【更新】2025年モデルとして発表されたホイット(HOYT)とダートン(Darton)を追加しました。
コンパウンドボウはストリングだけではなく、ケーブルと組み合わせて使用されるシステムです。ケーブルはフルドローの時にカムをサイト側に引っ張ります、そのため、プライムのシステムでも0.4度のカムの傾きがあります。その傾きはストリングに影響を与えます。
リリース後のストリングはまっすぐに返るのではなく、多少サイト側にカーブを描いて戻ります。映像はボウテックのチューニングガイドのものですが、シャフトが6mm系のものだとすると、1mm程度ストリングがシャフトに対して右にあるのが確認できると思います。
1mmというのはわずかな動きですが、競技で高いパフォーマンスを出すためには無視できない数値です。例えば、上記のPSEのEZ220システムでは、カムの位置を0.5mm単位で調整できます。特許の関係などで、各社カムリーン(カムの傾き)の調整方法、システム名が異なるので、ここにまとめました。
名称 | 方法 | ボウプレス | |
PSE | EZ.220 | スペーサーの入れ替え | 必要なし |
Mathews | TOP HAT | 筒状ワッシャーの入れ替え | 必要 |
HOYT(-2024) | シムの入れ替え、ケーブルの長さ調整 | 必要 | |
HOYT(2025-) | 上下交互のシムの入れ替え | 必要 | |
Darton | リムポケットでのポンド調整 | 必要なし | |
BOWTECH | DEADLOCK | レンチでの無段階調整 | 必要なし |
ELITE | S.E.T | レンチでの無段階調整 | 必要なし |
PRIME | CORE | できるだけ発生しない技術で工夫 |
PSE/Mathewsのスペーサーなどを入れ替えて調整するタイプ、HOYTのケーブルの長さと合わせて調整するタイプ、レンチだけで調整できるタイプの3パターンになります。
この技術がコンパウンドボウに搭載される前の古いチューニングマニュアルでは、ペーパーチューニング時の矢の左右差はレストを左右に動かすことで調整するとありますが、カムの傾き(位置)を変更することは相対的にストリングのレストの位置を変更することと同じです。
レストを左に出す = カムを右に動かす
レストを右に出す = カムを左に動かす
となります。矢が真っすぐ飛ばない理由は多々ありますが
①レストを動かして調整
②カムを動かして調整
③矢のスパインやポイントの重さを変更して調整
この順番がおすすめです。