WINから2021モデルのカーボンハンドルのMeta DXが出ました。ホイットのように日本で特定の代理店がない場合はこちらで名前つけますが、WIN JAPANさんがいますので、メタDX(ディーエックス)と呼ぶのか、メタデラックスとなるのか、発表を待ちたいと思います(この記事時点では発表無し)。
さて、Meta DXですが、ラディカルPROを超える、かなり高価なハンドルです。価格は10万円近くになり、弊社で取り扱っているものの中では最も高くなります。実はラディカルPROが1台も売れていないので、売れるか心配です。
近年ベアボウが広がりを見せていて、弊社では2018年から対応できるよう進めていますが、最近では日本国内でも多くの方が身近にも広がりを感じるほどになっているのではないかと思います。ターゲット競技も始まりました。最近の東京都の試合では、リカーブ33人、コンパウンド22人、ベアボウ11人と3:2:1でした(すべて一般男子部門)。ちなみに個人的には来年からターゲットにも参加したいと思っています。
ホイットは2019年モデルからアメリカのトップアーチャーをGilloから引き抜いて、ベアボウへの対応を進めていますが、ウィンも2021年からベアボウへの対応をします。アドバイザーは2月にベアボウに参入したメダリストのカミンスキー選手でしょうか(韓国のプロベアボウ選手にはあったことがないです)。
最大の特徴がダンパーの内蔵です。ウィンがまだターゲット用コンパウンドを新規開発しているかわかりませんが、自社開発ではなく、コンパウンドではライバル関係にあるマシューズとコラボした、ハーモニックダンパーを搭載しています。
競技規則では「スタビライザーが取り付けられていない限り、弓の一部として、振動吸収用のダンパーを使用することができる。」
とあります。つまり、ダンパーはウェイトとの組み合わせでしか使用できません。その効果を最大化するためにハーモニックダンパーを選択したものと推測しますが、そのコストがそのまま価格に反映されてしまった感じでしょうか。
もう一つがウィンがずっと取り組んでいるトルクの低減。それがグルーピングに影響を与えることは間違いありませんが、他のメーカーはあまり前面に出していません。それはスタビライザーを装着することでも低減でき(*)、ハンドル単体で解決しなくてもよいという考えです。
*コンパウンドで発生するトルクとは違うものです。
対して、ベアボウではスタビライザーは許されていないので、ウィンのトルク低減技術はベアボウとの相性はよいと思います。
また、レストプレートにも何か新しい構造が取り入れられているよわうですが、どこにも発表されていません。おそらくはホイットのような可動式のレストプレートではないかと思います。
まとめとしてベアボウハンドルとしては良いハンドルだと思います。最新のウィンの技術で、ベアボウにも対応できるハンドルを作りましたというモデルです。
訴求ポイントは振動吸収能力・トルク低減ですが、そのコストとして一般的な上位モデルよりも2-3万円高いです。しかし、これはリカーブでは両方ともスタビライザー・ダンパー・アッパーで解決できる問題でもあるので、リカーブ用としてはやはりちょっと高い感じがします。1台は在庫しますが、取り寄せでの対応となると思います。