PILLA アーチェリー競技用 サングラス

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準備に時間がかかってしまいましたが、今年の9月の話です。ワールドカップ・ファイナルのコンパウンド競技で、金銀銅のメダリスト全員が競技中にサングラスを着用することがありました。そのうちの、1・2位の選手が着用していたのが、新しくアーチェリー競技専用に開発されたPILLAのサングラスです。

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アーチェリー専用のサングラスの開発は世界初のことではないかと思うのですが、2013年は世界選手権の競技ルールが改定され、特にコンパウンドでは50mという短距離の重要性が一気に高まりました。この商品は、アメリカとデンマークのトップコンパウンドアーチャーのBraden Gellenthien選手(現在世界ランキング3位)とMartin Damsbo選手(現在世界ランキング4位)がメーカーに開発をオファーし、実現したものです。

距離が短くなることによって、エイミング作業の重要性が高まっています。サングラスによって、的が見やすいように色彩を強調し、天候によって全5種類のレンズを交換して使用することで、透過率を調整して目に入ってくる光量を調整して、安定したエイミングを実現することが目標です。

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PILLAというメーカーはクレー射撃の世界ではかなりのシェアを持つメーカーだそうなのですが、今回アーチェリー用に3つフレームが投入され、また、カール・ツァイスと共同開発した高性能レンズの中から、アーチェリー用に5つのレンズが選ばれました。

-直射日光用 22ED
-晴天用 42ED
-曇り用 58HC
-明るいインドア会場用 78HC
-暗いインドア会場用 88ED

の5種類で、会場のコンディションによって使い分けすることが推奨されています。

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フレームは3種類があり、エントリーモデルの560A、可動式カーボンチタンフレームのOutlaw X6A、最上位モデルのMAGNETO Aの3つです。ちなみに最上位モデルのメーカー定価は16万円(1,500ドル)ですので、これはさすがに取り扱う自信がないです。

前から話していて、年明けには少量ですが、入荷しそうです。リカーブではルール改定後も70m&裸眼ですので、サングラスの必要性が高まったとは言えませんが、ルール改定で50m&倍率レンズになったコンパウンド競技においては、一度サングラスというアイテムを見直してみてはいかがでしょうか。

PILLA ARCHERY サングラス カタログ
https://archery.co.jp/catalog_CP/PILLA_Archery_2014_Brochure.pdf

PILLA ホームページ
http://www.pillasport.com/pilla-world/archery.html


CBEから新しいターゲットサイトが発表されました。

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コンパウンドサイトメーカーのCBEから新しいターゲット用サイト、バーテックス・ターゲット(Vertex target)が発表されました。価格がまだ発表されていないので、在庫しての取り扱いをするかは未定です。また、それに伴い、現行モデルのち、いくつか廃盤となります。CBEの入荷はあまり頻繁ではないので、入荷はかなり先になるかと思います。


カヤ(KAYA)アーチェリーの2014年カタログが発表されました。

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本日、KAYAの2014年のカタログが発表されました。既存のラインナップに加えて、K3カーボンハンドルの新色と、新しいリム、新しいカーボンスタビライザーACE、ボウスリングが発表されました。

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写真がK3ハンドルの新色マットブラックです。ほかに現行の黒・赤・青・白の4色があります。

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リムは新しくウッドコアのデルフィナスと、フォームコアのアマゾンが登場します。新しいリムはまだテストしていないので何とも言えませんが、これまでのモデルで他メーカーと比べて、悪い点もありませんが、ずば抜けて優れている点も見つけられない、今どきの平均的な競技用リムというのが感想です。新しいリムでは新しい素材が使用されているようなので期待しています。1月のテルフォードで実射してみる予定です。

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スタビライザーでは5層構造のカーボンスタビライザーACE(…聞いたことあるような)が登場します。5層構成のロッドはあまり聞いたことがないので、ちょっと性能・特性は想像ができないです。テストし次第報告します。

入荷はすべて2月を予定しています。

KAYAアーチェリー 2014
https://archery.co.jp/catalog/2014KAYACatalog.pdf


3連休の中日と商品価格

今年も残り10日。3連休の中日…休まずに1月に出版予定の本の編集の作業をしています。思ったよりも順調です。

23日は税関が休みなので、24日から26日が今年の最終入荷になります。W&W、スポットホッグ、ホイット、Bowtechの入荷が予定されています。あと、カーターのハニー2が入荷してくる予定です。

年末年始も自分は仕事する予定ですが、税関が仕事しない期間で、国内代理店も軒並み休業に入るので入荷はない予定です。

現在、円安がどんどんと進んでいますが、年始すぐにウィン・ジャパンさんの価格改定があります。個人的な予想ですが、それなりに値上げされるかとおもいます。値上げはあくまでも卸価格なので、それがどう各社の小売価格に影響するかはわかりませんが、値上げ分を全部吸収する小売店はないのではないかと。

これをきっかけにいろいろな商品の価格が値上がりすると思われます。2014年の価格がすでに出ているホイットのようなメーカーの大幅な値上げはないでしょうが、ウィンなどの韓国系メーカーの商品の購入を考えている方は年内の購入がおすすめです。


カーボンエクスプレス(CX)の2014年カタログが発表されました

SONY DSCカーボンエクスプレスの新しいシャフトについて、多くのお客様から問い合わせをいただいていますが、現在、最終調整中です。1月のイギリスのテルフォードでの大きな展示会(例年ニームNimeですが、今年は会場の関係でテルフォード)のメーカーブースで最終的な決定をする予定です。

写真は入荷したNona Xtremeで、弊社の村田などがテストしています。X10よりも細いオールカーボンシャフトです。X10よりも細い極細のストレートシャフトですが、CX独自の技術で同じシャフト上に二つのスパインを持ち、中央部が硬く、両端が柔らかく、X10やACEのようなたる型シャフトと同じ性質を持ちます。重さはX10よりも、5%程度軽いです。

nanospec上記が詳細のスペック表です。450番で約5.1mm(0.202インチ)となります。

そのカーボンエクスプレスから、Nano Xtremeなどの新しいシャフトのスパイン表や詳細が記された2014年のカタログが発表されました。Nano XtremeとNano SST以外には特に新しい商品はありません(軽いハンティング用シャフトだけ)。

一般販売での取り扱いは早くともテルフォードから戻ってからなので、入荷は2月後半になります。進展あり次第再度報告させていただきます。

カーボンエクスプレス(Carbon Express) 2014年カタログ
https://archery.co.jp/catalog/2014CarbonExpressCatalog.pdf


イタリア製ディンプルポイントが入荷しました。

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以前に記事で紹介したディンプル効果を生かした設計のターゲット用ポイントが入荷しました。

イタリアのTECON S.R.L社製のステンレスブレークオフポイントで、120gr-90grの4段階調整です。

TECON S.R.L Archery Target Point
http://www.archerycomponents.com/

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見ての通りポイントの表面は凸凹しています。表面の凸凹は0.1mmで、ディンプルの一つ一つの深さは約0.15mmです。ディンプルはポイント全体に60個設けられています。コンパウンドでは実績があっても、リカーブで実績を残せていないのは、この凸凹がクリッカーゾーンでの不快感を生じさせるためでしょう。一方コンパウンドではポイントがレストに触れるまで引き込んでいない限り、問題は生じません。

ディンプル効果により空気抵抗が低下し、風による影響が減少することは昔から知られていましたが、ロケットや飛行機の研究での高速飛翔体での話でしたが、近年の論文で、ロケットなどのように1000m/sで進んでいく物体でなくとも、10m/s程度のスピードであっても、同じような効果を得ることができるということがわかりました。

27es

FUSEのカーボンブレードESではディンプルと独特の形状により空気抵抗が70%減少するとされていますが、その実験のデータも20mph(約9m/s)という条件下で行われています。論文だったものが、各メーカーの技術開発によって、低速であっても、ディンプル効果の恩恵を受けることができるというデータが少しずつ集まってきています。

このポイントもその理論によって設計されているものです。矢速の向上、風の影響を低減させることが期待できます。

今回は少量の入荷です。少し高いですが、興味がある方は是非お試しください。


ウーカ(UUKHA)の設計・製造工程のプロモ

新しく届きました。世界大会でメダルを獲得するレベルのリム・ハンドルを製造するメーカーの中で、最も小規模ですが、技術力でトップアーチャーたちに選ばれてるウーカ(UUKHA)社の新しいプロモです。

2013年は工場拡大と販売も非常に好調で、リムの破損が一件も起きていないという記録は今年も更新されました。2014年、ウーカは同じラインナップで販売します。


TRU.BallとAXCELサイトの2014年ラインナップが発表

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TRU.Ballとアクセルサイトの2014年のカタログが発表されました。アチーブサイトも、リリーサーも多くのトップアーチャーに愛用され、絶好調のメーカーで、2014年は商品のラインナップに大きな変更はなく、ほぼラインナップの補強です。

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新商品としてはファング(牙:Fang)というハンティング用のリリーサーが発表され、Dループを両側から噛むタイプのリリーサーなのですが、以前から噛むタイプ(ダブルキャリパー)のリリーサーはリリースのスピードが遅いといわれていましたが、可動するキャリパー片方だけにすることで、デザインと違い、実質的にはシングルキャリパーのリリーサーになっています。ハンティング用のリリーサーなので(設計を見た感じターゲットでも使えそうな気がしますが)、仕入れる予定はないです。

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ターゲット用のリリーサー用品では、ユース用のエントリーモデルを別とすると、新しいトリガーくらいしか新商品はないです。3軸で調整できるアジャスタブルトリガーがラインナップに加わります。

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アチーブサイトでは、先日、レオ・ワイルド選手がさっそく使っていてびっくりしましたが、カーボンエクステンションモデル・アチーブカーボンが追加されます。ホイットの新色に合わせた紫とオレンジのモデルが選択できるようになります。

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アクセルのスコープは今までレンズ別売りでしたが、フランスの大手レンズメーカーエシロール(遠近両用レンズを世界で初めて開発したメーカー)のハードコート技術を採用したレンズと合わせての販売を開始するようです。話を聞く限りではすごく魅力的な商品ですが、シュアロックのスワロフスキーレンズのように1枚2万円近い値段設定だったりすると…価格を確認してから再度評価したいと思います。

主だった変更点は以上です。入荷は1月の後半を予定しています。

AXCEL Sight / TRU.Ball 2014年カタログ
https://archery.co.jp/catalog_CP/2014 Catalog_Axcel.pdf


レオ・ワイルド選手が新型のサイト使っている!!!

IWCS_DA1_3395-Lメーカーからは1月末の出荷開始で案内を受けていたのですが…レオ・ワイルド選手がもう使っている!!

 

carbonsight9日に行われたワールドカップ。ステージ2 – シンガポールで優勝したレオ選手。その弓には発表されたばかりのアチーブカーボンサイトが。世界最軽量の競技用サイトとして、多くのトップ選手に愛されているアチーブに、カーボンモデルが登場します。

アメリカのトップ選手にはもう手渡っているようですが、販売開始は1月末か2月を予定しています。ただ、やっぱり高いんですよね。アルティマのコストパフォーマンスに勝てるサイトはなかなかないです。


矢のディンプル効果がついにターゲットの世界に

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↑下記論文より引用

アーチェリーとディンプル効果についてご存知でしょうか。ディンプル効果とは、物体の表面にディンプル(くぼみ)を設けることで、より遅い速度で空気を乱れさせる(乱気流を発生させる)効果のことを指しています。

ディンプル効果が、結果として、どのようなメリットをもたらすかは、運動の状態によって違います。例えば、回転するゴルフボールでは飛距離が伸びるそうです。

アーチェリー業界ではどうかというと、2009年にディンプル効果により、横からの力から受ける力を低減することができるというレポートが発表されました。ポイントは、この実験が矢のような低速で動くものにも働くことを証明したことです。

Side Force Suppression by Dimples on Ogive-Cylinder Body(英語 – PDF)
http://www.texasarchery.org/Documents/Dimples/Side%20Force%20Suppression%20by%20Dimples%20on%20Ogive-Cylinder%20Body.pdf

横からの力ということで、さっそく2011年にはFUSEがスタビライザーにディンプルをスタビライザーに設けることで、横からの力(横風)から受ける影響を低減するカーボンブレードESスタビライザーを発表し、ある程度の支持を得ました。

NAP-Crossfire

アーチェリーにおけるディンプル効果がはっきりと実証される前に、アメリカのNAPアーチェリーが、おそらく経験則によって、矢のポイントにディンプルを設けることで、矢飛びをよくするというポイントを開発しました。

詳しくは時間ある時に読んでみようと思いますが、NAPは矢におけるディンプル設計の特許を持っていると主張しています(*)。

*原文 : The one-piece cartridge is packed with features starting with patented dimpling, similar to that on a golf ball, which prevents air from “Sticking” to the cartridge that in turn provides increased flight control.

コンパウンドから発射される、特にポイントの重いブロードヘッドにおいては、矢のポイントが左右に触れながら飛んでいくパラドックス運動を大きく考慮する必要はなく、矢はほぼまっすぐ飛び出します。

対して、ターゲット競技ではそれほど簡単な話ではないので、なかなかディンプル効果を利用した商品は登場しませんでしたが、いつに、ターゲット用のディンプルポイントが登場しました。

dimplespointイタリアメーカーのポイントです。メーカーの説明書がイタリア語で残念ながら読めません…。申し訳ございません。素材はイーストンの純正ポイントと同じステンレスですが、価格は約3倍です。

メーカー商品説明書
http://www.texasarchery.org/Documents/Dimples/Punta%20al%20vivo.pdf

少し前から販売されていて(確か2011年)、ちょっと不具合があり、一度マーケットから消えましたが、マイナーチェンジして再登場するそうです。よりパラドックスの大きいリカーブでの実績はほぼないですが、パラドックスの影響をほぼ受けないコンパウンド競技では使用アーチャーが国内記録を塗り替えるなどの実績を残しているそうです。

mike5コンパウンド用のみとしての取り扱いで現在検討中です。