新規代理店契約(契約したのだいぶ前…) CX(カーボンエクスプレス)

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(↑写真は2007年世界ターゲット選手権個人優勝のディトマ)

具体的には忘れましたが、3年くらい前からCXとは話をしてきました。実は大事なところがテスト結果待ちなのですが、お客様からの要望が多いので4月後半の予定でリカーブ用のシャフトX-TremeとSSTの販売開始を始めます。

さて、お客様には商品を理解して購入してほしいので、まずは決着のついていない話の方を先にします。リカーブシャフトは昨年からテストしているのですが、この問題は起きていません。コンパウンドの話です。

一般的にコンパウンドの矢はリカーブの矢よりもエネルギーを持ち、威力があります。日本では的に畳(Straw Target)を使うことが多いと思いますが、これを貫通することも多いです。それを防ぐために、一部の射場では防矢マットを使用していますが、これは問題ありません。しかし、防矢ネットがなく、貫通して後ろの脚に当たったりするとポイントが破損するケースがたまに起こります。

ナノ・プロでは非常に高弾性の46Tハイモジュラスカーボンを使ってシャフトを製造しています。公表はされていませんが、X10シリーズAは20Tのカーボンを使用しているといわれています。

この46Tカーボン素材は非常に硬く、そして、その特徴としてX10やACEのように使用しているとスパインが落ちてくる(シャフトごとのスパインさが生じる)ことがありません。そして、アルミとカーボンをすり合わせて組み合わせていないので、精度が高く、1ダースの中にはずれ矢がないのも特徴です。ここまで書くといい話ばかりなのですが、この46Tハイモジュラスカーボンにステンレスポイントを装着して、非常に硬いものに矢を当ててしまうとシャフトが、ステンレスのポイントを根本から折ってしまうのです。

まぁ…的を貫通して脚に当てて矢が壊れても、それはアーチャー問題とも言えますが、しかし、柔らかいカーボンを使用しているシャフトの場合、こんなことにはなりません(X10だと…逆にシャフトのほうにひびがはいりますが…)。せっかく、長く使えることを売りにしているのですから、シャフトだけではなく、あらゆるパーツが長く使えなければ意味がないでしょう。

最初にこの現象をメーカーに報告した時、返信は…日本の環境が悪い…というものでした。

正式に確認はしていませんが、メーカーいわく、畳(Straw Target)はWA(世界アーチェリー連盟)によって使用することは不適切とされており、世界選手権・ワールドカップなどの世界大会では、フォームターゲットの使用を義務付ける規則が存在するといわれました。

確かに…世界大会で藁の的にうっているのはフォームターゲットが一般的になった21世紀からは見てない気もしますが…しかし、問題の核心はそこではなく、日本の練習環境の問題では話が前進しないので、解決に向けて話し合いをしてきましたが、CX側の最終的な回答は、原因はシャフトの高弾力性能にあるが(また、X10よりも細いのも原因の一つかと)、ポイント側をそれに耐えられる性能があるものにするというものでした。

そして、A1工具鋼(ツールスチール)ポイントというものが開発され、CXではタングステンポイントもありますが、多くのトップアーチャーがこの高性能ポイント(タングステンよりは安い)を使用しています。詳細に聞いた話は最後に。

ということで、CXの本格的な取り扱いはこの工具鋼ポイントのテストが完了にしてからにしようと思っていましたが、お客様からの要望が多いので、現在テスト結果待ちの工具鋼ポイントとは関係がないリカーブ用のシャフトの販売をできるだけ早くに開始できるよう努力しています。

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CXのシャフトがイーストンのシャフトよりも評価されているポイントは、シャフトがそれぞれのスパインで個別に最適な設計がされていることです。そのため、標準設計がとらわれず、シャフトをより細く、軽く設計することができます。

その反面、評価されていないのは…イーストンのように全スパインで共通の部品を使用できないことで、まさに販売店泣かせです。

上は、XtremeシャフトはSSTシャフトに対応するバイターアウトノックのサイズ表ですが…X10なら1種類で済むところが、4種類も用意しなければいけないとか…まぁ、そういったところで販売開始の準備に手間取っているのが現状です…でも、いいシャフトなので頑張ります。

下記が、Nano Proを使用しているコンパウンドのトップアーチャーに聞いたセッティングです。

ディトマ・トリラス – Dietmar Trillus

・世界ターゲット選手権 2007年 コンパウンド個人優勝
・ワールドカップ 2008年 コンパウンド個人優勝

アウトドアセッティング

弓: PSE Dominator Max ME Cams 59ポンド
ドローレングス: 30インチ
シャフト: CX Nano-Pro 350
シャフトレングス: 28.5インチ
ノック: バイター ピンノック ハンター
ベイン: フレッチフレックス FFS-187
ポイント: 工具鋼 ポイント #3 110gr

インドアセッティング A

弓: PSE Dominator Max ME Cams 59ポンド
ドローレングス: 30インチ
シャフト: CX CXL Pro 350
シャフトレングス: 29インチ
ノック: CX ブッシング with CX Launchpad ノック
ベイン: フレッチフレックス FFS-360
ポイント: CX ピンポイント 180gr

インドアセッティング B

弓: PSE Dominator Max ME Cams 59ポンド
ドローレングス: 30インチ
シャフト: CX X-Buster 350
シャフトレングス: 29インチ
ノック: CX ブッシング with CX Launchpad ノック
ベイン: フレッチフレックス FFS-360
ポイント: CX ピンポイント 192gr

クリストファ・パーキンス – Christopher Perkins

・世界ターゲット選手権 2011年 コンパウンド個人優勝
・世界ユースターゲット選手権 2011年 コンパウンド個人優勝

アウトドアセッティング

弓: PSE Dominator Max ME Cams 57ポンド
ドローレングス: 29.75インチ
シャフト: CX Nano-Pro 400
シャフトレングス: 27.25インチ
ノック: バイター ピンノック ハンター
ベイン: フレッチフレックス FFS-187
ポイント: 工具鋼 ポイント #3 100gr

インドアセッティング

弓: PSE Dominator Max ME Cams 59.5ポンド
ドローレングス: 29.75インチ
シャフト: CX CXL Pro 350
シャフトレングス: 28.5インチ
ノック: CX ブッシング with CX Launchpad ノック
ベイン: フレッチフレックス FFS-360
ポイント: CX ピンポイント 180gr

マーティン・ダスボ – Martin Damsbo

・世界ターゲット選手権 2013年 コンパウンド団体優勝
・ワールドカップ 2013年 コンパウンド個人優勝

アウトドアセッティング
< 弓: Mathews Apex 8 59ポンド ドローレングス: 29.2インチ シャフト: CX Nano-Pro 450 シャフトレングス: 28.25インチ(ノック溝からシャフトエンドまで) ノック: バイター ピンノック ハンター ベイン: - ポイント: 工具鋼 ポイント 120gr インドアセッティング 弓: Mathews Apex 8 59ポンド ドローレングス: 30インチ シャフト: CX CXL Pro 350 シャフトレングス: 30インチ ノック: バイター ハンター 23-808ノック ベイン: - ポイント: ピンポイント 160gr


2つ、ちょっとした新商品

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今週の金曜日が祝日なので、新商品のいくつかは来週の月曜日の入荷になってしまいました。ちょっとしたもので入荷したのは、JVDのフィールドターゲットデザインの傘、それと、W&W限定カラーのネオンイエローのイノマックス(INNO MAX)ハンドルです。

それと、SFアーチェリーの2014年モデルのプレミアム+ハンドルが入荷しましたが、こちらのレビューは明日書きます。


【業界ニュース】やっぱりMartin Archeryが面白くなりそうです。

martin業界内のニュースで、当分はお客様には関係ないですが、2015年には何か起こるかもしれません。

先日「マーチン(Martin)アーチェリーが再生に向けて再スタート」という記事を書きましたが、先ほど挨拶があり、その最初にステップとして、PSEアーチェリーの営業部長(営業部門のバイスプレジデント)だったランス(Lance Irving)が、マーチンアーチェリーに移籍しました。

新生マーチンアーチェリーでわくわくするような商品の開発を主導するそうです。結果が商品として発表されるのは2015-2016年あたりになると思いますので、気長にご期待ください。


輸入代理店となったスコットからバックスピンが入荷しました。

SONY DSC入荷が遅れました。バックスピンは代理店経由で2月に入荷予定でしたが、ちょっとした縁でスコット(SCOTT)の一次代理店(輸入代理店)となり、代理店を通した注文を一度キャンセルして、メーカーに直接再発注したために入荷が遅れました。

SONY DSCテルフォードでエリートアーチェリーのプロアーチャー、レビモーガンと話しましたが、レビはスコットアーチェリーとも契約しており、バックスピンでも、彼のためのLM(レビモーガン)モデルが用意されています。

…ってか、レビ…俺(写真右)より身長が高く、腰の位置の差が身長差以上にあり、さらに顔が俺より小さいとは…ひどい。ひどすぎる。

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彼の大好きな緑/黒のバックスピンです。まぁ、そんな縁でブースにいたスコットの副社長と話して、メーカーと直接取引することとなりました。ついでに(?)系列のCBEにも口座を開いてくれたので、直接取引します。

バックスピンの詳細のレビューは間もなくコンパウンド担当の山田が別の記事といて書く予定です。


ロンドンオリンピックのDVDが入荷しました。

IMG_20140311_150823(1)やっと入荷しました! 世界アーチェリー連盟作製のロンドンオリンピックのDVDが入荷しました。英語版はPAL形式のため、PCでしか再生できないのでご注意ください。

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内容は50分間あり、日本チームの女子団体銅メダル、男子銀メダルの試合や、フランジィーリが最後に10点に決めて1点差で勝利した男子団体決勝などの試合が収録されています。


新しいベアのヒンジガードを搭載したアジェンダ6が入荷。

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ユニークな機能を搭載するベアアーチェリーを定期に仕入れて、レビューしています。

昨年の5月に2013年モデルのエンパイア(Empire)が入荷して以来、昨日、2014年新モデルのアジェンダ6(Agenda6)が入荷しました。

アジェンダ6のレビュー記事はこちらです。

レビューのために入荷した一台は即納モデルとして大久保店・コンパウンドオンラインショップで販売中です


ホイットのリカーブステルスショットの装着ガイド完成です。

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昨日から販売を開始したリカーブステルスショットの装着ガイドが完成したので、アップしました。当店で購入したお客様には印刷したものを同梱で発送しますので、そちらで確認していただければと思います。

過去の紹介記事はこちらです。


チューニングアプリで一緒に仕事した、ジェークがレビューしている動画がこちらです。

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ちなみに、重量は本体がペアで112gで、取り付けのためのねじ・ワッシャー類が31gです。センターロッド1本分の重さです。確実に振動が減り、矢速も向上するとのことですが、Vバーで重めのセッティングの方で装着する場合は、サイドのウェイトを取り外したりして、一度セッティングのほうを見直す必要があるかもしれません。

装着ガイドのPDF版のこちらです。

リカーブステルスショット装着ガイド_JPアーチェリー
https://archery.co.jp/manual/Recurve_Stealth_Shot_Stringstopper_Ion-X.pdf

ハンドルを加工すれば(上側のねじを切る)HPXでも使用できますが、保証対象外となりますので、作業されるときはご注意ください。加工しなくても、下側だけならHPXでも取り付きますが、以前の記事通り、上下のダンパーに順番に当たることで振動を吸収するので、下側だけで使用した時には、あまり良い感覚ではなくなると思います。コンパウンドでは下だけで使用しますが、コンパウンドの場合はリムは上下には振動しないからです(近年のモデルはリムはほぼ水平のため)。リカーブで下だけで使うことはお勧めできません。


コンパウンドはオリンピック競技になれるか

archery360
アーチェリービジネスの業界団体であるATAが運営する「Archery360」というサイトで面白い記事がありましたので紹介を。

題して、コンパウンドはオリンピック競技になれるかというものです。

この中で、これまでコンパウンドがオリンピック競技として選ばれなかった理由、世界アーチェリー連盟のTom Dielenさんが、オリンピック委員会にとって見たら「コンパウンドはリカーブとあまりにも似ていた」からだったと書いています。

実際にアーチェリーをやっている側からすると、リカーブとコンパウンドは全く違い、商品説明でお客様が混乱しないように、オンラインショップ自体も別々にしていますが、確かに見るだけの方からしたら、使っている道具が違うだけ、ハイテクシューズで100mを走る競技と、草履で100mを走る競技の差にしか見えないのかもしれないですね…それではどちらか一方で十分ですね。残念です。

ということで、昨年の世界アーチェリー連盟の総会で決議されたように、コンパウンドをオリンピック競技とするため、世界アーチェリー連盟では、コンパウンドとリカーブができるだけ違う競技に見えるよう、競技のフォーマットを制定しました。

コンパウンドは一般的にはリカーブよりも命中率が高いにもかかわらず、新しい競技フォーマットでは、リカーブが70mで、コンパウンドはより短い50mとされたのはこのためです。リカーブをフィジカルな要素が高い競技にし、コンパウンドをよりライフル競技のような照準し、安定して狙いを定めることに重点を置いた競技にすべく、WAは動いています。

的のサイズも変え、競技ルールもリカーブはセットポイント制、コンパウンドが点数制にし、世界アーチェリー連盟の総会などで、各国の連盟の理解を得ながら、コンパウンド競技とリカーブ競技の(素人にでもわかりやすい)競技の特質の差を大きくすることで、コンパウンド競技をオリンピック競技にするという戦略をとっているという話です。

こうやって競技のフォーマットが決まっているという裏側の話ですね。

Could Compound Archery Become an Olympic Sport?
http://www.archery360.com/2014/02/compound-archery-become-olympic-sport/


退職の挨拶 村田明日香

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こんにちは!
大宮店 店長の村田です。
みなさまにご報告がございます。

この度、私事でございますが一身上の都合により退職させて頂く事になりました。公私にわたり大変お世話になりました事厚くお礼申しあげます。

初めて埼玉へプロショップとして出店し多くの方に出会い、学び、経験ができました。月日があっという間で地元の方々、みなさまの支えにより出店し4年目を迎えています。

いたらぬ私ではございますが、これまでサポートをさせて頂き本当にありがとうございました。

2月28日(金)が最後の出勤となります。

今後の大宮店ですが新しく入りました仲本が店長として、しっかりサポート致します。

どうぞ宜しくお願い致します。

残りわずかですが一生懸命がんばります。

JPアーチェリー大宮店 店長 村田明日香

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2010年に前任の担当の産休に伴い入社し、4年間にわたって大宮店を営業してくれた村田が2月いっぱいで退職することとなりました。

本当にお世話になりました。写真は大宮店で受けている完成矢の注文票。4年間の営業で受注番号は951番(ダース)。約11000本も矢を作ったことになります。本当にお疲れ様でした。

今後ともJPアーチェリー大宮店をよろしくお願いします。

JPアーチェリー 代表 山口 諒