コメントに対する返信です。
リムボルトの調整上限(最少ポンド)はリムとリムボルトがぎりぎり接する位置です。上記の写真のようにリムボルトとリムがの間に隙間ができている状態になってしまうと、リムはうまく機能しません。ただ、リムボルトは2回転以上ハンドルに入っている必要があります。
調整の下限(最大ポンド)はリムボルトがリムの先端の1点だけで接する位置で、上記の写真の矢印の2点の間に隙間がある必要があります。調べるときには薄い紙をこの間に入れてみて、紙が入っていけば問題ないです。この部分に隙間がないとリムがリムボルトの中央付近ではなく、リムボルトの最も端の部分とリムが接することになり、ボルトによっては破損してしまいます(リムボルトの頭が飛ぶ、旧ホイットのリムボルトで多発したことがあります)ので、絶対にそのような状態では使用しないでください。
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山口 諒
熱海フィールド代表、サイト管理人。日本スポーツ人類学会員、弓の歴史を研究中。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、ベアボウ競技歴5年。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は準優勝。
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お忙しい中大変申し訳ありません。
かねてより疑問に思っていた内容があり、
コメント欄にて質問を投降した次第です。
その質問というのはざっくばらんに言うと「リムボルトはどうあるべきか」です。
もう少し掘り下げて言うならば、
各メーカー毎のリムボルト可変調整位置についてといったところです。
それらについていくつか質問があるのですが、ご教授頂ければ幸いに存じます。
まず、最初の質問ですが、所謂リムボルトの標準位置である、締めこんだ位置から~の部分で、
締めこんだ位置とは、リムを接続しない状態でのことでしょうか?(浅慮過ぎましたら申し訳無いです)
第二に、メーカーによっては、リムボルトの締め具合でリムのパフォーマンスが
ほぼ100%出る位置があるとお聞きした事があるので
すが、明確な数値等はあるのでしょうか?
私が聞いたのは、HOYTでは標準値から2回転緩めた状態がベストパフォーマンスであり、
WINはリムを入れて締めこんだ状態がベストパフォーマンスを発揮する事が出来るというものです。
以下のURLにてWINのCXTハンドルのリムボルト調整可能位置にて言及されている部分で、
私が言うその位置よりも1mm程度緩めていますが、恐らく締めこんだ状態にあると思います。
https://archerreports.org/2015/02/cxtk%e3%83%aa%e3%83%a0%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%95%b4%e5%8f%af%e8%83%bd%e4%bd%8d%e7%bd%ae%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
最後に、リムボルトの回転数に対するポンドの上昇率は各メーカーでどれくらいでしょうか。
昔のYAMAHAなどでは、スペーサーによって大体13%のポンドアップ&ポンドダウンしていましたが...
手元にポンド測りが無いので判別が困難です。
多くの質問かつ長文大変恐れ入りますが、何卒この疑問を解消する答えをご教授頂きたいです。
どうか宜しく御願い致します。
また、既に別の方にお答えいただいている場合は、そのページを教えて頂ければ助かります。
>締めこんだ位置とは、リムを接続しない状態でのことでしょうか?(浅慮過ぎましたら申し訳無いです)
リムを接続した状態で、最大限締めこめる位置のことです。
最大限締めこめる位置とはお客様が提示した記事にあるとおり、ぎりぎり隙間がある状態です。
>第二に、メーカーによっては、リムボルトの締め具合でリムのパフォーマンスが
>ほぼ100%出る位置があるとお聞きした事があるのですが、明確な数値等はあるのでしょうか?
>私が聞いたのは、HOYTでは標準値から2回転緩めた状態がベストパフォーマンスであり、
>WINはリムを入れて締めこんだ状態がベストパフォーマンスを発揮する事が出来るというものです。
ほぼ100%パフォーマンスという定義がわからないので何とも言えません。
パフォーマンスがリムの効率性を指すのであれば、それはリムボルトの位置(リムの角度)だけではなく引き尺とも関係するので、リムの角度だけで語ることには意味がないです。
ホイットで2回転半/W&Wで4回転というのはメーカーの設計位置で、その位置で、28インチ引いた時に表示ポンドが出る位置のことです。
>以下のURLにてWINのCXTハンドルのリムボルト調整可能位置にて言及されている部分で、
>私が言うその位置よりも1mm程度緩めていますが、恐らく締めこんだ状態にあると思います。
>https://archerreports.org/2015/02/cxtk%e3%83%aa%e3%83%a0%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%95%b4%e5%8f%af%e8%83%bd%e4%bd%8d%e7%bd%ae%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
申し訳ございませんが、何の指摘か理解できませんでした。
>最後に、リムボルトの回転数に対するポンドの上昇率は各メーカーでどれくらいでしょうか。
リムのフォースカーブ(fx曲線)は直線ではありません。引き尺にもよります。また、リムボルトの調整可能範囲もリムの厚みと関係します。ブレースハイトも関係してきます。
なので、あくまでも一般論として、WINでは40ポンドで4回転できて、4ポンド弱ほど上昇します(40-43.5lbs)。ホイットでは40ポンドで1回転半緩めることができ1ポンド強、2回転半締めこんで2ポンドほどポンドアップできます(39-42)。
返信頂き大変感謝です。
リムボルトの標準位置は例えるならWINなら、
締め込んだ状態から4回転が標準で4回転はポンドダウン(緩める)できるという認識でよろしいでしょうか?
ちなみに100%のパフォーマンス云々の部分は、表示ポンドがどの位置で出るかという事で理解しました。
(勘違いしていました 申し訳ありません;)
リムボルト調整による角度変更にて
最も効率が良い部分がどうやったらでるかは、
個人のスペックに左右されるので一つの観点からでは明確な値は出ないと解しました。
また、リムボルト調整によるポンドの上昇率についても同様とし、自己経験の不足であると反省します。
正確に数値で語るべきところを、一般論の様な抽象的な質問を投げかけてしまい大変失礼いたしました。
ご丁寧に回答してくださり、真に有難う御座います。
>リムボルトの標準位置は例えるならWINなら、締め込んだ状態から4回転が標準で4回転はポンドダウン(緩める)できるという認識でよろしいでしょうか?
ポンドアップです。表示40ポンドのリムであれば、締めこんだ位置から4回転緩めた位置で40ポンドで、完全にしめこむと43ポンド強になります。
>リムボルト調整による角度変更にて最も効率が良い部分がどうやったらでるかは、
>個人のスペックに左右されるので一つの観点からでは明確な値は出ないと解しました。
リムの効率性に関係するのはリムの角度とチップの角度(フルドロー時)です。
リムボルトの位置はリムの角度を決定します。チップの角度はブレースハイトと引き尺によって決定されます。
後者の方は個人のスペックに大きく影響されるので、ブレースハイトのチューニングは個人的なもので、
メーカーでもおおよその正しい範囲しか提示していません。
以上、参考になれば幸いです。
再度返信頂き大変感謝です。
>ポンドアップです。表示40ポンドのリムであれば、締めこんだ位置から4回転緩めた位置で40ポンドで、完全にしめこむと43ポンド強になります。
ここの部分をもう少し詳しくお聞きしたいのですが、
リムボルトの標準位置から更に緩めることは出来るのでしょうか?
さらに言えば、リムの表示ポンドより低く出るようにリムボルトで調節できますか?
(仮に、表示ポンドがそのまま出る引き尺チューニングだとして)
引き続き、お手数ですが回答頂ければ幸いです。
>リムボルトの標準位置から更に緩めることは出来るのでしょうか?
ホイットはできますが、ウィンは理論上できません。
物理的な形状の問題で、緩めすぎるとリムがボルトと接触しなくなります。
経験上、相性が良ければ、5回転半まで緩める(1ポンドダウン)ことに成功したことはありますが、必ずしもできるとは限りません。
なるほど、WINはポンドアップのみ、
HOYTは何回転か?ポンドダウン可能という事ですね。
(リムボルト標準位置から)
重ね重ね失礼致しました。
回答いただいた内容を参考に、
道具の調整の幅を広げて生きたいです。
深く感謝を申し上げます。
本当に有難う御座いました。
>なるほど、WINはポンドアップのみ、HOYTは何回転か?ポンドダウン可能という事ですね。
(リムボルト標準位置から)
はい。引き尺が28ポンドであれば、表示ポンドからポンドダウンできるのはホイットのみです。40ポンドであれば、約1ポンドほど可能です。
以上、よろしくお願いします。
以前チューニングの講習会でホイットはリムボルトを2.5〜3.5回緩めた状態が弓の性能が最大限発揮でき、これを守らないと弓の性能を十分に発揮することができない。と習ったのですが本当でしょうか?
私はフォーミュラのハンドルを使っており最大限締め込んでいるのですが何か問題はあるのでしょうか?
2.5回転緩めるというのはホイットの基本設計値です。その場所でメーカーの意図した性能となります。
>チューニングの講習会でホイットはリムボルトを2.5〜3.5回緩めた状態が弓の性能が最大限発揮でき、これを守らないと弓の性能を十分に発揮することができない。
この部分に関しては「メーカーの意図した性能 = それが最高」と考えれるのであれば概ね正しいのではないでしょうか。
例えば、エリソン選手はリム接続部を改造し、ジェーク選手は大幅にグリップを改造しています。「メーカーの意図した性能 <<< 自分が求める性能」と考える考え方もあります。自分も弓はメーカーの標準からずらして使っています。考え方の問題なので、どちらの方がより正しいということはないと思います。
>私はフォーミュラのハンドルを使っており最大限締め込んでいるのですが何か問題はあるのでしょうか?
正しくチューニングされていれば問題はないです。40ポンドを締めこんでの42ポンドと、普通の42ポンドでは後者の方が柔らかく引けます。
この記事のハンドルとは違うのですが、自分はキネティックのソヴレンを使っています。説明書のポンド調整機構の項では、リムを外した状態でのリムボルトの差し込み具合が写真付き(最大締め込み状態、最小締め込み状態)で示されていました。
そして本題は、説明書の基準は超えていなくてもリムの厚さによって(リムに厚さの違いがあるのかは分かりませんが)は記事の様に紙1枚の隙間が無くなってしまうかもしれないと思いました。この場合は、紙1枚入る程度の基準も参考にすべきですか?
長文失礼しました。
A >リムを外した状態でのリムボルトの差し込み具合が写真付き(最大締め込み状態、最小締め込み状態)で示されていました。
B > 記事の様に紙1枚の隙間が無くなってしまうかもしれないと思いました。この場合は、紙1枚入る程度の基準も参考にすべきですか?
現在私の手元にソヴレンのマニュアルが無いのでその写真が確認できませんが、AとBの説明が矛盾しているということでしょうか?
>そして本題は、説明書の基準は超えていなくてもリムの厚さによって(リムに厚さの違いがあるのかは分かりませんが)は
リムの厚みはメーカーによって異なります。旧日本メーカー・アメリカ・イギリスなどは厚めで、韓国・中国系は薄めのところが多いです。
そうです。
ホイットで2回転半/W&Wで4回転というのはメーカーの設計位置で、その位置で、28インチ引いた時に表示ポンドが出る位置のことです。
とありますが、MKのメーカー設計位置はどのようになっているのでしょうか。お分かりであればご互享受ください。
もう少し具体的に説明していただけますか?
https://www.carousell.sg/p/mk-archery-zest-limbs-formula-276459643/
MKはMK基準とHOYT基準両方表記です、弊社での表示はMK基準です。
ご回答、ありがとうございます。
私のリムは御社で購入したILFのZESTですが写真のようにMK H、HOYT Hのような記載はなく一つのみです。これはMK基準と考えてよろしいでしょうか。それともILFの場合は差がないということでしょうか。
又、MK基準とはリムボルトの回転位置はどこになるのでしょうか。(当然MKハンドルの場合とは思いますが)たびたびでもうしわけありませんが、おわかりであればお教えください。
ひとつだけの場合にはMK基準です。WINと同じ4回転となっています。
A リムボルトの特徴的な形の部分が何処まで入るか、ということが写真付きで示されている。
B 紙1枚の隙間ができる所までリムボルトを締められる。
となっていて、Aの通りにギリギリまで締めるとBの通りに紙が通せなくなります。それが大丈夫なのか、ということをお伺いしたかったです。
ちなみに、Bの話はストリングを張った状態ですか?それとも外した状態ですか?
A リムボルトの特徴的な形の部分が何処まで入るか、ということが写真付きで示されている。
B 紙1枚の隙間ができる所までリムボルトを締められる。
となっていて、Aの通りにギリギリまで締めるとBの通りに紙が通せなくなります。それが大丈夫なのか、ということをお伺いしたかったです。
3週間後に再入荷するので、そうなれけば正しい回答ができると思いますが、現状、私の推測では、それ(A)はハンドルの話ではないかと思います。
Bは弓(ハンドルとリム)の話です。
緩めるほうがわかりやすいので、それらで説明すると、ハンドルとリムで弦を張った状態では4回転まで緩められるリムがあるとしても、本当にリムボルトを4回転緩められるとは限らず、
ハンドル側の設計でこれ以上緩めるとリムボルトが外れる、または、リムボルトが1回転しか入っておらず危険という位置はあるわけで、
リムの設定として4回転まで緩められると設定されていても、ハンドル側の緩める限界にも注意は必要です。その説明で理解いただけますか?
>ちなみに、Bの話はストリングを張った状態ですか?それとも外した状態ですか?
張った状態です。