先ほど、17時に成田に着きました。今日は一つだけ記事書いて退社します。飛行機内で睡眠はたくさんとりましたが、やっぱり21時間も飛行機乗っていると疲れますね。
今回のATAでは新しいリカーブの発表はなく、コンパウンドではマシューズとエリートとボウテックが新しい弓を発表しました。全くの新型を出したのがマシューズです。
2015年のノーカムシリーズで大きく売り上げを伸ばしたマシューズ(メーカーより弊社のマシューズの売り上げも2015年が過去最高だったと報告を受けました)ですが、TRG7は非常にスムーズで安定している弓ですが、それらの性能とのトレードオフで、重さと矢速と犠牲になっていました。
この新しいHalonX(ハロンX)では、過去のマシューズのハイスピードモデルに搭載されていたウェイテッドカムが復活しました。弓の重さはApex7(4.9ポンド)とほぼ同じ4.94ポンド(2,250g)で、矢速は330fpsとターゲットモデルの中ではかなり速い矢速を実現しました。75%/85%レットオフがあり、ドローレングスは26.5-30.5インチです。アクセル間は35インチで、ブレースハイトは7インチ。
会場で実射しましたが、かなり良い感じです。まさに、TRG7と真逆の設計で、矢速が速く、引きは後半だけがスムーズで、ブレースからの引きはじめで一気にピークに行く設計です。ストリングストップがついたので、弦の安定感が向上していますが、全体としてはApex7に近い感覚です。
Apex7と比較するとウェイテッドカムを生かすためにストリングストップはかなり下についています。ブッシングの位置も下に移されました。ハンドルの設計は今どきのデザインを踏襲したものになっています。
全体として、Apex7が好きだった方には気に入っていただける仕上がりになっているのではないでしょうか。価格はまだつけていませんが、お買い得な値段です。ただ、カラーが黒(グロッシーかマット色があります)と迷彩しかないので、その分は割り切る必要があります。
安定性重視 = TRG7
バランス・実績重視 = コンクエスト4
スピード重視 = Halon x
このモデルの登場でマシューズのライトなハイスピードモデルがない問題は解決されたと思います。
2月の後半から出荷が開始される予定です。
また、Missionラインでは大きな変更はなく、Hypeの成功を受けて、バリスティックにもハーモニックダンパーが標準で搭載されるようになり、モデル名はバリスティック2.0になりました。ただ、このモデルの設計自体がもともとハンティング寄りなので、Missionでは今年もHype DTがベストなのではないかと思います。
こちらは3月初めからの出荷のようです。以上、マシューズ(Mathews)でした。
Ryo
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こんばんわ。記事のなかで「ウェイテッドカムを生かすためにストリングストップはかなり下についています。」と有りますが、ストリングストップが下に付くと何故ウェイテッドカムがいかされるのですか?
一般的に、ウェイト(カムウェイトやスピードノックなど)はストリングストップからカムまでの間でしか効果的ではないと言われています。赤枠の部分です。ストリングストップからノックの間にウェイトを装着するセッティングはまず行いません。自分も試したことはないです。
次にこの距離(ノックからの距離)ですが、ノックから離れている(カムに近い)場合には弦にほぼタッチする設定、近い場合には間隔(1/16″ほど)をあける設定にすることが多いです。
ウェイテッドカムはストリングストップと同じ効果があり、弦に接します(カムなので当然ですが…)。効果を高めるためにはストリングストップを同じく弦に接する設定のほうが効果的で、そのためにはストリングストップを離れた位置にした方がよいです。
(これまでが一般論、ここからがメーカーの説明)
そして、この間に(ストリングストップとカム)ウェイトを集中させることで弦を安定させるというのがHalon-Xの設計です。この設計はマシューズでは伝統的なものです(写真左がウェイテッドカムのモンスター、右が普通のカムのモンスター)。
ただし、物理学として数式で説明してほしいという場合には、残念ならそれほどの知識がないです。申し訳ございません。
このハロンや、マシューズの他の2カム、Noカムモデルのケーブルはどうやって交換するのでしょうか。写真を見る限り、カムを外さないとできないように見えるのですが。
おっしゃる通り、ケーブルとカムをつなぐ部分は交換する場合にはカムを外す必要があると思います。
補足です。この弓については回答の通り、カムを外す必要がありますが、ノーカムでは必要ないです。
再度質問です。「一般的に、ウェイト(カムウェイトやスピードノックなど)はストリングストップからカムまでの間でしか効果的ではないと言われています。」
ここまでで、弦の下側にウェイトを付けるのは理解できます。物理的には解りませんが…。では、上側にウェイトを付ける意味は無いのでしょうか?上記の説明ではベア社の弓のように上下にストリングストップがないといけませんよね?
>物理的には解りませんが…。
実際のシミュレーションで使用するモデル(数式)は分かりませんが、イメージとしては説明できるかと思います。モデルにはベースとして角運動(角運動量保存則)を使うようです。カム(*)を軸として、弦をノッキングポイントまでの回転運動として、つまり弦を半分に割って、上下で別々の回転運動として、(スピードノックのような)質量点と回転軸までの距離を使って解析します。
*ただし、カム(ノーカムのような)が円でない限り、回転軸が自体も運動中に移動する。
下手なお絵かきで申し訳ございませんが、弦が剛体であれば赤のラインとして回転運動を行いますが、ご存知のように弦は引っ張る方向であれば剛体として見なせますが、回転の方向に対しては柔らかいです。ひもを手で持って振り回しても、ひもはまっすぐピンと張って回転はしてくれません。ひょろひょろで回転すると思います。しかし、その先におもりをつける(このモデルではそれがスピードノックであったり、矢の質量である)て回転させるとある程度にはピンとなりますが、それでもまっすぐとは行かず、グレーのようになったり、緑のようになったり(*)するでしょう。(シャフトの重量は一定なので)そのコントロールにスピードノックを使用するわけです。
*この図はただのイメージです。実際はもっと複雑です。
ただ、それを数式で記述するとかなり難しいので、普通アーチャーはいろいろな位置を試して、実践的にその位置を見つけます。
>では、上側にウェイトを付ける意味は無いのでしょうか?
私の説明不足です。このモデルを前提として考えていたので、下の回転運動のみ説明してしまいました。
「一般的に、ウェイト(カムウェイトやスピードノックなど)はストリングストップからカムまでの間でしか効果的ではないと言われています。」
というのは
下カムから下のストリングストップの間ということです。
補足としては、ベアであれば、上カムから上のストリングストップでも有効ですし、ストリングストップがなくとも、カムシンクロのためには、上下カムが同じ回転モーメントを持つ必要があるので、ストリングの上にも同じように装着することには意味があります。