日本ではボウハンティングは許可されていないので、私たちとしてはハンティング用のシャフトは販売したことがないのですが、たまたま、ハンティング用のシャフトの広告を見ていたら、ターゲットシャフトとは全く違う設計がされていることがわかり面白かったので、記事にしてみました。
この設計はBLOODSPORTという会社(競技用のシャフトは製造していないメーカー)のシャフトですが、シャフトのポイント側に特殊にシート*が巻き付けられています。
*特許によると特殊なテクスチュア
ボウハンティングの前提として、まず、アーチャーはバイタルエリアというもの(内臓など)を狙います(スモールゲームなどを除く)。その結果、矢は体を貫通するものの、即死することはほぼありません。獲物は完全に動きを停止するまで逃げるので、ハンターは獲物を追跡する必要があります。このあたりが日本ではボウハンティングが禁止されている理由の一つだと思うのですが、(イメージとして)銃器が獲物を殴ってその場で倒すのと違い、矢は貫通させて失血や窒息で倒すため、獲物はより長距離を移動するケースが多く、日本の平地が少ない環境では、獲物の回収の難易度が非常に高いのです(*)。
*「ボウハンティングは成功率が低い」という俗説はあまり正しくないと感じています。それは、日本国土地形を前提とした局地的なロジックでしかなく地球全体で同じことが言えるとは思いません。
さて、話を戻すと、このシャフトの前方のシートは貫通後に付着している血液・体液によって、状態が異なり、上から心臓・肺(そのあたにいる)、肝臓(3時間程度は生きている可能性がある)、胃や腸(6時間程度)、なにも付着していないとミスしたと分かるので、矢を回収した後に自分がどのように獲物を回収するかの判断ができるというユニークなものです。まぁ、加工がされていないシャフトでもある程度は付着しますし、熟練のハンターなら状況だけで判断できると思いますが、面白いアイデアです。
山口 諒
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