合メーカーが成長していけば、10年くらいで状況変わるかもしれません。
Aurel Archery
http://www.aurel-archery.de/


道具に関してのまとまってない話…


お客様からの質問に答えていて、思ったことがあるので少し。最後まで書いて思ったのですが…全然まとまっていない記事になってしまった。でも、削除するのはもったいないほど書いてしまったので、暇があれば読んでみてください。
上の動画は韓国のパク選手(Park Sung-Hyun)です。トップ選手の方やナショナルチームのコーチの方と話している中で、今世紀で一番すごい選手としてよく名前が挙がる方です。
実績としては、シングル1405点(更新される前の記録は1388点)と70mwと70mと50mの世界記録、2度のオリンピック出場で金メダル3に銀メダルが1つ、世界選手権は4度出場し、毎回個人か団体で金メダルを取り、とれなかったときは銀か銅メダルというすごい選手です。
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そんなすごい選手ですが、こちらの写真を見てみてください。奥の選手がパク選手です。
何か違和感を感じませんか。


そうです。弓が長いのです。パク選手の身長は170cmですが、弓は彼女の身長とほぼ同じです。66インチの弓は長さにすると、158~160cmほどですので、こんなに長いはずがありません。写真から見ると168~169cmほどの長さがあるかと思いますが、これは70インチの弓です。
では、170cmのパク選手は矢尺が特別に長かったから、70インチを使っていたのかというと、2枚目の写真。
フルドローに入った時のリムチップを拡大したものですが、リムチップは立ち上がってすらいません。今お持ちの弓を引いてみてください。”常識”で弓を選んでいれば、必ずリムチップは垂直よりもノック側に傾くはずです。このスナップの効果によって、はじめてリカーブが活きて来るので、必ずリムはそう設計されています。
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この写真の状態が正解です。
しかし、パク選手が使っているリムチップの状態から矢を発射しても、リムの性能を生かすことは全くできません。パク選手の引き尺はちょっと覚えていませんが…すみません…このリムチップの位置から推測するに、後3インチほどひかないといけない位置にあるので、27インチ前後だと思います。
では、なぜパク選手が70インチを選んだのか、しかも、それをオリンピックという大舞台で使用したのか、その結果は個人・団体での2つの金メダル。
本人から直接話を聞いたわけではないので、まわりのコーチたちの推測ですが、矢速、リムの性能よりも、弦が鼻につくことにこだわった結果だといわれています。これだけの選手ですから、要望すれば、メーカーはいくらでも特注の道具を作りますが、弦を鼻につけるためには、弓を長くする以外に方法は存在しません。その結果、一般論では考えられない、リムの一番性能が発揮されるリカーブ部分を使わないで、オリンピックに出ることになったのです。
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写真を見ると、確かにしっかりとアンカーした状態でも、ぎりぎり鼻についているくらいなので、68インチだとだめだったのでしょう。
パク選手の選択が正しかったことは、その実績が証明していますが、これは今の時代だからできる選択です。十分に弓具の性能が向上し、リムの性能を生かさなくても、十分な性能を確保できるようになったからこそです。グラスリム・ダクロン弦・アルミ矢で70mを射っていた時代で、鼻につけるためだけに、ここまでリムの性能を犠牲にしていたら、同じ実績を残すのは到底無理だったと思います。

みんな鼻につけるの大事だから、そこで弓のサイズを選んでねという話ではありません。上達するために大事なことは、常に考えるということです。そして、常識に縛られないこと。常識の多くは生まれた時代には正しかったことですが、道具に関していえば、道具は常に進化していますので、1~2年もあれば、変わっていきます。
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まえがきが長くなりましたが、伝えたかったことは、リムの柔らかさは「リムの柔らかさ」にすぎないということです。リムの柔らかさが語るのは引き味だけの問題です。
例えば、リムの柔らかさをリリースのミスを拾いやすい、拾いにくいといった話を関連付ける説は、UDカーボンをはじめとする新しい素材が出てから、あまり意味を持たなくなっています。ミスを拾うかというのはリムチップやリムの硬さのうち、写真でいうと、左右にストレスを与えた時の反応と関係します(もちろん、それだけじゃないですが)。しかし、引き味というのは、写真でいうとリムの前後にストレスを与えた時の反応と関係します。
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アーチェリーのリムにカーボンが使われ始めた時には、リムの反応は全方向に対して同様だったから、そのような説ができたのかなと個人的には思っていますが、現在のリムには方向性があるカーボンが使われています。簡単にいえば、ある方向のストレスにだけ反応する素材です。例えば、U/Dカーボンは単一方向性カーボンという意味で、漢字の通り、並べられた繊維の方向にしか力を発揮しません。
*実際のUDカーボンの写真はこちらに
https://archerreports.org/?page_id=33

そのために、以前と違いリムの硬さは引く方向とねじれる方向とでは、全く別にテスト・測定する必要があります。単一方向や三軸カーボンが使われ始めたことで、リムの引きの柔らかさは、引きの柔らかさ以外の意味を持たなくなってきまいます。引きが柔らかいことは、他の部分の柔らかいことを意味しません。

言いたかったのはそれだけです。長くなりました。
こちらの知識とお客様の知識が食い違ったりすることもあるので、お客様からの質問に対しては、まずお客様の考えている事、実現したいこと、求めていることをしっかりと確認してから、返信するようにしています。やり取りが長くなったりしてしまいますが、ご理解ください。
追記、USA ARCHERYの翻訳が終了しましたので、今日から編集作業に入ります。3月中に終わるといいなぁ~。