この記事は2021年8月19日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

国内ベアボウのルールの混乱…解釈の問題?

ベアボウで使用が許可されているタブの例(WAより)

ルールを守れ(当然ですが)と言いながら、ルールが知りたかったら、お金を払ってくださいという全ア連のやり方はあまり感心しないので、最新の競技規則持ってません。アーチェリーのルールはWAで無料で公開されています。ただ、全部英語で読むのはしんどいので、運用では、競技規則2016-2017年版の競技規則をベースに、気になるところはWAの英語を読んでいました。

ルールなのでそう頻繁に変わられても困りますが、近年ベアボウターゲットが導入された時に変更されたルールは2つだと理解していますが、国内でどう運用されているのか全くわかりません(所属している協会から問い合わせはします)。

第一に昨日の記事のセンターサービングの長さの規制。何名かの方から連絡いただきました。ありがとうございます。全貌が見えてきたのですが、これが更に混沌としています。

整理すると、

2018年-2020年 競技規則新旧対比表
競技規則改訂に伴う伝達講習会 2020

写真上は東京都アーチェリー協会で配布、下は杉並区アーチェリー協会さんから。競技規則では規制されていませんが、伝達講習会では規制されています。この2つの文書の間に時間差があればいいのですが、両方も昨年9月の講習会での資料です。つまり、同日に配布されたものです。新しい規則を説明する講習会で、規則にないルールを追加したのでしょうか? 謎は深まるばかりです。

そして、さらに新しい問題も。

WAでは削除された規則が最新の伝達講習会に逆に宣伝(審判にチェックするように)されています。忘れ去られているならともかく、削除されたものを逆に強調しているのが謎です。

このルールでは自分のタブが違反になりかねません(マークのサイズは一定ではない)、心配です。WAの2020年のルールでは、

- マークの長さは2種類まで許されます( No more than two lengths of line are permitted.)

– マーク間は均等である必要はありません(does not require uniform spacing between lines/marks.)

– 縫い目の場合は同間隔なら2種類まで違う長さを使うことができます(There may be up to two lengths of stitch with no regulation on spacing.)

- しかし、色は同じでなければならない(Stitching must be a single uniform color)

がベアボウタブのルールとなっているはずですが…特に最初のルール(一定でないマークは2種までよい)は2017年には変更されています。それを受けてのYostタブですからね。

そして、この伝達講習会資料は東京のものであり、29日には神奈川県の弓具検査を受けるのですが、見解は統一されているのでしょうか? 神奈川県さんはベアボウのアーチャー多いので、正しい解釈伝わっているとは思うのですが、ルールが解釈次第で違ってくるというのはちょっと・・ね。

これらはいずれもWA公式競技規則 Version published: 1 January 2021 を元にしています。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

12 thoughts on “国内ベアボウのルールの混乱…解釈の問題?

  1. いつも楽しく拝読しております。

    タブは神奈川県と横浜市の大会・記録会などで、Yostとブラックマンバを使用しましたが、何のお咎めもありませんでした。ご心配はいらないかと思います。

    サービングの長さについては、ジャッジが個別になる恐れがあると思い、私はいつも黒のストリングに黒のサービングです。目印にはならないので。

    ともあれ、29日ご健闘ください!

  2. 情報ありがとうございます!安心しました。

    サービングはリムとかぶるまで伸ばしたので、大丈夫でしょう。がんばります!

  3.  ルールの解釈?について、日頃、感じていることがあるので「ルールは誰のためにあるのか?」を考えるきっかけとしてご連絡いたしました。
     
     具体例として、アウトドアターゲットでの行射の際、例えば一番最初に射ち終えて、どんなに時間が余っていても、とにかく「6射後にスコープをのぞいてはいけない」と審判に注意されるケースです。

     この根拠は、全日本アーチェリー連盟の競技部によると、競技規則 第207条(立順および行射時間の管理)8項(1)後半部分に次のようにあるからです。
    「…行射の終了した競技者は、直ちにウェイティングラインの後方に後退しなければならない。」
     つまり、6射終了後、シューティングライン上に残ってスコープを覗く行為は上記の規則に抵触することになり、繰り返しこのような行為をすると、遅延行為とみなされる場合もあります、とのこと。

     しかし、当該規則の条文の前半部分を確認すると、その条文の主旨は、
    「競技者のみがSLライン上にたつことができる」 こと
    「車椅子競技者等はSL上に残ってもよい」 こと
    「他の競技者の妨げにならなければ、スコープ等をSL上に残しておいてもよい」 ことが記載されていおり、その条文に続く、補足条文(1)として該当の文言が記載されています。
     つまり、「直ちにウェイティングラインの後方に後退しなければならない。」の部分の「直ちに」の解釈が6射後にスコープをのぞいてはいけないという根拠になっているわけです。
    「遅延行為」とみなされるから、ということですが、他の競技者が行射を終えている場合や、もしくは、スコープを覗いているうちに他の競技者が行射を終えるような場合は競技進行の「遅延行為」とみなされるでしょうが、行射時間のうち、半分以上を残して余裕を持って行射を終了し、WLラインに戻る際に、1〜2秒、スコープを覗き、グルーピングを確認するような場合はどうなのでしょう? 全体の競技進行上、直ちにWLに戻っており、遅延行為に該当するとは思えません。6射終了後、シューティングライン上に残ってスコープを覗く行為は上記の規則に「抵触」することになるというのですが、これは解釈の問題なのではないのでしょうか。

    WAのルール条文には、以下のように記載されておりましのたので、直ちには「immediately」と思われます。

    13.9.

    While shooting is in progress, only those athletes whose turn it is to shoot or who have a classified disability may be on the shooting line.
    Para-Athletes at able-bodied events interpretation

    射撃の進行中は、射撃を行う順番の選手、または分類された障害のある選手のみがSLラインに入ることができます。

    13.9.1.

    All other athletes, with their equipment, shall remain behind the waiting line.
    After an athlete has shot his arrows, he shall immediately retire behind the waiting line.
    The athlete may leave the spotting scope on the shooting line between ends providing it does not create an obstacle for any other athlete.

    他のすべてのアスリートは、装備を持って、WLラインの後ろに留まるものとします。アスリートが矢を放った後、彼は直ちにWLの後ろで引退しなければならない。アスリートは、他のアスリートにとって障害とならない限り、スポッティングスコープを両端の間のSLに置いたままにすることができます。

    「6射終了後、スコープをのぞいてはいけない!」と書いてあるのではなく、この「直ちに(immediately)」の解釈だと思われます。

     競技全体を統括する運営側からすると競技会を円滑に進行するために、このようなある程度の規制を引いて競技者の行動を制限することは必要なことかと思われるのですが、競技は誰のために行っているのかを考えると疑問が残ります。規則が設定されているにはそれなりの理由がありますが、その理由をしっかり理解して現場で適用していくことが審判員の重要な役割だと思います。
     なぜ、このような条文が作られたのか、判断事例や適用となったきっかけ、
    そして、その趣旨にあった運用がなされているかの検証をおこなうことで、より競技者に寄り添った「ルール」に洗練されていくことを願っています。

  4. >どんなに時間が余っていても、とにかく「6射後にスコープをのぞいてはいけない」と審判に注意されるケースです。
    >競技は誰のために行っているのかを考えると疑問が残ります。

    ルールを厳しく解釈したら、まあ、そうはなりますが、合理性がないのは間違いありません。ただ、高体連などの場合、合理性よりも、教育的な観点から、ひたすらにルールを守ることを教育の観点から生徒(アーチャー)に求める審判のもいるので、難しいところです。イメージとしては顔なじみの大人しかいないコンパウンドの試合とかだと、特に注意もなく、そもそも試合がスムーズに進みますが、初心者や高校生がいる、運営も大変そうな試合だとうるさい感じですかね。

    >「…行射の終了した競技者は、直ちにウェイティングラインの後方に後退しなければならない。」

    この点に関しては、知る限り(東京・神奈川・高体連・全ア連)では、意図的に無視されています。

    このルールになる前の競技規則では、

    「射手は、まだ発射している他の射手と進度を合わせるために、発射線上に残っていても良い」

    と書かれていました。現在でも、私が参加している地域での試合では、この廃止された古い競技規則にのっとり、両隣のアーチャーが発射動作に入った場合、射ち終わっていても、リリースするまでシューティングラインにとどまることができます。ここの部分は厳密ではないようです。

  5. 私もべアボーのルールに疑問があります。
    過日ダンパーを外す様に指示がありましたが、
    204条にはダンパーを使用することが出来る。
    と書いてあります。

  6. 細かい状況はわかりませんが、WAのルールが全ア連ルールになめまでに時間差があり、さらにそのルールが地方の大会の審判に伝達されるまでにも時間差があるので、審判が把握していない可能性があるので、協会に相談するのがベストかと思います。

    先日は弓具検査で審判がベアボウ122mm検査ゲージの使い方がわからず、みんなで協力して通したりしました。

  7. 全ア連規則 第204条の6(1)は、「弓の一部として」と記載されています。
    また、WAのルール 第11.4.6.1.にも同様の記載があります。

    この条文は、あくまで「メーカーが製品の一部として取付けたダンパー」に関するものであり、選手が後から取付・取外しが出来るものを対象にしていないように思います。
    (例として、Spigarelli REV 2 ハンドル の内蔵ゴムダンパーのように、取外した場合ハンドルの構造が維持出来なくなるものがこの規則の対象となると思います。)

    したがって、弓具検査時に外すよう指示され、それに従うことが可能な構造であれば、取外す必要があるのではないかと思います。

  8. >全ア連規則 第204条の6(1)は、「弓の一部として」と記載されています。
    >また、WAのルール 第11.4.6.1.にも同様の記載があります。

    11/1 時点では全て正しいのでコメントと許可としました。

    https://documents.worldarchery.sport/Rules/Bylaws/English/2021-2023/01_-_16_September_2021_-_effective_15_January_2022/08_Vibration_dampeners_use_in_the_barebow_division.pdf

    来年より、

    Vibration dampeners are permitted. They may be installed in the riser by the manufacturer, or by attaching aftermarket dampeners directly to the riser or to weight(s).

    と変更されます。

    aftermarket dampeners とは後付のダンパーという意味ですので、ダンパーだけを買って取り付けすることは可能です。ただし、これがいつから国内で可能なのかは不明です。ちなみにWAでは2021年9月から可能だと言っています(WAの規則を変更して明文化されるのが来年になるだけです)。

  9. 調節可能なプレッシャーボタン、プレッシャーポイントまたはアロープレートは、それぞれ1個のみ、弓に取り付けて使用することができる。

    効果とは別にして、それぞれ1個、合計3つ付けても良いのでしょうか? 

  10. ます定義として 調整可能なプレッシャーボタンはプランジャーのようなものを指しています。プレッシャーを調整できます。


    プレッシャーポイントとは、写真のようにプランジャーと同じ役割をしますが、調整可能ではないものを指しています。


    アロープレートとは、主にセンターショット不可のワンピースボウでレストを使用しないときに使用するものですが、矢やベインが弓に接触したときに損傷しないように、養生をするような部品で、クリアランスに寄与するパーツではありません。

    一般的なチューニングでは、プランジャーを使用するときスーパーレストの写真の部分(プレッシャーポイント)は切り落とします。両方一緒に使用することはないです。メリットも思いつきません。

    プランジャーとアロープレートを両方使用することは可能ですし、意味もありますが、チューニング可能な高機能な弓であれば、そもそも、接触しないようにチューニングをしたほうが良いかと思います。

    さらに、3つ同時になると、つけてもルール上は問題ないですが、2枚のうち、下の写真の状態で、スーパーレストをレザーの上に貼り、余分な部分を切り落とさないで、プランジャーを通している状態ですので、逆に初心者でアマゾンで弓買ってわからないで使ってるのかなといった感じになるのではないかと思いますよ…射場にいたら、しばらく危ない動作行わないか注視しちゃいます(^_^;)

  11. ベアボウでスーパーレストの写真の部分(プレッシャーポイント)を残して、アルミ矢で使用してます。同じ弓で、カーボン矢の時はでプランジャー使用してます。(スーパーレストを貼る位置はカーボン矢のシャフトに合わせてます)。

  12. そういった運用は推奨はされていないのですが、どういったメリットがあると考えて、そのようにされているのですか?

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