この記事は2021年6月10日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

【完全版】ポンド調整機能についての解説

毎年、1-2度はポンド調整機能についての質問を受けます。何度が記事にしていますが、今回、この記事一つにまとめてみようと思います。今後、回答するときにはこの記事のリンクをもって回答しようと思います。

まずは、ポンド調整機能(ティラー調整)とはなにかについて説明します。ポンド調整機能は、ハンドルに対してのリムの角度(今後はただリムの角度と書きます)を変更することで、リムの引き始められるの位置を変え、それによって実質ポンドを変更するという機能です。

2001年までは日本にヤマハというメーカーがあり、このメーカーでは、設計時の最適なジオメトリーを変更することで、ポンドを変更する仕組みを採用していました。そのためにポンドによっては弓が最適な性能を発揮ではない状態がありました。ですので、当時には最適差し込み角度という概念が存在していました。詳細は下記の記事を参考にしてください。現在は存在しないので、ポンドを変更することで性能が変化することはありません(*)。

*ポンドを上げる/下げることで絶対的に性能が変化することはないだけであり、自分の感覚や体力・矢のスパインなどが合わなくなり、相対的にグルーピンクが悪くなることは当然あります。

リムの角度を調整する以上、大事なのは当然、リムボルトとリムの関係です。リムボルトの位置とそれによって決まるリムの角度がポンドを決定します。そのために、調整可能範囲の「締め込んだ位置」というのは、ハンドルとリムボルトの関係ではなく、リムボルトとリムの関係からの締め込んだ位置です。詳細は下記の記事を参考にしてください。

メーカーによっては、ハンドルにリムボルトを締め込んだ位置からの表記をしているところもありますが、こちらはあくまで自社のリムに対しての表記です。リムはメーカーによって厚みが異なり、異なるメーカーを組み合わせる、発売時期がずれているリムを合わせる場合には参考にできないので、上記のやり方を弊社ではおすすめしています。

最後は簡単な確認方法です。正しく使用している場合、リムの装着痕は写真上のようになります。リムの末端がリムボルトの正しい位置に接している状態で使用されたことを意味しています。正しく使用されていないと写真下のようになります。これはリムボルトの丸い部分の末端がリムに接していた状態で使用されていることを意味しています。新しいリムは正しくセッティングしていただくとして、今使用しているリムについて不安な場合にはリムの装着痕の状態をご確認ください。また、リムを正しく使用していない場合保証が効かない可能性があります。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

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