TECONからX10用のヘビーポイントが入荷しました。

SONY DSCSONY DSCイタリアのTECON社からイタリア製のX10ヘビーポイントが入荷しました。老舗のポイントメーカーで、こちらの設計に合わせてポイントを製造するメーカーです。

今回はX10のステンレスポイントをベースに考えました。X10よりも安いところを目指しても仕方ないので、より原価が高くても高性能なものにしました。ポイントの頭はX10のものよりも10gr重くしました。その関係で長さが4mm長くなったので、そのまま交換すると矢の長さは4mm長くなります。そして、X10のものよりも1段階多い4段階調整にしました。

製造上は5段階でも、6段階でも製造することは可能ですが、それだけシャフトの中に入るインサートが長くなるので、ポイントの取り外しの難易度が上がり、加熱のし過ぎでシャフトにダメージを与える可能性が増します。また長すぎるインサートはスパインへの影響も高く、シャフトの修正力も落とします。

ですので、今回はインサートを短くするためにもポイントを10gr重く設計し、インサートはX10よりも1段階だけ多い4段階にとどめました。インサート部分は140grのノーカットで使用する場合は、イーストンのもの(ノーカット120gr)と比べ7mm長いですが、同じ120grで使用する場合には、インサートが逆に16mm短くなります。

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110/120grはイーストンの推奨範囲内のポイントの重さです。130grはイーストンのステンレスではありませんが、高比重のタングステンポイントではラインナップにある重さです。140grはイーストン推奨範囲内から外れ、130grと比べると0.5%ハイFOCに、120grと比べると1.5%ハイFOCとなります。

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また、FOCを上げた時、矢も重くなるので矢速もわずかに低下します。その詳細は上のチャートにまとめましたのでご確認ください。簡単に書くと、10gr矢が重くなると矢速が1%低下します。逆に、矢が重くなることによって、弓の効率性が向上するので、発射されたときに矢が持つ運動エネルギーは向上します(単位はft-Lbs)ので、ポンドが低い事によって1%矢速が遅い矢と比べると、サイトは落ちません。また、運動エネルギーが高いことは風に対しての抵抗量が向上することを意味します。


【小ネタ】矢の重心 – FOCの謎

2014年から、リカーブの70m、コンパウンドは50mがメインの競技距離になります。それに伴い、推薦する矢の重心位置(FOC)変更する方がいいのではないかという話をずっとメーカーとしています。今月末にはX10用のヘビーポイントを製作する予定です。

さて、その話の中で出たのですが、FOCの定義は2つあります。これを混合すると、話がかみ合わなくなる可能性があります。

ちょっと気になって調べたら、日本語で正しく解説しているサイトがゼロだったので、正しい情報をここにまとめます。

FOCはあくまでも比較のための数値にすぎないので、絶対的に正しいFOCの計算方法というものは存在しません。プロショップじゃなく、個人なら毎回同じ計算方法を使っていればよいのです。しかし、他者とコミュニケーションする時、相手が使用している計算方法を確認しないと、正しく相手の話を理解できない可能性があります。精確性を期したい人は相手の計算方法を確認することをお勧めします。

読者の皆さんはどちらの計算方法で使用していますか?

まず、正しいというか古くからあり、ATA規格というアーチェリービジネスに関わる人たちの団体が作成し、アメリカのJIS規格に相当するASTM規格にも定められている計算方法は、片方は当然ノック溝ですが、もう片方はポイントシステムによって異なります。通常のポイント(インサートポイント)の場合は、カット面までですが、特殊なポイントの場合…

ATA規格でこの部分を定めている項目を読むと、

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(意訳)
2.1.2.1 交換可能のインサートポイントシステム、またそれに類するシャフトの先端に取り付けるアダプターやポイントを使用する場合、カット面までを矢の長さとする。
2.1.2.2. シャフトの前面がテーパー状、また直径が削られている場合、シャフトの直径が最も大きい地点までを矢の長さとする。
2.1.2.3. アウトサートを使用する場合、アウトサートの最も後方の位置から3/4”(19mm)の位置を矢の長さとする。
2.1.2.4. 一般的なポイントが付いている凹型ソケットの場合、ソケットの後方までを矢の長さとする。

ということになっています。メーカーはこのように計算しています。ちなみに、標準的なFOCは9%であり、この数値を境に、FOCが高い・低いと呼びます。

そして、もう一つは正式な定義が存在すると聞いたことはないのですが、矢の長さをポイント先までとして、ノック先までを矢の長さとする人もいるし、ノック溝までを矢の長さとする人もいます。このやり方は正式なものではないですが、個人的に使う分には全く問題はありません。

20140211(↑ イーストンのソフト)
ただ、いつもこのやり方を使っている人がメーカーなどが作ったアプリやサイトで計算する場合、アプリのロジックとは違う計測方法をしていることは知っておく必要があると思います。

皆さんはどちらの計算方法で使用しますか?


FIVICSのトップセーバー比較動画

FIVICSのトップセーバーの比較動画をアップしました。動画では、矢速への影響が少ないフェイス側のみのダンパー装着(動画左)と、ダンパーなしの場合(動画右)の振動の収まりの速度を比較しています。2つの動画を横に並べているので全画面表示でご覧になることをお勧めします。

商品は少量テスト入荷で入ってきており、あと1セット在庫有ります。


FUSE リアオフセットサイドアダプター

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Fuseから新作Vバーとして「リアオフセットサイドアダプター」が入荷しました。

従来からあるFuseのサイドアダプターは、センターブッシングに装着することを前提とした設計で、センタスタビライザーがクイックデタッチ式で取り付けられる仕様になっていました。(サイドスタビは通常のねじ込み式)

ただし角度調節は水平のみの1軸方向だけの稼働箇所でした。ダウン角を付けたいときはアダプター本体を斜めにせねばならずチョッと残念な見た目になるのは否めませんでした。

*参照 カーボンブレードサイドアダプター

一方で今回発売されたサイドアダプターは、従来のサイドアダプターとは使用目的が若干異なります。

昨年から発売されたHoytプロコンプ・エリートをはじめとする2014年モデルでは全てのターゲットモデル(ふりスタイルを除く)に装備された「リアブッシング」に用いる事を前提とした設計になっています。

*以下の写真は取り付けイメージです。

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リアブッシングに付属の5/16インチボルトで取り付けます。

この位置につける目的としては、センタースタビ側にかかる荷重バランスにおけるピッチコントロールを主な目的としています。

左右のローリングに対してのカウンター対策としては展開角度とウエイトの増減、ロッドの長さでチューニングを行います。

もちろん従来のサイドアダプターでも5/16インチのボルトさえ別に用意が出来れば写真のようにリアブッシングに装着しバランスチューニングを行う事は可能です。しかし、左右のみの展開しかできないため、見た目的にもスッキリせず残念な印象が有りました。

このため、より自由度の高い、そして見た目的にもスマートになる、上記のバランスチューニングを行うための上下左右の2軸方向で調節が出来るVバーが今回発売となりました。

では、逆にこのオフセットサイドアダプターを使ってセンターブッシングにつけるとどうなるか、です。

下の写真をご覧ください。

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*写真は付属の5/16インチボルトを使って取り付けましたが、本来は別にSAボルトを用意して取り付けてください。

ご覧のとおり、バッチリ使えます。写真のプロコンプ・エリートのハンドル幅にもギリギリマッチします。

ただ、1点だけご注意を。

ハンドルのフェイス面から撮影した下の写真をご覧ください。

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黄色の矢印で示した箇所のダウン角度調節ネジのアタマが残念なことにすっぽりと隠れてしまいます。

この点を承知の上でお使いいただけるなら問題は無いと思います。

*SAボルトはご自身でご用意くださいね。

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サイズです。

リアブッシングに取り付けるのであれば基本的にこのVバーのサイズを気にすることはありませんが、もしセンターブッシングにつけるのであれば上の写真のサイズをご参考にしてください。

ただ、上下左右の2軸方向で調整できるのはありがたいので、今後はセンタースタビライザー用クイックデタッチのSAボルトが付属したタイプも発売してもらいたいもんです。(←あくまでも個人的希望です)

それにしても、前々から個人的に思っているのはサイドスタビ側の装着方法はねじ込み式で、クイックデタッチ式にはならないのでしょうかね。。。この点がこの新製品の唯一の残念な部分と言えば部分でしょうね。

FUSE リアオフセットサイドアダプターはあちぇ屋CPおよび店舗で発売中です!


インドア ワールドカップ・ファイナル 2014 ベガス

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ワールドカップの最終戦がベガスで始まりました。コンパウンド(アンリミテッド)部門は47位までが満点の300点という大混戦。リカーブ部門は「インドアでも矢の太さより矢の修正力を優先する」派のフランジィーリが、極細のNano Xtremeで297点で一位です。

明日、決勝が行われます。


トップセーバーとCEX2000スタビライザー

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お客様が帰られたというので大久保店でテストを行ってきました。CEX2000の測定もまだだったので、4つのパターンで測定しました。

ケース1.テストボウ & HMC+
ケース2.テストボウ & CEX2000
ケース3.テストボウ & HMC+ & トップセーバー A(フェイス側)
ケース4.テストボウ & HMC+ & トップセーバーA & B(バック側)

の4つです。

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写真左側がAのフェイス側、右がBのバック側です。AとBはセットで販売されますが、どちらかのみの使用でも問題ありません。重さはAが5g(77gr)、Bが6g(92gr)です。

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一応こんな感じで結果を得られました。視覚化したグラフ見ても何もわからないんですけどね…。このデータの一つ一つの点を数字としてエクセルファイル(CSV)に書き出して評価をします。やり方はいつも通りです。

いつもと違う点は今回はリムにシールを貼る必要があったので、展示品ではなく、自分の私物のリムで評価をしました。サミック・エクストリームM44ポンドです。

hmc&cex2000
ノイズを処理したデータは下記のようになりました。HMC+は最初のショックが小さく、最も大きいのはCEX2000です。そのかわりにCEX2000はすぐに衝撃を吸収・減衰させますが、HMC+は振動が残ります。HMC+を100とした時の他の数字は下記の通りです。

テストボウ & HMC+ : 振動 100 振動時間 100
テストボウ & CEX2000 : 振動 84 振動時間 75
テストボウ & HMC+ & トップセーバー A(フェイス側) : 振動95 振動時間 80
テストボウ & HMC+ & トップセーバーA & B(バック側) : 振動 94 振動時間 76

また、リムにダンパーを付けた時の矢速についてですが、

リム単体 : 217.5fps
トップセーバー A : 216.7fps(0.4%・0.9fps減)
トップセーバーA & B : 215.9fps(0.7%・1.6fps減)

となりました。

以上の結果を踏まえて、トップセーバーを装着することで矢速が下がり、振動吸収性が向上することが確認できました。特性としては、Aのみを装着することで矢速の低下をわずかに抑えることができ、振動を5%減らすことができます。さらに、Bも装着することで、弓が安定するまでの時間を20%以上短くすることができますが、リムに計22gの重りが装着されるので、矢速は約1%低下します。

個人的にはAのみの装着で十分かなと思います。0.4%の矢速の減少はシューティングに大きな影響は与えないと思います。Bダンパーは重い割に大きな働きをしているようには思えませんでした。

トップセーバーは商品の特性を踏まえてご使用ください。


カラーグリップとカーボン・セーカータブ

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2月になりました。12月~1月に発表された2014年モデルが続々入ってくる時期です。

まず…1色ずつ順番に作っているのでしょうか。今度はホイットのカラーグリップの白と赤が入荷しました。入荷していないのはあと、紫だけですね。

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2007年から…7年も付き合いのあるFIVICSががんばってくれました。来週まで韓国・中国のメーカーは旧正月休みで、みんな休みなのですが、休み前に新商品の荷物を出してくれました。ありがとうございます。

入荷したのはカーボンプレートの軽量型セーカータブです。あと、リムと弦の間に貼るタイプのダンパーも入荷しましたが、これは圧倒的な振動吸収性能を発揮する反面、確実に矢速が落ちる商品なので、どの程度矢速を低下させるかテストしてから販売します。

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新しいカーボンタイプのセーカータブでは、ピンキーレスト(下の黒の方)が太くなっています。より安定して小指をかけることができます。

ウィン&ウィンから新しい2014年の価格表が発表されましたが、この円安ですので、予想通りのほぼ全商品の値上げです。逆に思ったよりも値上げ幅が小さくて安心したほどに。それに伴い2月中に価格調整がありますので、購入する商品が決まっている方はお早目に。


テルフォード 残りのブース

SONY DSC今回一番の目的はカーボンエクスプレス(CX)とのミーティングでした。技術担当(肩書きはプロスタッフマネージャー)のトラリス(Dietmar Trillus – 2007年世界選手権コンパウンド個人優勝、2008年ワールドカップコンパウンド個人優勝)と3時間近くミーティングでき、話すぎて、コーチングを担当している選手が決勝ラウンドに向けてのプラクティスを始める時間になり、終話しましたが良い関係が築けたかと思います。

途中、昨年のワールドカップを制したマーチン(DAMSBO Martin)も来てくれて、矢のセッティングについて語りました。

小ネタを2つ、CXのシャフトを使用しているマーチンは120grのポイントを使用しているそうです。それと、2007年のトラリス選手が世界選手権で優勝した時、プリントはNano XRでしたが、中身はNano Proのプロトタイプだったそうです。

さて、カーボンエクスプレスとの細かい話は結論までもう少し時間かかるので、また報告します。

残りのブースを一気に紹介します。

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まずは、Myboというメーカー。マーリンアーチェリーと中国のOEMメーカーのコラボブランドで、アクセサリーを中心に販売してきましたが、新しくハンドルを開発したそうです。ブースでは他社のハンドルの重さとの比較が掲示されており、マグネシウムを使用したRIOというハンドルは25インチ、23インチともに1,000gを切る軽量ハンドルです。

Mybo Archery
http://www.ilovemybo.com/index.html

SONY DSC付き合いが長い代理店からも見といたらといわれたので詳細に見てきましたが…写真の通り、クリッカープレートはまっすぐ付かず(少し下向き)、グリップも正しくハマっていません。無理やりねじ込んでいるだけです。話をしていて、中国に技術がないというより、気にならないんだろうなという印象です。確かにクリッカープレートがまっすぐ装着できなくても、点数には関係ないですけど…成長を見守ります。

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次はINFITECとカーテルのブース。これがブースの良いところだと思うのですが、カタログを見て取り扱わないと決めていた商品の実物を確認したら良さげでした。

このフレッチャーは、ねじ一つで2つのポジジョンをとれるというものですが、ねじ式のものは調整しているうちにねじがばかになってきて、固定が効かなくなり、最後には横のポジションでしか使用できなくなるものばかりですが、この新しいフレッチャーでは、ねじ固定の1点固定ではなく、ペグとねじの2点固定なり、斜めポジションの場合無段階調整ではなく、45度でしか固定できませんが、ねじとペグの2点固定なので、ねじがばかになって調整が効かなくなる心配がありません。今後の取扱いを考えています。

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CBEの新しいサイト、自分はこのメーカーのサイトを使用しています。好きなメーカーなのですが、価格が高いのが難点。ただ、スコープのほうはリーズナブルで品質も良いので、取扱いするか迷っています。

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ホイットがATAで発表したリカーブ用のステルスショット。コンパウンド用と同じ構造かと思いましたが、コンパウンドよりも細かい作りになっていました。あと1-2週間で入荷するそうです。
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ビー・スティンガー(Bee-Stinger)からもカラーウェイトとカラーダンパーが発表されました。ビー・スティンガーのウェイトはアルマイトではなく、ペイントです。まぁ、FIVICSと違い、ディスクウェイトで、アルマイトしても9割の部分は見えなかったりするので、低コストのペイントでもよいかと思います。入荷は3月の予定です。

SONY DSC最イーストンが新しく発表したアウトドア用品のラインアウトフィッターズ(OUTFITTERS)のバックパックとか。

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イギリスのメーカー(KG Archery)さんは、会っていきなり、我々のメーカーの作るリムはホイットやW&Wとは全く異次元の性能なんだぞと語り始め、なかなか面白い話をしてくれました。さすがアーチェリー発祥の地です。性能だけではなく、価格も異次元でしたので…あまり細かい話はしませんでしたが、性能はともかく、そして、競技用リカーブの世界での彼らのポジションもともかく、製造している伝統的なトラディショナルボウはなかなかの美しさでした。


製造工程のスライドショーです。

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以上、テルフォードのブースたちでした。例年のニーム(Nimes)に比べると、イギリスのメーカーさんたちが来ていて、初めてランチテックの社長とも話しできたし、会場は広く快適でした。Bee-Stinger/Gold Tipも来ているのは意外でした。反面、Flex ArcheryやKAYA(展示のみ)、Krossen、MKコリアなど来ていないメーカーも数多くあり、ミーティングができず残念でした。

紹介した商品、早く入荷できるよう働いていきます!!


ターゲットマット取り扱い開始

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お客様から要望があり、屋内でも使用できる小さなサイズのターゲットマットの販売を開始しました。60cmの正方形サイズです。上にダネージ的との比較を載せました。写真下は裏側です。畳ではありませんが、非常に畳に近い素材です。海外で一般的なストローターゲットマットと呼ばれるものです。厚みは5cm。

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何枚か重ねれば防矢ネットは必要ないかもしれませんが、通常は防矢ネットと合わせて使用します。その場合は、防矢ネットの寿命を延ばすためにも、この写真のようにターゲットマットから防矢ネットの間にスペースを空けて、さらに、防矢ネットは完全には固定しないでください。

商品として、しっかりと製造された畳よりも耐久性が高いわけではありません。畳を使うだけのスペースがあるのであれば、畳のほうがよいでしょう。練習スペースの関係で畳をターゲットマットとして使用できない方向けです。


テルフォード 1日目

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例年ニームで行われている展示会ですが、今年は世界インドア選手権がニームで行われる関係で、展示会はイギリスのテルフォードでの試合で行われることになりました。

テルフォードはロンドンから2時間ほど、今回は近いのバーミンガムという町に泊りましたが、ここからは35分ほどののどかな町です。

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会場の入り口には、初対面の地元イギリスメーカー・ランチテック(Launchtec)さんのブースが。

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社長さんには初めてお会いしました。素材技術のべラテンさんとは聞いていましたが、予想以上のベテランさんでした。いや…外国の方の声から年齢を推測するのは困難です。特に新商品はありません。現在弊社で在庫が切れているサイズをいくつかもらいましたので、帰国後在庫に復帰させます。

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次はウーカ(UUKHA)のブース。さっそく新しいリムVX1000を試射してみました。4月に発売が開始される予定です。UX100は素材のバランスをよくするために約8%ほどカーボン以外の繊維をブレンドしていましたが、UX100からの開発から4年、ついに完全にカーボン繊維だけで構成された”フル”カーボンリムの開発に成功しました。

UX100比で4%矢速が向上しています。実際の商品でスペックどおりの性能であれば、市場でもっと速いリムと同等、またはそれ以上の矢速となります。

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それを可能にしているのは、すべてカーボン素材から構成されることによって生まれた他のメーカーを圧倒するほどのリム全体の剛性です。これほど小さなリムチップのリムはこれまでなかったと思います。ラミネートリムでチップを小さくしようとすると、その部分に補強のカーボン素材が必要になり、結局リムチップは小さくできたけど、その分重くなって、意味あったのかとなることが多いです。ウーカのリムは全体が同じ高剛性のカーボン繊維素材でできていますので、そういった心配がなく、極限までリムチップを小さくしました。これ以上小さくするのは、リムの素材の性能の問題以前に、物理的に問題で無理ではないかと…。

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次には、極端に強調されたリカーブ。SK90クラスのまったく伸びない弦を使用できるリムで、これほどの強調されたリカーブを持ち、かつ、この軽さのリムはありません。これもカーボン繊維の剛性の賜物で、これまで強調されたリカーブを持つリムは、トラディショナルタイプで、伸びる弦(ダクロンなど)で使用する必要があるものか、ダイニーマに対応したものでは、衝撃にあえるためリムに厚みを必要としました。リカーブを深くすることで矢速はリムの安定性(後述)を得ることができますが、その分の伸びる弦やリムを重くする必要があったのでは、これまたプラマイゼロの世界になってしまい、そのバランスがメーカーの技術力ですし、その限界に挑戦しようとするから、エントリークラスのリムよりも、上位の競技用リムのほうが破損が多いのです。

このバランスでの設計もウーカの素材だからこそ、極限までリムを薄く、かつ、リムはラミネートリムのように長方形ではなく、台形(バック側からフェイス側にかけて広がっていく)で成型し、このリカーブを採用してもリムの耐久性にまったく問題が生じません。

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最後は、このリムの弦溝の長さが、このリムの性能を語っていると思います。黄色の部分がすべて弦溝になっていて、弦とリムが接触している(68インチです)のですが、W&Wやホイットなどの一般的なメーカーでは、この状態での使用はお勧めできません。おそらく、ハイトを6.5インチあたりに設定すると、これだけ長くリムと弦が接触するようになりますが、その状態での使用はラミネートリムでは破損の原因になります。プレース状態(引いていない状態)で弦とリムの接触の長さは、発射時に弦からのリムにダイレクトにもたらされる衝撃の量になります。通常のリムでは耐えられません。

試射し、リムの形状を確認した限り、100%フルカーボンという特質をフルに生かした設計になっています。非常に発売が楽しみです。ただ、問題は高性能な素材を使いすぎたため、値段は8万円を超え、弊社で販売するものの中では最も高いリムになります。5万円台で買えるお得な韓国製のINNO EX POWERなどと比べると、割高感は否めないので、量を販売することは無理でも、わかる人には使っていただきたいリムです。

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次にトップハット社。高性能で低価格のポイントの製造を得意とするメーカーで、昔から連絡は取っていましたが、取引は直接はしていません。代理店を通して購入しています。その商品のうちの、シャフトをカバーするポイントです。昔、同じタイプのもので精度が低く、シャフトを入れると、逆にカバーする部分がシャフトを削って、保護する以前にシャフトを破壊するという笑えないものがありましたが、この会社ならそんなことはないでしょう。

ここにはまだ書けませんが、既存のビジネスとは関係ないところで打ち合わせしてきました。

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これは、ガスプロのW&Wの黒・金ハンドルにぴったりな羽です。W&Wのブースで営業部長と話したら、ガスプロの人とは長い付き合いだそうで、協力関係にあるそうです。面白いコラボです。3月の入荷予定。

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ガスプロの新しいサイトピンです。フードを長くすることで、ピンに当たる光の量をコントロールし、また、ピンの破損を防ぐこともできるようです。アイデアは良いと思いますが、ファイバーが太いような…気が。

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こちらはインフィテックのコンパウンドレスト。低価格ながら、左右の調整、ブレードの角度の調整、プレートのテンションの調整。

 

SONY DSCまた、ブレードの取り付け位置が2つあり、ブレードを長く使うこともできます。ただ、なぜか、ここまでできて、エレベーション(上下)調節機能がありません。新興メーカーにありがちなちょっと残念な感じです。

いったんここまで。