ターゲット競技専用ドローストップ

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20131122164901PSEの弓をお使いのアーチャーに朗報です。

ついに入手できそうです!!

先日、中国の無錫で行われた世界ジュニア選手権のコンパウンド男子で優勝した、デンマークのステファン・ハンセン選手(Stephan HANSEN)が使用していた謎のドローストップ。

調べてみると、2011年の世界ターゲット選手権を制したクリストファ・パーキンス選手などPSEの弓を使用している多くのトップ選手が使用しているドローストップでした。

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こんなやつです。多くのメーカーでは全機種で同じようなドローストップが装着されていますが、ハンティング用のドローストップとターゲット用のドローストップとでは、求められる性能に差があり、多くのメーカーはその中間に設計して製造しています。

その中で、このドローストップはターゲット競技に特化して設計された商品です。残念ながら、現状で対応モデルはPSEだけです。

メーカーの説明によると、ドローストップを交換することで、弓のウォールをよりしっかりとしたものにできます。8mmと9mmの2サイズで、9mmサイズのほうは、さらにホールディングウェイトを2ポンド増加させます。

来週の入荷予定です。テスト結果は山田のほうが書くかと思います。お楽しみに。


【緊急】広島県廿日市市にて発送した火災、および、支援策について

広島県廿日市市のアーチェリー場にて、昨日早朝に火災が発生し、多くの弓具が破損する事態が発生しました。愛用していた弓具がある日突然なくなってしまう事態は本当に痛ましいものであり、けが人がいなかったことがせめてもの救いです。

その件に関して、プロショップとしてサポートしてほしいという連絡がいくつかあり、昨日より対応に関して相談してきました。

本来すべてのお客様に対して、個別に連絡を取り、各お客様の事情に応じてサポートをすべきであることは理解しています。

しかし、会員登録してくださっているお客様だけで抽出しても、リカーブ通販で95名、コンパウンドで10名と100名以上のお客様(発送先住所が火災の発生場所近辺で抽出)がおり、大変申し訳なく思いますが、弊社スタッフがすべてのお客様に連絡を取り、事情を確認したうえで個別に対応することが人員的に困難対であると判断しました。

そのため、通販サイト、ブログ等で告知として弊社対応策を発表し、申告をいただいたお客様に対して対応するという形をとらさせていただくことにしました。ご理解いただければ幸いです。

弊社としての支援策は下記の通りです。

 

○弓具の貸し出し - 弊社で用意できる範囲で、弓具を一時的に貸し出しします。ご相談ください。送料はすべてこちらで負担します。貸出期間は基本1か月とさせていただきます。特別な事情がある場合は相談ください。

○優先的配慮 - 突然にすべての弓具を失い、すぐに試合を控えている選手の方も多いようですので、完成矢の製作やチューニング後の納品といった発送以外の作業が発生するものに関しては、スタッフ一同、最優先で取り組みます。完成矢は1-2営業日で製作します。(**)

○商品代金の割引 - 弊社販売価格より20%割引きします。(*)

○支払いの延期 - 新規に買い替えをされるお客様に対して、今回の火災に対する補償が確定するまでの間、最長で半年間、代金の支払い期限を延長します。本日買い替えの場合、その代金は2014年5月21日までにお支払いください。

 

以上が弊社の緊急支援策となります。

 

*1円単位切り捨てで計算。代引き支払いの場合は、代引き手数料は無料とします。2,500円以下の場合でも送料は頂きません。特価品含むカタログにある全商品。カタログにない取り寄せ品扱いになるものに関しては、別途相談してください。

**完成矢に必要な材料がすべてそろっている場合。

 

 

緊急支援ですので、期間は2週間とさせていただきます。その後も、できるうる限りの支援を行いますが、「緊急」の支援は2週間とさせていただきます。

連絡方法は下記の通りです。

連絡先は 080-8029-9407 です。本社の前田がすべての取りまとめの窓口となります。弓具貸出しの場合、希望をお伝えください。現在、スタッフの私物含め、貸出できる弓具のリストが完成していないため、折り返しの連絡となります。早期に回答ができるよう努力します。

メールでの連絡は基本受け付けていませんが、電話をお持ちでない等の特別な事情の場合は考慮します。

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買い替えの場合、写真上がリカーブ店のサイト、下がコンパウンド店のサイトの決済画面ですが、赤丸のところで今回の被害者であることがわかるよう選択してください。

こちらのスタッフから折り返し連絡いたします。080-8029-9407からの電話連絡になります。

電話にて、被害状況について簡単に説明いただき、その後、20%割引き後、代引き手数料・送料を無料としてのちの支払い金額の連絡と、支払い期限をお伝えします。システムが対応できないため、金額の明細は手作りしますので、必要な方は請求書の発送を申付けください。

今回の支援にあたり、当分の間、毎日11時から19時間で、080-8029-9407の前田は出勤し対応にあたります。すぐに対応できると思いますが、個人的な事情により、11月24日のみ休みをいただきます。その日は対応ができませんのでご理解ください。

緊急支援の期間は2週間となります。その後は、すべて電話をいただいてからの相談とさせてください。「支払いの延期」と「優先的配慮」は緊急的な措置ですので、長期にわたり継続する予定はございません。

よろしくお願いします。


プレシジョン・バランス(Precision Balance)のダンパーウェイト

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この記事は昨日の記事の続きです

昨日入荷したプレシジョン・バランスのスタビライザーは、何といっても、このPBT(Precision Balance Technology)という内蔵型ダンパーウェイトが特徴的ですが、その説明の前にまずロッドのほうについて解説します。

スタビライザーのロッド部分は軽いカーボンロッドを使用しています。27インチで135gとアメリカ製のスタビライザーの中では最も軽いグループです。軽いことで有名なACEスタビライザーで27インチはありませんが、29インチのACEが134gですので、同等の軽さを実現しています。

また、レブン社のもう一つのブランド・ドインカーは、大口径のロッドを得意としていますが、このロッドは直径が0.64インチ(1.63cm)と、風の影響を受けにくい細身のロッドとしてデザインされています。細さという点では、今年の6月にアークテック(Arctec)が発売した直径16mmのクロスチューブカーボンと同等のレベルで、市販されている競技用のロッドの中では最も細い部類のサイズです。

*今年の世界選手権でリカーブ部門において最も使用選手の多かったHMC+の直径は20.5mmです。

「軽い剛性のあるカーボンロッド + 独自の振動吸収構造・振動吸収機能」というのが、ここ近年のトレンドのようですが、まさにそのトレンドの設計になっています。わざわざこのスタビライザーを購入して、先端のダンパーを外してシューティングする人はいないと思いますが、その場合は、剛性のあるACEスタビライザーのような感覚です。

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さて、先端のダンパーについてですが、説明書には、

「この特許申請中のPrecision Balance(ステンレススチール)内蔵型ダンパーウェイトシステムはショット後に発生する不必要な潜在的振動を取り除くのに非常に有効です。それぞれのウェイトに対して内蔵型ダンパーは中に滑り込ませて装着します。このデザインによってウェイトをロッドから独立させることができます。そのためこのウェイトは指で押すことで簡単に動かすことができます。なのでウェイトが自由に動かせなくなるまでネジを締めないでください。ダンパーが正しく機能しなくなってしまいます。

と書かれています。

通常の状態で力いっぱい締め付ければ、間にダンパーが入っているといっても、ウェイトは押しつぶされたダンパーによって動かなくなりますので、そうならないように、このロッドではウェイトを通す側のねじの長さを調整できるようになっています。ねじの長さによって取り付く向きが変わってしまうので、ねじの長さを調整できるようになっているカーボンブレードと同じです。

しっかりとエンドキャップを締め付けても、ダンパーが押しつぶされず、ウェイトが余裕をもって、手で触ると少し矢印の方向にぐらつく程度の余裕があるようにしてください。この状態でエンドキャップ(写真の黒いキャップ)を最後まで締めこんで固定しても、ウェイトは手で触ると動きます。Aボムダンパーなどの先に取り付けられたウェイトくらいの動きがベストのようですが、自分に最適にテンションはチューニングしてみてください。

シューティング時にこの独立した構造によって、大きな振動も小さな振動もとるということのようです。

テストした感じですが、びっくりするほどまっすぐ弓が飛び出します。ロッドの剛性といったことではなく、普通のスタビライザーでダンパーを使用すると先端のウェイトが全方向に動いて振動をとるとともに、その動きが飛び出しを邪魔しますが、このスタビライザーでは、ウェイトの中をロッドの軸が貫通しているので、ウェイトが上下・左右方向に動くことはなく、前後(バック面~フェイス面)のみに動いて振動を吸収するので、飛び出しの邪魔をしません。

ただし、そのことによって、さらに飛躍的に振動吸収能力が増している感はないです。

現在、HMC+などの高剛性のスタビライザーをすでに使用していて、センターにダンパーを取り付けているのであれば、「ダンパーを取り付けた状態での振動吸収能力」と「センターにダンパーを取り付けずにアッパーを取り付けた時の飛び出し」という感覚の平均値に近いです。

今回はスタビライザーと5オンスウェイトが入荷しています。次回の荷物(入荷日はまだ未定)で、サイドとダンパーウェイトが入荷する予定です。

サイズによって値段が違います。また、なかなかに高いスタビライザーです。コストパフォーマンスを考えると、やはり1万円を切るHMC+スタビライザーに敵うものはなかなか登場しないですね。

以上、リカーブの話です。

前回、プレシジョン・バランスについて触れたのは、コンパウンドのスタビライザーについて書いているときでしたので、次の記事でコンパウンドの面からも少し書いてみたいと思います。


JPアーチェリー大宮店が「モヤモヤさまぁ~ず2 大宮」に取り上げられました。

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大宮 モヤモヤ(する)スポットとして…。。。。。

「弓を引くと顔がおかしくなる」という取り上げられ方でしたが、バラエティをご覧にならない方に前もって説明しますと、バラエティはそういうものです。教え方下手だなとか、重いポンド引かせすぎとかは突っ込まないでおいてください。ご理解を。実際は、そんなにモヤモヤしないと思います★

大宮店長の村田から、収録の報告まではあったのですが、実質に放送されるかはわからないので、事前告知はしないで下さいということでした。まさか、こういうことになっているとは。

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これからもJPアーチェリー 大宮店をよろしくお願いします。

追記

さっそく、ファイバーボウ(明日入荷予定)の通関作業していたら、通関士の方から「昨日のモヤさま見ましたよ」といっていただけました。結構、影響力ありますね。


スタビライザーセッティングと弓の飛び出しについての調査

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先日、行ったスタビライザーセッティングと飛び出しについてのまとめが終わりましたので、記事にします。
まず、セッティングのパターンとしては5パターンで調査しました。
A : 一般的なセッティング(水平Vバー+エクステンダー+アッパー サイドウェイト1つ)
B : 軽いセッティング (Aからアッパーとすべてのウェイトを取り外したもの)
C : 重心をグリップに置くセッティング=重心が通常よりも後方にあるセッティング(Aのセッティングからアッパーを外し、再度にそれぞれウェイトを4つずつ装着)
D : アッパーのないセッティング(Aからアッパーを取りはずす)
E : ダウン角Vバー(AのセッティングでVバーをダウン30度に設定)

の5パターンです。そのほかにアッパーのウェイトを重くする、Vバーの引き角度を変える、についても行いましたが、誤差以上の違いがみられず、有用なデータにはなりませんでした。
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まずは、後半のデータを時間軸をずらして、重ね合わせてみました。Y軸(縦軸)は飛び出した距離を示しています。単位はミリメートルです。すべてのセッティングにおいて、ほぼ同じグラフになることが確認できるかと思います。つまり、一般的に飛び出しと呼ばれている現象(感覚・フィーリング)は、飛び出すスピードや飛び出し距離の違いによるものではないということです。
飛び出しと呼ばれていますが、飛び出しが良いとされるセッティングでは勢いよく飛び出し、飛び出しが悪いセッティングでは、弓がほとんど飛び出さないわけではないのです。すべてのセッティングにおいて、いったん飛び出してしまえば、同じようにな弧を描くことが確認できます。
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では、何の違いが飛び出しという感覚を生み出しているのか。上のグラフは矢が発射されてから、弓が押し手から5mm離れるまでのグラフです。各セッティングで大きく違いが出ているのが確認できるかと思います。
横軸(X軸)は時間です。単位は0.001秒(ms)です。縦軸(Y軸)は弓の移動距離です。単位はミリメートルです。
リリース後、いったん弓はアーチャー側(バック方向)に移動します。そこから押し出されて、弓は飛び出します。各セッティングによる最も大きな差は、ハンドルが手に残る時間です。データを分析する限り、アーチャーが飛び出しと呼ぶ感覚の違いの80%以上は、発射後、弓が手元に残っている時間によってもたらされることが分かります。
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上のグラフの丸で囲んだところ。この動きは、弓が飛び出した後、リムの往復運動(バタつき)によって、ハンドルが静止するポイントです。このポイントまでの時間を計測すると、AとCでは同じ14ms、アッパーだけ取り外したDで16ms(15%増)、Vバーをダウン角にしたEで18ms(28%増)、バランスをとるためにスタビライザーのロッドのみでウェイトを一切装着していないBで21ms(50%増)になります。
スタビライザーのセッティングを変更した時に感じる弓の飛び出しとは、弓が実際にどれだけ飛び出すのかではなく、発射後に弓がどの程度の時間手元に残るのかによって決まるものであると言えます。
そして、その時間は重心の横方向の移動(重心がグリップにあるのか、Vバーの部分にあるのか)よりも、縦方向の移動(サイト側にも重さ=アッパーロッドがあるのか、下にしか重さがないのか)による影響を受けます。
個人的に知りたかった部分はまさにこの点で、この結果には満足しています。Vバーのダウン角にしたときには、両方の現象が生じます。重心は横方向にも移動し、縦方向にも移動します。
Vバー下げることによる飛び出し感の減少は、そのどちらに起因するものであるのか、そして、それはどの程度のものであるのかについて、切り分ける事が困難でしたが、今回の結果をもって、切り分けることができましたので、今後より正しく飛び出し感についてのアドバイスできるかと思います。

一応動画作ってみました。ただし、これはあくまでもこんな感じの違いですよというもので、厳密な同期などは行っていないです。今回の調査のデモンストレーションとしてご覧ください。
今回、インドアセッティングなどには触れていません。調べていません。理由としては、そもそも、それらの競技において飛び出しが必要であるのかが明確ではないためです。
*Y軸の距離(長さ)はエクステンダーが694.18ピクセルで長さが14.1cmであることから逆算したものです。多少の誤差があると考えられます。


ガスプロの羽と中ポンド帯の相性

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2週間前の弓具テストのうちの一つのまとめを書きます。
ガスプロの羽についてのテストです。ガスプロは2010年から製造がはじまった商品で、過去の記事を調べてみると、弊社では2年前の2011年の7月1日に初めて仕入れてのテストを行っています。
ヨーロッパ選手権とか…スピンウィングの独占を止めるかもしれない羽。
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-761.html

実射テストで大変良い結果を残し、また、同時にお客様へも評価用として10パック程度提供し、良い評価が多かったと記憶しています。その後、8月にコンパウンド用のガスプロベインの販売を開始しました。
GAS PROの取り扱い開始
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-801.html

当時はまだ当店だけで販売していましたが、その後、新たに国内で代理店になるところも現れ、今年の2月にパートナーとして累計100万枚製造記念の記念品を頂きました。おめでとうございます。
実射テストをしてから、この羽の事は評価していますし、多くの試合で結果も残しているのですが、お客様へアドバイスするときに、いまいちすっきりしない点があり、今回のテストになりました。詳細に関しては前回の記事をご覧ください
ガスプロの優位性は羽が起き上がっていないため、クリアランスがよく、かつ、風に強いことです。風にスピンの矢の高さが15.6mmに対して、ターゲット専用に開発されたガスプロ・ターゲットでは11.9mmしかありません。この値が少ないほど風に対して強くなりますが、そうすると極論はベアシャフトが一番良いという話になってしまいます。
風に対する強さとともに、羽に求められているのは、修正力です。風への強さと修正力、このバランスの中で羽を選択する必要があります。加えて、低ポンドの場合は、羽の重さも重要になります。
初期のころ、ガスプロの羽は低い(小さい)ので、修正力も弱く、矢速が落ちにくいので、低ポンドの方にもお勧めできるのではないかと思っていましたが、やはり、この羽のネックは重さにあります。ガスプロ・ターゲットの重さは332.4grで、最新のゴム羽とは0.6grの違いしかありませんでした。スピンは327.8grで4.6grも違います。
ゴム羽に近い・ほぼゴム羽と同じ重さであるために、低ポンドアーチャー(~30ポンド)には、やはりお勧めできないです。一方で、高ポンドのアーチャーではガスプロは多くの実績をすでに残しており、世界中で多くのトップアーチャーが使用しています。
今回のテスト中心的なテーマは、中ポンド帯のお客様(30~36ポンド)には、どの程度お勧めできるのかということでした。
過去の記事のコメントではこんなことを書いています。
(ドイツの新しいシャフトメーカー)のコメント欄
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-1253.html#comment1863


>ガスプロ・スピンベインからエフィシェントに張り替えたのですが、
>サイトが少し落ちました。理由を教えてください。
サイトが落ちるかどうかは人それぞれです。サイドが落ちる場合は回転数が上がりすぎている可能性があります。柔らかいACEなどで発生します。逆にお客様がX10の450のような重いシャフトを使っていて、サイトが落ちた場合は、違う原因が考えられますが、詳しくはもう少しお客様の情報がないと分析できません。
>あと、一般的にガスプロよりスピンウィングの方がよく飛ぶと言われますが、その理由も教えてください。
自分はそうは思いません(ガスプロの方が優れているとは思っていません)。一番の違いは羽の硬さです。柔らかい羽根が合う方もいれば、硬い羽根が合う方もいらっしゃいますので、一概には言えません。


このコメントはシューターテスト時点でのものです。今回のテストはシューティングマシンを使っています。前者の返信に関してはこのまま訂正するところはありませんが、後者の返信に関しては、読み返すと修正する必要があると思います。
自分の仮説では、ガスプロの羽は小さいので、風に対して強いものの、スピンよりも修正力は弱く、減速率も低いので、中ポンド帯のお客様ではスピンよりも良いのではないかというものでした。重さによる差を引けば、矢速は同じだと思っていましたが、今回のテストで、重さによる差を差し引いても、0.2~0.5%スピンよりも、矢速が出ません。予想外です。
まとめると
・(良い点) ガスプロの羽は小さいが修正力はスピン同等レベルである。
・(悪い点) ただし、スピンと同等レベルにシャフトを回転させ、同一条件下でも、サイトはわずかに下がる
ですので、ガスプロは高ポンド(36ポンド以上)で風対策をしたい方には絶好の羽です。低ポンド(~30ポンド)では、今まで通り、スピンウィングがお勧めです。中ポンド(30~36ポンド)では、ガスプロではターゲットよりも、ノーマルのガスプロが良いと思います、もしくは、スピンウィングの方が良いでしょう。
*低・中・高ポンドのカテゴライズは今回の結果を見て、今回の結果分析のためのものです。別の記事でも36ポンド以上は高ポンドとして表現しているとは限りません。


競技用ベインのスピードと修正力の比較

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写真は現在競技用として最も普及している4つの羽です。左から1.75インチ(45mm)のゴム羽、2.5インチのガスプロ・ターゲット、2インチのガスプロ・スピン、スピンウィングです。
先日、屋外のテストの時に、これらの完成矢でシューティングマシンによる実射テストを行い、性能の比較を行いました。
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結果報告の前に、まず理想的な羽とは何かについて書きます。羽の役割は矢を安定させ、ミスによるブレに対する修力を矢に与えることです。そのために、良い羽とは矢速の速い羽根ではないことには十分に注意してください。リムの性能比較において、矢速が速い方が優れているのはそれがエネルギーの変換効率が高いことを示しているからです。矢において、羽は矢速からエネルギーを得ることで矢を安定させ、修正力を与えます。そのために、矢速が”遅い”方(減速率が高い)がミスに対する修正力が高いことになります。
今回、このテストを行うきっかけになったのは、ガスプロの修正力のテストをしたかったためです。下の結果報告に詳細がありますが、ガスプロの最大の特徴は背が低いことです。スピンウィングと比べ、24%も背が低く設計されています。このために、横風に対して強いのが最大の特徴です。では、なぜみんな背を低く設計しないのかと言えば、背が低いと矢速を修正力に変換することが困難となり、修正力が不足してしまうためです。
ガスプロは背を低く設計しながらも十分な修正力があることが最大の売りでした。実射テストなどではテスト済みですが、今回初めて矢速計で実測しました。
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その結果の報告です。サイズは羽のサイズです。高さは羽単体の高さではなく、貼って完成矢にしたときの高さを写真の方向で測定したものです。値が低いほど風に対する抵抗力が高く、風の影響を受けにくいです。初速は弓から1m時点での矢速です。終速手前1m時点での矢速です。注意していただきたいのは、矢の弾道は重力の影響を受けるため、同一の条件下でも50mを射った時の18m地点の通過速度と、18mを射った時の18m地点の終速はお粉ります。減速率は初速と終速の差です。
修正力ですが、今回は条件を整えるために同じシャフトに違う羽を貼ってテストしました。そのために、すべての矢は重さが違います。最大で1.6%も違っています。減速率から、矢の重さによる誤差を理論値を使っては除去したものが、修正力となります。
今日は時間がないので…そろそろ帰ります。続きは明日書きます。


【確認してください】センターショットの見方について

センターショットの見方についてのお知らせです。
ネットの管理されていないページで、センターショットについての間違った(不十分な)知識を得て、正しくないセッティングにしているお客様が増えています。正しいセンターショットの見方について再度の案内です。
また、注文したリムがねじれているのではないかとお考えの場合は、一度センターショットを確認してから、ご連絡ください。弊社に交換要求があり、確認した弓のうち8割のリムはねじれではなく、センターショットがあっていないだけでした。
センターショットとは何か。「弦がリム・ハンドルの中心を通っている状態」という風に表現されている場合がございます。これは間違った知識ではありませんが、「弓が前を向いた状態で」という暗黙の条件が含まれています。
弓が前を向いた状態で、弦がリム・ハンドルの中心を通っている状態」
の事をセンターショットが正しいと言います。

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上の写真を見てください。この状態では、弦が弦溝の中心をとおっておらず、リムがねじれています。リムがねじれていることは間違いないのですが、リム自体がねじれているのか、セッティングが正しくないために、リムが”ねじられている”のかを確定することはできません。
どちらであるかを確認するためにはセンターショットを確認することが必要です。

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センターショットを確認すると、弦が全くハンドルの中心をとおっていないので、セッティングが正しくないためにリムがねじられていたことが分かります。リムの問題ではなく、セッティングの問題です。

しかし、この時にハンドルをまっすぐにした状態でセンターショットを確認せずに、ハンドルを右に向けてみる(頭を右に移動させる)と、上下リムともに同じ程度センターからずれている場合、センターショットが通っているかのように見える位置が必ずあります。

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上の写真は2枚目の大幅にセンターがずれた写真から、何もいじらずに、見る視点を変えただけの写真です。
センターロッドの向きを見れば、ハンドルが大幅に右を向いている事が分かるかと思いますが、しかし、ハンドルの位置を気にしなければ、つまり、ハンドルとリムと弦の位置だけに注意をすれば、センターを通しているように見えるはずです。
しかし、弓(ハンドル)が真ん前を向いていない状態で、弦が弓の中心を通っていたとしても、それはセンターショットは呼べるものではなく、全く正しくない状態です。センターショットを「弦がリム・ハンドルの中心を通っている状態」とだけ理解していると、多くの場合で弓はこの状態になっています。

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ここから、センター調整機構でリムの位置を正しい位置に戻し、センターショットが通る状態にすると、当然リムのねじれは解消されます。
もちろん、まれにねじれているリムもあるので、正しいセンターショットの状態でも、リムがねじれている(リムチップが左右のどちらかを向いている)のであれば、遠慮なく相談してください。ただ、その前に一度センターショットが正しいかを確認していただけると幸いです。


PRIME by G5から 「ONE(ワン)」が入荷!

早々の発表から結構な時間を経て、当店にやっとこさ「ONE(ワン)」が入荷しました。

現物を手にしてみると、アクセル間39.25インチ。
かなりの大柄なボディーに見えます。
ロングハンドル・パラレルリムがなせるフォルムですね。
見栄えがいいです。個人的には好きなフォルムです。


さて今回入荷した「ONE(ワン)」は、60ポンド・右ハンドル・色はジェットブラックです。
そして、引き尺は27.5インチ。

「ONE(ワン)」はPRIMEが提供する、ターゲット競技に特化したデザインとなっています。

ご存じでない方の為に案内しておきますと、「ONE(ワン)」は引き尺が27.5インチからの展開で、0.5インチ刻みで31.5インチまで引き尺が用意されています。
*引き尺調節が出来ないカムとなっています。注文の際は“ドンピシャ”サイズでご注文下さい。引き尺変更する場合はカムを交換するかたちになります。

カムは新たに投入された「PCTカム」。

PRIMEから販売されている弓には全て「パラレルカムテクノロジー」が採用され、それぞれのモデルにマッチした設計のカムが搭載されます。
「PCTカム」は他のモデルには無い特徴を備えています。
それは、2通りのドローストップ形状が選べるという点。
・ケーブルストップ・・・一般的なドローストップに用いられる、奥行きのあるウォール感
・リムストップ・・・この上ない超ハードなストップ感

「ケーブルストップ」はこのペグにケーブルが当ります。

このペグは反対側から六角レンチで留まっています。

「リムストップ」はこの上記のペグ(ピン)を抜き去り、下の箇所に付属のペグを取り付けます。

付属のペグ

ケーブルプレッシャーのテンションを軽減する効果を持つ、セントロイドなどに搭載されている“曲がるケーブルガイドバー”「Ti-GLIDE」からバージョンアップされた「I-GLIDE」となってこの「ONE(ワン)」には搭載されています。

グリップは、極めて・・・・本当に極めてシンプルなデザイン形状です。


残念なのは、チープな感じたっぷりのネームプレート。
印刷されたシールがはりつけられているだけなので、ハイエンドモデルなのに所有感が全く満たされない残念な印象となっています。

ま、その部分はさておき。

7000番台アルミを用いたハンドルのフォルム、上下の重量バランス、高めの(7.5インチ)ブレースハイト、好みのスタイルに変更できるドローストップ、安定のパラレルカム。

あとは実戦での実績次第ですね。


第一回 日米対抗アーチェリー大会の優勝者は…酒屋さん!!

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1937年、自分の知る限り、そして、アーチェリー連盟の公式記録において、日本で最初に行われたアーチェリー大会の詳細の資料を取り寄せしていたのですが、本日郵送で到着。
80年前に行われた試合なので、自分が知っている人はいませんでしたが(5位の方は浦上栄さんの著書は何冊か読んでいます)、1位の方は、2、5、7位の師範(Archery Teach)を抑えての、南千住の酒屋さん(Liquor Dealer)のシゲノさんでした。和弓の世界では有名な方なのでしょうか?
写真下は開会式の様子。左から東京アメリカンスクール校長、在日米国大使館の方、日本側の主催者である大日本武徳会の小山松吉さんです。
これから資料読み込みします。