シャフトは精度だけではない-ゴールドチップ耐久性テスト

何度も書いてきましたので、こちらの記事を読んでいただけている方であれば、理解していただいていると思いますが、スポーツ用品において、性能と耐久性は違います。

競技用の上位モデルでは性能を高めるために耐久性を犠牲にしているものもあります。上位モデルがエントリークラスのものよりも耐久性があるという理屈は成り立ちません。シャフトの場合、その性能や精度は数値として表現することができますが、耐久性となるとなかなか知ることは困難です。

一応、使用しているカーボンのグレードなどから推測することは可能ですが、それはあくまでも耐摩耗性などの点であり、製造時の精度をどの程度保持できるかは、製造方法などとのかかわりもあり、与えられた情報だけから計算・推測することは困難です。実際に使ってみないと分からない状況です。

こちらはゴールドチップ社がATAショーで実演しているテストで、理論とかそんなことは抜きにして、実際に曲げてみて、どのくらいで壊れるか見せるという何ともアメリカらしいセールス手法です。それにしてもこんなに曲がるんですね、売っている方もびっくりです(笑)。

いろいろなメーカー試してみませんか?

*アバロンのTEC ONE V1シャフト入荷待ちスパインはほぼすべて1月末に入荷するとの連絡がありました。発売3週間程度で30ダース以上販売しています。ありがとうございます。


ゴールドチップ新作シャフトPierce(ピアース)、世界戦でメダル獲得!

ANT16_A16_4084まだ入荷していませんが、ゴールドチップ新作シャフトPierce(ピアース)が、さっそく世界戦でメダルを獲得し、実績あるシャフトとなりました。先週末のワールドカップ2016アンタルヤでPierceを使用するドマゴイ(Domagoj Buden)選手がブロンズメダルマッチでシュロッサー選手に勝ち、145対143でメダルを獲得しました。

ANT16_B16_4672日本ではイーストンとイーストンしか売らない契約を結んでいるショップが多いので、イーストンしか売らないショップが存在していますが、海外ではメジャーなブランドだけでも10以上はあります。シャフトの種類も膨大にあります。

ただ、WAの世界大会でメダルを獲得しているシャフトとなるとその数はかなり限られています。現行品で自分が把握している限りでは、

(アウトドアターゲット)
イーストン ACE / X10 / X10プロツアー
カーボンエクスプレス Nano Pro / Nano Xtreme / Nano XR
ゴールドチップ Ultra Light Pro / new Pierce Platinum

10以上のブランド、恐らく100種類以上あるシャフトの中で、世界大会で実績があるのはわずか、そこに新しくPierceが加わりました!!おめでとうございます。そして、この8種類のシャフトの中でも最も安いのがこのシャフトです。リカーブでも使用していただけます。入荷が楽しみです。多分7月末です。

ちなみに上の写真を見ると、どうやら彼はシャフトを2つの方向から使い分けているようです…なぜでしょう。機会があったら聞いてみます。


GOLD TIPの2016年ラインナップについて

Gold_tip_Nine_3_shaftゴールドチップが2016年のラインナップを発表しました。まずは、新しいぎりぎり9.3mm規制対応の大口径シャフトです。9.3mmは0.366″ですが、これまでゴールドチップでは0.337″のSerise22しかありませんでした。新しく発売されるNine.3(9.3)は0.365″とぎりぎりまで太くしたシャフトです。

SONY DSCワールドカップバンコクからディートン選手が採用し、先週行われた、アメリカ代表選考で選考に先行されました(世界室内選手権)。

非常に魅力的なシャフトだと思いますが、CXやイーストンのようなリカーブ向けシャフトも製造しているメーカーのインドアシャフトと違い、シャフトは硬めのワンスパイン(250)です。コンパウンドではパラドックスは大きくないので、インドアシャフトではスパインの一致よりも、硬いシャフト(パラドックスからの回復が早い)をベースに、リカーブでは考えられないような200grやそれ以上の重いポイントを装着してチューニングするという考えがあり、それに従った設計になっています。ちなみに、スパイン250というのは30インチの引き尺でも80ポンドないとスパインは合わないので、スパインを合わせてうちたい人がこのシャフトを選択することは事実上無理です。

日本での需要がどれだけあるのか予想できないので、まずは取り寄せでの扱いにする予定です。

Gold_tip_Pierce_shaft次は、ゴールドチップ初の極細タイプのシャフト、Pierce(ピアース)です。価格的にはA/C/CとA/C/Gの間で、シャフトの精度はA/C/Gと同じで、内径も0.166″を採用。Gノックサイズで、精度も同じなので、ノックも共通で使用できると思われます。
Pierce_partsこのシャフトはかなり画期的なものですが…ターゲット競技でそれが生かせるかと言われると。まずは、このシャフトの革新的な特徴は極細シャフトであるのに、インサートを使用する事でフィールドポイント(スクリューインポイント)を装着できることです。フィールドポイントのスタンダードねじサイズは8/32で、その径は0.164″です。なので、基本的に0.166″径のシャフトにインサートを入れて装着することは物理的に不可能です。そのシャフトでは、インサートの外部にねじ装着部を設けることで装着を可能にしています。

ただ、この画期的な設計はスクリューインポイントでないと価値がありません。もちろん、通常のターゲットポイントも装着できますが、それではちょっと安いA/C/Gになってしまいます。特徴は他の極細シャフトと違い、ゴールドチップ特有のFACTシステムでポイントの装着後もポイントの重さを微調整できる点でしょうか。

400/500スパインに関しては在庫する予定です。250/300/340は取り寄せとして取扱いする予定です。

Gold_tip_Traditional_XT_shaft最後のシャフトはトラディショナルアーチャー向けのカーボンシャフトです。現在市場にある多くのトラディショナルシャフトはウッド調であるものの実質的にはカーボンシャフトです。このシャフトもそうですが、ただのウッド調デザインではなく、ウッドシャフトの中でも最も性能が高いとされているフッテッドシャフト(19世紀に考案されたCXのシャフトのように2つの素材を組み合わせて1つのシャフトにすることでデュアルスパインを実現したシャフト)のデザインパターンがプリントされていることです。かっこいい矢が完成すると思いますよ!

これで、イーストン、Victory、CX、Goldtipの2016年が全部で揃いましたね。フィールド向けに何か新規にエントリー向けのシャフトの取り扱いを考えていますが、悩ましいところです。