【ATA2016】ボーニングの2016年新設計、ショートイアーノック

スムーズリリースピンノックとバイターノック (2)以前にボーニング(Bohning)の2016年の新しいベインについて記事にしましたが、ATAのブースで新しいノックについての紹介を受けました。

スムーズリリースピンノックとバイターノック (3)
Lサイズのノックですので基本的にはコンパウンド用です。スムーズリリースピンノック(Smooth release pin nock)の特徴は名前の通り、素早いリリースを実現するために、ノックの後方(ノックイアー=ノックの耳)を最小限まで短くすることで、弦からノックが離れるときのクリアランスの時間を短くしています。写真はバイターのピンノック(ハンター)との比較ですが、バイターの”耳”が4.5mmであるのに対して、このノックでは1.5mmしかない設計になっています。

この部分のクリアランスに問題を抱えているアーチャーは多くないと思いますが、ミスショットなどで弦がイレギュラーな動きをした時には、より確実なノックのクリアランスを得るためのアドバンテージになると思います。ただ、硬い素材を使用しているので、ノックの重さは軽くなく5グレイン。

スムーズリリースピンノックボーニングのノックは色が非常に多いので、全色は在庫できませんが、いくつかの色では在庫して取扱いしていく予定です。2月の末入荷予定です。


【ATA2016】スコットがユニークなハンドルを持つHaloを発表

DSC_1470スコット(Scott)がATAでユニークなハンドルを持つリリーサー、ヘイロー(Halo)を発表しました。動作する機構は非常に一般的なバックテンションタイプのリリーサーで、新しい点はユニークなハンドルを持っていることです。

DSC_1471DSC_1472DSC_1473ブラスで製造アされたハンドルは一般的なとり掛けた指に対して直角にかかる部分だけではなく、サイドもカーブしており指にフィットするようになっています。テストしたモーガン選手によるとリリーサーの感覚がよりダイレクトになり、リリーサーの状態(*)を知覚しやすいそうです。

*位置と角度。リリース時にリリーサーはアーチャーから見えない位置にあるのでも、重さとハンドルの感覚でしか知覚できない

3本掛けの1モデルのみで、2月末の入荷予定です。姉妹メーカーのCBEからは新商品の発表はありませんでした(サイトの色が増えただけ)。


【ATA2016】TRUからフィンガーレスリリーサーが正式に登場

DSC_1441先ほど店舗にも問い合わせがあったようですので、先に記事に。

長年この仕事をやっているので、たいていの道具は見れば何に使うのかわかるのですが、新しく発表されたこのリリーサーは見ても使い方が理解できず、ブースでTRU担当に聞いたところ、モデル名のHTフィンガーレスの名前の通り、顎でリリースする選手向けのリリーサーだそうです。このL字のバーを顎で前に押してリリースします。

HT_fingerless_jpアームレスアーチャーとして有名なマット選手(Matt Stutzman)のために開発されたリリーサーですが、問い合わせが多いために製品化されたようです。ただし、通常のバックルストラップに装着された状態で販売されるので、彼のように使用するためにはご自身で体に装着するための機構を作っていく必要があります。

在庫の予定はないですが、取り扱いは可能です。問い合わせください。


【ATA2016】GEARHEAD ArcheryのT18試射しました

Gearhead-319-ThreeGreenBows_Trans_0f7ba028-fe3f-4fb8-b6b2-6e3a9ca4dbb7以前に記事で紹介したGEARHEAD ArcheryのウルトラショートボウT18(アクセル間18インチむ)がテストレンジにあったので試射してきました。

DSC_1464写真は通訳担当の林。文句なしに取り扱いやすく、軽く、ユニークな弓でした。

DSC_1463驚いたのはT18のドローレングス調整で、弓自体は25インチで固定されています。これを希望するドローレングスに合わせてリリーサーのヘッドの長さを変えるというとんでもない設計です。対応できるのは27インチくらいまでが限界で、これ以上ではT20(アクセル間20インチ、固定ドローレングス27インチ)になるそうです。

DSC_1467それにしてもよくもこんなに短い弓を作りましたね。おもちゃに一台欲しいという話になりましたが、価格(14万くらい)が高いのであきらめました。もう一度円高が来たら買います!


【ATA2016】ボウテックがファナティックのマイナーチェンジモデルを発表

Fanatic2_Black時差ボケがとれず、こんな時間に仕事しています。さて、ボウテック(Bowtech)がATAにて新しい弓をBT-Xとファナティック2.0を発表しました。

DSC_1444まず、ターゲットモデルのファナティック2.0。昨年発表されたモデルのマイナーチェンジです。より安定性を向上させた設計になっています。一番の違いはカムの変更で、それによってリムの角度がより立ち、アクセル間が36.5インチから1インチ伸びて、37.5インチに。ブレースハイトが7.75インチから0.4インチほど低くなり、7.38インチに。0.1ポンド重くなりました。また、矢速は10fps低下して315fpsになりました。マイナーチェンジで10fps落としてくる変更は珍しいです。

*すべてロングドローモデルの数値

DSC_1445もう一つの変更点はシュートスルーの位置で、前のモデルに比べてシュートスルーのウィンドウの位置を上に上げました。これは前モデルで手の大きさ・グリップによっては指がウィンドウに触れてしまうという問題が報告されていたことに対する改善です。

DSC_1446また、弓のグリップのテクスチャ(手触り)が変更されています。以前のものはつるつるでしたが、少しグリップのある感じになりました。これは性能的な点というよりも、以前のモデルの高い価格(国内定価158,800円)、原価を下げるのが目的で、光沢のあるアルマイト塗装を施さないことで原価が安くなります(*)。

*この変更で原価が安くなるかどうかはメーカーの持っている装置によって異なります。同じ原価で作れるメーカーもあります。

日本での価格はまだ決めていませんがも、15万円を切る価格で販売できることは間違いないです。

2.0ではカムが2種類用意され、対応するドローレングスは26-31インチから、ショートドローカムで24-29インチ(国内ではほぼこのサイズになるかと思います)と、ロングドローの28.5-32.5インチになります。3月から出荷が始まるそうです。

DSC_1447もう一つの新モデルはコンパクトなバランス重視のBT-X。ショートドローモデルとロングドローモデルがあり、28インチカムモデルで、ドローレングス25.5-28インチ、アクセル間31インチ、重さ4.2ポンド、矢速333fpsで、価格は10万円程度です。矢速重視、軽さ重視など突き詰めたモデルが多いボウテックでは久しぶりのバランス重視モデルです。こちらは取り寄せでの販売とする予定です。
prism-2016ボウテックの姉妹ブランドのダイヤモンドからはDEPLOY SBとPrismが発表されました。プリズム(Prism)の方はなかなか面白いモデルで、簡単に説明すると低価格でカラフルなフュエル(FUEL)です。フュエルは黒しかないので、スペックが合えば、カラーのプリズムのほうが良い方もいるかもしれません。

ドローレングスは同じ18-30インチ、プレーハイトも同じ7インチ、ハンドルの設計も同じです。違いでは、アクセル間は0.5インチ短い31インチ、調整可能なポンドが5-55ポンド(フュエルは14-70ポンド)、矢速は25fps低下し、295fpsで、重さは0.2ポンド(約100g)軽くなっています。サイト(ハンティング用)とピープとレストが付属しているパッケージの形で提供され、価格はフュエルより5000円ほど安いです。取扱いする予定で出荷は2月末です。

以上が2016年のボウテックです。


ATA 2016参加してきました。

ATAアーチェリー2016アメリカのルイビルで行われたATAショーに参加してきました。ATAは世界最大のプロショップ向けのアーチェリー展示会で、入場するには正規代理店であることを証明することが必要です。

ATA入場証ほかの展示会(ニームとベガス)との違いはこの点で、一般の入場者はないので、どのメーカーのブースでも話が早く、すぐにビジネスの話ができ、ブースの上に代理店向けの価格表が普通においてあったりします。

DSC_1481とはいえ、ブースを出展しているメーカーは600社以上で、もらったカタログを積み上げるとこの量です(取引しているメーカーだけで)。ミーティングをしながら参加するのであれば2日は必要です。

locoutdoorz私たちはもう何度も参加しているし、仕事は基本日々メールでしているので、ATAには各メーカーの担当者との顔見せと新規メーカーの発掘という感じです。ビジネスの基本は人と人ですので、年に一度くらいはあっておいたほうがいいかなと思っています。今回は、HushpukLoc Outdoor Zという2社が取引はしているものの、直に会ったことがないメーカーさんで、両方ともいつもメールでやり取りしている担当者の方にお会いできました。これからもよろしくお願いします。
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easton_prolink2まずは、イーストンのブース。特に新商品はなく、新しく展示されていたのはプロリンク(Pro Link)という新しいエクステンダー。設計は特に新しいものではなく、両方のブッシングをつなげて安定させるというドインカーなどがかなり前から採用していた設計です。違いはこれを開放型ではなく、チューブの中に入れたことですが、近年イーストンがコンツアーなどで取り組んでいる空気抵抗の低減という点では、開放型のほうが良かったのではないかと思います…まぁ、そうすると見た目がドインカーのまんまになっちゃいますが。。

DSC_1389次にビクトリー(Victory)です。すでに発表されている新しいシャフトを見てきました。RIP-XSのほうが気になっていましたが、その名前ハンティング用で、ターゲット用としては、3DHVという名前で発売されるようです。性能としての違いはなく、シャフトにプリントされているロゴが違うだけです。それと付属するパーツがハンティング用とターゲット用と違います。なので、取り扱いは3DHVのほうにする予定です。

VAPターゲットと同じ精度で、特徴は軽いこと。500番スパインでGPIは5.0です。ブッシング(付属します)を装着後、ボーニングのFノック(付属します)を装着する設計で、Gノックやバイターインサート121と互換性があります。内径0.204″なので、ポイントなどはACC-04シリーズと互換性があると思われます。これは入荷後にチェックします。2月くらいに入荷予定です。

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最後にシャフトメーカーの新規メーカーさんのブラックイーグル(Black Eagle)というメーカー。2010年ごろの創業だったと記憶しています。気にはしていましたが、実績がないので紹介はしていませんでしたが(実績のないシャフトメーカーは大量にある)、先日、クリストファ・パーキンス(2011年世界チャンピオン)が使用して初めて大きな試合での実績を獲得しました。

Black_eagleアーチェリーターゲット向けとしてはXインパクトとPS23という2つのラインがあります。何もまだ決めていませんが、担当さんと面白い話ができたので、取り扱いに関しては今後検討してみたいと思います。

飛行機の時間が近づいてきたので、まずはここまで。


ATA 2016始まってしまう…

6588_10208689483537095_3312196961628265952_nATA 2016が1月5日(日本時間6日の早朝)に始まり、ボウテックやエリートが新しいモデルの発表を開始していますが、今年は出発日の関係で、現在まだポートランド、アトランタ行きの乗り継ぎ待ちです。アトランタからさらにもう一回乗り継いでATAが行われているルイビルです。

6日からATAに参加します。詳細はもうしばらくお待ちください。


GOLD TIPの2016年ラインナップについて

Gold_tip_Nine_3_shaftゴールドチップが2016年のラインナップを発表しました。まずは、新しいぎりぎり9.3mm規制対応の大口径シャフトです。9.3mmは0.366″ですが、これまでゴールドチップでは0.337″のSerise22しかありませんでした。新しく発売されるNine.3(9.3)は0.365″とぎりぎりまで太くしたシャフトです。

SONY DSCワールドカップバンコクからディートン選手が採用し、先週行われた、アメリカ代表選考で選考に先行されました(世界室内選手権)。

非常に魅力的なシャフトだと思いますが、CXやイーストンのようなリカーブ向けシャフトも製造しているメーカーのインドアシャフトと違い、シャフトは硬めのワンスパイン(250)です。コンパウンドではパラドックスは大きくないので、インドアシャフトではスパインの一致よりも、硬いシャフト(パラドックスからの回復が早い)をベースに、リカーブでは考えられないような200grやそれ以上の重いポイントを装着してチューニングするという考えがあり、それに従った設計になっています。ちなみに、スパイン250というのは30インチの引き尺でも80ポンドないとスパインは合わないので、スパインを合わせてうちたい人がこのシャフトを選択することは事実上無理です。

日本での需要がどれだけあるのか予想できないので、まずは取り寄せでの扱いにする予定です。

Gold_tip_Pierce_shaft次は、ゴールドチップ初の極細タイプのシャフト、Pierce(ピアース)です。価格的にはA/C/CとA/C/Gの間で、シャフトの精度はA/C/Gと同じで、内径も0.166″を採用。Gノックサイズで、精度も同じなので、ノックも共通で使用できると思われます。
Pierce_partsこのシャフトはかなり画期的なものですが…ターゲット競技でそれが生かせるかと言われると。まずは、このシャフトの革新的な特徴は極細シャフトであるのに、インサートを使用する事でフィールドポイント(スクリューインポイント)を装着できることです。フィールドポイントのスタンダードねじサイズは8/32で、その径は0.164″です。なので、基本的に0.166″径のシャフトにインサートを入れて装着することは物理的に不可能です。そのシャフトでは、インサートの外部にねじ装着部を設けることで装着を可能にしています。

ただ、この画期的な設計はスクリューインポイントでないと価値がありません。もちろん、通常のターゲットポイントも装着できますが、それではちょっと安いA/C/Gになってしまいます。特徴は他の極細シャフトと違い、ゴールドチップ特有のFACTシステムでポイントの装着後もポイントの重さを微調整できる点でしょうか。

400/500スパインに関しては在庫する予定です。250/300/340は取り寄せとして取扱いする予定です。

Gold_tip_Traditional_XT_shaft最後のシャフトはトラディショナルアーチャー向けのカーボンシャフトです。現在市場にある多くのトラディショナルシャフトはウッド調であるものの実質的にはカーボンシャフトです。このシャフトもそうですが、ただのウッド調デザインではなく、ウッドシャフトの中でも最も性能が高いとされているフッテッドシャフト(19世紀に考案されたCXのシャフトのように2つの素材を組み合わせて1つのシャフトにすることでデュアルスパインを実現したシャフト)のデザインパターンがプリントされていることです。かっこいい矢が完成すると思いますよ!

これで、イーストン、Victory、CX、Goldtipの2016年が全部で揃いましたね。フィールド向けに何か新規にエントリー向けのシャフトの取り扱いを考えていますが、悩ましいところです。


【インドア】リカーブ・トップ選手のアンカー&リリースの動画

SONY DSC先日のワールドカップバンコクでの1/2まで残った選手たちのアンカーとリリースの動画です。
全員X10を使用していますね。コンパウンドでは太い矢を使用しないとどうにもなりませんが、以前にはリカーブではどっちがよいのかという議論がありました。現在の状況を見る限りでは(高いレベルでは)アウトドアと同じ矢を使うのが主流のようですね。羽もアウトドアセッティングから大きくは変わっていないです。