新しいウィンのリムWIAWIS Nano Oneリムのテストに向けて、どの観点からテストするか検討するためのプレテストを行いました。まず、このリムのウィン内での位置づけを考えると、(実売)価格はINNO EX POWERより若干高い程度で、市場出ているリムではクアトロリムより少し安いくらいです。現在、弊社では最も優れているリムがクアトロ、それよりも、約2万円安いのに劣らない性能を持つINNO EX POWER/PRIMEが最もコストパフォーマンスの高いリムとして販売していますが、Nano Oneをテストをする意味は、この軸の中で、このリムをどこに置くのかということです。
本格的なテストは今後行う予定で、2月後半を予定しています。その理由は、リムの性能は当然価格とセットで評価されるべきで、このリムは先月弊社に入荷しました。一部大手代理店にも入荷しているようですが、入荷していない店もまだあり、価格が今後、多少調整されると予想しています。リムのテスト後に評価を出すにあたり、価格が落ちつくのを待ちたいと思います。
今回はプレテストを簡単に行いました。発表当時、新しく採用された素材は高弾性素材ではなく、天然繊維を使用した振動吸収をメインとした素材であること、新しいリムではリム全体に均一に負荷がかかるよう設計されていて、旧来の矢速を重視した、フォーカスなどに採用された設計からの移行、マーケットで最も競合するクアトロとの比較で、劣っていたのは矢速ではなく安定性だったという3つの要因から、入荷前からこのリムは矢速を追わず安定性を追求したリムであると判断しました。
まずは、矢速(初速)をテストしました。評価対象はベラシティとWIAWIS Nano ONE(フォーム)は新品ですが、INNO EX POWERは1年以上使用されたものです。結果は下記の通りです。最高値と最低値は削除。
INNO EX POWER 203.9fps バラつき 0.5fps
203,5fps / 204,0fps / 204,0fps / 203,9fps
WIAWIS Nano ONE 201.8fps(-2.1fps) バラつき 0.4fps
201,9fps / 201,9fps / 201,8fps / 201,5fps
Veracity 203.4fps(-0.5fps) バラつき 0.3fps
203,5fps / 203,4fps / 203,2fps / 203,4fps
テスト環境:GMXハンドル、ハイト9インチ、X10 550 110gr 28インチ、設定42.1ポンド、シューターによる実射テスト
INNO EX POWERとWIAWIS Nano ONEとの比較では、2.1fps、約1%ほどINNO EX POWERと比べて遅いということが確認できます。ただ、発射後の音から判断しても確実にINNO EX POWERより静かで、表現としては、引きが硬いクアトロリム、または、大人しいINNO EX POWERといった感じです。
1月末に行われたワールドカップインドア・ステージ3では、男子リカーブベスト4の4名が、プロディジー/クアトロとWIAWIS Nano MAX/WIAWIS Nano ONEという2つのセッティングに見事われました。女子はまだ矢速が早いINNO EX POWERを使用している選手が多かったようですが、ウィンのリムを使用している男子選手はNano ONEに移行していっている印象です。アウトドアシーズンが始まってもこの傾向が続くのか見ものです。

山口 諒

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