シャフトについての話その3。近年、リカーブでは優位が揺るがないものの、コンパウンドではイーストンは優位がほぼない状態、X10(X10プロツアー)は進化できず、競合メーカーと戦うためにコスパの良いプロコンプを出しては、これは良いシャフトですが、価格帯として自社のリッチなユーザー食ってしまっているような。。
今回のコンパウンド個人でメダルを獲得したアーチャーは、男子・女子合わせて6名ですが、イーストン2名、ブラック・イーグル2名、ゴールドチップ1名、カーボンエクスプレス1名という顔ぶれでした。
ただ、これは最近のことで、2000年前半はイーストンの独占状態でした。現行メーカーでイーストンに挑んだパイオニアがカーボンエクスプレスでした(以下、私の思い出を含みます)。私達もこのメーカーを応援し、自分も全日本選手権ではこのメーカーのシャフトを使いました(ベスト8どまりだった年)。
コンパウンド・リカーブでも世界大会でメダルを獲得するという実績を残し、代理店の弊社としても大いに期待していたのですが、そこから長い迷走が始まります。。。
同じシャフトであるにも関わらず、世界大会で実績を残した後で、イーストンと同じ価格で販売できると考え、同じ商品の卸価格を1万円以上引き上げてきたのです。X-tremeはACEとほぼ同じ価格で、X10と競合できる性能が売りだったのが、X10と同じ、時期によっては、X10よりも高くなってしまいます。
CX(カーボンエクスプレス)の戦略としては…(書いたけど自主規制しました)…それでいて、販売すればX10より儲かると考えたのかもしれませんが、長年、CXを応援してきたのは、その層のプロショップではありません。多くのトップ選手が使用していたように、影響力のあるプロショップが応援していました。
その結果…この値上げは失敗だったと思います。競争力のあるプロショップの多くが、彼らのビジネスを理解できませんでした。その後、CXは再度値下げをしますが、時既に遅しだったのでしょうか。有力メンバーの退職などもあり、2022年を迎えられるか、どうかのタイミングでターゲットビジネスから、ほぼ撤退するようです。
ポイント・ピンなどの供給は当分続くので、ユーザーの方はご安心ください。ただ、シャフトの供給は在庫限りとなります。
直近のワールドカップでも多くのトップアーチャーの支持を受けながら、ビジネスが終了するというのは非常に珍しいことだと思います。CXのシャフトの性能に関しては今でも評価しています。ただ、性能が求められる商品をコストを積み上げて売るのではなく、ラグジュアリーブランドのように、その価格で売れそうだから売るのでは、少なくとも私はあまり協力できません…悔やまれるメーカーでした。
いい商品があるのに、どこかで道を間違え。記憶ではドインカーに続き2社目です。ブローネルのように復活できればよいのですが。
山口 諒
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