先日から何度かこちらのブログでも登場し、販売も開始した「トルクレスDループ」ですが、実際に装着する際の注意点です。
トルクレスDループを取り付ける箇所はノックの下にします。
そしてノックの上側にもノッキングポイントを作ります。(巻きます)
そこで上側を作る際の注意点を。
通常のDループ使用時と同じようにジャストサイズでトルクレスDループのノッキングポイントも作ってしまうと、上の写真のようにフルドローした時に上側のノッキングポイント糸が下向き方向に強く働き、ノックを下方へ強く押し下げてしまう力が発生し、結果矢全体が下向きの力加減になってレストにプレッシャーを与える事になってしまいます。
ですのでこの「ストリングがフルドロー時に折れ曲がった時の角度」を加味して上側の糸はやや上方に位置をずらして巻きます。
下の写真では(私の弓の場合)、上側に約3ミリのすき間を作りました。
一般的にノッキングポイントはバーガーホールの水平中心線(黄色線)の延長上に使用ノックの中心を持ってきます。
下側はトルクレスDループを固定。
で、ノックの幅の分だけとばして、上方にすき間を設けて上側糸を巻く、、、と言う事です。
実はこの上の写真は撮影の為に(紫色)ノックをトルクレスDループ側に押し下げて撮影しています。
実際には上方にすき間を作ってノッキングポイント糸を巻いたら、矢を番えた時、下の写真のようにノックは上側糸に当たります。
下側にすき間が生じるので、「あれ?大丈夫?」となりますが、、、、、、、
「安心してください、ちゃんと真ん中に来てくれますよ。」
気にせず番えてドローイングに入って下さい。フルドロー時には真ん中にちゃんと来てくれます。
上の写真のように、上方に設けたすき間が下向きの押さえつける力を発生させずに、ピッタリとノックをホールドしてくれます。
どうです?ご納得いただけましたか?
トルクレスDループだと、好きなだけリリーサーをネジってアンカーに入っても「ひねりトルク」はほとんど起きません。
通常のDループでアンカー時にリリーサーをグリンとひねる人は、Dループのヤマを高くしないとひねりトルクを抑えられないので、このトルクレスDループだとヤマを高くせずに好きなだけひねる事が出来ると言う事です。
リリーサーをひねってアンカーする方は一度導入を検討してみてはいかがでしょうかヽ(^o^)丿
Yamada
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いつも興味深い記事をありがとうございます。
トルクレスDループも一度試してみようかと思った
のですが、これ、通常のDループをノッキングポイント
の下に装着するのと、どう違うのでしょう?
基本的な質問ですみません。
おっしゃる通り、Dループ用のロープでも工夫すれば同じようなものが作れるかもしれません。
違いは1点で弦に接するか、2点で弦に接するかです。
また、1点で接するトルクレスの場合、接点に倍のテンションがかかるので、このような作り方のほうが安全です。
Ryoさま
なるほど、納得です。
ご回答、ありがとうございました!
従来のDループですと、ノックに対して上下対称に弦の圧力がかかります。
ただトルクレスループでしたら上下非対称(上側に特に)に圧力がかかって、ノックの消耗が早くなったりしないでしょうか。
三つ目的を使えばノックの破損頻度は圧倒的に下がると思いますが、古いノックと新しいノックを同じ時に射つと、チューニングにズレなど発生しないでしょうか。
トルクレスをけなすつもりは全く有りませんし、文句あるならDループ使えよって気持ちになるかも知れませんが、疑問に思ったので質問させていただきます。
おっしゃっていることは理論上では理解できます。
ただ、例えばベアボウのように昔から上下非対称の状態から発射されるケースはあり、それらのアーチャーの間で非対称状態でのノック摩耗によるグルーピングの変化というものが議論されてこなかった(少なくとも自分は聞いたことがない)ことからして、問題になるようなことはないと思います。
また、コンパウンドは最も弦に角度がついているときには非常にポンドが低く(10-20ポンド)、35-45ポンドもあるベアボウに比べて、さらに摩耗が少ないと考えられるので、考慮に入れるような要素ではないかと思います。
(Larry Wise on Coaching Archery より)
>従来のDループですと、ノックに対して上下対称に弦の圧力がかかります。
そうとは限りません。Dループは写真のようにいくつかの装着方法がありますが、上だけに金属ノックをつける方法や下にだけノッキングポイントを付ける方法(自分はこれ)の場合、弦の圧力は対称にならないと思われます。
いつも楽しく読ませていただいております。
トルクレスDループについて質問させていただきます。
ATAの長い弓の場合、弦は45度に傾きますので、
ノックの幅の1.42倍のノック幅が必要になるのは理解できます。
{矢を番えた時、下の写真のようにノックは上側糸に当たります。」とあります。
上側糸に当たることについての根拠は理解できませんが、
「でも、ドローイングするとフルドロー時には真ん中にちゃんと来てくれます。」
これは理解できます。
しかし、リリースして矢が弦から離れるときのノックの居場所は
上側ですか?下側ですか?それは一定ですか?
仮に、3mmの上方にすき間を不安定に移動するとした場合
矢は上下にばらけませんか?
「好きなだけリリーサーをネジってアンカーに入って」しまう私にとって、
「「ひねりトルク」はほとんど起きません。」はとても魅力的です。
>上側糸に当たることについての根拠は理解できませんが、
これはポイントが重いときですね。FOCが大きいとレストをてことしてノックが上がってきます。
>しかし、リリースして矢が弦から離れるときのノックの居場所は
>上側ですか?下側ですか?それは一定ですか?
ノックの居場所(リリース時からブレースまで)はノックトラベルの調整と呼ばれるもので、
ノッキングポイントの位置と作り方だけに依存するものではありませんので、この条件だけをもとにお客様の質問に答えるのは困難です。
>仮に、3mmの上方にすき間を不安定に移動するとした場合
>矢は上下にばらけませんか?
ブレースハイトを大きくとっている場合などでは考えられますので、Dループの交換だけではなく、
弓の調整を求められる場合も十分にあり得ます。