それ、センターショットじゃないんです。

1996年のヤマハアーチェリーのマニュアル(英語版)

こちらの記事をより完全なものにするためにヤマハのセンター1996-98年の日本語のマニュアルを探しています。(協力ありがとうございました)

【追記】1988年初版/2000年改訂版のアーチェリー教本(全ア連)での伊豆田さん(ヤマハの技術者)の記事までは正しく用語を使っていたことを確認しました。

コンパウンドのチューニングマニュアル(翻訳)、ベアボウチューニングマニュアルを製作したので、最後のリカーブに取り掛かっているのですが、なかなか進みません…いろいろと理由はあるのですが、第一章が書けないのです。しかし、それでは何も進まないので、第一章以外の記事を一つずつ書いて、第一章より後ろを少しずつ書いて完成させることにしました。下記記事を読んでいただければわかると思いますが、簡潔なマニュアルではなく、全体を通して読んでいただける読み物にできればと思っています。

最初の記事はいわゆるセンターショット(センター調整)について。センターを調整することをセンターショットの調整と呼びますが、このセンターショットとは何を指しているのか、説明できる方はいますか?

実は、センター調整をセンターショットと呼ぶ国は日本だけです。この機能は海外ではリムアライメントと呼ばれています。日本のメーカーであるヤマハでも、海外の説明書ではリムアライメント(Limb alignment*)と表記しています。

*WIN&WINでは Limb / Riser Alignment と表記

これはFast Flightが本来ファストフライトであるべきなのに、ファーストフライトと呼ばれているレベルの話ではなく、この用語の誤使用によって、正しい情報が伝わらない、伝わりにくいという大きな問題を引き起こしています。この記事では、この後、一般的な意味のセンターショット調整(センター調整)はすべてリムアライメントと表記します。また、そもそも、リムアライメントを正しく理解している自信がない方は下記の記事を先にお読みください。

トラディショナルアーチェリーより

リムアライメントがセンターショットではないなら、センターショットとはなにか、これは文字通り、中央射、ハンドルの真ん中から矢を射つことを指しています。写真上のようなウィンドウを削っていないロングボウ、または日本の和弓にはそもそも、センターショットという概念がありません。どちらも矢をハンドルの右側か左側につけて射つので、中央射は物理的に不可能です。そのために弦が弓(ハンドル)の中央にある必要(センター調整)もありません。

Ragim 2020

下記の記事のように、戦前は和弓と洋弓はおおよそ同じ程度の的中率でした。しかし、1940年代に洋弓のリムのイノベーションがあり、さらに、1950年に写真のようなウィンドウがある弓と、円形ではない現代のピストルタイプの方向性のあるグリップが登場したことで、1960年代には和弓ではもう追いつけないほどの差を広げていきます。

洋弓のハンドルにウィンドウが搭載されたことで、矢をハンドルの真ん中から発射することができるようになりました。このことをセンターショットといいます(*)。そして、矢がセンター上にあるので、ここで初めて、弦もセンターに持ってくる必要が生じ、このときにセンター調整という概念が生まれました。

*サム・ファダラによる定義 : センターショットはハンドルのウィンドウが弓のセンターラインを超えてカットされている場合、矢がセンターラインの真上にあることを示す。ノッキングされた矢はハンドルの中心軸上にある。これによってアーチャーズパラドックスを軽減すると考えられている。

しかし、1950年代にはリムアライメントという概念とセンター調整機構という概念は存在していませんでした。前者はハンドルにはまだスタビライザーが取り付けられていなかったので、リム面さえ水平なら(センターショット)、ハンドル面が多少どちらかに傾いていても性能に影響はないと考えられていたためです。もちろん、極端に傾くと矢のクリアランスに影響があるので、多少に気にはしていたと思いますが記録に残っていません。

センター調整機能が存在していなかったのは、カーボン/エポキシリムが登場していなかったので、手で調整できたためです。今でも、ポラリスのようなウッドリムであれば、手でねじることができます(そのためにねじれ保証はついていません)。ドライヤーなどでリムのねじれているところを温めて、手で反対側にねじって、センターを調整します。

WA Archery TV WC 1973

1960年代になり、ロッドスタビライザーが登場します。このスタビライザーは的側に向かって長さを持ちます。そのロッドがまっすぐと的側に向かっていく伸びていますが、このときハンドルが傾いていると、ロッドも傾き、弓はまっすぐ飛び出しません。ロッドスタビライザーの登場によって、リムとハンドルの3面を水平にするリムアライメントの調整が必要になります。

そして、最後に登場するのが、センター調整機構です。1950年代のリムは手でねじることができましたが、これでは安定性がありません。70年代にねじれたリムで世界記録が出たという話を聞くことがありますが、それがまさに当時のメーカーに目指すところで、リムアライメントを多少犠牲にしても、ねじれないリムのほうがグルーピングするという結果を持って、ねじれないリムの開発に邁進していきます。その結果、リムを年々進化を遂げていきますが、ねじれ耐性を持ったリムは当然、以前のように手でねじって修正することはできません。

1980年代前半くらいまでは、いろいろな方法(当時のノウハウはほぼ伝わっていません)で調整を行っていたようですが、年々進化するリムに対して、いよいよ方法が尽きてきたときに、メーカーの判断が分かれます。いくつかのメーカーは生産したリムのうち、自社の検品に合格しなかったリムはすべて捨てるという判断をし(コストアップになる)、現存するホイット社などは、リムを調整することを諦め、ハンドル側に調整するための機構を導入することで、出荷できる公差を広げる戦略を取ります。

センター調整機能がなかった時代の1990年代、ヤマハの最も安いリム(*)が4万円以上もし、ハンドルと合わせると11万円を超えます。対して、センター調整機構に対応するリムは、現在、現在とは言わずとも、その10年後の2000年代後半にはグラスリムは1万円ほどで買えるようになっています。10年間で1/4程度になり、ハンドルとリムで2万円強でアーチェリーを始められるようになりました。

*イギリスのカタログによると 1990年 α-SX FRP リム 定価 169ポンド(当時のレートは257ポンド円) = 43433円

ホイット ユーザーマニュアル 2021 - センターショットの項目

以上の流れがそれぞれの用語の誕生の歴史です。ここまで読んでいただければ、センターショットとリムアライメントが明確に異なるものだということがわかると思います。もちろん、今でもセンターショットは用語として残っており、現在では、プランジャーの伸縮があったり、シャフトが樽型だったりするので、センターショットなのに、厳密にはセンターに設定しないセッティングをすることをセンターショットと呼びます。

日本ではなぜセンター調整・センターショットがリムアライメントと混合されるのかは、これから調べてみたいと思います。日本だけで通用する用語の多くはヤマハの影響を受けているので、ヤマハの説明書を手に入れることが課題だと思います。

さて、センターショットを理解していただいたところで、次はリムアライメントの調整です。Wikiによると「アライメントは、並べる、整列、比較などの意味。」とあります。リムアライメント調節で行っていることは、「センター」とは実質的には関係がなく、赤い線で囲んだ「リム面(上)」、「ハンドル面」、「リム面(下)」の3つの面を水平に並べるというチューニングなのです。

写真の状態はリムアライメントが正しくない状態ですが、これは弦がセンターを通っていないのではなく、「リム面(上)」と「リム面(下)」はアライメントが正しいが、「ハンドル面」が右にねじれてしまっている状態です。相対的なので、ハンドルを真っ直ぐにするとリムがねじれていると言えますが、弦を引いたときには、リムのアライメントのほうが優位なので、フルドローでは、やはり、センターが右に向いた状態になります。リムアライメントが正しいとき、弦はリムの中央、ハンドルの中央、センタースタビライザーの中央を通ります(*)。このことがセンターショットとの混同の理由とも考えられますが…ショット(射)の要素ないですからね、センターボウならわかりますが。

*スタビライザーがまっすぐの場合に限る。

Fast Flightがファーストフライトでもファストフライトでもどちらでも良いと思います。しかし、センターショットとリムアライメントでは、言葉から受けるイメージが大きく違います。この点がセンターショットの調節正しくできていない方が多い理由だと思います。真ん中(センター)に揃えるのではなく、面を水平に整えるという作業なのです。

以上のことが理解できている上で、世間に合わせて、センター調節(センターショット調整)と言う分には、なんの問題もないとは思うので、私はこれからも混同して使用させていただきます。


ホイットのストリングテンション調整システムの技術資料。

ホイットのストリングテンション調整システムについて2019年に解説の記事を書きましたが、技術資料が手に入ったので、詳細のデータを確認してみました。宣伝資料は何を書いてもよい(違う?)のですが、特許を申請するための技術資料には正確な情報を記載する必要があるので、より参考となります。

表にあるリカーブドロー力がドローウェイトで表のA/B/Cです。弓弦張力がストリングテンションで表のA’/B’/C’です。横軸はドローレングスで、Fのポイントが46ポンド、Dのポイントは30インチです。

このホイットの試験データによればストリングテンション調整システムでは、パフォーマンス/ハイブリッド/スムースの3つのモードを変更したときに、ドローウェイトは1%しか変化しないが、ストリングテンション(ほぼイコール引きの柔らかさ)を12%も調整できます。

この機能によって、ホイットはリムの競技用ラインナップを他のメーカーに比べて非常に少なく(現行1種類)することに成功しています。なかなか、優れた機能ではないでしょうか。より詳細の情報は下記の資料を参考にしてください。

アーチェリー用弓リム調整システム(PDF 0.5MB)


【完全版】ポンド調整機能についての解説

毎年、1-2度はポンド調整機能についての質問を受けます。何度が記事にしていますが、今回、この記事一つにまとめてみようと思います。今後、回答するときにはこの記事のリンクをもって回答しようと思います。

まずは、ポンド調整機能(ティラー調整)とはなにかについて説明します。ポンド調整機能は、ハンドルに対してのリムの角度(今後はただリムの角度と書きます)を変更することで、リムの引き始められるの位置を変え、それによって実質ポンドを変更するという機能です。

2001年までは日本にヤマハというメーカーがあり、このメーカーでは、設計時の最適なジオメトリーを変更することで、ポンドを変更する仕組みを採用していました。そのためにポンドによっては弓が最適な性能を発揮ではない状態がありました。ですので、当時には最適差し込み角度という概念が存在していました。詳細は下記の記事を参考にしてください。現在は存在しないので、ポンドを変更することで性能が変化することはありません(*)。

*ポンドを上げる/下げることで絶対的に性能が変化することはないだけであり、自分の感覚や体力・矢のスパインなどが合わなくなり、相対的にグルーピンクが悪くなることは当然あります。

リムの角度を調整する以上、大事なのは当然、リムボルトとリムの関係です。リムボルトの位置とそれによって決まるリムの角度がポンドを決定します。そのために、調整可能範囲の「締め込んだ位置」というのは、ハンドルとリムボルトの関係ではなく、リムボルトとリムの関係からの締め込んだ位置です。詳細は下記の記事を参考にしてください。

メーカーによっては、ハンドルにリムボルトを締め込んだ位置からの表記をしているところもありますが、こちらはあくまで自社のリムに対しての表記です。リムはメーカーによって厚みが異なり、異なるメーカーを組み合わせる、発売時期がずれているリムを合わせる場合には参考にできないので、上記のやり方を弊社ではおすすめしています。

最後は簡単な確認方法です。正しく使用している場合、リムの装着痕は写真上のようになります。リムの末端がリムボルトの正しい位置に接している状態で使用されたことを意味しています。正しく使用されていないと写真下のようになります。これはリムボルトの丸い部分の末端がリムに接していた状態で使用されていることを意味しています。新しいリムは正しくセッティングしていただくとして、今使用しているリムについて不安な場合にはリムの装着痕の状態をご確認ください。また、リムを正しく使用していない場合保証が効かない可能性があります。


ベータ版のKinoveaが9.3にバージョンアップ、解析機能とキャプション昨日の強化へ。

動画分析ソフトのKinoveaが8.27から9.3にアップデートされました(ベータ版です)。

新しく追加された機能でアーチェリーに関連するものは、下記の通りです。

動画に時間(相対的な時間)を挿入できる機能となります。例えば、アンカーした時間を中心(ゼロ秒)として、分析することが可能です。

こちらはフィールドでの打ち上げや打ち下ろしの時のように、分析用の座標軸を水平におけない場合には役に立ちそうです。

全く新しい機能として、OpenPoseという全く新しいソフトとの連携が可能となりました。OpenPoseで出力されたキーポイントファイルのインポートが可能です。

*OpenPoseは無料ですが、商用利用はできません。

後はレンズの補正などの、主にキャプション(動画を記録する)関連の機能が強化されています。以前はものすごい価格でしたが、現在では、グローバルシャッター搭載のUSBカメラでも、5000円台で手に入るようになっているので、いつか試してみたいと思います。

なお、最新機能の一部メニューは日本語化されていませんのでご理解ください。

https://www.kinovea.org/setup/kinovea.0.9.3/Kinovea-0.9.3-x64.exe


Dループをどうセッティングしていますか?

たまにはコンパウンドのチューニングに関することを。リカーブのノッキングトラベルについて考えていたのですが、そういえば、コンパウンドでこの記事書いてなかった気がしたので。検索したら書いてないっぽいので。もし重複したらごめんなさい。

さて、みなさんDループはどのようにセッティング・チューニングしていますか? Dループにはいくつかのセッティングが存在していますが、リリーサー同様優劣はないように思います。上の写真はトップアーチャーの方のDループセッティングですが、それぞれ異なっています。1は下にノッキングポイント(または金属ノック)をつけるという方式で、自分の感覚では一番一般的なセッティングです。2はノッキングポイントをつけないでDループのみという方式です。3は上下ともにノッキングポイントをつけるというやり方です。手元の自分の資料では見つけられませんでしたが、1の逆の上にだけノッキングポイントというやり方と、全く異なってきますが、トルクレスDループが5番目のやり方です。

トルクレスDループ導入の場合のノッキングポイントについて

基本的な考えとしてはリリーサーのフックがシャフトの延長上にあるのが最もノッキングトラベルの安定化と、シャフトのパラドックスを最小にできると考えられます。これは軸間(ATA)やドローレングスと弓の設計によって違うので、必ずしも、1のやり方でそうなるとは限りません。また、リリーサーのフックとシャフトの延長線との位置関係が変わることで、矢飛びにも変化が出ます。1-5までのやり方に優劣がないのは、この部分で個人差があるためと考えられます。

今のセッティングがうまく行っていないなら、別のセッティングを試してみるのはどうでしょうか。下記、動画でいろいろなタイプのセッティングを見ることができます。

コンパウンド トップアーチャー アンカー集 - Youtube


フォワードオープンのリリーサーの方がリリーサーのねじれのブレに対して許容性が高いとの結果が。

リリーサーも製造しているAXCEL/TRU BALLから、リリーサーのオープン形式による違いについての検証動画がフェイスブックに公開されました。アクセルでは、ジョーの動きをサイドに開き、弦が飛び出すまで保持される方式をサイドオープン(写真右)、リリース後、弦が前方に動きながら飛び出していく方式をフォワードオープン(写真左)として定義しています。その両方で、リリーサーとDループに対する角度をねじっていくと、グルーピングにどのような影響を与えるのかという検証動画です。

上がサイド、下がフォワードです。明らかにグルーピングに大きな違いがあることがわかると思います。まぁ、それぞれの方式の物理的な原理を考えれば、このような違いが出るのは明らかです。

さて、違いがあることは実証されましたが、その意味を解釈すると違った姿となります。

実証されたこと : フォーワードオープンの方がリリーサーの傾きの差による、グルーピングへの影響を低減する

は正しいです。しかし、動画では90度ほどの差をつけてねじっていますが、初心者であっても、射ごとにこれほどの違いがある人は見たことがないです。この違いは主に引手のひじの位置の違いなどによって生じますが、初心者でもせいぜい20度ほど、トップ選手では2度もないと思います。そのため、上達すれば、そもそも差がなくなり、グルーピングに影響を与えないとも考えられます。実際、サイドオープンのカーターのターゲットシリーズは多くの実績を残しています(私も使用しています)。

では、差がある初心者、中級者にとってはどう評価すべきかという点では、考えの違いによって変わります。コーチがついている人であれば、指摘してもらえると思いますが、リリーサーに限らず、射形の違いによるブレを許容する道具の使用は、上達を阻害する一面も持ちます。

有名なところでは、金属レストなどは、レストダウンの症状があっても、高い保持力があるので、かなりわかりづらくなってしまいます。私は初心者にはスーパーレストをお勧めしますが、アームが柔らかいので、レストダウンの症状はほとんどの場合、実際にレストダウン(レストから矢が落ちる)の症状として現れ、すぐに問題に気がつくことができます。

このような問題と同じで、リリーサーのアンカーポジション(アンカーでの角度)が射ごとに違っていても、それがグルーピングに現れないことは、試合においては選手によっては、有利に働きますが、練習においては自分も問題点に気がつくことを困難にします。この部分をどう評価するかは、人それぞれですが、私としては、あるレベルに達するまでは、失敗の許容性がむしろ”低い”道具を使用する事が上達への道と考えています。

ショップでは表記はしていませんので、お客様が気になっているリリーサーの発射方式がどちらか知りたい方はお問い合わせください。


元の動画はこちらです(英語です)。


お家でのトレーニングの参考に。

外出自粛にともない、自宅で出来るトレーニング動画がたくさんアップされています。もちろん、個々人で自分に合うものを見つけていただばですが、いろいろとみてみて個人的には下記のセントラルスポーツさんのご自宅でできる簡単エクササイズ動画(フィットネス)がわかりやすいかなと思いましたので、共有させていただきます。

ご自宅でできる簡単エクササイズ動画(フィットネス)


タンパーのウェイトの長さとチューニング。

現在、アバロンのダンパーを紹介価格として100円で販売していますが、最も人気のセットがこちら。ドインカーのAボムダンパー1つにアバロンのコントロールダンパー2つ。合わせてちょうど3,000円で弊社からのお願いもご理解いただき、なるほど、いい組み合わせだと思います。

さて、以前にも同じような記事を書いたような気がしますが、当時は適切な価格のディスクウェイトが存在しなかったので、アップデートして、ウェイトとダンパーに関係について書きます。

適正価格のディスクウェイトを本格的に販売開始します。

まず、ダンパーの選択ですが、センタースタビライザーには柔らかいダンパーを使用しないというルール以外には自由に選択できます。センターの先に柔らかいダンパーを使用するとエイミングのコントロールが不安定となります。ですので、必ず硬いものを使用してください。アッパーとサイドに関しては、グリップまでの距離が近いので、ダンパーの硬さがエイミングのコントロールに影響を及ぼすことはほぼありません。

最近、ディスクウェイトが流行っている理由としては、スタビライザーのロッドの重量が昔に比べて軽くなっているためかと思います。センター/サイド/エクステンダー全体で100g程度減っていれば、ウェイトにして4つ程度増やすしても、弓の重量は同じです。同様にリムの重量、サイトの重量も軽くなっています。

ディスクウェイトと通常のウェイトでほぼ同じ重さにしてみました(111g&112g)。この時、ディスクウェイトの長さは0.7インチ、通常のウェイトは2.2インチの長さとなります。長さにして約3倍違います。両方同じ重さですので、静的状態の時、ダンパーに与える負荷は同じですが、動的状態の時(発射後振動しているとき)には、スタビライザーと同様にモーメントの効果が働き、長い方が振動が大きく、長くなります。ダンパーを振動させたい場合には通常のウェイト、させたくない場合にはディスクウェイトがお勧めです。

通常のウェイトの利点としてはウェイト自体に長さがあるので、ウェイトの中でダンパーの位置を変えることによって、振動の程度とダンパーの(ロッドの根元までの)距離を変更できるという点です。全体の重量は変わりませんが、先端に移動させるほどソリッドな感覚を得ることができます。

スタビライザーは高価で買ってしまえば、なかなか交換できませんが、ダンパーとウェイト、その長さと重量を使って感覚をチューニングすることができるということです。それぞれの特徴をまとめると、

・ディスクウェイトはロッド全体の長さに影響を与えることなく重量変更でき、ソリッドな感覚を得やすい。
・通常のウエイトはロッドの全体の長さに大きな影響を与えるが、その長さの中において、ダンパーの位置を変更できるので、柔軟な運用をすることができる。

ぜひお試しください。


高精度の意味と価値。

この記事は前回の下記の記事のベースとなったものの中味を一部変更したものです。

リカーブアーチャーの方、写真のようにリムを裏にして、リムボルトにハメてみてください。と言っても、これだけでは何もわからないのですが(-_-;)私は検品で、日々大量のリムのチェックをしていますが、この時、リムがすっと入る場合もあれば、抵抗があり、きついときもあります。主観ですと、アメリカ製・中国製は緩いリムが多く、韓国製はきつい事が多いです。皆様のリムはどうでしょうか?

我々は技術で負けたのか。国産アーチェリーがベガスで発表。

高精度という言葉がありますが、この言葉には高精度以上の意味はないのです。矢に関して言えば、高精度=タイトなグルーピング=高得点となります。しかし、リムのこの部分の精度設計に関してはどうでしょうか?

先日のベガスシュートでは、エリソン選手が900点満点を達成しました。ホイットは接合部分を緩めに設計しています。対して、当然ですが、きつく設計しているウィンなどのメーカーも国際大会で多くの実績を作っています。どこかに理論があるわけではありませんが、この接合部分の精度と点数には関係がないでしょう。

リムのポンドなども同じです。40ポンドと書かれたリムには39-41ポンドまでの振れ幅がありますが、40ポンド表記で実測40.8ポンドよりも、40.1ポンドのリムの方がよりタイトなグルーピングを産むといった理論も聞いたことがないです。

あらゆるアーチェリー製品について、精度か高いこと、個体差がないことがそのまま単純に高い点数に結び付くわけではないのです。


ホイット、ハンドルができるまで - Building my Hoyt Formula Xi from scratch!

Triple Trouble Archeryチャンネルにホイットの工場の動画がアップされました。ハンドルができるまでを追ったもので、なかなか興味深いです。個人的には今の機械なら、50-60分でハンドルを削り出せるとは思いませんでした。それと、以前にアルマイトのせいで生産が遅れているという理由もわかってよかったです。一度工場外に出しているのですね。