【布教活動】札幌・The Bow bar 行ってきました。

IMG_20150619_235612飲み屋でのお話。

6月の全日社会人ターゲットで札幌に行ってきましたが、事前に面白そうな飲み屋がないか調べていると「The Bow bar」というお店を発見!アーチャーとしてこれは行かなければいけないということで、ジンギスカンを食べてから訪問しました。

11536062_10207333155389739_2848751804445995676_nお店はとても素敵な感じで、シガーにお酒はジントニック、古いムートンのフィーヌ、そして、最後に頂いた80年代瓶詰めのロマーノ・レヴィ(ニガヨモギ)は完璧な味わいでした。

921365_574108309291143_1706422414_oさて、夜も更け、オーナーバーテンダーさんとの話はアーチェリーに。上記の写真が店内に飾られていた弓と矢のエンブレム。デザイン自体は友人に任せたということだったので、この弓は何だろうかという話題に。

まず、一見してわたることはリムの上下の長さが同じ。和弓やローマの弓は上のリムが長いので却下。もう一つは、リムがリカーブしていること。これでリカーブしていないイングリッシュロングボウやアメリカンネイティブ(インディアン)の弓も候補から外れます。

残る候補はトルコ弓、モンゴル弓か中国弓ということになります。ここから専門的な話になるので、うまく説明できたかわかりませんが、一つ注文すべき点はハンドルがストレートであること。中国弓は地上で使用されることが多かったために、リフレックス設計でブレースハイトを低く設定してパワーストロークを長くとるものが多いので候補から外すと、残るはモンゴルとトルコだけになります。モンゴルもトルコも弓自体の設計でもお互いに影響を受ける存在でしたが、この理由は双方ともに騎兵隊が弓を使用する事が多かったために、馬上からの射で安定性を得るためにハンドルがストレート、または、デフレックスで作られていたことです。

さて、そのどちらが正しいかとなると悩ましいところですが、その判断ポイントは長さです。同じような設計でも、トルコ弓が世界最強と呼ばれているのは、その短さで、多くは30-35インチほどだったとされています。対して、モンゴル弓はもう少し長く、40-50インチ以上程度のものでした。しかし、エンブレムに登場している獅子は…ライオンだとしても、その大きさは3mほどになってしまい、そのような弓は存在しません。ということで、今回は獅子ではなく、対となる矢の長さをスケールとすると、30-35インチのトルコ弓が最も近いものになるかと思われます。

次に矢ですが、これはどう見ても一つの素材から出来上がっているものには見えません。若干装飾すら施されている後半部分と鋭く滑らかな矢の先端部分から構成されています。これをクラシックな矢(カーボンやアルミではなくてウッド製)として考えると、これは一つの木からできているセルフシャフトではなく、2つの木から出来上がっているフッテッドシャフトになります。スティールと呼ばれる中央から後半部分は湿度に強く木目がまっすぐで軽い素材が選ばれますが、獲物に当たる先端部分(ヘッド)は、威力を高めるために手に入る材料の中で最も硬い木材が選ばれます。

この二つの素材を三角ハギによって接合し、矢が完成します。

ということで、こちらのバーの弓はトルコ弓、矢はフッテッドアローというのが私の推測です。

小一時間アーチェリーネタで盛り上がりましたでしょうか。札幌でアーチェリーの布教してきました♪

ちなみにこちらのお店が”Bow”なのはアーチェリーとは関係なく、オーナーバテンダーさんの名前に”矢”の文字が入っているからそうです。