アバロン(AVALON)社から正式に競技用ターゲットシャフトが発表されました。新しく発表された2017年モデルのシャフトはテックワンカーボン(TEC ONE CARBON)というモデルで、中身はこれまでレジャー用として販売されてきたクラシック(V5グレード)というモデルのV1グレードバージョンです。
これまでもサンプル品として何度かメーカーからシャフトが送られてきましたが、レジャー用としてはカーボンよりもアルミのほうが優れている(補修できる能力があるならアルミ矢のほうが長く使える)という考えですので、販売はしてきませんでしたが、競技用のシャフトの販売に向けて話をしてきました。
競技用のシャフトの場合、性能は別として、精度で最も重視すべき数字は真直度です。この部分は、特に曲がり修正ができないカーボンシャフトの場合、0.006″よりも悪いとどうにもしようがありません。具体的に言えば、完成した矢を指で回して全体の真直度を調べるという簡易テストがありますが、シャフトの精度が悪いと、これを行ったところで、シャフトの精度が悪いのか、ポイントがまっすぐ接着されていないのか判別不能です。V6なら、このシャフトは28インチで0.4mm(*)も曲がっているのでとても競技には使用できません。
*真直度とは : 28インチシャフトを回転させたときスパインの中心(シャフトの中心ではない)のブレをレーザーで測定した平均数値です。
対して、シャフトの重さのブレは工夫することで何とかなります。部品(ポイント・ノック・ピンノック)とシャフトの重さをすべて測定して、一番軽いシャフトに一番重い部品、201.5gr(+1.5gr)のシャフトに118.7gr(-1.3gr)のポイントを入れてあげれば、シャフト全体の重さは基準値から0.2grしかずれないこととなり、精度の向上が図られます。12本もあれば、経験上9-10本は精度の良いシャフトになります。
当然ですが、真直度、重さのばらつき共に高精度なら言うことはないのですが、低価格らどれかをあきらめる必要があります。アバロンの競技用シャフトの場合には、アーチャーの工夫で向上できる重さのばらつきの精度を犠牲に、真直度でV1グレードを達成しました。
シャフト自体の重さ(GPI)のチャートをみるとカーボンワンと同じくらいとなっています。
完成矢にした時、部品代だけなら1万円を切る価格で提供できると思います。この価格でV1グレードのシャフトを手に入れることができるのは画期的だと思います。
また、テックワン以外にも、V1グレードでテックXという9mm直径のインドア・3D競技用のシャフト登場しますが、こちらに関しては取り扱いは当面はしません。理由は直径としてインドアに適合していても、特にコンパウンドでのインドアシューティングはシャフトに大きな負担がかかるので、低価格シャフトには適さないと考えているからです。低ポンドで使用する場合なら悪くないと思いますが、様子を見ます。
テックワンは1月の販売開始に向けて準備を進めていきます。ご期待ください。