この記事は2013年7月1日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

プロユースのフォーム分析ソフトの紹介です。

kinovea1.jpg

↑クリックすると拡大されます。
プロショップやトップチームで使っているプロユースのソフトの紹介です。無料のソフト(フリーソフト)で有志が開発していますので、時間があれば、日本語パッチの開発に参加しようと思っていましたが、どうも時間が取れそうにないので、英語版の紹介となります。いつか…時間が取れた時には日本語化のプロジェクトをやりますが…。
同様の機能があるものとしては、ダートフィッシュなどがありますが、このソフトが無料なのに対して、ダートフィッシュは有料でかなり高価です。ただし、ダートフィッシュは完全日本語化されているので、日本語じゃなければ触れないという方にはいいかもしれません。
*0.8.20という開発者版を使用しています。このバージョンで説明を書きます。PCに詳しくない方は、0.8.15の動作安定版の使用がいいかもしれません。
さて、バイターの開発用の射場の写真は見たことがあるでしょうか。記憶が正しければ、20年ほど前に今の撮影・解析システムが導入されたはずですが、何千万円単位での投資が必要だったと聞いています。
当時はすべての機能をハードウェアで実現させる必要があったので、すべてがカスタム品で、そのために大きな投資をしないと、フォームの分析ができませんでした。20年後の今、CPU等の性能が向上し。今では多くの機能をソフトウェアで実現できるようになっています。
それに伴い、ホイットやバイターなど数千万円の投資ができるメーカーだけではなく、数十万円の投資で分析装置を導入できるようになり、トップチーム・トップクラブ・プロショップの多くが動画分析ソフトを導入しています。
完璧なシステムを構築するには、今でも数十万円の投資は必要ですが、高いのは照明や高性能のカメラで、簡易なシステムであれば、市販されているような安いカメラでも、十分に役立つシステムになります。
ちなみに今回使用しているのはSONY NEX-C3という3万円しないカメラです。生産が終了しているので現在は3万円をちょっと超えているようです。
さて、分析に使える動画を撮るという話になると、記事を書き終えられそうにないので、今回はすでに撮った動画をいかに活用するかという話に絞ります。
紹介するのは、(フリーウェアとして)アーチェリー業界で最も有名なKinoveaという動画・フォーム分析ソフトです。ちなみに有料のもので最も有名なものは先ほども書いたダートフィッシュです。
Kinovea
http://www.kinovea.org/

ダウンロードすると、10以上の言語から自分が使うものを選択できます。残念ながら、日本語がありません。英語を選ぶのが一番無難だと思います。今回は英語のものを紹介します。
必要な環境は下記の通り。かなり低いですが、HD画質の動画をソースにするのであれば、メモリは2GBは欲しいです。
– Microsoft Windows (XP, Vista, 7) + .NET platform 2.0 or above.
– CPU : 1GHz.
– Memory : 256 MB
– Screen resolution: 1024×600 pixels.
kinovea2.jpg

インストールし、起動させると、こんな画面になります。「File」で動画を開き、いじってみてください。難しくはないので、わかればこんなことができますよということを説明いたします。
kinovea3.jpg
kinovea4.jpg

1.1%単位で再生スピード調整
2.動画切り取り
3.マルチビュー(トップの写真の様に2つの角度からの動画を同期して再生可能)
4.動画に文字を書き込めます。
5.動画にフリーラインで手書きできます。
6.動画に線を引くことができます。
7.角度の測定ができます。
8.グリットを設定できます。
9.拡大できます。
10.(右クリックで開くメニュー)軌道追跡できます。
11.作成した動画の保存

kinovea5.jpg

それぞれを実行した結果は上記の通りです。いろいろと使えると思います。
さて、実はうちで一番使用している機能は10番の軌道追跡なのですが、この機能だけは市販のホームユースのカメラではうまく使えないことが多いです。理由はシャッタースピードです。動画はいくつもの写真をつなげたものから構成されていますが、シャッタースピードを速くすることで、動画に含まれるそれぞれの写真がブレずに、きれい写りますになります。シャッタースピードが遅いと残像が残ります。ただし、スピードが早いと副作用としてより光の量が必要になってきます。同じ光量なら画面が暗くなるということです。
ですので、管理された環境とある程度のノウハウがないと精密な軌道追跡ができませんが、3万円のカメラ(動画はシャッタースピード固定)での限界にチャレンジしました。

↑全画面再生でないとマウスカーソルの動きは確認し辛いかもしれません。
今回、撮影自体、カメラをきっちり固定して行っていないので、赤の軌道が示す動きの分だけシューターの坂本がブレているわけではありませんが、カメラをきっちりと固定すれば、意義のあるデータにとして、記録に残せると思います。
Kinoveaは無料のソフトですので、とりあえず興味を持っていただけたら幸いです。撮りためた動画を活用するきっかれになればと思います。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

9 thoughts on “プロユースのフォーム分析ソフトの紹介です。

  1. SECRET: 0
    PASS: ba34e82de60b7154b9af8a1288d2bfd9
    アローラップをはることによるメリットデメリットが知りたいです

  2. SECRET: 0
    PASS: ba34e82de60b7154b9af8a1288d2bfd9
    INNO EX PRIMEとINNO EX POWER や MK VERA2 と MK1440などのように、各メーカーともウッドコアとフォームコアのリムを出していますが、違いがよくわかりません。ベテランのおじさんやブログをやってる人の多くはウッドコアを好む人が多くて、トップアーチャーはフォームコアを好む人が多いような気がしますが

  3. SECRET: 0
    PASS: ba34e82de60b7154b9af8a1288d2bfd9
    KAYAのスタビライザーは他社のものと比べてとても安い(特にセンターロッド)ですが、理由はあるのでしょうか?性能は他社のものと比べても見劣りなさそうですが

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    アローラップは点数(グルーピング)を向上させるための商品ではありません。一番の目的は自分の矢を識別しやすくすることです。
    ですので、メリットは自分の矢を識別しやすくなることです。デメリットとしては、手間がかかること、また、コンパウンドの場合はあまり影響がないですが、リカーブの場合は、若干スパインが高くなるので、再チューニングが必要になる場合がございます。
    > アローラップをはることによるメリットデメリットが知りたいです

  5. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    すみません、スパインが高くなるではなく、硬くなるです。
    > アローラップは点数(グルーピング)を向上させるための商品ではありません。一番の目的は自分の矢を識別しやすくすることです。
    >
    > ですので、メリットは自分の矢を識別しやすくなることです。デメリットとしては、手間がかかること、また、コンパウンドの場合はあまり影響がないですが、リカーブの場合は、若干スパインが高くなるので、再チューニングが必要になる場合がございます。
    >
    > > アローラップをはることによるメリットデメリットが知りたいです

  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    一番の違いは信頼性かと思います。
    メーカーの見解として、コア材は(ウッドやフォームなどのコア材と比べる)超高性能の材料に挟まれているので、それ自体の性能を発揮する場面は存在せず、何でも良いという意見が多いです。
    そのためにコア材に最も求められるのは信頼性・安心感です。
    不安定な大自然の中で育まれた天然素材のウッドと、管理された環境で製造された人工物のフォームでは、理屈で考える天然物の方が安定性に欠けるように感じます。
    しかし、現時点までの実績として不安定なのは、フォーム材です。W&WはWINEX(初期モデル)などで、HOYTはG3や900CXなどで大規模な不良品を出しています。2000年代に入り、大きな製造上の問題を抱えたリムのほぼすべてがフォーム材を使用したものです。
    ここからは自分の考えですが、ウッドは実績もあり、良いものを選び乾燥して接着するだけです。シンプルな作業です。
    対して、フォーム材は合成されるものなので、加工段階からメーカーが関与し手を入れる余地があり、メーカーはそこで新しいアイデアに挑戦したしがちです。そして、いろいろといぐしった挙句失敗をするという…。そこが、管理された環境で生産されたフォームがウッドよりも実績では不良品が多い理由ではないかと思います。
    > INNO EX PRIMEとINNO EX POWER や MK VERA2 と MK1440などのように、
    これらのリムに対しては新しいので何とも言えませんが、販売されたから2~4年間の間で今のところ大きなトラブルはありません。みな優秀なリムです。
    >ベテランのおじさんやブログをやってる人の多くはウッドコアを好む人が多くて、
    これはフォームコアの成り立ちを知っているために、性能が悪かった時代のフォームのイメージが染みついているのだと思います。ヒートテックに代表されるように今では完全に機能性肌着は合成繊維の方が良いですが、いまだにうちのおばぁちゃんが天然繊維にこだわっているのと同じ理由かと思います。昔の合成繊維はひどかったそうです。
    ブログをやっている人にそういった傾向があることは知りませんでした。何もと言えません。
    >トップアーチャーはフォームコアを好む人が多いような気がしますが
    40ポンド台まではフォームを使う人の方が多いと思います。弊社での販売するもフォームの方が多いです。ただ、45ポンド以上を使用している選手では、ウッドを使う割合が一気に増えます。46~50ポンドや、29インチを超えるドローレングスではウッドの方がフィーリングが良いという意見は結構聞きます。
    > INNO EX PRIMEとINNO EX POWER や MK VERA2 と MK1440などのように、各メーカーともウッドコアとフォームコアのリムを出していますが、違いがよくわかりません。ベテランのおじさんやブログをやってる人の多くはウッドコアを好む人が多くて、トップアーチャーはフォームコアを好む人が多いような気がしますが

  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    価格については正直安いものではありません。値段が安く設定されているのは、弊社の後からこのスタビライザーの販売を始めた某代理店が異常に安い値段を設定したためです。その理由はわかりませんが、同じKAYAの代理店として引きずられるように値段が下がって今の価格になりました。
    本当はACEと同じくらいで販売したい商品です。
    >性能は他社のものと比べても見劣りなさそうですが
    お客様がどういった性能を求めているかわかりませんが、バランスのよいロッドだと思います。強いて言うなら、10000円台のロッドと比べると、HMC+の内径の幅を変えて振動を吸収する構造や、CEX7のロッドだけではなく接合部分の強度を上げることで全体の剛性の高めるデザインの様に、プラスアルファのポイントがないところでしょうか。
    > KAYAのスタビライザーは他社のものと比べてとても安い(特にセンターロッド)ですが、理由はあるのでしょうか?性能は他社のものと比べても見劣りなさそうですが

  8. SECRET: 0
    PASS: ba34e82de60b7154b9af8a1288d2bfd9
    ありがとうございます
    アローラップを貼ることで精度が下がるという話を聞いたことがあるのですが、それは関係ないですか?

  9. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    精度というのは何の精度でしょうか?
    一般的にシャフトの精度は重さ(インチ当たりの重さgpi)が同じくらいか、どれだけまっすぐに作られているかで評価しますが、スパインがどれだけ同一かの3つが大きな評価ポイントになるかと思いますが、アローラップによって損なわれるものがあるようには思いません。もちろん、アローラップを精度良く張る前提で、適当にアローラップをはれば、精度を損なうかと思います。
    > ありがとうございます
    > アローラップを貼ることで精度が下がるという話を聞いたことがあるのですが、それは関係ないですか?

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