ついに、ターゲットをリアルタイムで映し出すモニターの設計・導入に成功しました。下記の記事のように、トップ選手が練習をする射場には大抵ありますが、バイターが導入しているようなシステムはおそらく非常に高価で、かつ、大量の電気を消費して、バッテリー駆動環境で運用するのは非常に困難です。
スマホにはバッテリーがあり、モニターがあり、カメラもあるわけですから、そこにレンズを望遠レンズを付ければ簡単に作れると考えて、上記の商品を購入しましたが…結論全く使えませんでした。問題は2つ。
1つ目はレンズのバランスが悪すぎて、きちんと固定してすること自体がまず困難です。また、固定されるものがすべてクリップ式なので、ネジ式のように強い力で固定できず映し出された的が揺れます。
と、などの問題があったのは、2021年のことなので、この記事を書くに当たり、現在ではどうなっているのか確認したところ、しっかりと固定が難しい重いレンズ側を三脚に固定するタイプの望遠レンズが発売されており、このタイプであれば、レンズ固定の問題の解決は期待できるかもしれません。
2つ目は、画面の角度の問題ですスマホでは、表示する画面はレンズと90度である必要があります。一方で、理想としてはカメラは的を正面からではなく、斜め下から撮影するほうが矢が刺さった場所がわかりやすく、確認するアーチャーにとっても、画面は地面に対して、水平になっているものより、環境によって調節できるモニターが理想的です。
また、このような商品もありますが、これは画面の上下しか角度が変わらないので、解決できる問題は限定的です。スコープ延長上に的がある必要があるのは変わらないので、スマホの場合は、弓が当たる可能性がない距離に置くと画面が遠くて小さくて見づらい、確認に支障がないほど近くに置くと、当たる心配が…という感じでした。
ということで、2021年時点では、構築に失敗しました。1だけで十分だと思っていたのが、射場でテストしてみると必要なのは、下記の4点すべてです。また、データを分析するためには5も必要です。
1.バッテリーで動く
2.モニター画面の向きが調節できる
3.アーチャーから安全な距離に置いても見える画面の大きさ
4.カメラ(レンズ)と画面の向きが固定されていない
5.表示と同時に録画もできる
アーチェリー場はほぼ完成したので、再度挑戦することにしました。以上の条件を満たすシステムで、できるだけ安く構築するため、今回はこちらのカメラを選択しました。10倍光学ズームレンズ付きのUSB接続カメラです。SONYのセンサを使用したELP製でアマゾンで9000円でした。
これをUSBの5m延長コードに繋いで、ノートパソコンでKinoveaに入力。このソフトでは、入力された動画のズームができるので、Kinoveaで必要な画角を最終的に調節して完了です。Webカメラなので、特にパソコンのパワーは必要なく、今回は長く使っていなかった10年前の低価格ノートパソコン(3805U 1.9GHz/15インチモニター)で問題なく動きました。バッテリーの方は10年前のものなので劣化もあると思いますが、それでも100%充電状態で、1時間動かしてバッテリー残が63%だったので、3時間程度が稼働します。1度の練習には十分かなと思います。
本日は100本練習。今後、問題・改良点がありましたら、また報告させていただきます。
山口 諒
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こんばんは。いつも最新の情報をアップしていただきありがとうございます。大変参考にさせて頂いています。ターゲットモニターカメラですが、Svbonyと言うメーカーからこんな商品が販売されていて、モバイルバッテリーを使用すれば1日持ちます。Wi-Fiなので、多少遅延はありますが、ターゲットの確認程度なら問題ないレベルだと感じます。試合でも、三脚にモニターをつければ、ターゲットの確認にスコープを覗き込まなくても出来るので、非常に便利です。参考までに。
https://www.svbony.jp/svbony-sv406p-field-scope-1#F9373A-F9355B
スペックでは非常に良い商品だと思います。情報ありがとうございます。実際の運用での注意点など追加で提供いただけたら幸いです。