記事を書くために久しぶりにフレックスフレッチ(Flex-Fletch)のポームページを見たら、なんと1月にロゴが変わっていました。ベインとボンドくらいしか仕入れていないので全然気が付きませんで…。
さて、前回の記事では日本の定価の不思議について書きました。それによってメーカーでの定価が1100円なのに、転売でもないのに、国内ので定価が1750円になってしまうのです。しかし、それはメーカーには(直接的には)関係のないことです。日本内での構造がどうあろうと、メーカーの卸価格は500円に変わりありません。メーカーにとっての収益に影響はしません。
逆に言えば、そこにビジネスチャンスがあるとも言えます。総合商社や日本メーカーがなくなったことで、既存のプロショップは、英語を覚えてメーカーとは直接取引するか、それなりのコストを払ってプロショップ間の取引に頼るかしかなくなりましたが、新しく、海外のメーカー側が日本語に対応するという選択肢が誕生します。主に韓国メーカーを中心として、メーカー側が日本語に対応することで、より利益を得るという流れが出来上がっていきます。
先の例で言えば、メーカーは500円で販売店に卸していたものを、プロショップ間取引で700円で流通しているなら、メーカー側で日本語に対応することで、そのオプションを望むプロショップには700円で販売することができるようになります。5万円のハンドルが7万円で売れるようになれば、月に20本も売れたら(40万円収益増)、新しく日本語対応スタッフを雇うのに十分です。メーカーが取引に使用する言語に日本語を追加することで利益を増やせるということです。
母国語で仕事できることに対して、これだけの追加コストを払おうとする国はあまり多くありません。日本以上に市場があるフランス語や、スペイン語、中国語では成り立たと個人的には思っています。日本だからかなと。
ただ、日本語でのサービスに追加費用を払うプロショップは年を追うごとに減っていっています。新しくできるプロショップの多くは独自でメーカーや専業の代理店と直接英語で取引しています。そこで、メーカーは国内において、直接お客様に販売をするという業態に移行していこうとしていたのが、コロナ前くらいまでの流れでした。
続く。
山口 諒
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