明日から仕事に戻ります。

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3日間山篭りした結果…先ほど「アーチェリーの理論と実践(1887)」の翻訳が終わりました。ホームページにはすべてアップしました。この本は50年ほど前に著作権が切れていて、欧米では現在でもいろいろな出版社から出版されている名著です。日本語訳を印刷する予定はありませんが、PDFでも配布予定です…家のパソコンにはPDFにするソフトがないので、会社に戻り次第やります。
プロショップとして六年目。自分を振り返って、アーチェリーの歴史を復習するためのやりましたが、多くの新発見もあり、非常に勉強になりました。
まず、著者のフォード氏はしっかりと記録が残っている19世紀以降でもっとも偉大なアーチャーの一人で、その記録(現在のタブルFITAラウンドに相当する記録)は70年間破られませんでした。彼の道具に関する意見は、1930年代にアメリカのヒックマン博士によって、覆されてしまいましたが、彼の射形はそのまま現代のアーチェリーのベースになっていて、170年近くたった今でも、違う所を探すほうが難しいです。
詳しく・詳細に知りたい方は本を読んでいただくとして、あまり知られていないアーチェリーの歴史ネタをいくついくつかピックアップしてみます。
・王様アーチェリーに負けて、めっちゃ金取られる
次の要約は1531年、当時41歳で点数も最も優れていた時期の彼(ヘンリー8世)の私用の金庫の帳簿の内容である。矢1本につき1ギニーを賭けていたが、晩年のダドリー卿が60ヤードの距離で放った素晴らしいショットの数々は、まさしく分が悪い勝負だったに違いない。
「3月20日 トットヒルにて王がジョージ・コトンに7本差で負ける、6シリング8ペンス対45シリング8ペンス。」
「3月29日 トットヒルにて王がジョージ・ギフォードに負ける、12シリング6ペンス。」
「5月13日 4月最後のラウンドでジョージ・コトンが王に勝つ。3ポンド。」
「6月3日 ジョージ・コトンが王に賭けで勝つ。7ポンド2シリング。」
そして6月の最後の日にも「グリーンウィッチパークでコトン家の3人に王が負ける。20ポンド。その内の勝者には6シリングと8ペンス与える。」

・アーチェリー普及しすぎて衰退

アーチェリー大好きな王様は国民全員アーチェリーせよという法律を作り、アーチェリーは普及したが、スポーツ的な精神が廃れ、ギャンブルとして行われるようになり、スポーツアーチェリーは逆に衰退…。
ヘンリー8世が作った議会法(Acts of Parliament of England)とは
An Act concerning shooting in Long Bows. (3 Hen.8 C3 1511)
-すべての40歳以下の男性は弓と矢を持ち、シューティングをするように
・アーチャーみな坊主
きれいなルージング(リリース)を実行するためには、自分の頭の部位をすべてきれいにしておく必要がある。そして同じ理由から、ローマ皇帝レオも戦争に行くすべてのアーチャーの頭とヒゲを剃り、髪の毛がエイミングの邪魔をせず、またヒゲがストリングの邪魔をしないようにしていたのである。
・何のために…アクティブ・リリース
もう一つのリリースであるアクティブ・リリースと呼ばれるものは、デッド・リリースの進化形とも言えるものである。リリースの瞬間に指が全く動かないデッド・リリースとは異なり、一度は指が開くがストリングが離れた後、その前のポジション、つまりまっすぐ伸びる代わりに元の丸まったポジションに戻るのである。
…どんな利点があるのか、今となっては不明。
・サイトとピープサイトの原型に関する記述
(サイト)
常にリリースの手をコートの襟のボタンに当てていた晩年の聡明なるジェームズ・スペッディン氏は、「エイミングするポイント」を明確にするために弓に「サイト」を取り付けていた。これはまるで銃の銃口につける明るい鉄のビーズであった。小さな鉄のロッドの先端にこのビーズを取り付け(実際は明るいヘッドを持ったピンだった)、弓のバック面に追加した溝にこれを差す(上下させることもできる)ことで、彼の自然な(あるいはそうであるべき)「エイミングするポイント」が下であっても、それをターゲットの中心に合わせることを可能とした。ただしこの装置では、弓の僅かな曲面でもエイミングに支障が出てしまっていた。
(ピープサイト)
アメリカ生まれの装置で、ピープサイトという小さなアパーチャー(口径)の付いた小さな装置があった。これはボウストリング上で上下に動かすことができ、正しく設定すれば、エイミングする目によって丁度その真ん中にターゲットの中心を見ることができた。この装置は非常に弱い弓以外では役立たずだというように言われており、例え小さな震えでもエイミングに影響し、狙うことができなくなってしまう。
・砲丸投げのように…
さて、シャフトが飛んでいったあとでも、かつての悪しき習慣がアーチャーに根付かせてしまった間違いはたくさんある。特にシャフトの後を追って叫んだり、こんなにも誠実な競技であるのにも関わらず不誠実な言葉を吐いたりすることもそうだ。
– Toxophilus (1545)の引用


HMC 22 入荷延期に伴う特別キャンペーン

3月入荷予定が4月になり、さらに4月の入荷予定が5月になっているHMC22について、特別キャンペーンを行います。
一部代理店には入荷していますが、弊社で取り扱う分の入荷日は現状案内できません。一応ですが…4月17日に発送したといわれていますが、信用できるか微妙です。前回は4月2日に発送してと言っていたので。。。
INNO EX POWERリムから、WIN&WINさんはかなり良く頑張ってくれてきましたが、最近は景気が良すぎて、納期がすこし適当になってきています。少し残念です。また、WIN&WINで作っているSFの荷物も遅れが出ています。こちらについても大変申し訳ございません。
2度にわたっての発売日の延期について、大変申し訳なく思っています。それに伴い、特別キャンペーンを行います。
HMC22 スタビライザーの入荷後、2週間の間は下記の通りの特別価格で、提供させていただきます。
-HMC 22 センターロッド 10000円(通常価格 11800円)
-HMC 22 サイドロッド 5000円(通常価格 5800円)
-HMC 22 エクステンダー 4000円(通常価格 4800円)

すでに予約いただいているお客様にも、同じ価格を適用させていただきます。WIN&WINの言っていることをもう一度信じれば、5月中には入ってきます。もう少しお待ちください。


GAS PRO スポーツタオル差し上げます。

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本日、GASPRO(ガスプロ)からも入荷がありました。在庫切れのものに加え、ターゲットエフィシェントの新色の左が5パックずつ入荷しました。
また、プレゼントで写真のポーチ入りスポーツタオルをいくつかいただきました。GAS PROの羽(2インチのものでも、2.5インチのものでも)を注文してくださったお客様にプレゼントします。備考欄にメーカースポーツタオル希望とお書きください。先着3名様です。残り1名です(18:15)。ありがとうございました。


復刻ドインカーAボム…続々と入荷

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ゴールデンウィークの連休の間の平日で、昨日関税から出た荷物が続々と入荷しています。
まずは、ドインカーの復刻Aボムダンパーです。発売は…いつだったでしょうか…少なくとも10年前にはありました。当時(10年前)は圧倒的に硬く振動吸収が優れており、センター用のダンパーといえば、このAボムでした。
3年前にドインカーがAVANCEEなどに搭載されているカプセルタイプのダンパーを開発し、Aボムの製造を止めてしまいましたが、2013年のラインナップで復刻されました。確認しましたが、前のものからマイナーチェンジしたところはないと思います。
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34gで重量感があり、ゴムの硬さはV-ZEROとほぼ同じですが、使用されている量が違いますので、センターなど高い負荷がかかる場所では、今でも優れているダンパーだと思います。


アンカーの発明者 ホレース・フォード

アンカーの発明者 ホレース・フォードによって書かれた「アーチェリーの理論と実践」の翻訳を少しずつアップしていきます。5月中には全部アップできるはずです。現在第2章の編集中です。
ホレース・フォードという選手は19世紀最強の選手で、その記録は70年間破られませんでした。周りのアーチャーが700点台をうっていた中で、なんと、1251点という点数をマークし、10年間イギリスのチャンピンとして君臨します。
その革新的なところは何と言っても、アンカーを発明したことです。それまで、アーチェリーの世界にアンカーはありませんでした。イメージとしては、和弓のようなうち方をしていました。アンカーの発明に関して、アーチェリーの歴史家のロングマンは次のように書いています。

 


フォード氏の成功の大きな要因の一つは、長年信じ続けられてきた「アーチャーは耳まで引いてくる必要がある」という慣習の欠点を認識したことにあると考えられます。実際耳まで引いてくると、矢の一部分が目から的の真ん中までを結ぶ直線の外側に来ることは明らかです。結果として、もし矢の先端が金の先を狙っているとしても、リリース時にターゲットの左側に向かって放たれることになるので、耳まで引いてくるアーチャーがターゲットにちゃんと当てるためには、ターゲットの左側を狙う必要が出てくるはずです。そこでフォード氏は、矢はエイミングしている目の下に来て、矢線全体が目とターゲットを結んだ垂直面の直線上に来るようにしなければならないという理論を提唱しました。

 

…中略

 


戦闘を目標とした場合、最も重視される点は長く、重い矢を引くことです。1ヤード(91センチ)ほどの矢を使うとしたら、アーチャーの腕がものすごく長くない限り、目を通り越して引くことは必然になってきます。それによって、命中の精度は下がりますが、戦闘では的中の精度よりも威力が重視されていたので、フォード氏は、エイミングの精度が求められる現在のスポーツとしてのアーチェリーにおいて、そのような古い慣習はもはや必要ないと判断したのでしょう。

 


今から150年前に書かれた本ですが、学ぶことは多いと思います。皆さんのアーチェリー生活の参考になれば幸いです。


アーチェリーの理論と実践 / ホレース・フォード 著

 


SCOTT  新製品 その2

1980年代前半、ビル・スコットが自ら開発したリリーサーを発表してから、その革新性とパフォーマンスは多くのトーナメントアーチャーやエキスパートハンターたちから絶大な信頼と人気を博しています。
そのスコットから、初のサムトリガーリリーサーが登場しました。

その名は「EXXUS(エクサス)」

~以下は説明文~
サムトリガーながら、スコットの代表的なトリガーレスリリーサー「ロングホーン」と同じプラットフォームを持ち、人間工学に基づいたその細身なテーパー状ハンドルは高い再現性を生み出してくれます。
トリガーテンションは、付属の3種類(弱中強)のスプリングから選び*、お好みの強さに調節が可能です。また、最大限まで引き上げられた内部パーツは、ステンレスの中で最も高硬度・強度を有する「440鋼ステンレス」で構成されており、これらのパーツには耐摩耗性の高いチタニウムコーティングが施されています。~
*プリセットは「中」です。


赤と黒のツートン。
STANのエレメント見たいな配色です。

確かに、カーターやTurBallなどのリリーサーに比にべると随分細身で、ロングホーンとほぼ同じシルエットで一見サムトリガーには見えないぐらいの細さです。
STANのエレメントも細身ですが、それ以上に細身です。

   
STAN エレメント   SCOTT ロングホーン(ProADV)

その細さに対する受け止め方には個人差があると思いますが、実際手にすると快適な感触が伝わってきます。
快適な感触とは、指先の均等なウエイト配分がスムーズに行え、矢筋を真っ直ぐに保つ感触を得られやすい、と言う事です。
表面仕上げは「つや消し」で、ホットショットのテンペストみたいな独特なさわり心地、“サラサラ”した感触。
色は赤/黒のコンビカラーのみ。
トリガーは、STANなどで良く見る?形状のアジャスタブルデザインが採用されています。
 

SCOTT初のサムトリガーリリーサー「EXXUS(エクサス)」
また一つ、注目のリリーサーが誕生しました。

店舗および通販店で発売中です。


SCOTT 新製品 その1

スコットから、2013年の新製品が届きました、第一弾。

 エントリー向けの価格帯で提供されますその名は「SAMURAI(侍)」


なぜ侍なのか?
いささか謎ですが、製品のセールスポイントや特長は以下の通り。

・デュアルキャリパーヘッド。
・トリガー感度調整が可能。
・無段階で調節できるナイロンバンドコネクターはトルクフリーなショットを実現。
・指のアールにピッタリ沿う形にデザインされた、絶妙なカーブを描くトリガーレバー。
・ローラーシアーテクノロジーによってクリーンなトリガリングで、トラベルを感じさせないスムーズかつ軽いショット。

主にハンティングの場面で好んで使われるリスト式トリガーリリーサー。
一定性や再現性の安定感には一抹の不安が残りますが、ダイレクトなシューティング感覚が得られやすいし、撃っていて楽しいのは実はこのリストトリガー式だったりします。
まして、価格が比較的お安い。

初~中級者の方で、また、入門編としても取っ付きやすい価格とパフォーマンスのリリーサーですね。

SAMURAI・・・・・・
だったら、「NINJA」の方が個人的にはしっくりくるんですがね~(笑)

SAMURAIはあちぇ屋CP、店舗にて発売中です~。


GMXとFormula RXは2013年4月からマイナーチェンジ。

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新しくHOYTから出荷されたものが届いてきましたが、GMXとFormula RXに使用されていた従来のミドルグリップにかわって、4月出荷分からハイリストグリップが標準装備になりました。
今後、ハイリストグリップで納品されますので、ご注意ください。
また、従来の標準グリップ(ミドルグリップ)は…たぶん在庫限りです。一応、若干HOYTから納品されていない注残があるので、もしかしたら、少しは再入荷するかもしれません。


古い本の収集

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昨日、人類学の院試を控えたスタッフと話し、アーチェリーの古い本の収集を始めることにしました。
日本で現在のアーチェリーがはじまったのは戦後ですが、日本には現在の弓が完成した形で伝わってきたようで、アーチェリーの弓具の進化の歴史についての、(知っている人はいると思いますが)完成された形の記録が日本にはありません。
個人で所蔵している方はいらっしゃるかもしれませんが、国立国会図書館でも戦前に出版されたアーチェリーの本はないです(何冊かありますが、どれも文化的な視点からみたアーチェリーの本です)。
もちろん、今の弓は突然完成されたものではなく、30~40年代のロングボウ安定性の改善(ハンドルが生まれる)、材料工学の点からのリムの合理化(平たいリムの誕生)、トルコ弓の”発見”(イスラム文化学者には昔から知られていたが、ついに弓職人がそれに気づく)によってコンポジットとリカーブという2つのトルコ弓の特徴を取り入れて、やっと現在の弓が完成します。
日本にない本を世界中からかき集めて、このあたりの歴史をもう少し詳しく理解できたらと思っています。
写真はアーチェリーの業界団体(ATAの前身、AMDA)を作ったラリー・ウィフェン(Larry C. Whiffen)さんの本から。「自分の弓を作ってみよう」という授業。読んでいると自分でも弓が作りたくなってくる…しかし、一番左の彼、木工作業しているのに、ほぼ正装??…作るところから紳士のスポーツだったようです。木くずだらけになって奥さんに怒られないのだろうか。


ほんのちょっとした工夫…SF NEW Tゲージ

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SFの新しいTゲージが入荷しました。まぁ、ほんのちょっとした工夫を2つ。でも、結構便利だと思います。これまで販売していたカーテルのTゲージは値下げしました。結構在庫残っていますが、在庫限りで販売終了します。
最初の工夫は…目盛りが読みやすくなりました。上の比較写真はこれまで弊社で販売してきた、また、日本国内で一番売れているカーテルのもの。見やすさの違いは説明するまでもないでしょう(銀色のゲージは赤で着色されています)。
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次の工夫は2か所から正しく値が測れるように、目盛りを左右でずらしています。1は弦からの距離(クリップを使用するとき)を測るとき用の目盛り。プランジャーチップまでの距離などを測定するときのためのものです。2はゲージエンドからの距離を測るとき用の目盛り。ティラーやブレースハイトなどを測定するときのためのものです。
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もちろん、インチ・ミリの両方の目盛りがついています。これでカーテルのTゲージと同じ値段です。どちらもちょっとした工夫ですが、どちらも利便性は高いかと思います。
-追記
最近忙しくしていたら、いつの間にか、アクセス数(累計)が150万アクセスを超えました。本当にありがとうございます!!!
これからも頑張ります。