プロの翻訳家とは 飛び道具の人類史

自分も翻訳していますが、お金をいただく仕事ではないので、理解できなければ、理解できるまで考えて翻訳しています。誤字脱字は結構ありますが、自分の書いている日本語は少なくとも理解できています。逆にプロの翻訳家はお金をいただき納期もあるので、わからないことをわからないまま、わからない日本語を作り出すのでしょうか。残念です(*)。

*もともとの英語を読んでいないので著者が意味不明なことを書いている可能性も否定しませんが、翻訳者が意味不明であることに気づくはずで、著者と相談して解決すべきでしょう。

素材の弾性が一定であれば、弓の力は以下に述べる二本の線で囲まれた部分の面積に比例する。一本の線は弦を張っていないときに弓が描く線であり、もう一本の線は矢を射る位置まで弓を引いたときに弦が描く線である。この面積が大きければ大きいほど、矢の速度が大きくなる。

飛び道具の人類史: 火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで P114 紀伊國屋書店 

電車の中で読んでいたが何度読み返しても意味がわからない。ので、家に帰ってからイラストにしてみた。この前後では単一素材のロングボウの話なので、ブレース前のシンプルなロングボウの線がA、フルドローのときの弦の線がBです…交わりません。面積の定義ができません。弦の線BをAに向かって伸ばして行けば、面積にすることもできますが、それが弓の力として定義できるのかわかりません。

詰んだ。この文だけを確認するために原著(6000円)を買うのも…プロの翻訳者さんもう少し頑張ってください。


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Ryo

熱海フィールド・あちぇ屋代表。日本スポーツ人類学会員、弓の歴史を研究中。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、ベアボウ競技歴2年。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

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