
コメントに対する返信です。
月間アーチェリーの3月号に2022ナショナルチーム弓具一覧が掲載されていましたが、男子ではMKユーザー、女子ではFIVICSユーザーが増えて来てるのに対して、HOYTユーザーは男子に1人だけでした。
これは何が要因だと思いますか?
まず、個人的に、現在、韓国メーカーとアメリカのメーカーに技術差があるとは考えていません。それを前提に考えると、まずは、JOCエリートアカデミーなど、日本で活躍しているコーチの多くが韓国の方だということ。韓国のコーチは当然韓国のメーカーとコミュニケーションが取りやすいので、指導している選手は韓国メーカーの弓を使用することが多いです。
また、そうでなくても、WINやMK、FIVICSでは日本語を話せる職員・担当が在籍していて、特にMKは近年日本市場の開拓に熱心なように思います。対して、ホイットや中国メーカーはそういう人材を採用していません。
また、WINはエントリー向けブランドとしてKAPとWNSを展開していて、FIVICSはKROSSENを持っています。これらを最初に買ってアーチェリーを始めた選手の一定数はそのまま上位ブランドのWIN/FIVICSに移行します、韓国メーカーがこれらのブランドに力を入れ始めたのが、10年前くらいで、その効果が出始めているのではないかと思います。
あと、多くの選手が一般的に言われている矢尺と弓の長さの適切値よりも長い弓、例えば27.5インチの矢尺に対して70の弓といった大きな弓を使っているのですが、何かメリットがあるのでしょうか?


この話は前にも記事にしましたが、簡単にいえば、”適切な”弓の長さというものは、アーチャーの存在を一切考えておらず、単純にその引き尺なら、その弓のサイズが一番弓の効率性が高いですよという数値です。写真上は適切な弓の長さで、リムのチップが90度よりアーチャー側を向いています。一方で、写真下は、トップ中のトップの選手ですが、明らかに弓が大きすぎて、チップが的側に向いてしまっています。弓の効率性・性能の最大化よりも、鼻に弦がつくことを優先した選択だと聞いています。矢速よりもチェックポイントを増やすことがより高いパフォーマンスにつながると考えての選択です。

ナショナルチームにホイットが少ないのは、「他のメーカーは弓がタダでもらえる(ナショナルチーム経験者談)」からじゃないですかね?
MK、FIVICSユーザーは3年くらい前に一斉にWINから移っています。
共通点は関東の大学に進学していることで、学生時代に当時ナショナルチームメンバーだったクラウンの社長と知り合いになっていて、その時の関係から彼が会社を立ち上げたときに引き抜かれたんじゃないですかね?
みんな半分プロみたいなもんなので、条件のいい方を選ぶのは当然なことだと思います。
>ナショナルチームにホイットが少ないのは、「他のメーカーは弓がタダでもらえる(ナショナルチーム経験者談)」からじゃないですかね?
これはホイット含めほぼすべてのメーカーがやっている営業手法ですが、2022年現在の情報ではないですが、ホイットプロスタッフは英語での手続きが必要だったと思います。対して、韓国メーカーは日本語でできます。そこが一番の違いでしょうか。
>みんな半分プロみたいなもんなので、条件のいい方を選ぶのは当然なことだと思います。
これらの動きでお金が動いていることは確かですが、結局はそれらの道具を使って、ナチームが世界大会で実績を残せるかで、条件が良い方を選んだ結果、実績を残せなければ意味がないですから、見守っていきたいと思います。
ツイッターによると古川さんと杉本さんがサイトをSHIBUYAからAXCELに変更したようです。
特に古川さんはULTIMA RC PRO ダブルマウントモデルを気に入っていると発言していたのでビックリです。
どこが提供してるのか気になります。
ハンドルやリム以外の弓具にもシェア争いの波が来たということでしょうか?
>ツイッターによると古川さんと杉本さんがサイトをSHIBUYAからAXCELに変更したようです。
確認しました。インスタで写真を確認できます。
https://www.instagram.com/takaharu._.furukawa/
>特に古川さんはULTIMA RC PRO ダブルマウントモデルを気に入っていると発言していたのでビックリです。
もとの発言が確認できないので、この質問に関しては回答するのが難しいのですが、サイトはあくまでもアクセサリーです。弓で最も大事なのは、ハンドルとリムとスタビです。
カーボンハンドルMetaDXを使用していたときには、その弓では渋谷のサイトがベストな感覚だったのが、弓をアルミハンドルのATF-Xに変えたことで、相性のいいサイトが変わったというのが、可能性として高いのかなと思います。ハンドル、矢、リムを中心にしてセッティングを組み建てていく人はいても、サイトを中心にしてセッティングしているトップ選手はいないと思います。
>どこが提供してるのか気になります。
ちょっとわからないです。トップ選手でも買う人もいますし。
>ハンドルやリム以外の弓具にもシェア争いの波が来たということでしょうか?
タブ、サイト、スコープ、スタビ、すべてでアクセルを使用してWAの試合で優勝すれば、20万(1500ドル)くらいもらえます。
海外では、アーチェリーでトップになれば十分にプロとして賞金で生活できるという意味でも、各社賞金額を公開していますが、国内メーカー、韓国メーカーでも同じようなことはありますが、お国柄なのか、非公開での契約が多いです。
> ちょっとわからないです。トップ選手でも買う人もいますし。
直接AXCELが近大に提供しているみたいです。
https://www.instagram.com/p/CelQOOTP1qK/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
ミキハウス所属の杉本選手もいますから、仮に近大&近大OBOGのナショナルチームメンバー全員に配ったとしたら13人×2台=26台。JPさん価格でも軽く100万超えてますね。すごい太っ腹!
なぜ近大なのか?は謎ですが、案外渋谷にメテ・ガゾス選手を引き抜かれた仕返しだったりしてw
情報提供ありがとうございます!!
アメリカの法律には詳しくないですが、日本であれば、トップ選手への弓具提供は「開発費」「広告費(厳密には少し違う)」のどちらかで経費として処理できますので。サイトの業界は競合が非常に少ない、リカーブなら、トップでは渋谷・WIN・AXCELの3社くらいしかいないアーチェリーの中でもさらに狭い業界です。
サイトの質問をした者です。
色々と解説していただきありがとうございます。
個人的には日本の選手にはやっぱり日本のメーカーを使って戦って欲しいと思っています。
でも古川さんの様な世界的トップレベルの選手が貰えるからといって安易に変更するとは考えられないので、AXCELには私たちには分からないSHIBUYAにないアドバンテージがあって勝つために必要な判断だとしたら仕方がないこととも思っています。
SHIBUYAにはまた古川さんに使ってもらえるようなサイトの開発を期待したいです。
一般論として、サイトに限らず、この話は今度かしていますが、商品だけではなく、サポートも一つの判断基準です。
北京オリンピックのソニーカメラサービス
アーチェリーのサポートは記事にならないので、カメラの記事を載せておきます。アーチェリーも同じようなことがあります。なので、近年のスパイダーベインとかパラゴンシャフトとか、サポートがいらない商品(ベイン)、壊れたら変えれば良い商品(シャフト)はいい商品を作れば、すぐに世界に広まりますが、サポートが必要な商品は商品単体の性能だけでは、トップに使ってもらうことは難しいです。