この記事は2021年8月9日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

センターショットがセンターでなくなる時。

センターショットを正しい意味で使うと、それは弦の真ん中から矢を発射する事を意味しています。そのために矢の位置を弦の真ん中に合わせるのは当然のことです。アルミシャフトの時代でも、DIVA(初期のストレートカーボンシャフト)のチューニングガイドでも、矢を弦のセンターに置くのが当然でした。センターショットなのですから、シャフトがセンターにあるのは当然です。

しかし、90年代に入り、X10やACEのようなバレルタイプのシャフトがターゲットで使用されるようになります。このシャフトがプランジャーに接しているときにには先端の細くなっているパートで、プランジャーに接しているので、ブレース時点で真ん中に設定すると、フルドロー時点では、矢は右を向くこととなります。つまり、ブレース時点ではセンターに矢を持ってくるのではなく、少し左側にセッティングしてあげる必要があります。

このオフセット量を理論によって計算するためには、大量の複雑な計算が必要になります。また、シャフトの細くなった分だけオフセットすればよいわけではなく、矢は発射されてから、パワーストロークの1/6を進むまではシャフトはプランジャーに触れません。

そこでイーストンの技術者はより簡単な方法として、弦がシャフトの真ん中(スイートスポット)を押し出したときに最も多く矢にエネルギーが伝わるという原理を用いて、いろいろなプランジャーの位置でテストした結果、(右打ちの場合ブレース位置で)ポイントの右側が弦の左側と接している位置が最も矢にエネルギーを与えることがわかりました。

そのテストの結果より、今日では初期チューニングの位置として、バレルタイプのシャフトの場合には、その位置に設定します。

However, I don’t feel so bad about these theories when you consider that doctors “practice” medicine.

Tuning Tips for Small Diameter Arrow Shafts by Don Rabska

意訳すると「この結論はあくまでも実験の結果ですが、これでうまくいくなら、細かいことは気にするな」です。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

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