現在、別の視点からトルク低減を目指したデュアルスライドケーブルスライダーなるものをテストしています。メーカー側でもテスト中で、自分がもらった試作品はケーブルがジャンパアップする(溝から外れる)場合があるので、少しデザインを変更してから正式に発売されるようです。
トルク低減というと、2011年に登場したCPRシステムをきっかけに、弓のバック方向でケーブルガードを可動させることでトルクの低減を目指す流れがずっと続いてきました。メーカーごとにいろいろな工夫がされ、現在ターゲットモデルにはほぼ搭載されるようになりました。
この新しいケーブルガードシステムでは、別の視点、弓のサイド面でゲーブルを可動させることで、より一層のトルクの低減を目指します。たとえば、エリートのエナジー35は上下のカムが同じ型をしていて同期して働きます。なので、当然ケーブルも左右対称のX型に交わっています。ただし、ケーブルガードはその左右対称に交わるポイントには設けられておらず、その少し上に設定されています。なので、2つのケーブルの間には距離があり、通常ケーブルスライダーはこの距離を考慮して作られています。
しかし、この距離は一定ではありません。フルドロー時に二つのケーブルは近づくので、当然この距離も近づきます。固定式のケーブルスライドではケーブル同士の距離は一定に設計されているので、この距離の変化に対応できず、そのストレスがトルクを作り出します。
この新しいケーブルスライダーはデュアルスライド機構を搭載することで、ドローイング時にケーブルがスライドするだけではなく、ケーブルの相対関係の変化にも対応し、これによってより一層のトルク低減が実現できます。
面白い発想だと思います。現在テスト中です。
Ryo
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