ドインカーが昨年に発表したHERO(ヒーロー)スタビライザーの生産がついに始まり、先日届きました。
先日の世界選手権ではスコアミスで予選落ちしてしまいましたが、レオ・ワイルド選手が昨年から使用していて、このスタビライザーで世界記録も更新しました。上の写真はビースティンガーのものとの比較です。
先月入荷したFUSEのカーボンXスリムと同じ細いロッドに非常の剛性のある素材を使用する事で、風の影響を減らしつつ、振動を短時間で吸収することを目指しています。
FUSEのカーボンXスリムは16.0mmでしたが、HEROではより細い14.5mmになっています。現在の販売されている競技用のロッドの中では最も細いと思います。最大の売り、ドインカーによればいまだかつてアーチェリーでは使われたことのないレベルのウルトラハイモジュラスカーボンを使用して組だてられているそうです。
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そのために
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すごい値段になっています。弊社では在庫しての販売はしないことにしました(テスト用に少し入荷はしています)。予約販売とさせていただきます。
センターロッド 61,800円 - 27/30/33インチ
サイドロッド 31,800円 – 10/12/15インチ
卸価格があまりにも高く、上記の価格になってしまいました。スタビライザー一本でハンドル・リムが買えてしまいます。
ウェイトとダンパー、別途Aボムが1つ付属します。ダンパーに接続されているロッド側のウェイトは取り外しができません。なので、ロッド単体の重さをはかることはできませんが、ウェイトの重さは4オンスだと思われるので、ロッドの重さは154g(30インチ)ほどになります。
テストした感じですが、間違いなくほかのロッドでは感じることのできない感覚です。性能は非常に高く、細く、ストレートで、剛性が高いので、このロッドが合わないという人はいないのではないかと思います。多くのアーチャーが納得いくスタビライザーです。ただ、通常のスタビライザーが高性能のものでも2万円前後という中、その3倍の値段を出しても手に入れるべきかと言われたら、難しいところです。コストパフォーマンスには欠けるが、値段に目をつぶれば非常に完成度の高い商品だというのが自分の評価です。
去年の記事では、今までにない素材を使うとなると3万円は超えるなんて書きましたが、6万円を超える値段になるとは想像もできませんでした…すごい世界になってきましたね。
山口 諒
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スタビライザーの剛性についての質問です。
剛性が高い、または低いことよってどのような変化があるのでしょうか。
最近は剛性の高いスタビライザーが流行っているようですが…
>剛性が高い、または低いことよってどのような変化があるのでしょうか。
何の競技をされているのでしょうか? こちらは基本的に競技用のコンパウンド用のスタビライザーの記事ですので、50-60ポンド台のコンパウンドアーチャーという想定でよいでしょうか。
>最近は剛性の高いスタビライザーが流行っているようですが…
最近の流行は剛性が高いというよりも高弾性素材です。弾性とは(同じ量を使用した時)より剛性がある素材のことです。
スタビライザーの剛性を高めたければ、同じグレードの素材であっても、より太く(風の影響を受けやすい)、より厚く(重くなる)すれば簡単に作ることができます。
しかし、それでも進化というよりも、ただのトレードオフになってしまいます。
最近アメリカを中心に流行っているのは、素材自体の性能(弾性)を上げていくことで、より細く、より軽くしながらも、ロッドとしての剛性を高めるという設計です。
そのためには、素材により良いものを採用するしかないので、スタビライザーの価格が高騰しています。
たまにリカーブで使用しているアーチャーがいますが、このスタビライザーはリカーブの推奨ポンドはどれくらいでしょうか?よろしくお願いいたします。
メーカーから指定があるわけではないですが、ワールドカップ・ファイナルで3位だったSjef選手は引き尺31インチ、53ポンド。センターロッドには約500gのウェイトをつけています。
なるほど、ありがとうございました。
ちなみに購入を検討しているのですが、シルバーというのはあるのでしょうか?よろしくお願いいたします。
シルバーモデルはなく、写真のようなラップを買って、自身で貼ることでカスタマイズできます。