先日、コンパウンド弦の働きについてお客様より質問があり、コメントで回答しました。お客様に伝わったのかどうかはともかく、非常に下手なイラストで説明したのが心苦しく、新しい記事とちゃんとした写真で再度説明させていただきます。
*理解には中学校レベルの物理学の知識が必要です。
アメリカのドインカー(Doinker)が2016年ラインナップを発表しました。今回、こちらのメーカーはATAに不参加だったので、実際にはまだ商品を見れていません。実際の入荷はかなり後になりそうです。
スタビライザーのラインナップに大きな変更はありませんでした。弊社で取り扱いするものも2015年通りになると思います。
(写真上がドインカーの2015年ラインナップ、下が2016年のラインナップ)
大きな変化はVバーで、写真の上、これまでパワーグリップタイプのVバー/サイドブラケットはすべてカタログ落ちしました。弊社でも在庫がなくなり次第取扱いを終了します(ただ、代理店に在庫が残っていれば取り寄せできます)。Vバーの形は大きく変化していませんが、アジャストする部分の固定方式をすべてのタイプで一新して「コニクルボンド(Conicle Bond)」というテーパー型のロック機構に移行します。シリーズ名はプラチナムマウントから、マイティ(Mighty)マウントシリーズに変更されます。出荷日は確定していないそうです。決まり次第お知らせします。現行品がほしい方は早めに問い合わせください。
ただ、この固定方式がグリッパーに似すぎているという意見が出ています。本当に似ているのであれば、取り扱わない可能性があります。この判断は実物を見てからします。
また、もう一つの新商品は…ポリマープレートベースを使用した貼るタイプのダンパーです。同じ貼るタイプでも、リムセーバーのようにスタビライザーと同じく先端を振動させるタイプのダンパーではなく、ハッシュパック(Hushpuk)のように制振素材をハンドルやリムにぴったりと貼り付けて振動をとるタイプの、フレックスプレート(Flex Plate)というダンパーです。こちらはもう少し早く入荷しそうですが、ハッシュパックとの違いが気になるところです。
ドインカーは毎年発表から入荷まで…長いときで10か月くらい待ったこともあるメーカーなので、気長にお待ちください。
Doinker Archery 2016(PDF 23MB)
https://archery.co.jp/catalog/Doinker_2016_archery.pdf
発表してよいのかわからないので、詳しい数字は言いませんか、AAEから2015年のセールスはかつてない伸びだったというプレスリリースがありました。特に独自のコーン型ロックシステムを採用したグリッパーはこの1年間で世界中で使用されるようになりました。私も使っていますがかなり良い設計の商品だと思います。
2016年にはクイックデタッチが搭載されたモデルも新しく発表され(後で記事にします)、グリッパーファミリーはさらに拡大していく予定です。
順調なのは非常に良いことですが、ドインカー(Doinker)から2016年新商品として驚くべきものが発表されました。現行のVバー、マウントをすべて廃盤し、そこに「コニクルボンド(Conicle Bond)」というグリッパーとほぼ同じに見えるコーン型のロックシステムを搭載して、ラインナップが一新。今回、ドインカーはATA不参加だったので、実物は見ておらず、見てから記事にしようと思いましたが、クリッパーから早くも「パクってんじゃねーよ」という主張が出されました。
まだ、実物を見ていないので、私の意見は実物を見るまで保留しますが、尊敬すべきメーカーであると思っているドインカーが…このコククルボンドがグリッパーに似ているように見えるだけで本当は全く革新的なロック機能であることを祈るばかりです。
昨年の11月からフィールド競技の練習を始めましたが、自分も使用している現在弊社が取り扱っているビクセンの双眼鏡では、林の中で暗い状況では長距離での的中が困難な事がありました。50mターゲット競技では全く問題はなかったので、矢の刺さり角度(フィールドでは的がまっすぐなっているとは限らない)や明るさの問題です。
そこで再度相談して違う双眼鏡を探してきました。メーカーは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアなどアーチェリー業界に長くレンズを供給してきたニコンのものにしました。カタログを見せてもらったところ、最上位モデルは…20万円?!いやいやいや…。
まず決まっていたのは倍率、これは10倍で問題ないと判断しました。双眼鏡は手で持って使うので、高い倍率では手振れで逆に確認しにくくなりますし、フィールドでは10mという短い距離でも焦点が合うことが必要です。次に視界の確保と明るさを得るために対物レンズは現行のもの(25mm)よりも大きいものにすることに。上のサイズだと32mm/42mm/50mmといったカテゴリーがあり、2段階上の42mmを選択。
ここからは価格と性能の兼ね合いです。一番高い20万円のモデルは高過ぎですが、探している10×42サイズのノーブランド品なら、小売価格で4,000円くらいのものも見つかります。
その中で考えると、アーチェリーでは的中の場所の確認が目的であり、美しいものを見るわけではないので、例えばニコンの最上位モデルが持つEDガラスによる色収差補正機能は全く必要ではないでしょう。雨に降られても大丈夫な程度の防水は必要ですが、最上位モデルで保証される5mの水深に10分間浸かっていても内部光学系に影響のない防水設計も必要ないと思います。
一方で、的がまっすぐこちらに向いていないことや的とアーチャーの間に角度があることなどから、視野の歪みがあっては困ってしまいます。価格とアーチェリーで必要な性能・必要ない性能とのバランスで考えた結果、最終的にはニコンのアキュロン(Aculon)A211というモデルを取り扱うことにしました。
シンプル(*)で余計な機能がなく低価格(13,800円)で、かつ、レンズには非球面レンズを採用して視野の歪みをなくし、多層膜コーティングレンズで明るい視界を実現しています。最短焦点距離は5mなので、近距離の的中の確認もばっちりです。ターゲット競技であれば、これまでのビクセンのもので十分だと思いますが、フィールドでの使用も考えるのであれば、この新しい高性能モデルもぜひ検討してください。
*その一つ上のモデル、プロスタッフは8000円ほど高く、その特徴はボディにグラスファイバー入りポリカーボネイト樹脂を使用したことで20%程度軽くなっていること。
本日より、取り扱いを開始します。
また、在庫が少なくなった高性能ズームスコープの在庫が少なくなってきたので、先日再発注しましたが、請求番号が”20″になっていました。このモデルの最小注文数は50台なので次回入荷分のスコープを1つ販売すれば、累計販売台数が1000台になります。
*1台展示用。
フィールドスコープについては、地道にコツコツ(販売期間5年間)と販売してきたイメージですが、積み重なっていくとこんな数になるのですね。びっくりしています。
店舗限定企画です。今週末の1月17日(日)20:00までに大久保店に来店されたすべてのお客様に新しく発売されたディファレンシャルトレーニング的を1枚プレゼントします。
次回の来店時に感想を聞かせていただけたら幸いです。
昨年末に発表されたディファレンシャルトレーニング的が本日入荷しました。エイミングトレーニング用に開発された的です。
エイミングでの主なトラブルはエイムオフとターゲットパニックです。ターゲットパニックにも種類はありますが、簡単に言えば、的に対して黄色が狙えなくなるのがターゲットパニックで、黄色以外狙えないのがエイムオフトラブルです。
心理的なものですので、いずれに対しても確実な解決方法はないですが、解決策として別のストレス(*)下でのエイミングをする、いつもとは違う状況下で練習することがあげられます。
*心理学では「状況の変化=ストレス」とされています。結婚(ストレスレベル50)も個人的な成功(ストレスレベル28)も、長期休暇(ストレスレベル13)もストレスとされています。
The Holmes and Rahe Stress Scalehttps://www.mindtools.com/pages/article/newTCS_82.htm
違う状況として、これまで多く用いられてきたのは「的をはらない」ことですが、別の選択肢として、ディファレンシャルトレーニングという、いつもの的と違うが違い過ぎない的を使用する事で問題を修正する方法が考案されました。
こちらの的は光沢のある厚紙に印刷されているので、競技用のターゲットよりも耐久性には劣るかと思います。エイミングだけではなく、的に向けて実射もするのであれば、100-200射程度が限界だと思います。
まだ、トレーニング方法としてどれだけの効果があるのか評価が定まっていないですが、興味がある方はぜひお試しください。
オンライン → ディファレンシャルトレーニング的
店舗限定企画 → 【店舗限定~1/17】来店されたお客様全員にトレーニング的をプレゼント
以前にボーニング(Bohning)の2016年の新しいベインについて記事にしましたが、ATAのブースで新しいノックについての紹介を受けました。
Lサイズのノックですので基本的にはコンパウンド用です。スムーズリリースピンノック(Smooth release pin nock)の特徴は名前の通り、素早いリリースを実現するために、ノックの後方(ノックイアー=ノックの耳)を最小限まで短くすることで、弦からノックが離れるときのクリアランスの時間を短くしています。写真はバイターのピンノック(ハンター)との比較ですが、バイターの”耳”が4.5mmであるのに対して、このノックでは1.5mmしかない設計になっています。
この部分のクリアランスに問題を抱えているアーチャーは多くないと思いますが、ミスショットなどで弦がイレギュラーな動きをした時には、より確実なノックのクリアランスを得るためのアドバンテージになると思います。ただ、硬い素材を使用しているので、ノックの重さは軽くなく5グレイン。
ボーニングのノックは色が非常に多いので、全色は在庫できませんが、いくつかの色では在庫して取扱いしていく予定です。2月の末入荷予定です。
スコット(Scott)がATAでユニークなハンドルを持つリリーサー、ヘイロー(Halo)を発表しました。動作する機構は非常に一般的なバックテンションタイプのリリーサーで、新しい点はユニークなハンドルを持っていることです。
ブラスで製造アされたハンドルは一般的なとり掛けた指に対して直角にかかる部分だけではなく、サイドもカーブしており指にフィットするようになっています。テストしたモーガン選手によるとリリーサーの感覚がよりダイレクトになり、リリーサーの状態(*)を知覚しやすいそうです。
*位置と角度。リリース時にリリーサーはアーチャーから見えない位置にあるのでも、重さとハンドルの感覚でしか知覚できない
3本掛けの1モデルのみで、2月末の入荷予定です。姉妹メーカーのCBEからは新商品の発表はありませんでした(サイトの色が増えただけ)。
長年この仕事をやっているので、たいていの道具は見れば何に使うのかわかるのですが、新しく発表されたこのリリーサーは見ても使い方が理解できず、ブースでTRU担当に聞いたところ、モデル名のHTフィンガーレスの名前の通り、顎でリリースする選手向けのリリーサーだそうです。このL字のバーを顎で前に押してリリースします。
アームレスアーチャーとして有名なマット選手(Matt Stutzman)のために開発されたリリーサーですが、問い合わせが多いために製品化されたようです。ただし、通常のバックルストラップに装着された状態で販売されるので、彼のように使用するためにはご自身で体に装着するための機構を作っていく必要があります。
在庫の予定はないですが、取り扱いは可能です。問い合わせください。