RX7という不思議なシャフトを考える。

先週から始まったベアボウ第2章の道具編のために調べ物をしていたものを整理しています。ただ、チューニング用パーツのアジャスタブルポイントとウェイト(赤で囲んだもの)の製造が遅れており、来年1月中の納品は無理とのことでした。

RX7に関しては2つ記事を書きましたが、いまいちこのシャフトの正体をつかめずにいました。世界的にも2019年に発表されてから、このシャフトより低価格のX23は世界戦で見かけても、価格的に上位モデルのRX7はほぼ見たことがなく、存在意義を理解できずにいました。

今回自分が使うベアボウインドア用シャフトを選定するときに選択肢に入れて検討してみましたところ、まず、ノックについて自分の理解が足りていないことが判明していました。カタログは定期的に見直すものですね…。

イーストンカタログ2015
イーストンカタログ2022

イーストンは近年までSサイズとLサイズのノック溝のデータしか公開してきませんでした。Sは088″でLは098″とされてきました。しかし、2022年のカタログではデータを一新し、Sサイズを096″、Lサイズを112″に変更してきました。メーカーに確認中ですが、Gノックのサイズが変わるというのは大きなニュースですので、発表されていない以上、測定方法が変わっただけだと思います。

それに伴い、Hノック、マイクロライト・スーパーノック、マイクロライトノック、Xノック、3Dスーパーノックのデータが公開され、Nノックなどは今まで通りデータがないという状態です。どういうポリシーはちょっとわからないのはさておき、今までSとLしかないという認識でしたが、細かくサイズが分かれていることがわかります。

– Sサイズ 096″ Gノック Sサイズ

– 103″ 3Dスーパーノック

– 108″ マイクロライト・スーパーノック

– 111″ Hノック / Xノック

– Lサイズ 112 Gノック / マイクロライト 

111と112に違いはほぼないので、3Dスーパーノックが中間のMサイズ、マイクロライト・スーパーノックはLよりのMサイズのノックとなります。サイズから読み取れることは、111/112サイズはコンパウンド用です。というのは、リカーブのアーチャーは自分が作ったり、サイズを選んで購入しますが、コンパウンドでは、弦のサイズ(太さ)は購入時についているものが標準設計で、色だったり、素材を変更する人はいても、太さを変更することは設計時の性能を損なうので、ほとんどの人はやりません。

となると、103と108は高ポンドのリカーブで弦を太くしたとき、またはベアボウで太い弦を選択したときにフィットする弦に合わせての設計と考えられます。ラインナップを見ても確かに、柔らかくても、500番くらいまでしかない、硬いスパインのシャフト(6.5mm/0.246″)用のノックとして販売されています。

ということで、2019年に書いたこのレビューは正確ではないということになります。というよりか、このような勘違いを払拭するためにイーストンは自身のノック溝の径を2サイズではなく、5サイズあると公表したとも考えられます。

以上、096よりは太いものの、3Dスーパーノックを使用すれば、ストランドを2本追加した弦でリカーブで使用できるノック溝となるので、RX7をリカーブで使用することに問題はありません。

では、多くの実績のあるX23とRX7の違いといえば、スパインです。テーパー設計にすることで、WA最大径のRX7 420 = X23 2315 340 は80番柔らかく射つことができます。自分でもリカーブのときには450番のシャフトを使用していたので、400番のスパインというのはトップアーチャーにとっては、無理に硬いシャフトを射つことなく、正しいスパインとして、最大径のシャフトを選択できるのがメリットとなります。これはチューニングとしては、軽いポイン、正確に表現すればヘビーポイントではなく、通常のポイントを選択でき、リリースによるミスの低減を可能にします。リリースによるミスがほぼないコンパウンドでは有効ではないです。

ただ、前の記事でも取り上げましたが、RX7 525 = X7 2114 506でX7とほぼ違いはありません。イーストンの説明を見ても、RX7に関していえば、420番が本来の設計された性能を発揮する唯一のサイズで、残る2つに関しては、RX7もどきといったところだと思います。525のテーパーは0.0032″(=0.082mm)で0.1mmもありません。

さらに、今回の記事を書くきっかけとなった自分のベアボウシャフトで言えば、ベアボウは一般的には高ポンドを使わないので、最大径の23を選択でき、かつ、それを80番柔らかい状態からチューニングをスタートできるRX7-420は選択肢としてかなりありではないかと思います。


【追記】新しいインドアシャフトのRX7が1ダース入荷しました。


【追記】2021年12月にこちらのシャフトについて再評価を行いました。

RX7という不思議なシャフトを考える。

2020年モデルのRX7の420番が1ダースのみ入荷しました。近年のイーストンのシャフトの中で一番設計が謎のシャフトです。最初コンパウンド用だと思っていきましたが、The Ultimate Indoor Recurve Arrow Shaftとイーストン社のページにあり、どうやら、フィンガーリリースを想定しているようです。しかし、ブッシングにはS(スーパーノック)ブッシングが使用されていて、ノック溝はコンパウンドで一般的に使用されるLサイズとなっています。うん…。

RX7の正体は柔らかいインドア向けシャフトでした。

さらに、大口径で柔らかいのが売りなのですが、前の記事でも書いたように、

RX7 420 = X23 2315 340 (80番柔らかい)
RX7 475 = X7 2214 425 (50番柔らかい)
RX7 525 = X7 2114 506(ほぼ違わない…)

大きく違うのは420番のみで、525に至っては20も違わないので…ということで一応1ダースに参考用に在庫しておきます。


RX7の正体は柔らかいインドア向けシャフトでした。

EASTON(イーストン)の新しいアルミシャフトRX7の詳細が出ました。正体はテーパーをつけることで、柔らかいスパインでも大口径を実現するシャフトのようです。

RX7でのスパインはそれぞれ下記のX23(X7)シャフトに対応するそうです。

RX7 420 = X23 2315 340 (80番柔らかい)
RX7 475 = X7 2214 425 (50番柔らかい)
RX7 525 = X7 2114 506(ほぼ違わない…)

書き出してみると、RX525に関しては、今発表されているデータが正しいとすると、また、価格が届き、計算してみると、1ダースでX7より4000円高いので、どれだけの需要があるか読めないところがあります。

なので、ここではRX7シリーズではなく、420番について書きますが、インドア制限ギリギリという観点から行くと、アルミシャフトでの選択肢は、X23 2315の一択となります。つまり、自分の弓に合うスパインを選ぶのではなく、スパインありきで、そのスパインをいかにして、自分の弓に合わせるかという作業となります。

現状、インドアチューニングでは、矢をものすごく長くする、それとポイントをかなり重くすることで、スパインを相対的に下げるという方法がとられてきました。今までの結果を見るとこの方法をそれなりに成功を収めていると思います。しかし、どちらも矢が重くなるので、矢速が落ちるという副作用があります。

インドアにおいて、矢速というものを不利になるという経験策はありませんが、しかし、矢離れの早さの好みはアーチャーによってあります。このシャフトは、矢離れが速い方が好みという方にぴったりのものになると思います。

こちらでシミュレーションしたところ、2315に比べ 約20% 矢速が向上します(*)。概算ですが、リカーブでもほぼ同じくらい矢速が向上します。

*コンパウンド 59ポンド 27インチ引き X23 2315 28.5インチ 200gr vs RX7 420 27.5インチ 80gr

9月に発売予定です。まぁ、インドア向けなので、急ぐ感じではないですね。また、これに合わせて、セレトクチャートを更新しました。来年がオリンピックで多くの選手がそこに目を向けて努力しているので、リカーブでは、今シーズンはX10のようなターゲットシャフトのまま、インドアシーズンに入っていくトップ選手が多いと予想します。

EASTON RX7 シャフト

ホイットのPrevailが出荷終了しましたが、Carbon 840リムも出荷終了です…売るものがないので早く2020年モデルを発表していただきたい…。


EASTON(イーストン)が木曜日に新しい大口径アルミシャフトRX7を発表。

EASTON(イーストン)が木曜日(アメリカの水曜日の朝)に新しい大口径シャフトRX7を発表するようです。VXTのようなコンセプトだと思われますが、大口径のテーパー設計でどのようなメリットが得られるとされるのか楽しみです。ご期待ください。久々のアルミシャフトの新モデルですね。