アーチェリーシューズを選ぶ

アーチェリーシューズの選び方2015年11月の記事です。インドアシーズンに一度考えてみてはいかがでしょうか。


全日本ターゲットも終わり、これからいよいよインドアの季節です。インドアはもちろん非常の興味深い競技フォーマットでもありますが、来シーズンのターゲットに向けて射形・道具を見直す時期でもあります。

今年のインドアでは新しいシューズを考えているのですが、アーチェリーに使用するシューズはどのように選んでいるでしょうか。以前、アーチェリー向けシューズというものが販売されたことがあると聞きますが、それらはおそらく限定された状況向けだったと思います。すべての人に当てはまる理想的なアーチェリー用のシューズは存在しません。

上の写真は自分も参加した2014年のインドアワールドカップのバンコクです。シューズの写真は決勝に残ったトップ選手だけを集めたものです。全く同じシューティングラインでもトップ選手の中でシューズに対する考え方が違うのがわかるかと思います。

射場ごとの地面の違いとアーチェリーシューズ次にシューティングラインの違いです。上の写真は3つとも自分がよく参加する試合のシューティングラインですが、上から横浜の富岡、静岡のヤマハリゾート、東京の小金井です。全然違うことがわかるかと思います。それぞれの射場に合った選択が存在するのでしょうが、すべての射場に合わせてシューズを変えることもまた別の問題を引き起こすので、よく使用する射場と大きな試合で使用する射場との間で、妥協点を見つける必要があるでしょう、

シューズを選ぶときに不安定なものをあえて選ぶ人はいないでしょう。求めるものが安定性であるのは間違いないですが、どの靴が安定するのかは、人と場所によって変わります。結局どのシューズがベストなのかではなく、自分に合った、射場に合ったシューズを考えることが大切です。

その前にこちらの記事を読んでみることをお勧めします。内容はアディダスがロンドンオリンピックのために提供したシューズの一覧ですが、同じシューズでも競技によって求められる性能・設計がどれだけ違うかわかると思います。

【アディダス: 2012 年ロンドンオリンピックフットウェア】 (PDF – 1.1MB)

アーチェリー用シューズの一番の主流はアメリカチームのコーチ、リー・キーシクさんがお勧めしているのは、スケートボード用のシューズです。しかし、一言でスケートボードシューズと言っても、さらにその中で選び方があります。

SKATE SHOES スケートシューズの選び方
http://www.nollieskateboarding.com/skateshoe/

ナイキSBポールロドリゲス9エリートフラッシュシューティングラインが安定している場所(体育館や整備されたコンクリート)には接地面が広いこのシューズが最も合っていますが、ソール(靴底)が厚く、硬い、平坦なので、そこを嫌うアーチャーもいます。また、トレッドが少ないことも特徴ですが、自分はそのほうが好きです。上の写真はナイキ SB ポール ロドリゲス 9 エリート フラッシュです。

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つぎに韓国チームが採用しているのが、スケートシューズと逆の設計ともいえるウォーキングシューズ。それらはしっとりと足にフィットするように作られています。そのサポート巻を好むアーチャーもいます。また、多くのウォーキングシューズは、スケートシューズと違い防水性があるので、雨の試合でも安心して使用できます。韓国チームがアメリカチームと逆のタイプのシューズを採用しているのは何とも興味深いです。

kolonsport写真のジンヘク選手が使用しているのはKolonsportという韓国メーカーのウォーキングシューズです(efx5772)。日本で購入することは難しいようです。

SHG550_main足場があまり良くないときには、しっかりと地面にグリップするためにはゴルフシューズという選択肢もあります。通気性がよく、軽量で、ソールにグリップがあり、防水です。写真はブリッジストンのゼロ・スパイク バイター。

最後に汎用的な運動用シューズを選択するアーチャーも多いです。この場合、細かい定義をすることは難しいですが、細かく用途が特定されていない分、多くの射場にそれなりに適応します。選択する時によく言われるアドバイスはリラックスです。100m走のような激しいスポーツをする場合、練習用のシューズで少しきつめのものを選び、試合でもさらに人サイズ小さいものを選ぶ人もいます。かなりきついですが、より高いフィット感のためには仕方ありません。しかし、アーチェリーはそこまで激しい運動ではなく、競技時間も長いので、リラックスできるサイズ(少し大きめ)がよいでしょう。

アメリカチームと韓国チームが逆のタイプを採用していることからも、アーチェリーシューズに絶対的な正解がないことは分かっていただけると思います。ざっくり言えば、接地面の広さ(スケートシューズ)をとるか、足とのフィット感(ウォーキングシューズ)をとるか、地面とのグリップ(ゴルフシューズ)をとるか、それか汎用的な運動靴でその3つのバランスを探るかの4つの選択肢になると思います。

さて、みなさんは何を選択しますか?