ウィン(WIN&WIN)の2017年ライン発表されました。

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%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%bc2017%e7%99%ba%e8%a1%a8wiawisnanotft2
まずは、カーボンハンドルではWIAWIS(ウィアウィス) NANO TFTハンドルです。1280gで同シリーズのNano MAXよりも40g軽い設計です。バック側に”H – Beam Torque Free System”というフレーム(写真赤)が挿入されています。トルクフリーはウィンが昔から一貫して追い求めてきた性能です。

TFS_TPApecsTFS(Torque Free System)という名称聞いたことある方もいるかもしれません。以前にはTF Apecsというハンドルで同様のシステムが採用されていました。的方向にウェイトと(ブリッジ構造により)剛性を追加することで、トルクの低減を目指していました。2017年、TFSが内蔵フレームという形で復活します。TF Apecsハンドルと同等のシステムであれば、飛び出しがよく、振動吸収にも優れている良いハンドルになるでしょう。TF Apecsはその重さ(フルで1330g)とユニークな形状(ケースに入りづらかった…)などの問題でそこまで売れませんでしたが、性能だけで評価すると結構よいハンドルだったと記憶しています。まだ値段が出ていないので評価できませんが、あまり高くなければTFTハンドルにはかなり期待できます。

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ですので、例えば、2000年に書かれたフォームコアとウッドコアについての文書はもう今の時代にはそぐわないと考えています(なので、このサイトでは古い記事には注意喚起をしています)。2017年、ウィンでは新しいグラファイトフォームコアというものが採用されるようです。もともと、INNO POWERまでは結構フォームの破損がありましたが、INNO EX POWER以降のウィンのリムでフォーの破損は劇的に減っています。この素材の特性を見ると、耐久性の向上よりも、リム自体の剛性(ねじれに対する強さ)を向上させる方働くようです。このテストは簡単(弦をはった状態でリムをねじってみてどれだけ抵抗を感じるか)にできるので、入荷後に見てみたいと思います。
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在庫にAL1が生産終了し、同じグリッドデザインを継承したWIAWIS ATFが登場します。同じフォージドアルミ合金を使用し、形状を少し直線的に、重さは20g軽くなっています。メーカー側ではグリッドデザインの見直しによって剛性が向上したとしています。AL1のリプレイスと考えれば大きくは違わないです。

また、写真の通り、ホイットの2017年同様にリムボルトの再設計がされています。これについては詳細待ちです。実はウィンではリムポケットの大幅に見直しをしているという話があるのですが、大幅に見直しはなく、リムボルトの再設計のみとなりました。

この他、ラピードシリーズ、RCX-100シリーズは生産終了となりました。

毎年より1か月以上早い発表となりましたが、入荷も1か月早くなるかは問い合わせ中です。入荷次第詳細のレビューを行います。


ウィン(WIN&WIN)2017年はドイツ時間朝10時(日本時間18時)発表

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例年ドイツで行われるベルリンオープンごろに新作が発表されるウィンですが、今年は1か月ほど早く、本日のCET(ドイツやフランス時間)の朝10時に発表されるとアナウンスされました。日本時間では18時となります。楽しみですが、これまで発表から実際届くまで長くて半年かかったりするので、入手は少し先とお考えください。


高性能の弓であなたのシャフトは??

%e3%82%b9%e3%83%91%e3%82%a4%e3%83%b3_%e6%9f%94%e3%82%89%e3%81%8b%e3%81%8f現在2017年に向けてサイトの説明などの更新を行っています。最新の弓具はあなたの矢(スパイン)にどのような影響を与えるのか?

チャートが毎年更新されるとき、リカーブとコンパウンドでは逆のことが起きていることはご存知でしょうか。

リカーブの場合、高性能なリムほど効率性が向上します。リムの効率性というのはアーチャーがリムを引いた時に使った力のうち、どれだけが矢に伝わったかという率です。この値が高いほど、矢に多くのエネルギーが伝わり、矢速が速くなります。

%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%882005-2017これは2005年のチャートと2017年のチャートとの比較です。私が加工して28インチだけ表示してあります。T9カテゴリーが示すスパインは同じものです。リカーブ、2005年当時では、56-60ポンドだけの強さがないとT9カテゴリー(X10 なら450)が使えません。しかし、2017年では53-57ポンド、3ポンド低い実質ポンドでもそれだけのエネルギーがシャフトに伝わることがわかります。つまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”硬くしない”とスパインが合わなくなります

では、コンパウンドではどうか。コンパウンドは効率性ではなく、矢速のレーティングが存在します。この場合、自分の弓を55-60ポンド(試合で使用できる上限)を基準にした時、2005年の弓では291fpsあれば、T9カテゴリーとなりますが、2017年の弓では、T9で55-60ポンドが適合する弓は301fpssとなります。より速い矢速の弓となっても、スパインを硬くする必要がありません。これはつまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”柔らかくしない”とスパインが合わなくなります

(下記技術的メモ)

リカーブの場合チャート表に出ているのは見かけ上のポンド数(リムに蓄えられるエネルギー)ですので、これを一定とすると、性能の向上ともに効率性の向上することで、実際に矢に伝わるエネルギーは向上する。よってスパインが硬くなる。


コンパウンドの場合チャートに表記されているのは実際の矢に伝わるエネルギー。つもり、すでに効率性を考慮した値である(効率性によって3つの欄が選択される)。よって効率性の向上の影響を受けない。つもり、効率性という性能はそもそもチャートには関係ない。チャートから読み取れるのは、矢に伝わるエネルギーが3.4%(301/291)向上しても、同じスパインが使用できることを示す。

その理由としては多様な要素があるが、基本的にはシャフトの受ける的方向以外のストレスは性能の向上とともに低下する方向にあるので、パラドックスを発生させる力は低下している(リカーブでいえばコンパウンドボウはどんどんリリースがうまくなっている)。矢に伝わるエネルギーを3.4%向上しても、シャフトがパラドックス方向に受けるストレスは同じであることを示す。


ピアソン社のカタログで見るリカーブボウとその長さ

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b31969先日、ベン・ピアソン(Ben Pearson)社の古いカタログが手に入ったので、少し歴史を振り返った記事です。古い技術書やアーチェリーに関するトピックを読むと、(今の知識からすると)なんでそうなるのとなりますが、その時代背景を知れば、どのような環境で書かれたものかがわかれば、それはそれで納得できるものだと思います。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b358こちらは1958年(58年前)のカタログです。まず、驚きは弓の長さ表記でしょうか。5’4″とは5フィート4インチという意味で、換算すると64インチです。ただ、この時代の弓の長さは現在とは異なり、ハンドルとリムの長さを測ったものです。そこから4インチ引いたものを弦として購入していました。以前にも書きましたが、今の時代ではそのような測り方はしません

いつの時代に弦は関係なく、ハンドルの長さを測っていたんだと思って探していましたが、ワンピースボウの時代の初期の話のようです。この話はアーチェリー教本(2000年改定版)で見つけました。

「”弓の構造がテイクダウンボウ(*)が主流になって、従来(**)の弓の長さの測定法では不都合を生じ、”マスターストリング法”という新しい測定法が取り入れられた。」

P.26 ヤマハ 伊豆田さん担当の章より

*ハンドルとリムが分解できる弓
** この本の初版は1988年なので、文字通り「従来」ではない。

弓の長さとはなにか についての簡単な解説

弦と無関係に弓の長さを測るという行為は非理論的なようにも見えますが、しかし、カタログを見る目とブレースハイトいう概念がないのがわかります。という風に書くと語弊がありますが、リムの素材の関係などで、ブレースハイトというものが調整されるべきものという概念がなかったという意味です。6インチ前後が推奨ブレースハイトではない弓が存在せず、弦の素材は”Lay-Latex”という使えば変わってくるものだったので、ブレースハイトがどうこうという意識が存在していなかったようです。ですので、弓の長さを測るときに弦を考慮する必要がありません。納得です。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b36363年です。このころになると、推奨ブレースハイトが登場します。このカタログでは高いもので8インチ、低いもので6.5インチと1.5インチの幅が出るようになりましたが、これは設計差ではなく、概ねにサイズ(弓の長さ)に比例したものです。つまり、今でいうと64インチは低く、70インチは長くといったことです。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b363%e5%bc%a6ブレースハイトというものが意識され出した理由はおそらくダクロンという新素材の登場によって、ブレースハイトが管理でき、チューニング可であるという認識が出たものによるものでしょう。弦の素材カタログがかわり、58年には弓のサイズで注文するのみ(弓のサイズ=弦サイズ)でしたが、63年からは弦の長さでも注文ができるようになりました。66インチでも、いろいろなサイズが使えるようになります。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b36868年、ピアソン社のカタログからフィート表記が消え、インチのみの表示に一気に変わります。また、このころから設計にブレースハイトが入り込み、60インチで8.5インチと7.5インチの弓が出るようになってきます。ブレースとハイトが弓のサイズと比例しなくなってくるのはこのころです。新しい素材などの採用が進んだ結果でしょう。使用されている素材もスペックして書かれるようにりました。

%e3%83%94%e3%82%a2%e3%82%bd%e3%83%b37373年、ピアソンのカタログの表記にAMOの表示が登場します。このあたりで弓の長さの測定方法が変わっていったものと推測されます。

弓の長さを弓自体の長さではなく、弦の長さから測定していくのは、当然ですが、弦の長さが弓の長さを決めるからです。ですので、現在の測定方法に違和感がある人はいないと思っていますが、その根本には教本にもあるようにマスターストリングという”概念”が必要とされます。

58年から73年までの15年間で、弓の測定方法が変わっていったのは、リカーブボウを取り巻く環境が変わったためであることがわかるかと思います。図面上でしか存在していなかった”マスターストリング(*)”が、それを実現できるだけのクリープ/ストレッチのない原糸が登場することで、机上の空論ではなくなっていきます。

*厳密にヤマハにおいて”マスターストリング”がどう定義されていたのは資料がなく、ATAが使っている意味で使用しています。

これはピアソン1社だけを見た流れですが、伊豆田さんが書かれたように、今では誰もが使っているテイクダウンボウが登場することで、この流れは不可逆的になったのでしょう。

今では、知っている限り、全メーカーがATAのルールにのっとってサイズ表記をしています(*)。

*一部の小規模メーカーは独自の基準で製造しています

参考にしました。

Measuring Traditional Bows and Bowstrings
http://www.bowhunting.net/artman/publish/TailorMaidMeasuring.shtml


【大久保店お知らせ】明日11月2日の営業について

毎度JPアーチェリー大久保店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。

明日11月2日の営業についてお知らせがございます。

大久保店が入居しておりますマルスビルのエレベータ点検が行われるとのことで、作業終了予定時刻が11時30分ごろを見込んでいるそうです。
また、内容によっては多少時間が前後するとも案内されました。

大久保店は通常11時からの営業ですが、明日に限ってはエレベータ作業終了を待ってからの開店となります。

誠に恐れ入りますが、ご来店予定の皆様におきましてはあらかじめご容赦くださいますようお願い致します。